
「高齢者の入居希望があるけど、色んな懸念が大きくて…」という声は、現場で本当によく聞きます。孤独死のリスク、家賃滞納、残された荷物の処理。考えれば考えるほど、断りたくなる気持ちもわかります。
ただ、2025年10月施行の住宅セーフティネット法改正では、こうした賃貸オーナーの不安を個人の判断や覚悟に委ねるのではなく、「制度でカバーする」方向へと大きく舵が切られました。
本記事ではまず、住宅セーフティネット法の基本的な考え方を整理したうえで、今回の法改正で何が変わったのか、そして賃貸オーナーにとってどんな選択肢が広がったのかを、実務目線で解説していきます。
無理に登録を勧めることはありませんので、「うちの場合はどうか?」という段階でも、ぜひ一度、弊社までお気軽にご相談ください。
| この記事で分かること |
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目次
- 住宅セーフティネット法とは?【2025年改正の前提知識】
- どんな人が「住宅確保要配慮者」にあたる?
- セーフティネット住宅とは何か?
- なぜ、2025年の法改正が重要なのか
- 住宅セーフティネット法の改正(2025年)の4つのポイント
- ポイント①:終身建物賃貸借の手続きを簡素化
- ポイント②:居住支援法人の業務に残置物処理を追加
- ポイント③:住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を認定
- ポイント④:居住支援法人等が大家と連携し入居中のサポートを行う「居住サポート住宅」を創設
- セーフティネット住宅登録のメリット4選
- ①空室対策の選択肢になる
- ②補助金を活用してリフォーム費用を軽減できる
- ③家賃滞納リスクを制度で軽減できる
- ④居住支援法人との連携で管理負担が減る
- セーフティネット登録と同時に活用したいリスク対策
- 残置物処理の不安を事前の同意書で解消
- 孤独死への備えとして少額短期保険を併用
- 終身賃貸借契約で「契約の終わり」を明確にする
- 登録から運用までの具体的な流れ
- ステップ①物件の要件確認
- ステップ②登録申請
- ステップ③情報提供システムへの掲載
- ステップ④補助金の申請(必要に応じて)
- ステップ⑤入居者の募集と契約
- まとめ
住宅セーフティネット法とは?【2025年改正の前提知識】
住宅セーフティネット法(正式名称:住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)は、高齢者・低所得者・障害者・子育て世帯など、「住まいの確保が難しい人」を民間賃貸で支えるための法律です。
ポイントは、「公営住宅だけで支える」のではなく、民間の賃貸住宅を活用し、国や自治体が制度面で後押しするという考え方にあります。
どんな人が「住宅確保要配慮者」にあたる?
法律上、主に以下のような人が対象です。
- 高齢者(単身・夫婦世帯を含む)
- 低所得者
- 障害者
- 子育て世帯
- 被災者
- 外国人
- 生活保護受給者 など
賃貸の現場では、「高齢だから」「保証人がいないから」「収入が不安定だから」という理由で、入居を断られやすい層と言い換えると分かりやすいです。
セーフティネット住宅とは何か?
