
「深夜に何人もの人が出入りしているようだ」
賃貸管理をしていると、他の入居者からそんな報告を受けて、事実確認に動くことがあります。
契約したのは一人なのに、実際に住んでいるのは別人、しかも複数人。これは「無断転貸(又貸し)」と呼ばれるトラブルで、外国人向け賃貸では特に発生しやすいと言われています。
放置すると、最悪の場合は物件そのものの資産価値を下げてしまうこともあります。
本記事では、無断転貸が起きる背景から、具体的な見抜き方、発覚した後の対応、そして契約段階での予防策まで、オーナーが今すぐ使える形でまとめました。
外国人入居者の受け入れや、無断転貸をはじめとした賃貸トラブルにお悩みのオーナー様は、ルーム・スタイルまでご相談ください。現在の管理状況を確認し、物件に合った対策をご提案します。
| この記事でわかること |
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目次
- なぜ外国人向け賃貸で無断転貸が起きやすいのか
- 「転貸」に対する認識のずれ
- 母国では口約束で部屋を借りることもある
- 無断転貸を見抜く8つのサイン
- 1. 郵便受け・宅配ボックスの名前が入居者と一致しない
- 2. 水道・電気の使用量が世帯人数に対して不自然に多い
- 3. 近隣住民から生活音などの苦情が入る
- 4. 民泊予約サイトに物件写真が掲載されている
- 5. 契約者本人と連絡がつかず、別人が対応する
- 6. 駐輪場の利用者が想定人数を超えている
- 7. 玄関付近にキーボックスが置かれている
- 8. 管理会社への問い合わせ・クレーム件数の急増
- 発見したらまず何をすべきか
- STEP1:契約書・重要事項説明書で禁止条項を確認する
- STEP2:無断転貸の証拠を集める
- STEP3:管理会社・弁護士と連携して対応方針を決める
- 注意|無断転貸を知ったまま家賃を受け取り続けない
- 【法的根拠】無断転貸は何に違反するのか
- 例外的に解除が認められないケースもある
- 法人契約における経営者交代は「転貸」に当たらない
- 無断転貸によって起こりうる問題
- 契約段階でできる5つの予防策
- 入居審査での本人確認・緊急連絡先の複数取得
- 職業・収入を一定の基準で確認する
- 契約書への転貸禁止・違約金条項の明記
- 定期的な訪問・使用状況確認のルール化
- 信頼できる管理会社・保証会社の選定基準
- よくある質問
- Q. 同居人を届け出ずに増やすのは契約違反になりますか?
- Q. 外国人であることを理由に入居を断るのは問題ありませんか?
- Q. 転借人から家賃を受け取ってしまった場合、もう解除はできませんか?
- Q. 無断転貸が発覚すれば、必ず即座に退去させられますか?
- Q. 在留カードを確認しておけば、無断転貸のリスクはなくなりますか?
- まとめ
なぜ外国人向け賃貸で無断転貸が起きやすいのか

無断転貸自体は日本人・外国人を問わず発生するトラブルですが、外国人向け賃貸では起きやすくなる構造的な要因があると言われています。
「転貸」に対する認識のずれ
日本の賃貸契約では、契約者本人だけでなく、すべての同居人をあらかじめ届け出ます。貸主に無断で、他の人へ部屋を貸すことはできません。
こうした決まりは、日本で暮らす多くの人にとって当たり前のものです。「借りた部屋に、契約者以外の人を勝手に住まわせてはいけない」という感覚も、広く根付いています。
しかし、国や地域が変われば、住宅の構造や住まい方、賃貸契約に対する考え方も異なります。親族や友人との同居が一般的だったり、借りた部屋に知人を住まわせることへの抵抗が日本ほど強くなかったりする場合もあります。
たとえば、「退去するときは、部屋をきれいにしてください」と伝えたケースです。入居者はその言葉どおり、バケツで床に水をまき、室内を水浸しにしてしまいました。
入居者にとっては、水をたくさん使って床を洗うことが「きれいにする」という感覚だったのでしょう。決して、部屋を傷めようとしたわけではありません。
これも、住文化や感覚の違いから起きるトラブルです。「きれいにしてください」だけでは、こちらの意図が正しく伝わらないことがあります。
こうした認識のずれは、重要事項説明書や契約書を渡すだけでは防げません。
誰が住めるのか、友人を住まわせてもよいのか。雑巾で水拭きする、床に直接水をまかないなど、やってよいことと悪いことを入居前に具体的に伝えなくてはなりません。
母国では口約束で部屋を借りることもある
