アパートの無断駐車に困ったら?正しい対処法と再発防止のポイント

アパートにおける無断駐車の実態

アパート経営をしていると、必ずと言っていいほど遭遇する「無断駐車」問題。
一見すると小さなトラブルに思えますが、実は多くのオーナーが頭を悩ませている課題です。対応を誤れば入居者との信頼関係を損ね、退去につながる原因になることもあります。
この記事では、無断駐車の実態や具体的な対応方法、再発を防ぐための工夫など、オーナーが押さえておきたいポイントを分かりやすくまとめました。

「自分での対応はもう限界」「今の管理会社では不安…」という方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。経験豊富なスタッフが、入居者対応から再発防止策までしっかりとサポートいたします。

この記事で分かること
  • アパートの無断駐車の実態と主な原因
  • オーナーが取ってはいけないNG対応とその法的リスク
  • 無断駐車を見つけたときの正しい対応手順
  • 弁護士を通じたレッカー移動までの流れ
  • 無断駐車を防ぐための具体的な予防策
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    依頼すべき理由

    アパートにおける無断駐車の実態

     

    無断駐車は単なる迷惑行為ではなく、アパート経営に深刻な影響を与える問題として認識する必要があります。
    実際、国交省による「マンション総合調査」では「居住者間の行為、マナー」のトラブル発生状況は、生活音に次いで2番目に多いとされています。

    行為・マナー項目

    回答数

    割合

    生活音

    797

    34.3%

    違法駐車

    573

    24.7%

    ペットの飼育

    527

    22.7%

    共用部への私物放置

    428

    18.4%

    違法駐輪

    359

    15.4%

    バルコニーの使用方法について

    305

    13.1%

    専有部分の修繕等

    137

    5.9%

    (出典:国交省「マンション総合調査」より抜粋)

    無断駐車が起きやすい場所と背景

    無断駐車というと、外部の人間による迷惑行為を想像しがちですが、多くは入居者が関係しています。

    たとえば、退去で空いた駐車スペースに対して、「今は誰も使っていないから、いいだろう」と気軽な気持ちで車を停めてしまうことがあります。本来は近隣の月極駐車場を借りているものの、敷地内のほうが近くて便利なため、あえてルールを無視してしまうといったパターンです。
    また、他の入居者が契約している区画がたまたま空いているのを見て、「少しくらいならバレないだろう」と勝手に停めてしまう、常識を疑うような行動も実際に見受けられます。これらの多くは、一人暮らしの入居者を訪ねてくる恋人や友人によるものです。
    これらの背景には、駐車場不足や正規の月極駐車場代を節約しようとする意図的な行為も含まれています。

    オーナーが受ける主な被害

    無断駐車による影響は、金銭面だけでなく精神面や時間の負担もじわじわと積み重なっていきます。

    たとえば、入居希望者が内見に訪れたタイミングで無断駐車があると、「管理が行き届いていない物件なのでは」「ルールを守らない非常識な入居者がいるのでは」と不安を与えてしまいかねません。せっかくの申込み機会を逃してしまう要因にもつながります。
    オーナーによる自主管理の場合、さらに深刻なのは無断駐車の「現地確認~撤去」までの対応に要する時間とコストです。一連の流れに対応するために、数時間から数日を要することがあります。そのたびに本来の業務や日常の時間が削られていくわけで、無断駐車は小さな迷惑では済まされない「経営上のロス」とも言えるでしょう。

    他の入居者との関係悪化にもつながる

    無断駐車が放置されていると、「管理が行き届いていない物件」という印象を入居者に与えてしまいます。特に、自分の駐車スペースに無断駐車された入居者は、オーナーや管理会社の対応能力に疑問を持つようになり、退去を検討する要因となることがあります。
    また、無断駐車によって自分の車を出し入れできない入居者からは、「駐車場代の返金」を求められることもあります。このような状況が続けば、物件の評判低下は避けられず、長期的には「空室率の増加」や「家賃設定の見直し」を余儀なくされる可能性も出てきます。


    アパートの無断駐車でオーナーがやってはいけないこと

    アパートの無断駐車でオーナーがやってはいけないこと

    無断駐車を発見した際、感情的になってしまい、不適切な対応を取ってしまうオーナーも少なくありません。しかし、初動対応はとても重要で、やり方次第ではかえって自分自身が法的責任を問われる可能性があります。
    ここでは、絶対に避けるべき対応について詳しく解説します。

