マンションのリノベーション代、相場はいくら?工事別の費用を解説

長年所有しているマンションも時間の経過と共に劣化し、リフォームを検討している人も多いのではないでしょうか。また、これから投資目的で中古マンションを購入し、好みの内装にリフォームしたい人もいることでしょう。

しかし、収益性を重視する不動産投資では、リフォームにお金をかけすぎることは禁物です。なるべく少ない費用で、需要や入居者の満足度を上げる必要があります。

そこで、本記事ではマンションの工事別に見るリフォーム代の相場や、費用が変わるポイント、業者選びについて、具体的に解説していきます。

本記事を読んでわかること
  • リフォームとリノベーションの違い
  • フルリフォームと部分リフォームの相場
  • 居住用と投資用マンションのリフォームの考え方の違い
  • 工事内容別のリフォーム費用
  • マンションリフォームを行う際の注意点
  • リフォーム業者の選び方

目次

賃貸管理完全ガイド
依頼すべき理由

マンションのリフォームとリノベーションの違い

 

リフォーム改良、改善
リノベーション修復、革新

そもそも、マンションのリフォームとは劣化(老朽化)した住居を改装し、新築状態に戻すことをいいます。また、賃貸マンションから退去するときに、入居者が入る前の状態に戻すことを一般的に「原状回復」と呼びますが、これもリフォームです。

中には、リフォームとリノベーションの違いが分かりづらいと感じる人もいるかもしれません。リノベーションは、今よりもより快適に住めるように状態を良くする目的があります。既存の建物の価値を上げるために行うのがリノベーションです。

リフォームができないところもある?

マンションのリフォームをしたいと考えていたものの、リフォームできない場所があったという話はよく耳にします。

マンションには「専用部分」と「共用部分」があります。一般的に専用部分は住民が住んでいる部屋のこと、共用部分はマンション内の住民が共用で使用するスペースのことで、マンションのエントランスやエレベーター、駐車場、廊下、階段などが該当します。

また、意外に感じるかもしれませんが、ベランダ(バルコニー)や、窓、窓枠なども共有部分に属するケースが多いです。

マンションの専用部分は所有者の意向でリフォームが可能ですが、共用部分を勝手にリフォームすることはできません。

リフォームのタイミングは築10年~

マンションのリフォームのタイミングは、築10年が目安だと言われています。築5年目程度のマンションはそこまで劣化を感じることはないかもしれません。

築10年を過ぎたあたりからトイレや浴槽、キッチンなど水回りの劣化がでやすいタイミングです。家の内装部分でも、壁のクロスの汚れやフローリングの傷などの不具合が気になり始めます。

また、30年以上経過したマンションは室内の劣化が進行し、リフォームの範囲も広くなります。そのため、築30年以上のマンションでまとめてリフォーム工事を行うと、費用が500~1,000万円以上かかることも考えられるでしょう。

築年数がどれほど経ったタイミングでリフォームするかで費用も変わってくるため、所有時からの計画性が大切です。


フルリフォームと部分リフォームどっち?

マンションのリフォームにおいて部分的に行うべきか、全体をフルで行うべきか迷っている人もいるでしょう。特に、投資用物件では、その一部を自分でDIYによってリフォームする人も増えています。

フルリフォームとは、家の広範囲でリフォームを行う方法になり、間取りを新しく作り直すこともできます。部分リフォームは、家のなかで気になる部分だけをピンポイントでリフォームする方法です。

それぞれを選ぶうえで覚えておきたいポイントを説明します。

フルリフォームは間取りの変更や仮住まいの用意が必須

フルリフォームは、家全体を見直したいときにおすすめのリフォーム方法です。

断熱や省エネのような機能性を向上させたいときや、間取りを変えるなど大きな工事が必要になるときに行います。小さなリフォームを何度も行うよりも、まとめてできる分割安になるメリットもあります。

ただし、工期が長くなりやすく仮住まいが必要になることもあります。一度にかかるコスト的な負担も大きくなるため、投資用物件においては物件の取得時もしくは入退去時に空室となったタイミングで行うようにしましょう。

