
「えっ、値上げ…?」
管理組合からの通知を見て、ため息をついた経験はありませんか?
2025年、都内のマンションで管理費・修繕積立金の値上げラッシュが続いています。果たして、言われるがままに受け入れるだけでいいのでしょうか。
この記事では、値上げの実態から具体的な対応策まで、マンション所有者が知っておくべき情報をわかりやすくまとめました。
管理費や修繕積立金の値上げにお悩みの区分所有者様、管理組合様へ。状況や背景を丁寧に整理しながら、弊社が無理のない選択肢をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
| この記事で分かること |
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目次
- 都内マンション管理費値上げの最新データ
- 首都圏マンションの管理費が7.5%上昇
- 修繕積立金は16.5%の大幅アップ
- 住民の6割以上が「すでに影響あり」と回答
- 管理費・修繕積立金が値上げされる3つの主要理由
- ①人件費の高騰
- ②インフレによる物価・資材費の上昇
- ③協力会社からの値上げ要請と新制度の影響
- 値上げ通知が届いたら?3ステップの具体的対応策
- ステップ1:情報収集|管理規約と総会議案書を確認
- ステップ2:妥当性の検証|チェックリストで精査
- ステップ3:総会での質問・意見表明
- 管理費・修繕積立金の適正額を見極める方法
- 築年数別の相場データ
- 総戸数・共用設備による違い
- 地域差(都内と郊外の比較)
- 値上げを最小限に抑える実践的な対策
- 対策1:管理会社の変更を検討(相見積もりの活用)
- 対策2:管理業務の見直しとコスト削減
- 対策3. 収入増加策の検討
- 管理組合として知っておくべき法的知識
- 値上げ決定のプロセスと法的根拠
- 管理規約の重要性
- マンション管理士の活用
- まとめ|「仕方ない」で終わらせない姿勢が大切
都内マンション管理費値上げの最新データ
まずはマンションの管理費について、現状を把握しましょう。
「うちのマンションだけ?」と不安に思っている方も多いかもしれませんが、実は都内全体で値上げの波が押し寄せています。
公的機関の最新データを見ていきましょう。
首都圏マンションの管理費が7.5%上昇
東日本不動産流通機構(レインズ)の「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2024年度)」の調査によると、首都圏のマンションの管理費は前年比+7.5%。過去10年を振り返っても、これほどの上昇率は初めてです。具体的な金額で見てみましょう。
たとえば70㎡の一般的なマンションの場合、管理費は月額約1万5,120円、修繕積立金は約1万4,350円。合計すると約2万9,470円の負担になっています。1年間で考えると、35万円以上です。
特に都内では、月額2万円を超える管理費も珍しくなくなってきました。新築マンションに至っては、わずか6年間で34%も上昇したケースもあるんです。これでは家計への影響も無視できませんよね。
修繕積立金は16.5%の大幅アップ
管理費よりもさらに上昇幅が大きいのが修繕積立金です。同調査によると、首都圏中古マンションの修繕積立金は前年比+16.5%と、二桁台の上昇率を記録しました。
築年数別に見ると、築20年前後から水準が上がる傾向があり、築30年前後ではさらに高い水準となるデータも示されています。
これは、多くのマンションで12〜15年周期とされる大規模修繕工事の実施や、その後の長期修繕計画の見直しが影響していると考えられます。
物件ごとの差はありますが、築年数の経過とともに修繕積立金の負担が増す傾向は、統計上も確認されています。
住民の6割以上が「すでに影響あり」と回答
複数のマンション居住者を対象にしたアンケート調査では、約6割が「すでに管理費や修繕積立金の値上げの影響を受けている」と回答しています。さらに、7割以上が値上げに関する議論を経験しているという結果も出ています。
毎月の管理費・修繕積立金の合計額は、2〜4万円が6割以上を占めています。住宅ローンの返済に加えてこの金額がかかるため、家計へのインパクトは決して軽いとは言えません。
また、「どこまでなら値上げを受け入れられるか」という質問では、月額3,000円未満がボリュームゾーン。
一方で、5,000円を超えると『売却も検討する』という回答が急増する傾向が見られました。実際、5,000円の値上げを想定した場合、約半数が売却を検討するというデータもあります。
管理費・修繕積立金が値上げされる3つの主要理由
「なぜこんなに上がるの?」という疑問、当然ですよね。