    ①そのまま放置してしまう

    よくある誤った対応は、「一時的なことだろう」と見て見ぬふりをしてしまうことです。無断駐車は軽微な迷惑行為のように思われがちですが、放置すると常態化するケースが多く見られます。気付いていながら見逃すことで、車の持ち主に「ここは停めても大丈夫なんだ」と誤解させてしまうのです。
    また、それを見た他の人も「空いてるなら自分も」と、同じように停めてしまうことがあります。1台だったはずの問題が、2台3台と増えていき、気づけば駐車場全体がルール無視の状態になっていた、ということも。
    こうなってからでは対応に時間も手間もかかり、状況の収拾がさらに難しくなってしまいます。

    ②車両に警告文などを直接貼付する

    車両のフロントガラスやドアに直接警告文を貼り付ける行為は、器物損壊罪に問われる可能性があります。特に、粘着力の強いテープやシールを使用した場合、車両の塗装やガラスを損傷させるリスクがあり、損害賠償請求を受けかねません。
    また、車両内部に警告文を投げ入れる行為は住居侵入罪に該当する場合がありますので、このように感情に任せた対応は避けましょう。

    ③車両を動かせない状態にする

    無断駐車の犯人を捕まえるため、「動けないようにしてやろう」と考えてしまう方もいるかもしれません。
    しかし、車両の移動を物理的に妨げる行為は、たとえ私有地であっても法的リスクが非常に高く、絶対に避けるべき対応です。
    たとえば、市販のタイヤロック装置を勝手に取り付けてしまうケースです。これにより車両の所有者が移動できなくなると、監禁罪や威力業務妨害罪に問われる可能性があります。

    そのほかにも、

    • 車の前後を他の車や障害物で囲って出られなくする
    • ロープやチェーンで車両を固定する
    • 車体に触れる形でカラーコーンやブロックを設置する

    といった行為も同様に、相手の所有物の自由を奪う行為として違法性が問われかねません。

    ④車両を勝手にレッカー移動する

    たとえ物件の敷地内であっても、車の所有権は相手にあるため、勝手に移動させることはできません。オーナーが勝手に動かせば、窃盗や損害賠償といった大ごとに発展するリスクがあります。
    詳しくは後述しますが、レッカーが必要な場合は、弁護士に相談して正しい手順を踏むことが大切です。「やられたから、やり返す」ではなく、「法に沿って、正しく返す」ことが冷静な経営判断です。

    「自分での対応はもう限界」「今の管理会社では不安…」という方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。経験豊富なスタッフが、入居者対応から再発防止策までしっかりとサポートいたします。


    無断駐車を発見した時の適切な対応手順

    無断駐車を発見した時の適切な対応手順

    無断駐車を見つけたら、落ち着いて、ひとつずつ順を追って対応していくことが、トラブルを大きくしないためのコツです。

    • 状況の記録
    • 警告文の掲示
    • 警察への通報
    • 弁護士による該当者の特定
    • 法的手段の検討

    これらのオーナーが無断駐車に気づいたときに取るべき5つの流れを紹介します。

    ①車両の状態とナンバーを記録する

    まず最初に行うべきは、証拠の保全です。無断駐車の事実を写真に記録し、客観的に証明する必要があります。

    初動対応で記録する内容

    • 日時
    • 車両のナンバープレート
    • 車種
    • 駐車位置

      この際、日付と時刻が確認できるよう、iphoneやデジタルカメラを活用することをおすすめします。撮影時は複数の角度から行い、駐車場全体の状況も含めて記録することが重要です。特に、駐車禁止の看板や区画線との位置関係が分かる写真は、後の交渉で重要な証拠となります。
      また、可能であれば「車両の損傷状況」も記録しておくと、後にトラブルが発生した際の責任の所在を明確にできます。

      ②警告文や張り紙を掲示する

      証拠保全の次は、所有者への警告です。(管理を業者に委託している場合、次のステップへ進みます)自主管理の方は、前述したように車両に直接貼り付けることは避け、車両の近くの地面や柱への設置することが望ましいです。
      警告文には、無断駐車禁止の旨に加えて、連絡先、そして一定期間内に移動しない場合の対応(警察への通報、法的措置など)を明記します。警告文は、感情的な表現や威圧的な文言にならないよう注意しましょう。