家全体をリフォームすることで、仕上がりの満足度が高くなると言われています。

部分リフォームはできる部分か事前に確認が必須

部分リフォームで多いのは、以下のような場所です。

  • トイレ
  • キッチン
  • 浴室
  • 洗面台
  • クロス
  • フローリング

部分的なリフォームでは、一度にかかるコストが少なく工期が短いメリットがあります。気になる部分のみをピンポイントでリフォームできるため、無駄もありません。

ただし、希望通りのリフォームができるとは限りません。特にマンションはフローリング規定が厳しく、遮音性の基準を満たしたものを使用するなどの制限があります。

また、一部分のみリフォームしたことで、周囲の劣化度合いが目立ちやすくなってしまうこともあります。そのため、仕上がりのイメージが違うと感じることも少なくありません。


マンションリフォーム代の相場はどのくらい?

「マンションリフォームは、具体的にどのくらいの費用がかかるのか?」

実際にこれからリフォームを考える人は、その料金が気になりますよね。リフォーム費用は、どの程度の範囲を行うのかによって大きく異なります。

費用の目安として、まずはフルリフォームした場合の相場を紹介します。

居住用物件のフルリフォームの平均は539.9万円

不動産ポータルサイト「SUUMO」の調べによると、マンションの大型リフォームの平均価格は539.9万円ということです。

リフォームの施工面積によっても変わってくるため、60平米600万円~、70平米700万円〜と費用が高くなる傾向にあります。あくまでも参考の相場として覚えておきましょう。

(引用:住宅・不動産購入をサポートする情報サイトSUUMO「マンションのリフォーム 費用はいくら?相場は?」

ただし、上記はあくまで居住用物件においてファミリー世帯を対象とした結果です。

投資用物件のリフォームは家賃3ヵ月分が目安

実際に、本サイトを訪れた皆さんが気になっているのは投資用物件のリフォーム価格でしょう。

投資用物件では家賃3ヵ月分程度が目安とされていますが、6ヵ月分に増えたからと言って問題があるとは一概に言えません。

この場合、回収までに6ヵ月の時間がかかることになりますが、それによって需要が高くなれば成功と言えます。

リフォーム費用をかけすぎてコスト回収できないと危険なので、コストパフォーマンスを重視しましょう。

 


マンション工事内容別リフォーム費用相場

本章では、マンション工事の内容別に、部分リフォームの費用がどのくらいかかるのか相場を紹介していきましょう。

1. 壁紙交換

築年数の経過だけでなく、キッチン周りの油汚れや冷蔵庫の裏の黒ずみがあると、壁紙交換が必要になります。

部屋の広さや、壁紙を交換する場所の面積によって費用相場が変わりますが、一般的に賃貸物件で使われる量産品の「スタンダードクロス」は1平米あたり1,000円~が多いようです。

デザイン性・機能性の高い「ハイグレードクロス」を使う場合はより高額になりますので、希望や予算に合わせた壁紙を選ぶようにしましょう。

2. フローリングの交換

フローリングの傷やへこみなど劣化が進み、リフォームが必要になることもあります。

フローリングの場合、1帖2万円~が相場となり部屋が広くなればその分、費用が高くなります。例えば30平米のフローリングすべてを張り替える場合、35万円以上のフローリング交換費用がかかることになります。フローリングが張られている範囲がどの程度あるのか、予算も含めて交換する範囲を決めておきましょう。

部分的な傷やへこみの場合は、張替ではなく補修にするのも1つの手です。

3. 水回り(浴室・洗面台・キッチン・トイレ)

マンションのリフォームで、水回りはよく選ばれます。水回りのなかでもリフォームの範囲が狭く設備のグレードの差が出やすいのは、トイレや洗面台です。グレードにこだわらないのであれば、リフォーム費用は10万円~と比較的手頃です。

キッチンや浴室は50万円~となり、設備のグレードや取替方法によっては150万円や200万円かかります。もともと設置されている設備のグレードを上げるのであればそこまで費用はかかりませんが、新規設置になると費用相場もあがります。

入居者が部屋を決める際、水回りの綺麗さ・新しさはとても大切ですが、

4. リビングやダイニングのリフォーム

家のなかでも人の出入りが多いリビングやダイニングのリフォームも多いといわれます。

例えば、築古物件でリビングの仕切りを撤去して、広々とさせたいと考える人もいるのではないでしょうか。仕切りの撤去はおおよそ40万円~となり、仕切りの数によっても変わります。

