サラリーマンこそ家賃収入の確定申告すべき!流れを理解しリスク回避

「サラリーマンで家賃収入があるけれど、確定申告は必ず必要?」
「サラリーマンだけど、家賃収入に対する確定申告ってどうするの?」

ほとんどの家賃収入を得ているサラリーマンの方が、ご自身で確定申告をした経験がないため、はじめての確定申告で戸惑ってしまいます。

年間所得が20万円以下であれば確定申告は必要ないとされていますが、実際のところは、家賃収入の年間所得金額に関係なく、ほとんどの場合で確定申告をするべきです。

少しでも節税につながるのであれば、正しく確定申告を行いたいですよね。

まずは、確定申告の流れについて理解していきましょう。

STEP1:確定申告の方式を確認・決定する(白色・青色)

STEP2:確定申告の提出方法を決める

STEP3:必要書類や添付書類を集める

STEP4:確定申告書を作成する

STEP5:毎年3月15日までに確定申告を終える

STEP6:【還付なしの場合】計算された納税額を期日までに支払う

STEP7:【還付ありの場合】申告書提出後に銀行口座に還付金が振り込まれる

サラリーマンの方にとっては、はじめての確定申告で、準備するものも多く不安に感じてしまうかもしれません。

そこでこの記事では、サラリーマンの方向けに特化した確定申告の知識について徹底解説していきます。

この記事でわかること
  • 家賃収入のあるサラリーマンの確定申告の必要性
  • 【サラリーマン向け】確定申告の流れ
  • 家賃収入に対する確定申告でよくある疑問

今は「どうやって確定申告するの?」や「会社にバレるかな?」と感じていることでしょう。

しかし、この記事をしっかりと最後まで読んでいただければ、確定申告の全体の流れを把握するだけではなく、安定して確実な賃貸経営をしていけるコツも理解できるようになりますよ。

まずは、サラリーマンだからこそ考えるべき確定申告の必要性についてみていきましょう。

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1. サラリーマンが家賃収入を得ているなら確定申告しよう!

結論からお伝えすると、家賃収入を得ているサラリーマンの方でも、確定申告をするべきです。

確定申告は、主に個人事業主やフリーランスなどが行うもので、会社側で年末調整をしてもらえるほとんどのサラリーマンには必要ありません。(給与所得2,000万円以上の方を除く)

しかし、副業で家賃収入を得ている場合は、確定申告が必要なのです。
具体的には、以下の2パターンに分かれます。

  • 【必須】年間の不動産所得が20万円以上だと確定申告が義務
  • 【任意】年間の不動産所得が20万円以下でも節税できる可能性がある

不動産所得額次第では、確定申告をしなくても良いと考える方もいます。しかし、実際のところは給与所得のある場合は、確定申告をした方がお得なケースが多いのです。

確定申告が必須・任意、それぞれのパターンについて具体的に解説していきます。

1-1. 【必須】年間の不動産所得が20万円以上だと確定申告が義務

サラリーマンが家賃収入を得ている場合、給与所得以外の不動産所得が20万円を超えた場合は、給与所得と合算して確定申告をしなければいけません。(参考:国税庁|確定申告が必要な方)

ここでいう不動産所得20万円以上とは、単純に年間の総家賃収入額ではないので注意しましょう。

不動産所得とは、年間の家賃合計額から、一年間でかかった必要経費の金額を差し引いた金額です。

この計算式で必要になる必要経費には、以下のようなものが含まれます。

不動産購入時に
発生する経費
  • 不動産所得税
  • 登録免許税
  • 印紙代
  • 書籍代(不動産所得に関係するもの)
  • 仲介手数料
毎年発生する経費
  • 管理修繕費
  • 保険料(火災・地震など)
  • 修繕費※
  • 交通費
  • 通信費
  • 消耗品
  • 広告宣伝費
  • 交際費(入居者へのお歳暮なども含む)

