サブリースは危ないは事実!騙されないために知っておくべきリスクの実態

「サブリースは危ないと聞くけど本当?」
「サブリースを勧められたけど、契約して大丈夫?」

アパートやマンションなどの賃貸経営を検討している場合、不動産会社などからサブリース契約の物件購入を勧められることもあるでしょう。

結論を先にお伝えすると、サブリースは不動産投資や賃貸経営を始めたばかりの初心者には危険で、避けた方がよいといえます。

サブリースが危ないといえる理由には次のようなものがあります。

サブリースが危ないといわれる10の理由
  • 家賃保証とはいえ家賃減額のリスクがある
  • 家賃保証があっても一方的に解約され賃料収入が途絶えることがある
  • 家賃保証に気を取られているうちに割高物件を掴まされることがある
  • サブリース会社の経営不振や倒産で家賃保証が途絶えることがある
  • 融資審査の際に不正が行われることもある
  • 空き室時に家賃が支払われないことがある
  • 過大な修繕費用を請求されることがある
  • 入居者を選べないことで資産価値が下がることがある
  • オーナー側からの解約が難しい
  • サブリース物件は売却価格が低くなる

この記事では上記のようなサブリースが危ないといわれる理由とその実態や危険性について詳しく解説します。

特に初心者の場合、上記のようなリスクをよく理解せずにサブリースに手を出してしまうと、下記のような事態に陥ってしまう可能性があります。

初心者が陥りがちなサブリースのリスク
  • 予想よりも賃料収入が少なくなり毎月赤字が発生する
  • 賃料収入が途絶えて毎月赤字が発生する
  • 赤字続きのためサブリース契約を解約したくても解約できない
  • 赤字続きのためサブリース物件を売却したくてもなかなか売れない
  • 赤字続きのためサブリース物件を売却したがローンは完済できず大赤字となる
  • ローンが返済できずに自己破産となる

上記のような事態に陥らないためにも、初心者にはサブリースの活用でなく、通常の管理委託を活用した不動産投資をおすすめします。

記事では、サブリースよりも管理委託がおすすめな理由も紹介します。

▼この記事で分かること

  • サブリースが危ないといわれる10の理由を検証
  • サブリースのメリットしか見ていないと誰にでも危険は起こりうる
  • 【結論】サブリースは初心者には危険大!おすすめしない
  • 初心者にはサブリースではなく「管理委託」がおすすめ
  • 信頼できる管理委託会社を選ぶ際のチェックポイント

     

最後まで読むことで、サブリースの代替方法として、通常の管理委託契約についても分かります。サブリースと管理委託のメリット・デメリットを比較することで自分に合った管理方法が選択できるでしょう。サブリースの危険性を回避して、賃貸経営を安全に進めるためにも、最後まで目を通してみてください。

 

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1. サブリースが危ないといわれる10の理由を検証

冒頭でも触れた通り、サブリースは初心者には危ない契約といえます。

サブリースとはそもそも、不動産管理会社やサブリース会社がオーナーの持つ物件を一括で借り上げて、入居者に転貸することです。オーナーには、家賃の80%~90%の賃料保証が支払われます

空き室でも家賃保証で賃料を受け取れるため、とても良い契約のようにも思えますが、その裏にはさまざまなリスクがあります。

以下では、サブリースが危ないといわれる理由について解説します。

【サブリースが危ないといわれる10の理由】

  • 家賃保証とはいえ家賃減額のリスクがある
  • 家賃保証があっても一方的に解約され賃料収入が途絶えることがある
  • 家賃保証に気を取られているうちに割高物件を掴まされることがある
  • サブリース会社の経営不振や倒産で家賃保証が途絶えることがある
  • 融資審査の際に不正が行われることもある
  • 空き室時に家賃が支払われないことがある
  • 過大な修繕費用を請求されることがある
  • 入居者を選べないことで資産価値が下がることがある
  • オーナー側からの解約が難しい
  • サブリース物件は売却価格が低くなる

実際のトラブル事例やどういった損害を受ける可能性があるかなども含めて紹介しますので、同じようなリスクに巻き込まれないためにもぜひ参考にしてみてください。

 