築年数が経過している建物の場合は、間取りを変えることで補強工事が必要になるケースも考えられます。ただ、撤去すればいいわけではないので費用が高額になってしまうこともあります。

リビングやダイニングのリフォームは専門業者に任せるのをおすすめします。

5. 和室から洋室にリフォームする

最近の需要を考慮して、和室から洋室のリフォーム事例も多いです。単純に畳からフローリングにするだけであれば、数十万円で行うことが可能です。

しかし、襖を撤去してクローゼットにリフォームするケースもありますし、障子を取って洋風な窓枠に変更するケースもあります。

また、襖を取れば、リビングと繋がっている部屋の場合、一つの大きな空間としてリフォームすることもできます。

使用する材料によっても費用が変わってきますが、フローリングにしてクロスの張り替えを行うのであれば100万円以内でできるでしょう。

施工内容・範囲によって窓や電気の交換も必要になり、部屋全体を見直す必要性が出てきます。


マンションリフォーム代の相場が左右されるのは

次は、マンションリフォームで費用相場が左右されるポイントを説明します。

  • 工事や施工内容によるもの
  • 劣化度合い
  • 資材のグレード
  • 業者による違い(相見積もり)
  • 繁忙期かどうか

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 工事や施工内容によるもの

これまでに述べてきた通り、マンションリフォームは、どんな工事を行うのか施工内容によっても費用が変わります。

例えば、フローリングの張り替えにしても「重ね張り(上張り)」と呼ばれる、既存の床材の上に新しく施工する方法のほうが「張り替え」よりも安く費用を抑えることができます。

資材も、無垢フローリングよりも複合フローリングの方が材料費は安くなるなど、同じフローリング工事でも工事や資材によっても費用面に大きな違いが出てきます。

2. 劣化度合い

定期的なメンテナンスをせず、マンションの劣化度合いが激しい方が、リフォーム代も高くなります。

そのため、築年数が古かったり、ペットがいたりして劣化度合いが激しいマンションのリフォーム代は高くなってしまいがちです。

築年数が古くなるとその分、1回のリフォームにかかる費用も高額になってくるため、まとまったお金が必要になります。

築5年、10年のタイミングである程度リフォームを済ませ、一度にかかるコストを軽減する方法もあるので、自分にあったタイミングを検討しましょう。

3. 資材のグレード

マンションリフォームは、使用する資材・建材のグレードも関係してきます。

バリエーションも多く金額にも幅があります。グレードの高いものを選びたくなりますが、範囲が広いとその分費用も高くなります。グレードを多少下げたからといってスペックに大きな差が出てくることはありません。

コスパを重視して資材を選ぶ人も多く、資材のグレードと予算も含め検討するようにしてみてください。

4. 業者による違い(相見積もり)

業者に支払う施工費を安く抑えるためにも、複数業者から相見積もりを取るようにしてください。1社のみの見積もりになってしまうと、相場に対して適正金額なのか判断できません。

相見積もりをもらうようにしておけば、それぞれの費用を比較したうえでどこの業者にするのか決められます。

相見積もりをもらうときは、事前に予算を伝えるようにすること、3社以上から見積もりをもらうようにしておきましょう。

5. 繁忙期かどうか

リフォーム業者が、繁忙期かどうかも影響してきます。

一般的には3月~5月の時期と9月~10月が繁忙期だといわれています。3月は、新生活を始めるタイミングのため、リフォームを希望する人も多くなる時期です。9月は異動・転勤などの理由で引越しをする人が多く需要が高まります。

繁忙期になると、スケジュールの調整が難しくなり希望日に利用しにくくなってしまいます。また、閑散期は利用者も少ない為、交渉して施工費用を値下げしてもらえる場合もあります。時期を調整できるのであれば、繁忙期よりも閑散期を狙うようにしましょう。