※畳や壁紙の張り替えなどであれば修繕費になるが、大規模なリフォームは資産計上して減価償却する必要がある。

必要経費を差し引いても、不動産所得が20万円を超えている場合は、会社の年末調整だけではなく、ご自身で確定申告をしなければいけません。

まずは、「2.【サラリーマン向け】家賃収入が入ってから初めての確定申告の流れ」を参考に、確定申告の準備をはじめましょう。

1-2. 【任意】年間の不動産所得が20万円以下でも節税できる可能性がある

年間の不動産所得が20万円以下の場合は、確定申告をする必要はありません。

しかし、たとえ確定申告が任意の場合でも、一定の条件に該当する場合は確定申告することで節税効果が期待でます。

とくに、賃貸経営をはじめたばかりの下記のような方は、確定申告すべきです。

  • 賃貸物件を年内に購入したばかり
  • まだはじめての家賃収入が入っていない
  • 経費ばかりかかって赤字である

このように、必要経費を差し引いた不動産所得が赤字になっている方は、給与所得と損益通算を行うことで、給与所得額も抑えられるのが大きなメリットです。

不動産所得の赤字額を給与所得から差し引くことができれば、最終的な課税対象金額が少なくなるので税金を抑えられるのです。

たとえば、以下のようなケースの場合は、不動産所得が赤字になっているかもしれません。

  • 新たに物件を購入したので、必要経費が高額になった
  • 物件の修繕などが複数発生したので、修繕費が増えた
  • 賃貸業を始めたばかりなので家賃収入が少額だが、準備費はかかっている

上記のように、少しでも不動産所得が赤字になる可能性がある場合は、積極的に確定申告をして最終的に支払う税金を抑えられるようにしておきましょう。

▼損益通算以外の確定申告をするメリットは「所得税の還付」

赤字ではない場合でも以下の条件に該当すると、確定申告することで追って所得税の還付を受け取れます。

  • ふるさと納税で買い物をした
  • 個人的に寄付をした
  • 医療費控除を受けたい
  • 新たに住宅ローンを組んだ など

確定申告後に払いすぎた税金を取り戻せるので、忘れずに行えるようにしておきましょう。


2. 【サラリーマン向け】家賃収入が入ってから初めての確定申告の流れ

サラリーマンの場合、会社側が年末調整を行ってくれるので確定申告をしたことがない方も多いかと思います。

はじめての確定申告は、右も左もわからずに手こずってしまい、期限ギリギリまで申告が終わらない方も少なくありません。

そこでここからは、はじめて確定申告をするサラリーマンの方向けの、確定申告の流れを解説していきます。

STEP1:確定申告の方式を確認・決定する(白色・青色)

STEP2:確定申告の提出方法を決める

STEP3:必要書類や添付書類を集める

STEP4:確定申告書を作成する

STEP5:毎年3月15日までに確定申告を終える

STEP6:【還付なしの場合】計算された納税額を期日までに支払う

STEP7:【還付ありの場合】申告書提出後に銀行口座に還付金が振り込まれる

全体の流れを理解しておけば、余裕を持って確定申告に挑めるようになります。
申告書作りに取り組む前の、準備段階から順序よくみていきましょう。

2-1. STEP1|確定申告の方式を確認・決定する(白色・青色)

まずは、「白色申告」と「青色申告」のどちらの方式で確定申告をするのか決めなければいけません。

確定申告は2種類の方式にわかれており、下記のように違います。

※1:開業した年度の確定申告で青色申告をしたい場合は、開業後2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出する必要がある。
※2:e-Taxで確定申告を行った場合の最大控除額は65万円、窓口申請の場合は最大控除額55万円となる

上記をみても、どちらを選ぶべきかわからないという方は少なくありません。
基本的には、下記の2パターンで考えてみましょう。

もしも青色申告で確定申告する場合は、65万円と10万円どちらの控除を利用できるのかを考えておけば、確定申告のために必要な記帳方法も決められますよ。

2-2. STEP2|確定申告の提出方法を決める

これから行う確定申告の方式が決まったら、次は確定申告書の提出方法を決めておくのがおすすめです。
確定申告の提出方法は、主に以下の3種類です。

事前に提出方法を決めておくべき理由は、提出方法によって受理までにかかる時間や手間が大きく変わってくるからです。

それぞれの提出方法について、簡単にご紹介します。

2-2-1. 窓口で提出

確定申告の提出と聞いて、多くの方がイメージするのが税務署に行って窓口で提出する方法だと思います。一番確実に確定申告の手続きを終えられるのが、窓口での提出方法です。