この法律に基づき、オーナーが物件を登録した物件が「セーフティネット住宅」です。登録すると、
- 入居者を限定しない(高齢者・低所得者などを受け入れ可能)
- 国の情報提供システムに物件が掲載される
- 補助金・保証制度・居住支援法人との連携が使える
という仕組みが用意されます。
つまり、「善意で受け入れる」のではなく、「制度に守られながら受け入れる」──それがセーフティネット住宅です。
なぜ、2025年の法改正が重要なのか
これまでの住宅セーフティネット制度は、
- 制度が分かりにくい
- オーナー側のリスクが十分にカバーされていない
- 現場の不安(孤独死・滞納・残置物)に追いついていない
という課題がありました。
そこで2025年10月施行の改正では、賃貸オーナーが特に不安に感じやすいポイントに対して、制度で直接カバーする仕組みが強化されています。
次の章では、「今回の改正で、具体的に何がどう変わるのか」賃貸オーナーが知っておくべき 4つの変更点を整理していきます。
無理に登録を勧めることはありませんので、「うちの場合はどうか?」という段階でも、ぜひ一度、弊社までお気軽にご相談ください。
住宅セーフティネット法の改正(2025年)の4つのポイント
「高齢者の入居希望があるけど、万が一のことを考えると…」そんな葛藤を抱えているオーナーは少なくありません。2025年10月に施行される住宅セーフティネット法の改正は、その「万が一」を制度でカバーする内容になっています。
施行日は2025年10月1日ですが、家賃債務保証業者の認定申請は7月1日から始まりました。ここでは、オーナーや不動産会社が押さえておくべき4つの改正ポイントをまとめます。
ポイント①:終身建物賃貸借の手続きを簡素化
終身建物賃貸借とは、入居者が生きている限り契約が続き、亡くなった時点で自動的に契約が終了する仕組みです。相続人への承継がないため、次の入居者募集までスムーズに進められます。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 認可の単位 | 住宅ごとに申請 | 事業者単位で申請 |
| 申請の手間 | 物件数分の申請が必要 | 1回の認可で複数物件に対応可能 |
改正前は、1戸ずつ都道府県知事の認可を受ける必要がありました。10戸のアパートなら10回分の申請が必要で、導入ハードルが高かったわけです。
しかし、改正後は事業者単位での認可に変わります。一度認可を受ければ、複数の物件で終身契約を運用できるようになります。
既存住宅については、床面積やバリアフリーの基準も緩和されます。
- 床面積:原則25㎡以上 → 既存住宅は18㎡以上(共用部活用で13㎡以上も可)
- バリアフリー:階段・便所・浴室に手すりの設置
たとえば、築古のワンルームアパートでも、共用部に談話室があれば専有面積13㎡でも対象になる場合があります。
【対象となる入居者】
終身建物賃貸借を利用できるのは以下の条件を満たす方です。
- 60歳以上の単身者
- 60歳以上で、配偶者または60歳以上の親族と同居する方
契約は書面で行いますが、公正証書でなくても有効です。また、中途解約も一定の要件のもとで可能なので、「死ぬまで住まないといけない」わけではありません。
ポイント②:居住支援法人の業務に残置物処理を追加
次に、入居者が亡くなった後の荷物の処理。これまで法的な位置づけが曖昧な部分があり、オーナーが途方に暮れるケースがありました。
改正後は、居住支援法人の業務に「残置物処理」が正式に明記されます。国土交通省・法務省が策定した「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を活用して実施します。
契約時から死亡後までの流れは以下の通りです。
円滑な残置物処理の流れ
- 契約時:賃借人と受任者(居住支援法人など)で残置物処理に関する委任契約を締結
- 生前:賃借人が家財を「指定残置物」(廃棄せず送付先に送るもの)と「非指定残置物」に整理
- 死亡後:賃貸人が受任者に死亡事実を通知
- 処理:受任者が賃貸借契約の解除、残置物の処理を実施
たとえば、単身高齢者が入居する際に、契約書とセットで委任契約を結んでおけば、いざというときに「誰に連絡すればいいかわからない」という混乱を防げます。
【想定される受任者】
- 賃借人の推定相続人
- 居住支援法人
- 管理業者等の第三者
ポイント③:住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を認定