1-1. 家賃保証とはいえ家賃減額のリスクがある

サブリースは、家賃保証があるとはいえ、家賃が減額されるリスクがあります

一定の賃料がずっと入ると思って、ローンの返済計画を立ててしまうと、家賃の減額でたちまち返済計画が狂い、ローン返済に困るといったことになりかねないため注意が必要です。

家賃減額のリスクの例としては、例えば下記のようなものがあります。

事例
「30年の家賃保証で毎年満室分の家賃を得られる」「家賃はめったに下がらない」との売り文句で大手不動産会社からサブリース物件を買ったものの、物件の経年劣化を理由に家賃が大幅に減額された。そのため月々の賃料収入が減り、ローンの返済額が賃料収入を上回るようになった。結果として、毎月赤字の状態が続くこととなった。
最悪の場合どうなるか
  • 赤字続きでローンの返済ができなくなり自己破産するケースもある
  • ローンの返済のためにサブリース物件を売却しても完済できず、自宅を売却するなど資産を失うケースもある
回避できるか(△)
  • あらかじめ家賃減額を想定した収支計画を立てていれば赤字になることを回避できる
  • 家賃減額提案をそのまま受け入れる義務はないため、交渉して減額を回避したり減額の幅を縮小したりすることは可能
  • 物件の経年劣化が激しい、家賃相場が急落しているなどの理由で家賃を減額されることは不可避

なお、このサブリースにおける家賃の減額は、違法なことではありません。物件の経年劣化や家賃相場の変動による家賃の減額は、回避できないものとされています。

問題は、サブリース会社の営業員が、家賃保証のメリットだけを誇張し、さも家賃が下がらないかのような誤解をオーナーに与えてしまうことがある点です。

サブリース契約では、家賃保証が得られるという利点だけに気を取られずに、家賃が減額されることを想定しておくことが大切です。

 

1-2. 家賃保証があっても一方的に解約され賃料収入が途絶えることがある

サブリースでは、家賃保証があっても、サブリース会社から一方的にサブリースの契約を解約され、賃料収入が途絶える危険性もあります

サブリースの契約では、オーナーからサブリース会社が物件を借り上げるため、オーナーが貸主、サブリース会社が借主といった立場となります。借地借家法では、借主が一方的に賃貸契約を解約することを認めているため、サブリース会社はサブリース契約を簡単に解除可能です。

このため、サブリース会社から一方的に解約され、家賃保証が支払われなくなるといったトラブルも少なくありません。

事例としては下記のようなケースがあります。

事例
「30年一括借り上げで家賃保証をする」といわれてサブリース付物件を購入したにもかかわらず、一方的にサブリース会社からサブリースの契約を解除され、賃料収入が途絶えた。入居者を改めて募集するも、入居者のニーズに合わない不良物件ということがわかり、入居者がなかなか確保できず、月々の賃料収入がローンの返済額を大きく下回り、月々赤字を抱えることとなった。
最悪の場合どうなるか
  • 赤字続きでローンの返済ができなくなり自己破産に陥るケースもある
  • サブリース物件を売却したくてもサブリース物件は売却額が低く、多額のローンが返済できないまま残る
回避できるか(△)
  • サブリース会社に突如解約されることを想定して、収支計画に余裕を持たせておくことで、ダメージを小さくすることは可能。
  • サブリース会社に突如解約されることを想定して、万が一解約されても入居者を確保できる優良物件かどうか、契約前に見極めておくことでダメージを小さくすることが可能。ただし、契約前に優良物件であることを確認していても、サブリース契約期間中に、周囲に同様のマンションができるなどして入居率が下がったり物件の資産価値が下がったりした場合は、サブリース会社の一方的な解約の後に入居者を確保するのは難しい。その場合はリスク回避不可能。

     

サブリース会社は、入居率が低いなどの理由で思うほどの利益が出ないと思えば、簡単にサブリース契約を解除できます。

サブリース契約を解除されてもすぐに入居者が見つかるようであれば、ダメージは少なくてすみますが、必ずしも入居者が確保できるとは限らず、賃料収入が永続的に得られなくなってしまう点がリスクといえます。

 

1-3. 家賃保証に気を取られているうちに割高な物件を掴まされることがある

サブリースでは、家賃保証に気を取られているうちに割高な物件を掴まされることもあります

オーナーに「高い利回りの家賃保証が30年得られる」などというサブリースの好条件をちらつかせて、物件を不当に高く買わせたり、建てさせたりする悪質な業者も少なくないため注意しましょう。