メリット
  • 書類の不備を窓口でチェックして修正できるので、不備なく提出できる
  • わからないところ質問しながら書類を作成できる
  • 申告書の控えに受付印をもらえるので、ローン審査などの提出書類としてつかえる
デメリット
  • 予約を取らなければ窓口に行けない場合がある
  • 書類提出するだけに何時間もかかる
  • 期限直前は、とにかく混雑している

税務署窓口で提出するということは、その場で税務署の人に不備をチェックしてもらえるということです。書類に関して疑問点等があれば、一緒に質問できるので、より安心して書類作成ができます。

ただし、確定申告時期は多くの人が税務署に押し寄せるので、機嫌ギリギリまで待つのではなく、なるべく早い段階で提出するのがおすすめです。

2-2-2. 郵送で提出

作成した確定申告書と添付書類は、管轄の税務署に郵送で提出することもできます。

郵送で提出する場合のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット
  • 手軽に提出できる
  • 消印が期日内であれば、期間内提出とみなされる
デメリット
  • 書類に不備があった場合は、改めて書類再送しなければいけない

手軽に書類提出できる郵送での提出ですが、不備があった時が大変になるのは事実です。何度も切手を貼って再送する手間もコストも、もったいないですよね。

確実に不備のない書類を作成できる場合は郵送での提出もおすすめですが、不安な場合は窓口提出もしくはe-Taxがおすすめです。

2-2-3. e-Taxで提出

最後の提出方法は、電子申告と呼ばれるe-Taxです。e-Taxでの提出は、パソコンとインターネット環境があれば、自宅でも手軽に確定申告提出ができます。

とても便利な方法なので、メリットも大きいため積極的に活用していきましょう。

メリット
  • 青色申告特別控除額の上限金額が10万円アップの65万円になる
  • 自宅で手軽にできるので、混雑に困ることもない
  • 郵送用の切手も必要ないので、費用を抑えられる
デメリット
  • 事前に電子申告利用のための「利用者識別番号」の取得が必要
  • マイナンバーカードが必要
  • マイナンバーカードを読み取れるスマホか、カードリーダーが必要
  • 事前の環境設定に時間がかかる

最大65万円の特別控除を受け取るために欠かせないのが、e-Taxでの確定申告提出です。

e-Taxでの確定申告は、利用者識別番号やパスワード取得などに少し時間はかかってしまいますが、一度環境が整えば次から楽に行えるようになります。

2-3. STEP3|必要書類や添付書類を集める

確定申告の方式や、提出方法が決定したら、確定申告に必要な書類を集めはじめましょう。
確定申告の作成・提出に必要な書類は、以下のとおりです。

必要書類
入手先
確定申告書自分で作成
青色申告決算書
収支内訳書
本人確認書類自分で用意
印鑑
マイナンバーカード(e-Taxの場合)
銀行口座がわかる書類金融機関から
借入金の返済予定表
源泉徴収票勤務先から
固定資産税の通知書行政から
賃貸借契約書不動産業者など
売買契約書
家賃送金証明書
売渡精算書
各種経費の領収書(管理費や修繕費など)その他
各種控除証明書

確定申告では、税法により毎年1月1日〜12月31日までの一年間に発生した所得を申請します。

そのため、領収書や契約書などは、期間が該当しているのかどうか確認しながら仕分けしておくのがおすすめです。

2-4. STEP4|確定申告書を作成する

確定申告に必要な書類が揃えば、あとは期日の毎年3月15日までに確定申告書等を作成するだけです。

事前に集めておいた書類を見ながら、以下の提出書類を作成していきましょう。

  • 確定申告書(記入例)
  • 所得税青色申告決算書(青色申告の場合の記入例)
  • 収支内訳書(白色申告の場合の記入例)

※e-Taxで申告する場合の操作方法は、ホームページに記載されているのでご覧ください。

上記の書類は、基本的に決められたフォーマットに基づいて、自分で作成しなければいけません。
それぞれの作成方法について、国税庁が公表している記入方法とあわせてみていきましょう。

