
不動産の売却を考え始めるきっかけは、人それぞれです。
しかし、いざ売却を進めようとすると「住宅ローンはあとどれくらい残っているのか」「相続した家はそのまま売れるのか」「税金はかかるのか」など、確認しておきたいことが次々と出てきます。
慌てて動き出さないためにも、まずは今の状況を整理しておくことが大切です。今回は、不動産売却を考え始めたときに確認しておきたい7つのポイントをご紹介します。
売却は、実際に動き始める前の準備が大切です。「数年後かもしれないけれど、今のうちに相談しておきたい」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
目次
①売却理由を整理する

不動産を売る理由は、人によってさまざまです。
- 住み替え
- 転勤
- 離婚
- 相続
- 親との同居
- 子の独立
- 資産整理 など
理由が異なれば、売却の進め方も変わります。
「焦っていないから少しでも高く売りたい」のか、「この期限までに売却したい」のかによって、価格設定や販売方法も違ってきます。
それぞれの事情を踏まえたうえで、「売ろう」と決めたタイミングで動き出すのではなく、その前段階から準備を進めておくことが大切です。
②売却の時期を考える

売却活動は、査定を依頼してすぐに終わるものではありません。
購入希望者の内覧や価格交渉、契約、引き渡しまで含めると、一般的に3~6か月が1つの目安です。売れづらい不動産は数年かかることもあります。
また、不動産には繁忙期もあります。ファミリー向けの物件は新生活や入学のタイミングに合わせたい人が多く、1〜3月は動きが活発になりやすい時期です。夏休み中に引っ越しを済ませたいという理由で、動き出すご家庭もあります。
住み替えの場合は、「今の家を先に売るか」「新しい家を先に買うか」でも計画が変わります。
売り先行なら仮住まいの費用がかかりますし、買い先行なら住宅ローンとつなぎ融資の両方を検討する必要が出てくることもあります。一般的には「買い先行」の方が多いですが、どちらが自分に合うか、希望時期をあらかじめ整理しておきましょう。
③住宅ローンの残債を確認する

住宅ローンが残っている場合は、まず現在の残債を確認しておきましょう。金融機関から届く返済予定表や残高証明書を見れば、おおよその金額を把握することが可能です。
売却代金でローンを完済できれば問題ありませんが、売却価格よりも残債の方が多い、いわゆる「オーバーローン」の状態になることがあります。この場合、差額分は自己資金で埋める必要があり、想定していなかった現金の持ち出しが発生することがあります。
その現金がすぐに用意できないこともあるでしょう。その場合は無理に今すぐ売ろうとせず、「ローン残債が売却価格を下回るタイミング」を待つという選択肢もあります。
住宅ローンは返済が進むにつれて残債が減っていくため、「アンダーローン」に突入する時期を見極めることで、自己資金なしで売却できるラインに到達することもあるからです。
また、住宅ローンを売却時に一括で返済する場合、金融機関には別途「繰上返済手数料」がかかります。金額は金融機関によって数千円〜数万円程度と幅がありますが、忘れがちな費用の一つなので、事前に確認しておくと安心です。
売却にあたっては、抵当権抹消の手続きも必要になります。売却価格だけを見て判断するのではなく、残債やこうした諸費用まで含めて、トータルで考えることが大切です。
④税金や手取り額を把握する

税金の話を整理しておくと、売却へのイメージがより現実的になるかもしれません。
不動産を売って利益が出ると譲渡所得税がかかりますが、これは売れたその瞬間に払うものではありません。売却した年の翌年に確定申告をして、そこで初めて納税します。
例えば、2026年に不動産の引き渡しをしたら、確定申告と納税は2027年になる、というイメージです。
しかし、相続税はこれとは別物です。
相続税がかかる場合は、相続開始(亡くなった日)の翌日から10か月以内に申告と納税を済ませなければなりません。この期限の違いに気づかず、「相続した家を売ってから、その代金で税金を払おう」と考えていると、売却が間に合わずに困ってしまうことがあります。
もう一つ押さえておきたいのが、所有期間による税率の差です。
- 所有期間5年以下:短期譲渡所得(税率が高い)
- 所有期間5年超:長期譲渡所得(税率が低い)
同じ売却でも、所有期間が5年を超えているかどうかで税負担が大きく変わってきます。
また、マイホームとして売却する場合には、「3,000万円特別控除」「10年超所有軽減税率の特例」といった税金の優遇制度を使える場合もあります。これらの特例には、「住まなくなってから3年後の12月31日まで」といった期限が設けられているものもあり、うっかり期限を過ぎてしまうと使えなくなってしまいます。
そしてもう一つ意識しておきたいのが、「売却価格=手取り額」ではないという点です。
仲介手数料や税金などを差し引くと、実際に手元に残る金額は売却価格の8~9割程度になるのが一般的です。解体や確定測量が必要なケースでは、そこにかかる費用も別途差し引かれることになります。
「売れたらいくら入るか」だけでなく、「そこから何が引かれるのか」まで把握しておくと、資金計画のズレを防ぎやすくなります。
⑤相続や共有名義を確認する