例えば下記のようなケースです。

事例
「30年家賃保証、利回り8%」という触れ込みでサブリース付物件を購入したが、その後、サブリース会社に一方的に契約を解除され、賃料収入が途絶えた。仕方なく改めて、別のサブリース会社に委託しようと物件価値を改めて見返したところ、購入価格の6割程度の資産価値しかないことが判明した。
最悪の場合どうなるか
  • 想定より資産価値の低い物件のため、賃料収入も予定より低くなり、ローンの返済ができなくなり自己破産に陥るケースもある
  • 物件を売却すると大幅な売却損が出て、多額のローンも返済できないまま残る
回避できるか(△)
  • 契約前に、第三者に物件の査定をしてもらうなど物件価値を見極めることで回避することは可能
  • 物件を建てる際は、完成するまで不良物件かどうかの見極めは厳しいこともある

資産価値の低い物件を高く買わせたり、建てさせたりするサブリース会社は、不動産販売会社や建築会社と結託しているケースが多く、不良物件を割高にオーナーに買わせたり建たせたりした時点で利益が出ています。

そのため、家賃保証の支払いを避けるために、すぐにサブリース契約を解除してくることも少なくありません。

そしてオーナーが物件を割高に買わされたことを悟るのは、このサブリース契約を解除される瞬間であることが多いといえます。気付いた頃には、取り返しのつかない損失を抱えてしまっているケースがほとんどです。

サブリース契約では、家賃保証や利回りばかりに気を取られずに、物件価値そのものにも気を配ることが大切といえます。

 

1-4. サブリース会社の経営不振や倒産で家賃保証が途絶えることがある

サブリースではサブリース会社の経営不振や倒産で家賃保証が途絶える危険性もあります

サブリース契約では、「30年家賃保証、利回り8%」などの好条件が契約時にうたわれていても、サブリース会社の経営状況次第で家賃が支払われなくなる点に注意が必要です。

実際のところ、サブリース会社の破綻で、家賃保証が途絶え、自己破産するオーナーが相次いだ「かぼちゃの馬車事件」というものも過去にありました。

事例は次の通りです。

事例
「30年家賃保証、利回り8%」という好条件のサブリース物件を高額なローンを組んで購入したものの、サブリース会社が経営破綻し賃料が支払われなくなった。その後、購入した物件が資産価値半分ほどの不良物件であることが判明。物件は、売っても売却損が出るうえ、入居者を募集しても借り手が見つからず、月々のローン返済が重くのしかかる状態に陥った。
最悪の場合どうなるか
  • ローンの返済ができなくなり自己破産する
  • サブリース物件を売却したくても不良物件のため売却できず、多額のローンが返済できないまま残る
回避できるか(△)
  • サブリース会社の経営不振や倒産を見抜くことは、素人にはほぼ不可能
  • 物件購入時に、怪しいサブリース会社でないかどうか、怪しいスキームでないかどうか専門家に相談することで、リスクを多少抑えることは可能

事例に挙げたかぼちゃの馬車事件では、実際には銀行も絡んで、オーナーに返済能力以上の借入をさせるといった不正融資を行っていました。銀行の信用度が高いため、専門家もなかなか危険性を見抜くことができませんでした。

サブリースには、こうした回避しにくいリスクもある点に注意が必要です。

 

1-5. 融資審査の際に不正が行われることもある

サブリースでは、融資審査の際に不正をされる可能性もゼロではないため注意が必要です。

先述の「かぼちゃの馬車事件」のように、オーナーに高い物件を買わせるために、サブリース会社と銀行とが結託し、融資審査のための書類や通帳を改ざんするといった不正行為をした事例もあります。

そうした不正行為をされるとオーナーは返済能力以上のローンを組まされるため注意が必要です。返済能力以上のローンを借りてしまうと、返済計画が狂った場合、たちまち返済ができなくなり、自己破産などの危機に陥りやすいといえるでしょう。