      ③管理会社や警察に相談する

      警告後も改善されない場合は、専門機関への相談に移ります。
      物件の管理会社がある場合は、まず管理会社に状況を報告し、対応方針を協議します。管理会社は類似案件の対応経験が豊富で、効果的なアプローチ方法を知っている可能性が高いです。
      また、重要なのは、警告文を設置した状況も写真に収めることです。これは適切な警告を行った証拠として必ず保存しておいてください。

      警察への相談も、有効な手段のひとつです。無断駐車は基本的に民事扱いとなるため、警察自体が車を動かしたり、強制的に対処することはできません。しかし、車両のナンバーから所有者に連絡を入れてくれることもあるようです。
      また、通報内容ややり取りは記録として残ります。そのため、万が一トラブルが長期化し、法的な対応が必要になった場合には「対応の経緯」として証拠になることもあります。

      ④所有者が判明しなければ弁護士に依頼する

      ここまでのステップで解決しない場合は、弁護士など法的専門家に相談しましょう。
      弁護士に依頼することで、正式な手続きに基づいた所有者の特定や、内容証明による警告通知の送付、車両のレッカー移動など必要に応じた法的対応が可能になります。
      「費用がかかりそう」と不安を感じる方も少なくありませんが、早めに専門家を頼ることが、結果的に時間とコストの節約になるケースも多いのです。

      ⑤レッカー移動などの法的手段を検討する

      どうしても解決しない場合は、裁判所に申立てを行い、車両を撤去するという選択肢もあります。ただし、この方法は手続きが複雑で時間もかかり、実際に踏み切るオーナーは少数です。
      たとえ法的な手順をしっかり踏んだとしても、レッカーによる移動代や保管料は、いったんオーナーが支払うことになります。契約内容次第で保証会社がカバーしてくれる可能性もありますが、相手が支払いを拒否すれば、最終的には少額訴訟で回収を目指すしかありません。
      ここまで対応するかどうかは、手間や負担を考えたうえで判断することになります。

      「自分での対応はもう限界」「今の管理会社では不安…」という方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。経験豊富なスタッフが、入居者対応から再発防止策までしっかりとサポートいたします。


      無断駐車に法的手段をとる前に知っておきたいこと

      無断駐車に法的手段をとる前に知っておきたいこと

      無断駐車問題を解決しようとする際、ネットに出回る情報を信じてしまい、多くのオーナーが誤解している点があります。既出の内容も含めて、4つのポイントをおさらいしましょう。

      放置期間が長くても所有権はそのまま

      とても大きな誤解が「長期間放置された車両は所有権が放棄された」という考え方です。
      法的には、車両の所有権は放置期間に関係なく所有者に帰属し続けます。たとえ数年間放置されていても、正規の手続きなしで処分することはできません。
      民法における所有権放棄は、明示的な意思表示が必要で、単なる放置では成立しません。また、道路運送車両法による廃車手続きも、所有者本人または正当な代理人でなければ行うことができません。

      警察は民事案件は取り締まれない

      警察に通報しても積極的な対応が得られないのは、無断駐車が基本的に民事事件として扱われるためです。道路上での違法駐車とは異なり、私有地内の無断駐車は当事者間の契約や財産権に関わる問題とされ、警察が介入できる範囲ではありません。
      そのため、警察にはレッカー移動を手配したり、罰則を科したりする権限はありません。
      ただし、事情を丁寧に説明すれば、車両のナンバーから所有者に連絡を取ってくれるケースもあるため、通報自体が無意味というわけではありません。

      オーナーでも車両の所有者情報は開示してもらえない

      通常、弁護士は依頼を受けた後、陸運局(運輸支局)に「登録事項等証明書」を請求し、車両の名義人を特定します。
      しかし、たとえアパートや月極駐車場の敷地内に無断で停められていたとしても、不動産オーナー本人が陸運局に申請しても、所有者情報を開示してもらうことはできません。