日本では、賃貸借契約を書面で交わします。家賃や契約期間はもちろん、同居人や又貸しの禁止についても細かく決められています。
しかし、一部の国や地域では、書面を交わさず、個人同士の口約束で部屋を貸し借りすることもあります。公的な手続きを通さず、親族や知人との信頼関係だけで成り立っている賃貸もあるのです。
こうした環境で暮らしてきた人にとって、日本の賃貸契約はかなり細かく感じられるでしょう。契約書に書かれた一つひとつの決まりに、どれほど重い意味があるのか。そこまで理解できていないケースもあります。
もちろん、「知らなかった」では済みません。ただ、日本人にとっての常識が、相手にもそのまま通じるとは限らないのです。
だからこそ、又貸しは禁止と伝えるだけでは不十分です。「お金を受け取らなくても、契約者以外を住まわせてはいけない」など、具体的な例を使って説明する必要があります。
外国人入居者の受け入れや、無断転貸をはじめとした賃貸トラブルにお悩みのオーナー様は、ルーム・スタイルまでご相談ください。現在の管理状況を確認し、物件に合った対策をご提案します。
無断転貸を見抜く8つのサイン

無断転貸は、近隣からの苦情で初めて気づくケースが多くあります。
「最近、知らない人がよく出入りしている」「一人暮らしのはずなのに、夜になると何人もの話し声が聞こえる」といった連絡です。
厚生労働省が公表した事例でも、住民や管理人からの通報をきっかけに、無許可の民泊が見つかっています。
| 事例 | 発覚のきっかけ | 対応・結果 |
|---|---|---|
| 1 | 住民からの通報 | 指導に従わず、営業者を逮捕 |
| 2 | マンション管理人からの相談 | 保健所の指導を受けて営業中止 |
| 3 | 外国人が出入りしているとの通報 | 営業中止・サイトから削除 |
| 4 | 民泊サイトへの掲載 | 大学に無断で登録。掲載を削除 |
| 5 | 民泊サイトへの掲載 | 所有者が営業許可を申請予定 |
| 6 | 許可台帳にない施設の掲載 | 営業を止め、許可取得を指導中 |
実際に、管理の現場で無断転貸を見抜くサインを一つずつ見ていきましょう。
1. 郵便受け・宅配ボックスの名前が入居者と一致しない
共用部を確認した際、玄関の表札や郵便受けに、契約者とは違う名前が書かれていることがあります。契約者の名前が消され、別人の名前に変わっている場合は注意が必要です。
ただし、賃貸ではそもそも名前を表示していない物件も多く、これだけで無断転貸とは判断できません。
他の入居者から「知らない名前の郵便物が落ちていた」と連絡を受けたり、別人の名前で管理会社へ問い合わせが入ったりしたときに、確認するきっかけの一つです。
2. 水道・電気の使用量が世帯人数に対して不自然に多い
単身向け物件のはずなのに、水道使用量が明らかに数人分ある、というケースは珍しくありません。
実際に、空室扱いのはずの部屋でプール2杯分に相当する水が使われていた、という報告もあるほどです。
電気やガスの使用量にも同様の傾向が出ることがあります。特に、契約者が長期不在のはずの時期にも使用量が高止まりしている場合は、誰かが継続的に生活している可能性も考えられます。
管理会社経由で検針データを確認できるなら、契約時の想定人数と比較しながら定期的にチェックしておく価値があります。
3. 近隣住民から生活音などの苦情が入る
無断転貸が発覚するきっかけとして、とても多いのが近隣住民からの苦情です。
- 複数の人の話し声や生活音が聞こえる
- 頻繁に見知らぬ人の出入りがある
こうした苦情は、無断転貸に気づく重要なサインになります。
また、複数の外国人が一室に暮らしている場合、ゴミ出しのルール違反が同時に増える傾向もあります。
4. 民泊予約サイトに物件写真が掲載されている
契約者が部屋を転貸し、Airbnbなどの民泊予約サイトに掲載しているケースもあります。
厚生労働省が公表した事例では、大学が留学生用に借りていた物件が、大学の許可なく宿泊施設としてサイトに登録されていました。インターネット上の掲載をきっかけに発覚し、その後、情報は削除されています。
物件名が出ていない場合でも、外観や室内の写真、最寄り駅などから見つかることがあります。掲載ページを見つけたら、URLや掲載日が分かる形で画面を保存し、管理会社へ共有しましょう。
5. 契約者本人と連絡がつかず、別人が対応する
訪問しても契約者本人には会えず、応対するのはいつも別の人物。「友人が来ているだけ」という説明が続くようであれば、単なる来客とは考えにくくなります。