高齢者や低所得者は、民間の保証会社の審査が通りにくいという課題がありました。改正後は、国土交通大臣が認定する「認定家賃債務保証業者制度」が創設されます。
【登録制度と認定制度の違い】
| 項目 | 登録家賃債務保証業者制度(既存) | 認定家賃債務保証業者制度(新設) |
|---|---|---|
| 根拠 | 大臣告示(H29創設) | 住宅セーフティネット法(R7創設) |
| 目的 | 適正な家賃債務保証の確保 | 要配慮者が利用しやすい保証の提供 |
| 主な基準 | 暴力団員関与なし、純資産1,000万円以上など | 居住サポート住宅入居者の保証を原則引き受け、緊急連絡先を親族に限定しないなど |
| JHF保険 | 最大7割(セーフティネット住宅限定) | 最大9割(要配慮者の保証に対して) |
【認定基準のポイント】
認定を受けるには、以下の基準を満たす必要があります。
- 居住サポート住宅に入居する要配慮者の家賃債務保証を正当な理由なく断らない
- 緊急連絡先を親族などの個人に限定しない(法人も可)
- 保証人の設定を条件としない
- 保証料が不当に高くない
たとえば、「保証人がいないから入居できない」という問題が、この制度によって解消されます。また、住宅金融支援機構(JHF)による保険割合が最大9割まで引き上げられるため、保証業者のリスクも軽減されます。
ポイント④:居住支援法人等が大家と連携し入居中のサポートを行う「居住サポート住宅」を創設
そして、従来の「セーフティネット登録住宅」に見守り機能を強化した「居住サポート住宅」認定制度が創設されます。
【居住サポート住宅の3つの柱】
居住支援法人等が大家と連携し、以下のサポートを行います。
- 日常の安否確認:ICT機器(人感センサー等)による確認
- 訪問等による見守り:月1回以上の訪問または電話連絡
- 福祉サービスへのつなぎ:生活・心身の状況が不安定化したときに適切な福祉サービスにつなぐ
【認定を受けるメリット】
| 対象者 | メリット |
|---|---|
| オーナー | 改修費補助、家賃低廉化補助、家賃債務保証料の低廉化補助 |
| 入居者 | 家賃債務保証を認定保証業者が原則引き受け、生活保護受給者は代理納付を原則化 |
| 居住支援法人 | 居住支援協議会等の活動支援、モデル的な取組への支援 |
物件の認定は、市区町村長(福祉事務所設置)等が、国土交通省・厚生労働省の共同省令に基づいて行います。
また、入居者の状況に応じて、以下のような福祉サービスにつなぎます。
- 生活にお困りの方:自立相談支援機関、家計改善支援、就労支援、生活保護
- 高齢者:ホームヘルプ、デイサービス、地域包括支援センター
- ひとり親:母子・父子自立支援員による相談、学習支援
- 障害者:居宅介護、自立生活援助、就労支援
たとえば、入居者の生活リズムが乱れていることに訪問時に気づいた場合、居住支援法人が自立相談支援機関や地域包括支援センターにつなぎ、早期に支援を受けられるようにします。
【参考:国土交通省 厚生労働省「令和7年10月施工 改正住宅セーフティネット法」)
セーフティネット住宅登録のメリット4選
ここまで見てきたように、2025年の住宅セーフティネット法改正では、高齢者や住宅確保要配慮者を受け入れる際の不安を、制度で補う仕組みが整いました。
ただ、「制度がある」ことと「実際に登録する」ことは別の話です。オーナーとして気になるのは、登録すると何が変わり、どこまでリスクを減らせるかではないでしょうか。
ここからは、「登録することで得られる具体的なメリット」を、賃貸オーナーの実務目線で整理していきます。
①空室対策の選択肢になる
単身高齢者や低所得者を「入居対象から外す」選択をすると、単純に入居者の母数が減ります。一方で、セーフティネット住宅として登録すれば、専用の情報提供システムに物件が掲載され、行政や支援法人からの紹介ルートも増えていきます。
たとえば、駅から少し離れた1Kや2DKは、ファミリーには手狭で単身の若年層にも敬遠されがちです。でも、単身高齢者や生活保護受給者にとっては、家賃の手ごろさや静かな環境が魅力になることもあります。
ターゲットの許容範囲を広げることで、長期空室が埋まるケースは実際に増えています。
②補助金を活用してリフォーム費用を軽減できる
登録住宅には、改修費用の補助制度があります。対象となる工事は以下のとおりです。
- バリアフリー改修(段差解消、手すり設置、浴室改修など)