融資審査における不正の他の例としては下記のようなものもあります。

事例
「30年家賃保証」というサブリース物件を、「諸経費無料」といわれて2500万円で購入。しかし、ローンは2700万円で組まれた。2700万円と2500万円の差額の200万円は諸経費として結局サブリース会社に支払われていたことが後で判明した。
最悪の場合どうなるか
  • 想定以上のローン返済に負われることとなる
  • 返済能力以上のローンを組まされてしまった場合は、返済計画の少しの狂いにより、たちまち返済が苦しくなる。返済できずに自己破産する可能性が高くなる。
回避できるか(△)
  • 申請内容と銀行から融資された金額をしっかり確認することで回避できる可能性が高い
  • 申請時の書類についてサブリース会社任せにせず、提出前にしっかり内容を確認することで回避できる可能性が高い

銀行の融資を受ける際には、サブリース会社や銀行任せにせず、提出した書類の内容や融資された額に、不審点はないかなど、しっかりと確認することが大切です。

 

1-6. 空き室時に家賃が支払われないことがある

サブリースのセールストークやパンフレットで「空き室でも家賃が得られる」とうたわれていても、家賃が支払われないこともあるため注意が必要です。

なお、家賃が支払われなくても、契約違反ということではありません。通常、契約書に「免責期間」が設けられていて、その期間は空き室でも家賃は支払われません。

免責期間とは、サブリース会社が家賃保証をしなくてよい期間のことです。契約書上に定められている事項で、入居者が退去した後、新たな入居者を募集するのに必要な期間などを想定して設けられています。

「空き室でも家賃保証がある」という点を強調されるあまり、免責期間が契約書上に記載されていても見落としてしまったり、軽視してしまったりすることがあるため注意が必要です。

例えば下記のようなケースです。

事例
「家賃保証により空き室時も賃料を受け取れ、空き室リスクを回避できる」というセールストークを受けて、ワンルームマンション1室を購入。しかし、入居者が退去するたびに、数ヶ月間賃料が支払われない時期があった。サブリース会社に確認しても「契約に基づき賃料は支払われない」といわれて、支払われなかった。
最悪の場合どうなるか
  • 免責期間の間の賃料分が受け取れない
回避できるか(×)
  • 回避できない

免責期間は通常は、入居者が退去した後の1~2ヶ月程度です。会社によっては通常より長い3~4ヶ月に設定されているケースもあるため、契約書をよく確認するようにしましょう。

 

1-7. 過大な修繕費用を請求されることがある

サブリースでは、過大な修繕費用を請求されるリスクもあります

物件の原状回復費用や大規模修繕費用は原則としてオーナーが負担します。そのため、物件の修繕が必要となれば、オーナーが支払うこととなりますが、修繕依頼先などをサブリース会社が選んで修繕することが多いため、割高な費用を事後に請求されるケースも少なくありません。

例えば下記のようなケースが想定されます。

事例
サブリース会社から、マンション設備の修繕費として30万円を請求された。内容を確認すると相場より10万円ほど高いので、修繕業者を変えてほしいとサブリース会社に伝えたが、断られた。
最悪の場合どうなるか
  • 高い修繕費を払うこととなる
回避できるか(△)
  • 契約前に修繕の手順を決めておくことで回避できる場合もある

割高な修繕費を避けるためには、契約前に、「修繕時には事前に見積もりの開示をし、承諾を得る」といった手順を決めておく必要があるといえるでしょう。

 

1-8. 入居者を選べないことで資産価値が下がることがある

サブリースでは、入居者を選ぶのはサブリース会社で、オーナーは入居者を選ぶことはできません。入居者を選べないことにより、トラブルや資産価値の低下を招く可能性もあります

事例は次のようなものです。

事例
サブリース会社がペット飼育者を入居させたために、退去後の原状回復費用が通常よりかかってしまった。物件価値を高く維持するためにも、ペットを飼う入居者を拒否したいとサブリース会社に伝えたが、聞き入れてもらえなかった。
最悪の場合どうなるか
  • 高い原状回復費用がかかることとなる
  • 資産価値が下がることがある
回避できるか(×)
  • 回避できない

オーナーが、例え、物件内でペットを飼うことやタバコを吸うことを禁止したいと思っても、入居者にそうした条件を付けて選ぶことはできません。

また、マナーの悪い入居者を避けることも不可能です。マナーの悪い入居者が騒音や悪臭、ゴミを溜めるといったことでご近所トラブルを起こし、物件の評判が悪くなり、物件の資産価値が下がってしまうこともあります。

 

