
「2026年は、家を売るのに向いている年なのでしょうか。」
不動産価格が上がり続けてきたなか、東京のマンション市場では、これまでのような勢いが落ち着きつつあります。日本銀行の利上げで住宅ローン金利も上昇傾向にあり、今のうちに売却すべきか迷う方も多いでしょう。
不動産の売り時は、市場の動きはもちろん、金利や築年数、そしてご自身のライフプランまで含めて考える必要があります。本記事では、2026年の不動産市場を踏まえながら、売却のタイミングや判断ポイントをわかりやすく解説します。
売却のタイミングに迷ったときは、市況だけでなく、ご自身の予定や物件の状況を整理することが大切です。いつ動くべきか悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
| この記事でわかること |
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2026年は不動産売却に適したタイミング?

2026年は、マンションの成約価格が高止まりしている一方で、金利上昇によって買主の購入予算は伸びにくくなっています。重要なのは「価格が高く売れるか」ではなく、「査定額で実際にどれほど需要があるか」です。
まずは、価格と金利の両面から2026年の売り時を考えていきます。
市況はマンションを中心に高い水準が続いている
2026年も、マンション価格は高い水準にあります。東日本レインズのデータを整理すると、次のとおりです。
| 指標 | 2026年3月の数値 |
|---|---|
| 平均成約価格 | 5,521万円(前年同月比11.6%上昇) |
| 成約㎡単価 | 86.34万円(前年同月比9.3%上昇) |
| 成約件数 | 5,001件(前年同月比0.2%増加) |
| 在庫件数 | 44,728件(前年同月比1.8%増加) |
(出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報Market Watch サマリーレポート2026年3月度」)
実際の成約データを見ると、首都圏中古マンションの平均成約価格は5,521万円で、前年同月比11.6%上昇しました。成約㎡単価も86.34万円と、71か月連続で前年同月を上回っています。
一方、成約件数は前年同月比0.2%増とほぼ横ばいで、在庫件数は8か月ぶりに増加へ転じました。高い価格で取引されているものの、売り出される物件も増え始めており、今後は物件同士の競争が強まることも考えられます。
金利1%時代は修繕積立金の値上げにも注意
2026年はマンション価格が高い一方、金利や維持費の上昇で、買主は毎月の支払額に敏感になっています。ご自身のマンションでも修繕積立金の値上げが検討されているなら、売却時期に大きく影響を与える話です。
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」では、管理費と修繕積立金の合計は月平均24,557円です。
- 管理費:11,503円(資料25ページ)
- 修繕積立金:13,054円(資料26ページ)
買主もこうした相場をインターネットで調べるため、近隣物件より月2万円高ければ、それだけで候補から外されることがあります。10年間では240万円もの差になるからです。
値上げが正式に決まれば、売却時には買主への説明が必須になります。こうした細かな流れを把握しておかないと、売りやすい時期を逃してしまいかねません。
売却を迷っているなら、値上げの話が具体化する前に、現在の価格と値上げ後の負担を比較し、売却時期を検討しておくことが大切です。また、周辺物件の成約価格だけでなく、自分のマンションと競合物件の管理費・修繕積立金も比較し、売り時を見極めましょう。
【結論】2026年の売り時は査定を受けて判断する
2026年は、価格と金利が反対方向に動いています。そのため、「価格がもっと上がるまで待つ」「金利が落ち着くまで待つ」と簡単に決めるのは難しい状況です。
売り時を判断するには、次の3点を確認する必要があります。
- 現在の査定価格
- 住宅ローン残高と売却後の手残り
- 築年数や今後の生活予定
同じマンションでも、階数や向きによって査定価格が数百万円変わることがあります。戸建ての場合も、土地の形や接道状況、建物の状態によって評価は異なります。
まずは査定を受け、今売った場合にいくら手元に残るのかを確認しましょう。具体的な金額がわからないままでは、売る場合と待つ場合を現実的に比較できないからです。
不動産売却のタイミングを決める6つの基準