- 耐震補強工事
- 省エネ設備の導入
- 見守りセンサーやインターホンの設置
補助率や上限額は自治体によって異なりますが、国の基準では改修費の1/3程度を補助するケースが多く見られます。
たとえば、浴室の段差解消と手すり設置で90万円かかった場合、30万円ほどが補助金でカバーされる計算です。将来的にも修繕費の高騰が予想されている中、特にもともとリフォームを検討していた物件なら、この制度を使わない手はありません。
③家賃滞納リスクを制度で軽減できる
今回の改正で新設される「認定家賃債務保証制度」は、連帯保証人を求めない設計になっています。高齢者や生活保護受給者にとっては保証人を立てること自体がハードルになりやすいため、この制度があることで入居のチャンスが広がります。
オーナー側から見れば、保証会社が国の認定を受けているという安心感があります。また、生活保護受給者の場合は「代理納付制度」を使えば、家賃が福祉事務所から直接振り込まれるため、滞納リスクがほぼゼロになります。
たとえば、過去に家賃滞納で苦労した経験があるオーナーほど、こうした公的な仕組みを「使える武器」として捉えている印象があります。
④居住支援法人との連携で管理負担が減る
単身高齢者を受け入れる際に一番気になるのが、「何かあったときにどうするか」という点です。改正後は、居住支援法人が見守りや相談対応、福祉との橋渡しまで担ってくれる体制が整います。具体的には、こんな動きが期待できます。
| 場面 | 居住支援法人の役割 |
|---|---|
| 入居前 | 必要書類の案内、契約内容の説明補助 |
| 入居中 | 定期的な見守り(月1回程度)、安否確認(毎日) |
| トラブル時 | 体調不良時の連絡、福祉サービスへのつなぎ |
| 退去時 | 残置物処理の手続き、立ち会い |
つまり、オーナーや管理会社が「24時間対応」を求められるのではなく、専門の支援組織が間に入ってくれるイメージです。たとえば、夜中に救急車が来たとしても、事前に連携体制を作っておけば、支援法人が一報を入れてくれる。そういう「見えない安心」が制度に組み込まれています。
セーフティネット登録と同時に活用したいリスク対策
セーフティネット住宅の登録は、「受け入れるかどうか」の判断をラクにしてくれますが、実務で本当に効くのは“登録とセットで打てるリスク対策”まで整えてからです。
そこでこの章では、登録後の運用でつまずきやすい ①残置物(死後の荷物)、②孤独死の費用負担、③契約の終了時点(相続人対応) を、契約書面・保険・契約形態の3つで「先回り」する方法を整理します。
残置物処理の不安を事前の同意書で解消
「亡くなった後の荷物、誰が片付けるの?」という問題は、これまで曖昧なまま放置されてきました。今回の改正では、居住支援法人の業務に「残置物処理等」が正式に位置づけられ、モデル契約条項も整備されます。
実務では、契約時に以下の内容を明文化しておくことがポイントです。
- 死後事務委任契約を結ぶ相手(居住支援法人など)
- 残置物の保管期間と処分方法
- 費用負担の範囲(敷金から差し引くのか、別途精算するのか)
- 鍵の開錠や立ち会いの手順
たとえば、「契約時に同意書を取り、支援法人の連絡先を控えておく」という一手間をかけるだけで、いざというときの混乱が大幅に減ります。相続人が見つからず、何ヶ月も放置される…というケースも、事前の取り決めがあれば防げます。
孤独死への備えとして少額短期保険を併用
セーフティネット住宅として登録していても、孤独死そのものを完全に防ぐことはできません。ただ、経済的なリスクは保険でカバーできます。
最近では、「孤独死保険」や「家財保険」の特約として、以下の費用をカバーする商品が増えています。
- 原状回復費用(特殊清掃、リフォーム)
- 家賃損失(次の入居者が決まるまでの期間)
- 遺品整理費用
月額数百円から加入できるタイプもあり、入居者負担で契約するケースと、オーナー負担で一括加入するケースに分かれます。たとえば、築古の木造アパート全戸に一括加入しておけば、万が一のときも慌てずに済みます。
終身賃貸借契約で「契約の終わり」を明確にする
終身建物賃貸借契約を結ぶと、入居者が亡くなった時点で契約が自動的に終了します。
従来の賃貸借契約では、入居者が亡くなっても相続人が契約を引き継ぐ権利があり、退去交渉が長引くリスクがありました。終身契約なら、そのリスクがゼロになります。