1-9. オーナー側からの解約が難しい

サブリースではオーナー側からの解約が難しい点が大きなリスクといえます。

サブリースではオーナーが貸主、サブリース会社が借主となるため、借地借家法が適用され、借主保護の観点からオーナー側からの解約は簡単には認められません。

そのため下記のようなトラブルが起きることがあります。

事例
サブリース契約中に家賃が大幅に減額され、毎月赤字が出るため、サブリース契約を止めたいと思い、サブリース会社に契約解除を申し入れたが、解約に同意できないと断られてしまった。
最悪の場合どうなるか
  • 赤字続きでローンの返済ができなくなり自己破産になるケースもある
  • ローンの返済のためにサブリース物件のまま売却しても評価額が相場よりやすいためローンが完済できない
回避できるか(△)
  • 正当な事由が認められれば解約できる

オーナー側からサブリースを解約する場合には、「正当な事由」が必要とされています。

正当な事由とは例えば下記のようなものが想定されるものの、あくまで借主や入居者の事情も踏まえて判断されるため、解約は簡単ではないといえます。

【解約の正当事由の例】

・オーナー自身が居住する必要がある

・生計のために売却する必要がある

・物件の大規模な修繕あるいは取壊しの必要性がある

また、解約が認められても違約金の支払いが求められるケースが多く見られます。サブリースの違約金の相場は6ヶ月前後ともいわれており、決して安くないといえるでしょう。

 

1-10. サブリース物件は売却価格が低くなる

サブリース物件を売却する場合、サブリースでない物件と比べて売却価格が低くなる傾向があります。

物件を後で売ろうと考えている場合には、この点を把握しておかないと、予想外の売却損が出てしまう可能性もあるため注意しましょう。

事例
サブリース契約の物件について、採算が悪いため売却しようと査定に出したら、相場よりやや低い価格で査定された。それでも買い手がなかなか見つからず、売却価格をさらに下げることとなった。
最悪の場合どうなるか
  • 物件の売却損が出て、ローンが完済できない
  • サブリース物件が売却できず、多額のローンが返済できないまま残る
回避できるか(×)
  • 回避できない

サブリース物件が、相場より安くなる理由は、賃貸物件の査定方法にあります。多くの場合、賃貸物件の価格は、収益還元法で査定されます。収益還元法とは、家賃収入など将来得られる収益から算定する方法です。

サブリースの場合、家賃保証があるものの、受け取れる家賃は一般的に貸し出す家賃の8~9割程度です。同条件の一般的な物件に比べて将来的に得られる収益が低くなるため、その分、売却価格も低くなる点に注意が必要です。

 


2. サブリースのメリットしか見ていないと誰にでも危険は起こりうる

サブリースのメリットしか見ていないと、先述のサブリースの危険は誰にでも起こりうるといえます。

サブリースには、下記のようなメリットがあります。

【サブリースのメリット】

  • 家賃保証により安定的に賃料収入が得られる
  • 入居者の対応・管理業務を任せられる
  • 融資を受けやすい

これらのメリットはサブリース会社が強く宣伝していることもあり、比較的広く知られているといえるでしょう。

一方で下記のようなデメリットは広く知られているとはいえません

【サブリースのデメリット】

  • サブリースの賃料収入は年々減額される傾向にある
  • サブリース会社から突然解約されて賃料収入が途絶えることがある
  • サブリースでは修繕費が割高になりやすい
  • サブリース物件の一般的な物件に比べて売却価格は低くなる
  • オーナーは入居者を選べない
  • オーナーからの解約がしにくい

メリットばかりを見ているため、実際にデメリットを体験した時に「こんなはずではなかった」といった状態に陥りやすいといえます。

例えば、「1-1. 家賃保証とはいえ家賃減額のリスクがある」でも解説したように、サブリースでは物件の経年劣化や家賃相場の下落に応じて、家賃が下落することがあります。これは、サブリースの特徴ともいえます。

この特徴(デメリット)を知らないで、ローンの返済計画などを立てると、家賃の下落でたちまち返済がうまくいかなくなってしまうでしょう。

反対に、家賃減額のデメリットをしっかり理解できていると、それを織り込んで無理のない返済計画が立てられ、想定外の収入減で返済に苦しむといった危険を避けることも可能です。

サブリースのメリットしか見ていないと、サブリースの危険は誰にでも起きるため、デメリットにも目を向け注意を払うことが大切だといえるでしょう。

 