電話やメッセージへの返信も本人からではなく、常に別の人物が代わりに返してくるようであれば、実質的に住んでいるのが誰なのか、改めて確認する必要があります。
6. 駐輪場の利用者が想定人数を超えている
契約時は自転車1台だったのに、いつの間にか2台、3台と増えている。ひどい時には、いきなり5台以上増えた、というケースがあります。
現地を巡回していて変化に気づくこともあれば、近隣からのクレームで発覚することもあります。
一時的な来客なら問題ありませんが、同じ自転車が長く置かれている場合は、誰が使っているのか確認が必要です。
7. 玄関付近にキーボックスが置かれている
これまでなかったキーボックスが、玄関のドアや共用部に取り付けられている場合があります。
暗証番号だけで鍵を受け渡せるため、契約者本人がいなくても別の人が出入りできます。
もちろん、介護や家事代行などで使うこともありますが、見知らぬ人の出入りも増えているなら確認が必要です。
8. 管理会社への問い合わせ・クレーム件数の急増
特定の部屋に関する問い合わせやクレームが集中している場合、その部屋で何かが起きている可能性が高いと見てよいでしょう。
実際に管理会社が異変に気づくのは、同じ部屋について短期間に何度も連絡が入ったときです。「毎日夜中までうるさい」「外国人の方が集まってパーティのようなことをしている」など、内容はさまざま。
別々の入居者から同じ部屋の名前が出るようなら、他の入居者が迷惑だと思っている可能性が高いです。早めに現地を確認し、状況を確かめる必要があります。
発見したらまず何をすべきか

無断転貸の可能性に気づいても、すぐに契約者を問い詰めるのは避けましょう。
勘違いの可能性もあり、証拠がないまま話を進めると、相手に警戒されて確認しづらくなることもありますので、順を追って対応することが大切です。
STEP1:契約書・重要事項説明書で禁止条項を確認する
まずは契約書で転貸禁止についてどのように書かれているかを確認します。あわせて見ておきたいのが、同居人の追加や民泊、部屋の使い方に関する決まりです。
なお、契約書に特約がなくても、貸主に無断で又貸しすることは民法で禁止されています。しかし、違反が疑われるからといって、すぐに賃貸契約を解除できるわけではありません。
まずは契約内容を整理し、どの条項に触れているのかを確かめましょう。
STEP2:無断転貸の証拠を集める
写真、水道光熱費の使用量データ、近隣からの苦情記録など、客観的な証拠をできるだけ残しておきます。
感覚的な「怪しい」だけでは、後の交渉や法的手続きで説得力を持ちません。誰が、いつ、どのような状況を確認したのかを日付入りで記録しておくと、後で時系列を整理しやすくなります。
管理会社に依頼している場合は、報告書という形で残してもらうよう依頼しておくとよいでしょう。実際に誰が住んでいるのかを客観的に把握できれば、その後の対応もぶれずに済みます。
STEP3:管理会社・弁護士と連携して対応方針を決める
証拠が揃った段階で、管理会社や弁護士に相談し、内容証明での通知や契約解除の手続きに進むかどうかを判断します。
自己判断で強引に立ち退きを迫ると、逆にオーナー側が不利になることもあるため、この段階からは専門家を挟むのが基本です。一般的には、契約者への催告(是正を求める通知)を経てから解除の意思表示を行い、それでも応じない場合に明け渡し請求へと進む、という流れになります。
話し合いだけで解決できるケースもあれば、訴訟まで進むケースもあり、実際の進め方は状況によって変わってきます。
注意|無断転貸を知ったまま家賃を受け取り続けない
無断転貸に気づいたあとも、何も言わずに家賃を受け取り続けるのは避けましょう。対応によっては、オーナーが転貸を認めていたと判断されるおそれがあります。
特に、実際に住んでいる転借人から「今後は自分が家賃を払う」と言われても、その場で応じるのは危険です。
誰から、どのような名目で受け取るのかによって、法的な見方も変わります。振込先や支払者を変更する前に、弁護士へ相談してください。
【法的根拠】無断転貸は何に違反するのか

無断転貸は、民法612条が定める賃借権の譲渡・転貸の制限に関わる問題です。
第六百十二条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。
(出典:e-Gov法令検索「民法」第612条)
例外的に解除が認められないケースもある
実務上は「無断転貸があれば即解除できる」という単純な話ではありません。判例では、当事者間の信頼関係が破壊されるに至っていないと認められる程度の軽微な事情がある場合、解除が制限されることがあります。