マンションリフォームでトラブルを防ぐためには

マンションリフォームを依頼するうえで、トラブルを防ぐためにできることを紹介します。

  • 両隣や上下の部屋には事前に挨拶をしておくこと
  • 管理組合に事前の申請や届け出が必要
  • 仮住まいが必要な場合は期間を確認しておく
  • リフォームする場所を明確にすること
  • ある程度優先順位を決め予算と相談する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 両隣や上下の部屋には事前に挨拶をしておく

リフォームの工事内容によっては、騒音や振動で周囲の人に迷惑をかけてしまうこともあります。特に両隣や上下の部屋には事前に挨拶をしておくようにしましょう。

マンションは、リフォームを行う前に書面を提示するなどのルールも決められています。

書類を提示したとしても、直接顔を合わせて挨拶しているほうが丁寧ですし印象も変わってきます。

2. 管理組合に事前の申請や届け出が必要

リフォームをする前に、まずは管理組合への説明が必要になります。マンションによっては、管理組合に申請が必要になるため所定の届け出を行う必要がでてきます。

マンションごとに、リフォームに対しての規約もあるため事前に確認しておきましょう。

3. 仮住まいが必要な場合は期間を確認しておく

突発的な不具合が発生し、マンションリフォーム(修繕)を余儀なくされた場合、仮住まいの用意が必要になる可能性があります。

リフォームの範囲によっても工期が変わってくるため、どの程度仮住まいに移動するのか期間を確認しておくと安心です。ちなみに、仮住まいにかかる費用も家主負担ということを覚えておきましょう。

4. リフォーム場所・内容を明確にすること

マンションリフォームを依頼するうえで、場所と内容を明確にして伝えておくようにしましょう。

リビング全体をリフォームするとしても、具体的にどこをどのように変えたいのかまで伝えておかないと、希望とは違う仕上がりになってしまうこともあります。

余計な費用がかかる原因にもなってしまうため、まずはリフォームする場所・内容の明確化が大切です。

5. ある程度優先順位を決め予算と相談する

リフォームしたい範囲がたくさんあっても、予算の問題ですべてを行うのは難しいケースも多いでしょう。ある程度、優先順位を決めておき、予算に合わせてリフォーム依頼の範囲を決めていくようにしましょう。

優先順位を明確にしておくことで、予算オーバーになってしまっても冷静な判断ができます。


マンションリフォーム業者を選ぶポイント

本章では、マンションリフォーム業者を選びのポイントを紹介します。

知人などでリフォーム業を行っている人がいれば頼みやすいですが、自分で業者探しをする場合は以下の点に気を付けてみてください。

1. 相談しやすいスタッフが在籍しているか

業者を選ぶときに、気軽に相談しやすいスタッフが在籍しているかどうかを確認するようにしておきましょう。

希望を丁寧にヒアリングしてくれて、出来る限り叶えようと対策を考えてくれるような業者だと安心して任せられます。

もちろん、スタッフのリフォームや建築に関する知識が豊富であるかどうかも大切です。

2. マンションリフォームにどの程度実績があるか

マンションリフォームは、実績数によって満足できるかどうかが決まるといっても過言ではありません。

豊富な施工実績があるからこそ予算に合わせた最適なプランを提案してくれます。見積もりもわかりやすく提示してくれますし、無駄な費用がかかることもありません。

実績・取引数の多い業者は、資材を安く仕入れていて価格に反映されている可能性があります。

3. 地域密着型のリフォーム会社も検討する

マンションリフォームでは、地元にあるリフォーム会社もおすすめです。地元ならではの事情も知り尽くしていますし、職人を自社で抱えているため自社施工を行っています。

外注しない分、費用を抑えた施工が可能です。


まとめ

この記事では、マンションのリフォーム代について費用の相場やポイント、リフォームの考え方について解説しました。

マンションのリフォーム代は、フルリフォームか、部分リフォームかによっても変わってきます。投資用物件においては、家賃3ヵ月程度の部分リフォームにしておきましょう。

また、リフォームで使用する資材の違いや、グレード、劣化度合いなどの影響もあるため、まずは相見積もりを貰い比較したうえで業者を選ぶようにしましょう。

予算も一緒に伝えておくと、希望の範囲でどこに費用をかけるか、グレードを下げても問題ないかなど相談しながら決めることができます。

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