相続した不動産の売却活動を行っていると、「思っていたより時間がかかった」というお客様の声を耳にすることが多くあります。
たとえば共有名義のケース。兄弟姉妹など複数人の名義になっている場合、売却には共有者全員の同意が必要です。「みんな賛成のはず」と思っていても、いざ話を進めると意見がまとまらず、何ヶ月も長引いてしまうことも珍しくありません。
書類の問題もあります。売却時には権利証や登記関連の書類が必要になりますが、相続の場合はそれが見当たらず、取得し直すところから始めなければならないケースも多いのです。
さらに見落としやすいのが、名義変更(相続登記)です。相続人同士で誰がどう相続するかを話し合い、合意した内容を登記に反映させるまでには、書類のやり取りだけでも数週間から数ヶ月かかることがあります。相続登記が済んでいない状態では、そもそも売却手続きに進めません。
相続した不動産を売却する際は、まず名義や権利関係の確認から始めましょう。誰の同意が必要なのか、遺産分割協議は済んでいるのか——このあたりを早めに整理しておくだけで、後の手続きがスムーズになります。
⑥賃貸借契約の有無を確認する

賃貸中の物件を売却する場合は、空室の物件とは売り方そのものが変わってきます。
入居者がいる状態での売却は、いわゆる「オーナーチェンジ」と呼ばれる取引です。賃貸借契約はそのまま新しいオーナーに引き継がれるので、入居者に退去してもらう必要はありません。ただし、家賃や敷金の額、契約期間などは引き継ぎ資料として整理しておく必要があります。敷金は誰が預かっているかによって引き渡し時の精算方法が変わってくるので、ここは意外と注意したいポイントです。
購入するのは基本的に利回り目的の投資家なので、実需向けの物件に比べると購入希望者の母数はどうしても少なくなります。また、売却価格も下がる傾向にあります。
サブリース契約が付いている場合は、もう一段注意が必要です。解約条件によっては買主が自由に運用しづらく、購入を検討できる人がさらに限られてしまうこともあります。契約内容は事前にしっかり確認しておきましょう。
⑦査定前に資料を準備する

『そろそろ査定を依頼してみよう』と思ったら、まずは手元にある書類を確認してみましょう。
査定時にあると話し合いがスムーズな書類は、主に次の通りです。
| 書類 | 戸建て | マンション |
|---|---|---|
| 登記簿謄本(登記事項証明書) | ○ | ○ |
| 権利証、または登記識別情報通知 | ○ | ○ |
| 固定資産税納税通知書・課税明細書 | ○ | ○ |
| 購入時の売買契約書・重要事項説明書 | ○ | ○ |
| 建築確認済証・検査済証 | ○ | △(不要なことが多い) |
| 建物図面・間取り図 | ○ | ○ |
| 測量図・境界確認書 | ○(重要) | −(不要) |
| リフォーム・修繕履歴がわかる書類 | ○ | ○ |
| 住宅ローンの返済予定表、または残高証明書 | ○ | ○ |
| 管理規約・長期修繕計画書 | − | ○(重要) |
| 管理費・修繕積立金の額がわかる書類 | − | ○ |
戸建かマンションかによっても、重要になる書類は少し異なります。
古い書類は探すのに時間がかかることも多いため、まだ売るか決めていなくても、少しずつ準備を始めておくと安心です。
まとめ|まずは現状を整理することが大切
不動産売却は、「いくらで売れるのか」だけを考えればよいものではありません。住宅ローンや税金、相続関係など、確認しておきたいことは意外と多くあります。
だからこそ、売却を決めてから慌てるのではなく、まずは今の状況を整理しておくことが大切です。
当社では、「売るかどうかまだ決めていない」という段階のご相談も承っています。現在の状況を整理したい方や、売却後の手取り額が気になる方は、お気軽にご相談ください。





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