たとえば、ごく短期間・限定的な範囲での又貸しで、実質的な不利益がほとんど生じていないようなケースです。
法人契約における経営者交代は「転貸」に当たらない
法人が賃借人となっている契約で、経営者や代表者が交代しただけのケースは、原則として「転貸」には当たらないとされています。契約の当事者自体は変わっていないためです。
従業員の入れ替わりで実質的に使用者が変わっているように見える場合でも、法人格が同一である限り、単純な転貸とは区別して考える必要があります。
信頼関係が破壊されたかどうかは、転貸の期間、転借人の人数、実際に生じた迷惑行為の有無など、個別の事情を総合的に見て判断されます。同じ「無断転貸」でも、事情によって解除の可否が変わってくるということです。
このあたりは判断が分かれやすい領域でもあるため、実際に契約解除を検討する段階では、詳細を弁護士に確認することをおすすめします。
無断転貸によって起こりうる問題
無断転貸で問題なのは、誰が住んでいるのか分からない状態になり、トラブルが起きてもすぐに対応できなくなることです。
具体的には、次のような問題が起こる可能性があります。
| 起こりうる問題 | 具体的な影響 |
|---|---|
| 部屋の使い方を管理できない | 契約時に説明を受けていない人が住むことで、ゴミ出しや騒音、共用部分の使い方などのルールが守られないことがあります。 |
| 想定以上の人数が暮らす | ワンルームに複数人で住むと、水回りや給湯器、エアコンなどの設備に負担がかかります。結露やカビ、排水の詰まりも起こりやすくなります。 |
| 室内の損傷を発見しにくい | 設備の故障や漏水が起きても管理会社へ連絡されず、被害が広がってから発覚することがあります。 |
| 近隣トラブルが長期化する | 実際の居住者の氏名や連絡先が分からず、騒音やゴミ出しについて注意しても、改善を求めることが難しくなります。 |
| 責任の所在が分かりにくくなる | 室内の破損や水漏れが起きた際、契約者と実際の居住者のどちらが対応するのかをめぐり、修繕費の請求が進まないことがあります。 |
| 退去までに時間と費用がかかる | 契約者がすでに退去し、転借人だけが残っている場合、明渡しの交渉が複雑になります。貸主が勝手に鍵を交換したり、荷物を処分したりすることもできません。 |
| 次の入居者募集に影響する | 室内の損傷や悪臭が残ると、原状回復に時間と費用がかかります。募集開始の遅れや内見時の印象悪化により、空室期間が長引くこともあります。 |
こうした問題が重なると、修繕費がかさむだけでなく、次の入居者が決まりにくくなったり、売却時の印象が悪くなったりします。無断転貸を放置することは、物件の収益や資産価値にも影響するのです。
外国人入居者の受け入れや、無断転貸をはじめとした賃貸トラブルにお悩みのオーナー様は、ルーム・スタイルまでご相談ください。現在の管理状況を確認し、物件に合った対策をご提案します。
契約段階でできる5つの予防策

無断転貸は発覚してからの対応も大切ですが、そもそも起きにくい契約体制を作っておくことが一番の対策です。
入居審査での本人確認・緊急連絡先の複数取得
在留カードなどでの本人確認を徹底し、緊急連絡先は日本国内・母国の両方で複数確保しておくと、いざというときの連絡手段が途切れにくくなります。
在留資格の種類や在留期間も、あわせて確認しておくと安心です。
留学生であれば学校の担当者、就労者であれば勤務先など、契約者本人以外にも状況を把握している第三者の連絡先を確認しておくと、本人と連絡が取れなくなったときの助けになります。
職業・収入を一定の基準で確認する
入居審査では、本人確認だけでなく、仕事や収入についても確認しておきます。家賃を無理なく払い続けられるかを見るためです。
具体的には、次のような点を確認します。
- 勤務先が実在しているか
- 雇用形態や契約期間
- 現在の勤続年数
- 毎月の収入と家賃のバランス
- 在留期間と雇用期間が合っているか
- 給与明細や雇用契約書、在職証明書を提出できるか
- 保証会社の審査に問題がないか
一つの項目だけで決めず、家賃を継続して支払えるかを全体で判断します。国籍にかかわらず、同じ基準で確認することも大切です。
契約書への転貸禁止・違約金条項の明記
転貸禁止の特約に加えて、違反時の違約金について定めることも、抑止策の一つです。ただし、金額や内容によっては条項の一部または全部が無効になる可能性があるため、作成時は弁護士に確認しましょう。