値上げには様々な理由がありますが、その背景を理解していきましょう。主な要因は3つに集約できます。
①人件費の高騰
値上げの大きな要因は、人件費です。マンションの管理人さんや清掃スタッフの確保が、年々難しくなっていることが関係しています。
これまでマンション管理の仕事は、定年退職したシニア層が担ってきました。でも最近は、状況が変わりました。
定年が65歳に延長されたり、他の業種でもシニア人材を積極採用したり。マンション管理だけが「安い給料で我慢してください」とは言えなくなったわけです。
②インフレによる物価・資材費の上昇
電気代、ガス代といった光熱費の高騰も大きく関係しています。
共用部の廊下やエントランスの照明、エレベーターの電気代。これらは全て管理費から払われています。電気料金が上がれば、当然管理費も上がります。
さらに深刻なのが建築資材の価格高騰です。「大規模修繕工事の見積もりを取ったら、5年前の長期修繕計画より30%も高かった…」といった話は、ここ最近本当によく耳にします。
たとえば、当初1億円と見込んでいた外壁塗装が1億3,000万円に。この差額3,000万円、どこから出すかといえば、結局は修繕積立金の値上げか一時金の徴収しかありません。
③協力会社からの値上げ要請と新制度の影響
清掃会社、エレベーター保守会社、消防設備点検会社…マンション管理には様々な協力会社が関わっています。これらの会社も同じように人件費や資材費の上昇に直面しているので、「値上げさせてください」と言ってきます。
意外と見落とされがちなのが、新しい制度への対応コスト。たとえば2025年4月から本格化したプラスチックごみの分別制度。細かく分別する手間が増えて、人件費やごみ処理費用が上がっています。
「たかがごみの分別で?」と思うかもしれませんが、300戸のマンションなら月数万円のコスト増になることも。小さな変更でも、積み重なれば無視できない金額になるんです。
管理費や修繕積立金の値上げにお悩みの区分所有者様、管理組合様へ。状況や背景を丁寧に整理しながら、弊社が無理のない選択肢をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
値上げ通知が届いたら?3ステップの具体的対応策
値上げ通知を受け取ったとき、多くの人は「仕方ないか…」と諦めてしまいます。でもちょっと待ってください。
区分所有者には、値上げの妥当性をチェックし、意見を言う権利があるんです。これはもちろん、賃貸に出している区分オーナーも同じです。
以下で具体的にどう動けばいいか、3つのステップで解説します。
ステップ1:情報収集|管理規約と総会議案書を確認
まず最初にやるべきことは、管理規約と総会議案書をしっかり読むこと。「分厚くて面倒くさい…」と思うかもしれませんが、ここを飛ばすと後悔します。
管理費の変更は、区分所有法に基づいて「普通決議」で決まります。つまり、総会に出席した人の過半数が賛成すれば値上げは通ってしまう。「知らなかった」では済まされません。
議案書には、値上げの理由、金額の根拠、いつから実施するかなどが書かれているはず。読んでいて「ここ、よくわからないな」と思ったポイントは、メモしておきましょう。後で質問するときに役立ちます。
ステップ2:妥当性の検証|チェックリストで精査
次に、値上げが本当に妥当なのかチェックしましょう。以下のポイントを確認してみてください。
- どの項目にいくら使われているか、具体的に書かれているか
- 去年と比べてどれくらい増えたのか、比較データがあるか
- 「人件費が上がった」とか「物価高騰」とか、値上げの理由は明確か
- 近隣の同じくらいの規模のマンションと比べて、極端に高くないか
- 長期修繕計画と整合性は取れているか
たとえば「管理費を月2,000円値上げします」という提案があったとき、内訳が「人件費1,500円、電気代300円、その他200円」と明記されていれば納得しやすいですよね。しかし、「諸経費の増加により2,000円」という記載だけでは少し不明瞭です。
区分所有者は理事会に質問する権利がありますので、不明な点があれば遠慮せず聞いてみましょう。
ステップ3:総会での質問・意見表明
総会は、区分所有者が直接意見を言える貴重な場です。「人前で話すの苦手…」という人も、勇気を出して発言してみましょう。実は、同じことを疑問に思っている人がたくさんいるものです。
具体的には、こんな質問が効果的です。
- 「人件費が何%上がったと説明がありましたが、その根拠となるデータを見せていただけますか?」
- 「他の管理会社からも見積もりは取りましたか?比較検討はされましたか?」
- 「管理業務の内容を見直して、コストを削減することは検討されましたか?」
- 「一気に値上げではなく、段階的に上げていくことは難しいですか?」