2-4-1. 確定申告書

出典:国税庁「令和5年分所得税及び復興特別所得税の手引き」

確定申告書は、主に以下の3つの方法で作成します。

  • 税務署や市役所に出向いて直接入手する
  • 税務署から事業所に直接郵送してもらう
  • Webサイト(e-Tax)で作成してダウンロードする

確定申告書を手書きで作成する場合は、受け取った申告書にそのまま記入していきます。

一年間の必要経費の領収書や賃貸契約書など、さまざまな書類を見ながら記入するので、その複雑さにほとんどの方が不安を感じてしまうでしょう。

しかし、参考にできる記入例もあるので安心してくださいね。

手書き作成とe-Taxでの作成、それぞれの方法で手順は異なるので、記入例やマニュアルを確認しながら進めていきましょう。

2-4-2. 所得税青色申告決算書(青色の場合)

青色申告での確定申告をする場合は、確定申告書とあわせて所得税青色申告決算書の提出が必要です。

家賃収入を得ている場合は、「所得税青色申告決算書(不動産所得用)」をご利用ください。

2-4-3. 収支内訳書(白色の場合)

白色申告で確定申告することを決めた場合は、適切な方法で収支内訳書を作成しましょう。

家賃収入を得ている方向の収支内訳書フォーマットは「収支内訳書(不動産所得用)」から利用できます。

確定申告をサポートしている会計ソフトなどでも作成可能
確定申告書類の、手書き作成とe-Taxでの作成方法についてご紹介しましたが、会計ソフトやクラウドサービスで自動作成もできます。

普段から利用している会計ソフトに、確定申告書の作成サービスがある場合は、より簡単なステップですべての書類を作成可能です。

ボタンひとつで申告書をe-Taxに送信できるよう連携していることも多いため、手続き時間も短縮できるので積極的に活用しましょう。

2-5. STEP5|毎年3月15日までに確定申告を終える

確定申告の申告期限は、毎年3月15日までです。決められた期限までに、確定申告のすべての手続きを終えられるように余裕を持って行動しましょう。

原則として、確定申告書の提出期間は毎年2月16日〜3月15日までの1ヶ月間しかありません。

※それぞれの日付が、土日祝日に当たる場合は、翌日もしくは翌々日の月曜日が期限になる場合もある。

この期間内に確定申告ができなかった場合は、ケースによっては無申告加算税などのペナルティを受けてしまう可能性もあります。

税金で損をしてしまわないためにも、「2-2.STEP2|確定申告の提出方法を決める」で決めた方法で確定申告を提出するように心がけましょう。

2-6. STEP6|【還付なしの場合】計算された納税額を期日までに支払う

確定申告書を税務署に提出したからと行って、すべての手続きが完了したわけではありません。

「2-4-1. 確定申告書」を作成する段階で、すでに納付しなければいけない税金があるのかどうかが明確になっているかと思います。

出典:国税庁「令和5年分所得税及び復興特別所得税の手引き」

確定申告書で金額が計算された、所得税や消費税及び地方消費税に関しては、申告期限と同じ3月15日までに納付しなければいけません。

納付方法は以下のとおりです。

  • 指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する
  • ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)を利用して納付する
  • インターネットバンキングやATMから納付する
  • クレジットカードを使って納付する
  • スマホアプリ「国税スマートフォン決済専用サイト」から納付する
  • コンビニ払いで納付する・現金で納付する

参考:国税庁「税金の納付」

3月15日までに税金を納付できない場合は、延滞税が加算されてしまいます。納付が完了しなければ、税負担が重くなってしまうので、期限通りに納付するのを忘れないようにしなければいけません。