ここからは、市況や金利といった話ではなく、ご自身の物件に当てはめて考えられる6つの基準を紹介します。
当てはまる項目が多いほど、売却に向いているタイミングだとお考えください。
基準1. 不動産価格が高いとき
近年、不動産価格は上昇傾向が続いてきましたが、2026年はその勢いが落ち着きつつあるため、周辺の成約価格が高い水準を保っているうちに売却を検討するのも一案です。
ここで注意したいのは、ポータルサイトに出ている「売り出し価格」と、実際に取引される「成約価格」は別物だということ。
売り出し価格は強気に設定されていることが多く、そのまま鵜呑みにすると、査定額とのギャップに驚くことになりかねません。
近隣の成約事例は、国土交通省の不動産情報ライブラリや、後述するレインズ・マーケット・インフォメーションで調べることができます。
【参考記事:売り出し価格と成約価格の違い|マンション市場で広がる価格差の理由】
基準2. 住宅ローン金利が大きく上がる前
日本銀行は2026年6月に金利を引き上げ、次回は9月17日・18日の金融政策会合で今後の方針を決定します。円安や物価上昇が続いていることから、再び利上げに踏み切る可能性も報じられています。
金利が上がれば、これまで4,000万円を検討していた人が、予算を3,800万円に下げるケースも考えられるでしょう。こうした買主が増えれば、売却価格を押し下げる要因になります。
今後の金利がどう動くかは、まだわかりませんが、少なくとも金利が大きく下がる材料は現時点では乏しい状況です。
売却を考えているなら、次の利上げ前に査定を受けて準備しておくのも一つの方法です。
基準3. 築年数による価格低下が進む前
不動産は、築年数が古くなるほど売却価格は下がりやすくなりますが、マンションと戸建てでは、売却時期を考えるポイントが異なります。
| 種別 | 価格の傾向 | 売却前のポイント |
|---|---|---|
| マンション |
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| 戸建て |
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| 土地 |
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基準4. 所有期間が5年を超えたとき
不動産を売って利益(譲渡所得)が出た場合、その利益にかかる税率は所有期間によって大きく変わります。
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら「短期譲渡所得」で税率39.63%、5年を超えていれば「長期譲渡所得」で税率20.315%です。同じ利益が出ても、税率がほぼ倍違うということです。
売却日から単純に5年を数えるわけではなく、「売却した年の1月1日時点」で判定される点は見落としやすいので、あと数か月で5年を超えるという場合は、急いで売る前に一度日付を確認することをおすすめします。
【参考記事:売却時の「所有期間」は1月1日で決まる?知らないと損する不動産譲渡所得の基本】
基準5. 税金の特例を利用できるとき
税金の特例は複数あり、併用できるものとできないものがあります。代表的なものを整理します。
| 特例 | 主な内容 | 期限・注意点 |
|---|---|---|
| マイホームの3,000万円特別控除 | 譲渡所得から最高3,000万円を控除 | 所有期間は不問。親子や夫婦への売却は対象外 |
| 所有期間10年超の軽減税率 | 6,000万円以下の部分は税率14.21% | 3,000万円特別控除と併用できる |
| 相続空き家の3,000万円特別控除 | 最高3,000万円を控除※ | 相続から約3年以内が目安。2027年末まで |
| 相続税の取得費加算 | 相続税の一部を取得費に加算 | 相続から約3年10か月以内。空き家特例と併用不可 |
※相続人が3人以上の場合は、1人あたり最高2,000万円です。
(出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
※検索により制度内容・期限を確認済みです(2026年9月時点)。適用の可否は個別の事情によって変わるため、実際の申告時には税理士または税務署への確認をおすすめします。
基準6. 住み替えや相続などの事情が発生したとき
転勤や子どもの進学、離婚、親との同居、相続など、生活の変化も売却を考えるタイミングです。特に1〜3月は、進学や転勤を控えた買主が動きやすいため、この時期を狙っている場合は前年の秋ごろから準備を始めましょう。
市況がよくなるタイミングを待っていても、固定資産税や管理費、修繕費などの負担は続きます。住み替えの時期や空き家の管理負担も踏まえ、生活上の期限を優先して判断しましょう。
売却のタイミングは、一つの条件だけで決めるものではありません。どの基準を優先すべきか迷っている方は、現在の状況を整理するところからお気軽にご相談ください。
不動産を売らない方がよい5つのケース