3. 【結論】サブリースは初心者には危険大!おすすめしない

サブリースは、特に初心者には危険が大きいため、おすすめしません

なぜなら、初心者は下記のような傾向があって、トラブルに巻き込まれやすいからです。

【初心者の傾向】

  • サブリースのデメリットをよく理解できていない
  • 大手企業・銀行だから安全と考えてしまう
  • 契約書の内容をよく理解しないままに契約してしまう
  • トラブルに遭った時にうまく対処できない

初心者は、「2. サブリースのメリットしか見ていないと誰にでも危険は起こりうる」で紹介したようなデメリットをよく知らないため、甘い収支計画を立てて失敗したり、悪質な業者に割高物件を押し付けられたりするなど、危険な目に遭いやすいといえます。

また、サブリースでは、大手企業や銀行であっても過去に多くのトラブルを起こしています。初心者はテレビCMで見た大手企業だから安全だろう、銀行だからさすがに変なことはしないだろうと考えてしまう傾向があります。そのため、トラブルに巻き込まれやすいといえるでしょう。

さらに、初心者は大手だから大丈夫だろうと契約書の内容をよく吟味しないままに契約してしまうケースも多いといえます。大手だからこそ巧妙に自社に有利な契約書を作成しているケースも少なくありません。契約書に異様に高い違約金や異常に長い免責期間など、不当な事項が書かれていないかしっかり確認しない人は、トラブルに遭いやすいでしょう。

また、初心者は、実際にトラブルに遭った時にうまく対処できないといえます。サブリース会社から法外な家賃減額の提案を受けても、うまく交渉ができずに言いなりになってしまうことも少なくありません。トラブルに遭った際に被害を抑えられないため、初心者はサブリースを避けた方がよいでしょう。

 


4.初心者にはサブリースではなく「管理委託」がおすすめ

初心者には、サブリースではなく「管理委託」がおすすめです。

賃貸管理や客付けを自分で行なうのが大変なため、サブリースに魅力を感じている人も少なくないでしょう。しかし、賃貸管理などの手間や客付けを任せる方法は、何もサブリースだけではありません。管理委託という方法もあります。

賃貸管理の方法を選択する場合には、サブリースと管理委託とのメリット・デメリットをよく比較して選ぶことがおすすめです。

以下は、サブリースおよび管理委託のメリット・デメリットです。

 

サブリース管理委託
特徴
物件を借り上げ、家賃保証をしてもらう物件の管理や家賃の集金代行、入居者対応などを委託する

メリット

  • 家賃保証が得られる
  • 入居者の入退去やクレームなどの対応を任せられる
  • 家賃収入を全額受け取れる
  • 礼金や更新料を受け取れる
  • 修繕費に口出しできる
  • 入居者の審査ができる
  • 入居者の入退去やクレームなどの対応を任せられる
  • オーナーからの契約解除も可能
デメリット
  • 家賃収入は査定賃料の80%~90%と低め
  • 家賃収入は年々減額される傾向が強い
  • 礼金や更新料は受け取れない
  • 修繕費が割高になりやすい
  • 入居者の審査はできない
  • オーナーからの解約がしにくい
  • サブリース会社から一方的に解約される可能性がある
  • 管理手数料が家賃の3%~8%かかる
  • 家賃保証はない

サブリースは不安なものの管理の手間を省きたいという初心者の場合は、管理委託がよいでしょう。管理委託では、家賃保証はないものの、管理手数料を差し引いても家賃の90%以上は確保できるなど物件の利回りも、サブリースに比べて高くなる傾向です。管理会社との契約に不満があれば、3ヶ月など所定の期間前までに申し入れば解約も可能で安全といえるでしょう。

経験者で、サブリースのリスクも十分に知っており、万が一、家賃減額や過大な修繕費の請求をされたときに、しっかりと交渉ができる人であれば、サブリースの利用もよいといえます。不動産賃貸の経験が豊富であれば、サブリースのリスクに対処しながら、サブリースの利点を活かすことも可能といえるでしょう。

 