2-7. STEP7|【還付ありの場合】申告書提出後に銀行口座に還付金が振り込まれる

確定申告をしたことで、年間を通して税金を納め過ぎているとわかった場合は、還付申告をすることで還付金を受け取れるのです。

受け取れる還付金の金額は、確定申告書の「税金の計算 52」に記載されています。

出典:国税庁「令和5年分所得税及び復興特別所得税の手引き」

ここに記載した金額が、後日書類上で指定した金融機関の口座に振り込まれる仕組みです。

出典:国税庁「令和5年分所得税及び復興特別所得税の手引き」

窓口や郵送提出した場合は、還付金を受け取れるまでに1ヶ月〜1ヶ月半ほどの期間が必要です。

しかし、e-Taxで確定申告と還付申告を同時に行った場合は、3週間程度で指定した金融機関に還付金が振り込まれます。

還付金の受け取りが完了したら、その年度の確定申告はすべて完了です。


3. 家賃収入を得ているサラリーマンの確定申告のQ&A

誰しもが、はじめての確定申告では不安を感じてしまうかと思います。

最初は不安だとは思いますが、はじめての確定申告を無事終えることができれば、来年からは同じ手続きをしていけば良いので安心してください。

サラリーマンとして働くあなたが、より安心して確定申告に挑めるようになるために、代表的なよくある質問を紹介します。

3-1. サラリーマンの副業が禁止されている場合、家賃収入はどうしたらいい?

そのような場合は、あなたが所有している物件での賃貸業が「副業」に該当するのか「資産運用」なのかを確認してみましょう。

一般的に、不動産投資は一定の事業規模に達していない限りは「資産運用にあたる」と判断される場合がほとんどです。

▼事業として認められる基準

アパートなどの、独立した貸部屋が10室以上ある・独立家屋の場合は、5棟以上である

参考:国税庁「事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分」

この条件を基準に考えると、一部屋だけの賃貸経営の場合は、副業に該当しない可能性もあります。

たとえば、親族から不動産を相続して新たに運用をはじめたり、代々経営していた賃貸物件を相続したりするケースも少なくありません。

やむを得ず、不動産賃貸業を受け継ぐ可能性もあるからこそ「副業」ではなく「資産運用」と判断できるのです。

会社側が副業を禁止している場合は、上記のようなケースでも副業と見なされるのか確認してみましょう。

3-2. 確定申告をすると、副業が会社にバレるって本当?

結論からお伝えすると、確定申告をすることで隠していた副業が会社にバレる可能性はあります。

なぜなら、家賃収入に関する確定申告をすることで、会社があなたの代わりに納税している住民税の金額が増えるからです。

今まで給与所得のみで10,000円の住民税を支払っていた場合、確定申告後に住民税が30,000万円に増額されれば、経理担当者も「何かしら別の方法で所得が増えた」という事に気づくでしょう。

そのため、副業禁止されている会社で働くサラリーマンの場合は、確定申告したことで副業がバレる可能性は常にあると覚えておくべきです。

3-3. 会社にバレずに、家賃収入による副業を続ける方法はあるの?

サラリーマンの方ができる副業バレ対策として知られているのが、住民税の納付を「特別徴収」ではなく「普通徴収」に変更することです。

具体的には、確定申告書の以下の部分にチェックを入れましょう。

出典:国税庁「令和5年分所得税及び復興特別所得税の手引き」

上記の項目で「自分で納付」を選ぶことで、不動産所得にかかってくる住民税の住民税決定通知書が会社に届かず、本人に送付されます。

あなた自身で住民税を支払う手間は増えてしまいますが、会社側に住民税が増えたことを知られずにすみます。

ただし、住民税の徴収方法の変更は、手続き忘れなどが起きる可能性があるため注意が必要です。会社に住民税の税額通知が送付されるまえに、徴収方法を確実に自分で納付にしなければいけません。

たとえば、住民税の担当部署に電話で変更を念押ししたり、提出書類をコピーしておくなど工夫をしておくことをおすすめします。

3-4. 家賃だけではなく、敷金や礼金も収入として計上するの?

賃貸経営をしていると、収入としてオーナーの元に入ってくる現金は、「家賃」だけではなく「敷金」や「礼金」があります。

ここで注意したいのが、たとえ実際に現金として「敷金」を受け取っていても、「敷金」は将来的に返還するものなので収入には計上しません。

間違えて敷金を収入として計上してしまうと、それだけで不動産所得が増えてしまい、税金も増えてしまいますよね。

確定申告で損をしないためにも、収入として計上するものとしないものの違いを理解しておきましょう。

3-5. まだ回収できていない家賃の計上タイミングっていつ?