ここまでは「売った方がよいタイミング」を中心にお伝えしてきましたが、逆に、急いで売らない方がよいケースも存在します。
| 今すぐ売却を検討したい人 | 待つ選択肢がある人 |
|---|---|
| 周辺の成約価格が上昇している | 所有期間5年超まで残りわずか |
| 維持費や住宅ローン負担が重い | 売却価格よりローン残高が多い |
| 空き家の管理が負担になっている | 再開発など価格上昇の具体的な材料がある |
| 大規模修繕や高額修繕が近い | 急いで売る必要がない |
| 住み替え時期が決まっている | 売却後の住まいが決まっていない |
| 価格が高いうちに利益を確定したい | 税制上の節目が近い |
あくまで目安であり、複数の項目を組み合わせて判断するものです。迷う場合は、査定価格・手残り額・売却にかかる期間の3点を確認してから考えてみてもよいでしょう。
1. 住宅ローン残高が売却価格を上回るとき
いわゆるオーバーローンの状態です。仲介手数料や抵当権抹消費用も含めて完済できるか、事前に確認しましょう。
自己資金で不足額を補えない場合は、通常の売却が難しく、金融機関や任意売却を扱う専門家への相談が必要です。
2. 所有期間が5年を超える直前のとき
前述の通り、税率が大きく変わる分岐点です。所有期間は売却した日ではなく、売却した年の1月1日時点で判断されます。
あと少し待てば長期譲渡所得になる場合は、売却を急ぐ前に日付と税額を確認しましょう。
3. 相場より安く売らなければならないとき
離婚や相続などで売却期限が短いと、値下げ交渉を受けやすくなります。売却期間が短いほど、条件を比較する余裕もなくなってしまいます。
可能な範囲で準備期間を確保し、複数社の査定を比較することをおすすめします。
4. 売却後の住まいが決まっていないとき
「売り先行」にするか「買い先行」にするかで、必要な資金計画がまったく変わります。特に住宅ローンが残っている場合は、売却代金を新居の購入資金に充てやすい「売り先行」が一般的です。
ただし、仮住まいや引っ越しが増えることもあるため、次の住まいや入居時期を整理したうえで売却を進めましょう。
5. 近隣・隣人トラブルが未解決のとき
境界や騒音などのトラブルを抱えたまま売り出すと、契約後に説明不足を問われる可能性があります。
売却前に解決するか、すぐに解決できない場合は、発生時期や相手とのやり取りを時系列で正確に整理しておくことが望ましいです。
売却を成功させるための準備

売り時を逃さないために、売却前に次の4点を確認しておきましょう。
- 周辺の成約価格:売り出し価格ではなく、類似物件が実際に売れた価格を調べます。
- 売却後の手残り:売却価格から住宅ローン残高や仲介手数料、税金などを差し引いて計算します。
- 売却スケジュール:査定から引き渡しまでは、3〜6か月程度が目安です。希望時期から逆算して準備を始めます。
- 不動産会社の実績:複数社へ査定を依頼し、査定額の根拠や類似物件の販売実績を比較します。
売却が長引く原因として多いのは、相場より高い価格設定です。
問い合わせが少ない場合は、価格や販売方法、不動産会社の対応を見直しましょう。売却を急ぐ事情があるなら、仲介ではなく買取へ切り替える方法もあります。
また、住宅ローンが残っていても、売却代金などで完済できれば売却は可能です。
まとめ
2026年は、マンション価格が高い水準にある一方で、金利1%時代という向かい風も同時に吹いている年です。市況だけで今が売り時と決めたり、金利低下を待てば安心と考えたりするのは早計だと感じます。
大切なのは、価格・築年数・所有期間・税金・生活上の予定という複数の基準を、ご自身の物件に当てはめて確認することです。そして、その判断材料の多くは、実際に査定を受けてみないと見えてきません。
2026年がご自身の不動産にとって売り時かどうか、まずは現在の査定価格を確認し、住宅ローン残高や売却費用と照らし合わせてみませんか。
「まだ売るか決めていない」という段階でも、査定だけのご相談は可能です。お気軽にお問い合わせください。





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