5. 信頼できる管理委託会社を選ぶ際のチェックポイント 

サブリースでなく管理委託を利用する場合にも、悪質な業者は避け、信頼できる会社を選ぶことが大切です。

「マンションは管理を買え」という言葉があるように、特に不動産運用においては不動産の管理の「質」が重要です。

賃貸物件では、立地や間取りがよいといったことよりも「管理が行き届いていて良い状態」でなければ、住みにくく入居率が落ちてしまいます。入居率が下がると、入居者を無理に確保するために不良入居者を入れることとなり、苦情が増え、さらに入居率が減るといった悪循環に陥り、資産価値を下げかねません。

資産価値の低下を防ぐためにも、管理委託会社を選ぶ際にも管理の「質」を重視して選ぶようにしましょう。

例えば下記の点に注意して管理委託会社を選ぶことがおすすめです。

【管理委託会社を選ぶチェックポイント】

  • 入居者の苦情や問題に迅速に対応する
  • 入居率がしっかりと維持できている
  • 家賃を値下げせずに、高いままで入居させる手腕がある
  • オーナーにしっかりと情報発信する

管理会社を選ぶときは、決して管理委託会社を手数料の安さだけで選ばないことが大切です。特に管理手数料が無料という場合は要注意といえます。

質の良い管理をするにはどうしても費用がかかります。手数料を抑えて、管理の質が悪くなれば、入居率が下がり、賃料収入に影響しかねません。また、管理手数料無料とうたっていても、入居成約時のシステム料やオプション料などとして別途費用が発生することも少なくありません。

物件の管理状態を良い状態に維持するためにも、管理費だけでなく、必ず管理の品質について、管理会社の比較や口コミなどで確認して選ぶようにしましょう。

 

 

ルーム・スタイルでは下記のような賃貸管理を行っています。

 

  • 24時間365日入居者のクレームや設備トラブルに対応!
  • 募集力が強く早く客付けができ、年間入居率は98%!
  • 賃料増額や入居者の満足度につながるコスパ重視のリフォーム提案!
  • メッセージ機能でいつでも営業担当とやり取り可能!

 

さらに、オーナー様それぞれのニーズにあわせて4種類の賃貸管理プランをご用意しています。

 

  • 募集のみプラン:入居者探しから契約までを任せ、賃貸管理はオーナーが行う
  • 総合管理プラン:賃貸管理の全てを任せ、オーナーは毎月の収支報告を確認するだけ
  • 移管プラン:他社に任せている物件の管理を変更・移動する。引き継ぎ業務もすべて任せられる。
  • サブリース:ルーム・スタイルで物件を丸ごと借り上げる。入居者の有無に関わらず、賃料を毎月受け取れる。

 

オーナー様のお話をしっかり伺い、物件の状態を確認したうえでプランを提案させていただくので、費用面や管理面で納得できるプランをお選びいただけます。

 

マンションや戸建て、1部屋から1棟まるごとなど、幅広い賃貸管理をサポートできるため、どんなオーナー様の物件もおまかせください。

 

 


まとめ

サブリースが初心者には危険であることや、危ないといわれる理由について紹介しました。

サブリースが危ないといわれる理由には下記のようなものがあります。

【サブリースが危ないといわれる10の理由】

  • 家賃保証とはいえ家賃減額のリスクがある
  • 家賃保証があっても一方的に解約され賃料収入が途絶えることがある
  • 家賃保証に気を取られているうちに割高物件を掴まされることがある
  • サブリース会社の経営不振や倒産で家賃保証が途絶えることがある
  • 融資審査の際に不正が行われることもある
  • 空き室時に家賃が支払われないことがある
  • 過大な修繕費用を請求されることがある
  • 入居者を選べないことで資産価値が下がることがある
  • オーナー側からの解約が難しい
  • サブリース物件は売却価格が低くなる

不動産運用の初心者の場合、上記のサブリースの危険性を実感しにくかったり、実際にリスクに直面したときに対処できなかったりするため、特に危険といえるでしょう。

サブリースに不安がある場合は、一般的な管理委託契約がおすすめです。

管理委託では、家賃保証はないものの、管理手数料を差し引いても家賃の90%以上は確保できるなど物件の利回りもサブリースに比べて高めです。管理会社との契約に不満があれば解約可能な点も安心といえるでしょう。

賃貸経営の経験者で、サブリースのリスクも十分に踏まえて対処できるようであれば、サブリースの利用もよいでしょう。

これらの情報が、安心して不動産運用をするために役立つと幸いです。

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