たとえば、12月の家賃を回収できない場合、その家賃をどのタイミングで計上するべきか悩んでしまいますよね。

この計上タイミングは「現金主義」と「発生主義」のどちらを、事業主が選んでいるかによって変わります。

  • 現金主義:実際に現金のやりとりがあった時に計上する
  • 発生主義:現金のやり取りはなくても、取引成立時点で計上する

ほとんどの不動産賃貸オーナーは「発生主義」で計上するのが一般的です。そのため、たとえ12月の家賃を回収できていない場合でも、その年度の収入として計上する必要があります。

ここでいう発生主義の計上タイミングは、賃貸借契約書で定めた家賃の支払日です。

もしも、オーナー自身が現金主義で計上していきたいと考えている場合は、一定条件を満たしたうえで事前に「現金主義による所得計算の特例を受けるための手続き」を行わなければいけません。


4. 賃貸管理会社に管理を任せると確定申告も楽になる

不動産賃貸業の確定申告は、オーナー自身での管理だけではなく、賃貸管理会社にサポートしてもらうことでもっと楽に済ませることができます。

賃貸管理会社の確定申告サポートの代表例は、主に以下のとおりです。

代表的なサポートの例
  • 賃貸契約書などを一括でまとめて管理してくれる
  • 修繕管理などを任せられるので経費計上の手間が省ける
  • インボイス制度の対応も相談できる
  • 管理している物件全部の家賃送金明細書を作ってくれるので、確定申告記入が楽になる
  • 賃貸業の確定申告に関する不安も相談できる

ひとりで不動産所得に関する確定申告をしようとすると、予想以上の時間と手間がかかります。

普段はサラリーマンとして働いているオーナーであれば、なおさら時間を有効活用したいのが本音ではないでしょうか。

所有物件がマンション一部屋だけであれば、なんとかご自身で確定申告も頑張れるかもしれません。

しかし、今後物件数が増えて本格的に賃貸経営を拡大していくのであれば、確定申告のサポートも含めて早い段階で賃貸管理会社に任せるべきです。

不動産賃貸管理会社は、オーナーの代わりに物件を適切に管理し収益を最大化、そして毎年の確定申告の負担も軽くしてくれます。

サラリーマンとして働いているあなたの、賃貸経営のベストパートナーになってくれますよ。

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私たち、ルーム・スタイルは賃貸管理だけにとどまらず、売買から確定申告のお手伝いまで全面サポートできる賃貸管理会社です。

  • さまざまな工夫と全力の集客で、早期客付けを実現
  • 賃貸だけではなく、将来的な不動産売買にも対応
  • 海外赴任などの期間限定の賃貸にも柔軟に対応
  • 独自サービス「Owner Style」でいつでも賃貸管理情報を閲覧可能

オーナー様の個別ニーズに単純に対応するだけではなく、私たちが持つ経験とノウハウから最適解なサポートを提供いたします。

これからはじめての確定申告や賃貸経営に不安を感じている方は、より安心して賃貸経営をしてくためにも、ぜひ一度ルーム・スタイルにご相談ください。


5. まとめ

この記事では、家賃収入を得ているサラリーマンの方向けの確定申告の知識についてお伝えしてきました。
たとえサラリーマンでも、家賃収入を得ている場合は、ほとんどの場合で確定申告するべきだと覚えておきましょう。

なぜなら、確定申告が義務である場合はもちろんのこと、最終的に確定申告をする方が節税になる可能性が高いからです。これからはじめての確定申告をする方は、以下の手順を参考にしてください。

STEP1:確定申告の方式を確認・決定する(白色・青色)
STEP2:確定申告の提出方法を決める
STEP3:必要書類や添付書類を集める
STEP4:確定申告書を作成する
STEP5:毎年3月15日までに確定申告を終える
STEP6:【還付なしの場合】計算された納税額を期日までに支払う
STEP7:【還付ありの場合】申告書提出後に銀行口座に還付金が振り込まれる

確定申告は複雑ですが、一度しっかりと手順とコツを理解しておけば、次の年からはスムーズに進めていけます。

適切に確定申告を終えられれば、サラリーマンと賃貸経営の二足のわらじを履いているオーナーの節税対策にもなりますよ。

ぜひ、この記事で解説してきた内容を参考に、今年の確定申告を乗り越えていきましょう。

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