      これは、車両の所有者情報が「個人情報」に該当するためで、原則として正当な法律上の利害関係がなければ照会は認められません。
      例外的に、民事訴訟の準備段階として必要であることを証明できれば、不動産管理会社などが取得できる場合もありますが、申請が却下されるケースも少なくありません。
      確実に所有者を特定したい場合は、弁護士を通じて正式な手続きを行うのが現実的な手段です。


      アパート敷地内の無断駐車を防ぐ方法

      アパート敷地内の無断駐車を防ぐ方法

      無断駐車問題の根本的な解決は、発生してから対応するのではなく、事前に防ぐことです。予防は対応よりもコストパフォーマンスが高く、長期的な物件価値の向上にもつながります。

      三角コーンやコンクリートブロックを置く

      手軽で効果的な対策のひとつが、三角コーンやコンクリートブロックの設置です。三角コーンであればホームセンターなどで簡単に購入でき、必要がなくなった際もすぐに撤去できるため、柔軟に対応しやすいのが利点です。
      ただし、台風などの強風時には飛ばされてしまう可能性があり、悪意ある第三者に勝手に移動されてしまうリスクもあります。そのため、重みのあるコンクリートブロックと併用したり、しっかりと固定したりする工夫が必要です。
      また、ブロックを使う場合は、夜間でも目立つよう反射テープを貼るといった配慮も重要です。暗い時間帯に視認性が低いままだと、歩行者や自転車利用者が気づかずに接触してしまい、思わぬケガやトラブルにつながる可能性があるためです。

      駐車されそうな場所に防犯カメラを設置する

      防犯カメラは無断駐車対策として、高い効果が期待できる手段です。設置してあるだけで「監視されている」という意識を与えられるため、故意に駐車しようとする行為の抑止につながります。
      また、実際に無断駐車が発生した際も、車両のナンバーや時間帯を記録できるため、証拠として活用しやすく、後の対応もスムーズです。最近では、スマートフォンからリアルタイムで映像確認ができる機種も増えており、離れた場所からでも状況を把握できます。

      契約内容や掲示物を見直す

      無断駐車を防ぐには、そもそもルールを明確に伝えておくことが大前提です。
      契約書には、「無断駐車は固く禁ずる」旨を明記し、違反時の対応(警告、撤去、損害賠償請求の可能性など)までしっかり書いておくと、抑止力が高まります。現地の看板も、「駐車禁止」だけでは伝わりにくいため、たとえば 「この場所は私有地です。関係者以外の駐車はお断りします」 といった強めの表現が効果的です。
      「発見したら罰金○万円」といった表記には法的な強制力はありませんが、心理的インパクトで駐車をためらわせる効果を期待できます。あくまで脅しではなく、マナー違反への警告として設置するようにしましょう。

      物件への巡回頻度を増やす

      地味な方法ですが、意外と効くのが定期的な見回りです。オーナーや管理会社の人が時々顔を出すだけで、「ちゃんと管理されている物件だな」という印象になります。
      見回りの時は駐車場の状況だけでなく、区画線が薄くなっていないか、看板が破れていないかもチェックしておくと良いでしょう。
      また、見回りの記録を付けておくのもおすすめです。「いつも火曜日の夕方に停まっている」「雨の日によく無断駐車される」といったパターンが見えてくると、その時間帯に重点的に見回りを行ったり、追加の対策を打ったりすることができます。

      「自分での対応はもう限界」「今の管理会社では不安…」という方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。経験豊富なスタッフが、入居者対応から再発防止策までしっかりとサポートいたします。


      まとめ|手順を踏んだ対応と予防策が必要

      まとめ|手順を踏んだ対応と予防策が必要

      アパートでの無断駐車トラブルは、適切な知識と段階的な対応を重ねていけば、落ち着いて解決できるものです。大切なのは、感情的にならず冷静に対処すること。そして、問題が起きてから慌てるのではなく、日頃から予防策をしっかり整えておくことが安心につながります。
      無断駐車は単なる迷惑ではなく、アパート経営にも影響を与えるリスクがあることを意識し、早い段階で手を打つことが肝心です。トラブルの解決には少し時間がかかることもありますが、焦らず正しい手順を踏んでいけば、きちんと対応できます。
      一人で抱えず、不安なときは早めに専門家に相談することで、余計なリスクを避けながら安心して対処を進められるでしょう。

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