できれば多言語での重要事項説明を用意し、「なぜ転貸が禁止されているのか」まで理解してもらうことが、後々のトラブル防止につながります。
定期的な訪問・使用状況確認のルール化
契約時に「年数回の定期訪問」を条件として合意しておけば、居住状況を自然な形で確認できます。事前に頻度と目的を明示しておくことで、入居者側の不信感も抑えられます。
たとえば、消防設備の点検や室内設備の確認にあわせて、部屋の使われ方を確認します。
毎回突然訪ねるのではなく、事前に連絡し、入居者の承諾を得てから訪問します。訪問の目的を最初に説明しておけば、入居者にも受け入れてもらいやすいでしょう。
信頼できる管理会社・保証会社の選定基準
外国人入居者への対応実績があり、多言語での重要事項説明や緊急時対応に慣れている管理会社・保証会社を選ぶことも、トラブルの予防につながります。
外国人専門の保証会社であれば、母国の保証人が見つからない場合でも審査に対応できることが多く、支払い能力の証明が難しいというオーナー側の不安もあわせて解消しやすくなります。
これらの対策は、どれか一つだけを徹底すれば十分というものではありません。入居審査、契約書、定期的な確認、管理会社の選定という四つの段階をセットで整えておくことで、無断転貸が入り込む隙を全体として小さくしていく、という考え方が実務上は現実的です。
よくある質問
最後に、外国人向け賃貸の無断転貸について、入居者様やオーナー様から寄せられる質問をまとめました。
契約解除や立ち入り、費用負担など、判断に迷いやすいポイントを一つずつ見ていきます。
Q. 同居人を届け出ずに増やすのは契約違反になりますか?
多くの契約書では、同居人の追加についても事前の届け出・承諾を必要とする条項が設けられています。
無届けで同居人を増やした場合、転貸に当たらなくても、契約で定めた届出義務や承諾条項への違反となる可能性があります。
契約書に「同居人がある場合は事前に届け出ること」と明記されているかどうかを、あらためて確認しておくとよいでしょう。
Q. 外国人であることを理由に入居を断るのは問題ありませんか?
国籍のみを理由に一律で入居を拒否する対応は、不当な差別として問題視される可能性があります。
無断転貸のリスクは国籍そのものではなく、連絡体制や契約内容の理解度といった個別の事情から生じるものです。
「外国人お断り」という一律の対応ではなく、審査基準や契約内容の整備、多言語対応でリスクを減らしていくのが本来のあるべき形だと言えます。
Q. 転借人から家賃を受け取ってしまった場合、もう解除はできませんか?
状況によります。一度受け取ってしまったからといって必ずしも解除できなくなるわけではありませんが、交渉が不利になってしまう可能性はゼロではありません。
受け取ってしまった場合も含めて、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
Q. 無断転貸が発覚すれば、必ず即座に退去させられますか?
原則として契約解除が可能ですが、信頼関係の破壊が認められない程度の軽微な事情がある場合は、解除が認められないこともあります。
証拠を揃えたうえで、専門家の判断を仰ぐのが確実です。
Q. 在留カードを確認しておけば、無断転貸のリスクはなくなりますか?
在留カードの確認は本人確認の第一歩ではありますが、それだけで転貸リスクがなくなるわけではありません。
入居後の定期訪問や、緊急連絡先が実際に機能するかどうかの確認まで含めて、継続的にチェックする体制を作っておくことが重要です。
まとめ
外国人向け賃貸における無断転貸は、文化的な背景や連絡体制の弱さといった構造的な要因が重なって起きやすくなっています。郵便物の名前、水道使用量、近隣からの苦情といった小さなサインを見逃さないことが、早期発見の第一歩です。
発覚した際は感情的に動かず、証拠を残したうえで管理会社や弁護士に相談すること。転借人から直接家賃を受け取ってしまうといったNG対応を避け、手順を踏んで対応することが、結果的にオーナー自身を守ることにつながります。
無断転貸を防ぐには、入居審査や契約書の整備、入居後の確認、管理体制の見直しを組み合わせ、契約段階から対策しておくことが大切です。
外国人入居者の受け入れや、無断転貸をはじめとした賃貸トラブルにお悩みのオーナー様は、ルーム・スタイルまでご相談ください。現在の管理状況を確認し、物件に合った対策をご提案します。





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