アンケート調査では、8割近くの住民が「値上げの必要性は理解している」と答えています。
しかし同時に、家計への不安や説明不足への不満も多いのです。納得のいく説明を求めることは、決してワガママではありません。
管理費や修繕積立金の値上げにお悩みの区分所有者様、管理組合様へ。状況や背景を丁寧に整理しながら、弊社が無理のない選択肢をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
管理費・修繕積立金の適正額を見極める方法
「うちのマンション、高すぎない?」と思ったとき、比較する基準がないと判断できませんよね。ここでは、適正額を見極めるための具体的な指標を紹介します。ただし、マンションの状況によって差があることは頭に入れておいてください。
築年数別の相場データ
LIFULL HOME’Sの調査データをもとに、築年数別の目安を見てみましょう。
【東京都の築年数別 管理費・修繕積立金の月額平均】(※単位:円)
| 築年数別 | 管理費 | 修繕積立金(月額60㎡換算) |
| 築0-5年 | 19,182 | 7,460 |
| 築6-10年 | 15,878 | 10,526 |
| 築11-15年 | 14,478 | 12,882 |
| 築16-20年 | 14,202 | 14,606 |
| 築21-25年 | 12,600 | 14,684 |
| 築26-30年 | 13,491 | 14,973 |
| 築31-35年 | 16,288 | 14,383 |
| 築36-40年 | 15,805 | 14,636 |
| 築41-45年 | 14,112 | 13,595 |
(出典:LIFULL HOME’S「近年注目高まる「修繕積立金・管理費」動向をLIFULL HOME’Sが調査」)
ただし、上記はあくまで平均的な目安。(2025年1-5月に掲載された物件から抜粋)
たとえば、タワーマンションと5階建ての低層マンションでは、エレベーターの保守費用だけでも全然違います。一概に「高い・安い」とは言えません。
だからこそ大切なのは、単純な金額の大小ではなく、「その金額に見合う管理内容になっているか」を確認すること。
総戸数・共用設備による違い
意外かもしれませんが、50戸未満の小規模マンションと500戸以上の大規模マンションは、どちらも管理費が高くなる傾向があります。
小規模マンションは、管理人さんの人件費を少ない戸数で割るから高くなる。一方、大規模マンションは、ジムやラウンジ、ゲストルームといった豪華な共用施設の維持費がかかります。
仮に100戸のマンションで管理人の給料が月30万円なら、1戸あたり3,000円。でも30戸なら1万円になってしまいます。逆に500戸の大規模マンションでは、プールやフィットネスジムの維持だけで月100万円以上かかることも。
コストパフォーマンスで考えると、100〜200戸くらいがちょうどいいバランスと言われています。
地域差(都内と郊外の比較)
上記のLIFULL HOME’Sの調査(掲載中古マンション・60㎡換算データ分析)によると、東京23区では管理費・修繕積立金の月額が高い傾向にある一方、物件価格に対する負担割合で見ると、郊外エリアの方が相対的に高くなるケースがあることが示されています。
たとえば、東京23区で価格5,000万円・管理費2万円の場合、物件価格に対する割合は約0.04%。一方、郊外で価格3,000万円・管理費1.5万円とすると約0.05%になります。
もちろんこれは代表例による試算ですが、価格差を踏まえると、月額が低くても割合では負担感が増すケースもあると考えられます。
値上げを最小限に抑える実践的な対策
「値上げは仕方ない」と諦める前に、できることはまだあります。
ここでは実際に効果のあった、具体的なコスト削減策を紹介します。どれも実際のマンションで実践されて、成果が出ている方法ばかりです。
対策1:管理会社の変更を検討(相見積もりの活用)
管理会社を変えるだけで、年間100万円以上のコスト削減に成功したマンションもあります。「長年お世話になってるし…」という義理人情も大切ですが、その義理のために住民全員が高いお金を払い続けるのは考えものです。
まずは3〜5社から相見積もりを取りましょう。国土交通省が推奨する「マンション管理業務共通見積書式」を使えば、会社ごとの比較がグッと楽になります。
ただし、「一番安いところ」を選べばOKというわけではありません。たとえばA社が月15万円、B社が月12万円だったとしても、B社のサービス内容が薄かったら意味がないですよね。価格とサービスのバランスを見極めることが大切です。
対策2:管理業務の見直しとコスト削減
今の管理業務、本当に全部必要ですか?見直すだけでコストを下げられることがあります。