ただし、入居者側からすれば「死ぬまで住める」という安心感がある一方で、「途中で引っ越せないのでは?」という誤解も生まれやすいポイントです。実際には、普通の賃貸と同じように解約は可能なので、契約時にきちんと説明しておくことが大切です。
無理に登録を勧めることはありませんので、「うちの場合はどうか?」という段階でも、ぜひ一度、弊社までお気軽にご相談ください。
登録から運用までの具体的な流れ
実際にセーフティネット住宅として登録し、運用を始めるまでの流れを整理します。
ステップ①物件の要件確認
まず、自分の物件がセーフティネット住宅の登録基準を満たしているか確認します。主なチェックポイントは以下のとおりです。
- 面積:原則25㎡以上(共同居住型は1人あたり9㎡以上)
- 構造:耐震基準を満たしているか
- 設備:台所、トイレ、浴室などの必須設備があるか
既存住宅の場合、面積が少し足りなくても共用部分を考慮すれば基準をクリアできるケースもあります。たとえば、18㎡のワンルームでも、共用のラウンジや食堂があれば対象になる場合があります。
ステップ②登録申請
都道府県または市区町村の窓口に、登録申請書を提出します。必要書類は以下のとおりです。
- 登録申請書(自治体の様式)
- 建物の図面(間取り図、配置図)
- 建築確認済証または検査済証の写し
- 耐震基準適合証明(必要な場合)
申請から登録までは、おおむね1〜2週間程度です。審査は形式的なものが多く、書類に不備がなければスムーズに進みます。
ステップ③情報提供システムへの掲載
登録が完了すると、「セーフティネット住宅情報提供システム」に物件情報が公開されます。これにより、入居希望者や居住支援法人が物件を検索できるようになります。
掲載内容は自分で編集できるため、写真や設備の説明、周辺環境の情報を丁寧に書き込んでおくと問い合わせが増えやすくなります。
たとえば、「バス停徒歩3分」「スーパー徒歩5分」「見守りサービス対応」といった具体的な情報があると、高齢者やその家族が安心して選びやすくなります。
ステップ④補助金の申請(必要に応じて)
改修工事を予定している場合は、登録と並行して補助金の申請を進めます。スケジュールは以下のイメージです。
- 事前相談(自治体窓口で対象工事の確認)
- 交付申請(見積書、図面を添付)
- 工事着工(交付決定後に開始)
- 完了報告(工事写真、領収書を提出)
- 補助金の振込
注意点として、工事を始める前に必ず交付決定を受けておく必要があります。「先に工事を済ませてから申請すればいい」と思っていると、補助対象外になってしまうので気をつけてください。
ステップ⑤入居者の募集と契約
通常の賃貸募集と同様に、不動産会社を通じて入居者を募集します。加えて、セーフティネット住宅情報提供システムや、居住支援法人からの紹介ルートも活用できます。
契約時には、以下の点を丁寧に説明しておくとトラブルが減ります。
- 見守りサービスの内容と頻度
- 緊急連絡先(居住支援法人、管理会社)
- 残置物処理に関する同意書の内容
- 家賃債務保証制度または代理納付制度の利用
たとえば、「毎週水曜日に支援員が訪問します」「体調が悪いときは、この番号に連絡してください」と具体的に伝えると、入居者も安心します。
セーフティネット住宅の登録は、「高齢者を受け入れる覚悟」を求める制度ではありません。
今回の改正で明確になったのは、不安を抱えたまま受け入れるのではなく、想定されるリスクを事前に整理し、制度と仕組みで分散させていくという考え方です。
まとめ
高齢者の入居を断ってきた理由は、多くのオーナーにとって共通です。「何かあった際のリスクが大きい」──その懸念が強かったはずです。
今回の住宅セーフティネット法改正で変わったのは、そこです。
孤独死、家賃滞納、残置物といった“起きたら困ること”を、事前に制度で片づけられる選択肢が揃いました。
- 見守りは居住支援法人に任せる
- お金のトラブルは保証制度でカバーする
- 万が一の後始末も、契約で線引きしておく
「仕組みを整えたうえで受け入れる」という、現実的な経営判断ができるようになった──それが今回の改正です。
高齢者の入居は、特別な善意ではなく、空室を減らすための一つの選択肢。そう考えられるかどうかが、これからの賃貸経営の分かれ目になっていくでしょう。
無理に登録を勧めることはありませんので、「うちの場合はどうか?」という段階でも、ぜひ一度、弊社までお気軽にご相談ください。









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