- 管理人の勤務時間を見直す(フルタイムから午前のみ・週3日勤務に)
- 清掃の頻度を調整する(週5回を週3回に減らしても、実はそんなに困らないことも)
- エレベーター保守契約を変更する(フルメンテナンスからPOG契約に切り替え)
- 共用部の照明をLEDに交換(初期投資は必要だが、電気代が年間数十万円削減できる)
たとえば、あるマンションでは清掃を週5日から週3日に減らしたところ、年間150万円の削減に成功。「毎日掃除しなくても、意外と大丈夫だった」という住民の声が多かったそうです。
ただし、削りすぎは禁物。マンションの美観が損なわれたり、設備の故障が増えたりすると、結果的に資産価値が下がってしまいます。
対策3. 収入増加策の検討
支出を減らすだけじゃなく、収入を増やすという発想も大事です。
- 空いている駐車スペースをカーシェア事業者に貸し出す
- 屋上に携帯電話の基地局を設置(月20〜50万円の収入も可能)
- エントランスや掲示板に広告スペースを設ける
たとえば、携帯基地局の設置。月30万円の収入があれば、年間360万円。300戸のマンションなら、1戸あたり月1,000円の管理費削減と同じ効果です。
「そんなうまい話、うちには…」と思うかもしれませんが、実際に多くのマンションで実施されています。まずは携帯会社に問い合わせてみる価値はあります。
管理組合として知っておくべき法的知識
「法律とか難しいこと、わからない…」という人も多いでしょう。
でも最低限の知識がないと、不利な立場に立たされることも。ここでは、本当に必要な法的知識だけを、わかりやすく解説します。
値上げ決定のプロセスと法的根拠
管理費の変更は、区分所有法第31条で「普通決議」と定められています。つまり、総会に出席した人の過半数が賛成すれば、値上げは通ってしまいます。
ここで重要なのが、議決権の配分。専有部分の床面積が広いほど、議決権が多くなります。たとえば60㎡の部屋と120㎡の部屋では、後者の方が2倍の発言力を持つ、ということです。
もし値上げ案が否決されたら、管理会社は現行の契約内容で続けるか、契約を解除するかを選べます。「じゃあ解除してもらって、新しい会社を探せばいいじゃん」と思うかもしれませんが、管理会社探しは意外と大変。
結局、渋々値上げを受け入れることになるケースが多いんです。
管理規約の重要性
管理規約は、いわばマンションの「憲法」みたいなもの。管理費や修繕積立金の金額、どうやって集めるか、どういう手続きで変更するかなど、重要なことが全部書かれています。
規約そのものを変えるには「特別決議」が必要で、区分所有者の4分の3以上の賛成が必要です。かなりハードルが高いですよね。でも、規約で定められた範囲内での金額変更なら、普通決議(過半数)でOK。
もう一つ大事なのが、長期修繕計画。これは5年ごとに見直すことが推奨されています。「5年前に作ったから大丈夫」ではダメ。資材価格の変動を反映させないと、いざ修繕のときに「お金が全然足りない!」なんてことになりかねません。
マンション管理士の活用
マンション管理士という国家資格を持った専門家がいます。「そんな人に頼んだら、またお金がかかるんじゃ…」と思うかもしれませんが、長い目で見ればコスト削減につながることも多いんです。
たとえば、管理会社からの値上げ提案が本当に妥当か、第三者の目でチェックしてもらう。または、管理会社変更の際の相見積もり比較を手伝ってもらう。プロの目が入ることで、「何となく高そう」という感覚的な判断から、「データに基づいた合理的な判断」ができるようになります。
また、国土交通省の「マンション管理計画認定制度」に適合した管理を行うと、住宅ローンの金利優遇や税制優遇を受けられることも。専門家のアドバイスは、単なるコストではなく「投資」と考えるべきでしょう。
まとめ|「仕方ない」で終わらせない姿勢が大切
管理費や修繕積立金の値上げは、インフレや人件費高騰など複数の要因が重なって起きています。完全に止めるのは難しいかもしれません。
しかし、「言われるがまま」でいる必要はありません。情報を集め、妥当性を確認し、総会で発言し、代替案を示す。この積み重ねで、値上げ幅を抑えられる可能性はあります。
月3,000円の増額でも、10年で36万円。小さな差に見えて、長期では決して小さくありません。
長期修繕計画を確認し、内訳を精査し、相場と比較する。その一歩が、資産価値を守る行動になります。
管理費や修繕積立金の値上げにお悩みの区分所有者様、管理組合様へ。状況や背景を丁寧に整理しながら、弊社が無理のない選択肢をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。











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