地震が多い今、マンションを買うなら「価格」より先に確認したいこと

地震が多い今、マンションを買うなら「価格」より先に確認したいこと

「駅から近い」「間取りが理想的」「予算にも収まる」。
条件がそろったマンションを見つけると、つい「ここに決めよう」と思ってしまいます。
しかし、マンション選びで本当に確認しておきたいのは、購入価格や間取りだけではありません。

ルーム・スタイルでは、マンションを選ぶ際、耐震基準や建物構造だけでなく、地盤や修繕履歴まで含めて確認することが重要だと考えています。
この記事では、購入前に確認しておきたいマンションの見極め方を、専門的な視点から解説します。

気になるマンションがあっても、耐震性や地盤を一人で調べるのは難しいものです。購入前に確認しておきたいことがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。

この記事でわかること
  • 新耐震基準と旧耐震基準の違い
  • 耐震・制震・免震構造の違い
  • 購入前に確認したい耐震診断・修繕履歴などの資料
  • 耐震性に不安があるとき、専門家に相談するタイミング

選ばれる7つの理由

賃貸管理完全ガイド

「地震が多い今」価格より先に確認すべきもの

地震が多い今、マンションを買うなら「価格」より先に確認したいこと

マンション価格や設備、立地は契約前に何度も確認しますが、地震への備えについてはどうでしょうか。長く住む家だからこそ、購入前に確かめておきたい理由があります。

近年相次ぐ大地震とマンション購入者の不安

気象庁によると、2014~2023年に日本とその周辺で起きたマグニチュード5以上の地震は、年平均で約150回にのぼります。こうした被害を見ると、マンションを選ぶ際には、建物が倒れないかだけでなく、地震後も普段の暮らしを続けられるかまで考えなくてはなりません。

「駅からの距離」「築年数」「小・中学校までの距離」といった条件は比較しやすい一方で、「地震への強さ」は資料では判断しづらい不安要素です。しかし、いざ地震が起きたときに実際の生活に直結するのは、まさにこの「見えにくい部分」です。

「価格重視」で選ぶことのリスク

相場より安いマンションには、安いなりの理由があります。
価格を無視して物件を選ぶことはできません。だからこそ、「なぜこの価格なのか」を地震リスクの面からも考える必要があります。

契約後に自己都合でキャンセルする場合、時期によっては高額な違約金が発生します。違約金を売買代金の20%と定めた契約なら、3,000万円のマンションで600万円です。
(※実際の負担は、解除の時期や理由、契約内容によって異なります。)
初めての購入だからこそ、契約前に建物と土地を確かめておきたいところです。

また、マンションは購入後に修繕計画が見直されることもあります。
たとえば、建物の弱点がわかって補強工事が必要になれば、修繕積立金の値上げや、一時金の負担が検討される場合もあります。購入価格だけでなく、将来かかる費用にも目を向けましょう。


マンションの耐震基準の基礎知識

マンションの耐震基準の基礎知識

マンションが地震にどれくらい備えているかを知るには、「耐震基準」と「耐震等級」を確認します。2つの違いを順に見ていきましょう。

新耐震基準と旧耐震基準の違い

マンションの耐震性を語るうえで、まず押さえておきたいのが「新耐震基準」と「旧耐震基準」の違いです。

1978年の宮城県沖地震では、死者28人(負傷者1,325人)、家屋の全壊1,183棟・半壊5,574棟という大きな被害が出ました。これをきっかけに建築基準法の耐震基準が大きく見直され、1981年6月1日から「新耐震基準」が適用されました。新旧の違いは、以下のとおりです。

比較項目旧耐震基準新耐震基準
建築確認を受けた時期1981年5月31日以前1981年6月1日以降
地震への備え方震度5強程度の揺れで大きな損傷を生じないことを重視震度5強程度の揺れに加え、震度6強〜7程度でも倒壊・崩壊しないことを目標とする
耐震性の確認方法主に中規模の地震に対する建物の強さを確認中規模の地震で損傷を抑えられるかに加え、大規模な地震で倒壊・崩壊しないかも確認

この新旧の耐震基準の差がはっきり表れたのが、1995年の阪神・淡路大震災です。古い基準の建物は、新しい基準の建物に比べて甚大な被害を受けました。
どちらの耐震基準で建てられたかを確認することが、マンション選びの第一歩といえます。

※「2000年基準」という言葉を見かけることもありますが、これは主に木造住宅に関するものです。マンションを調べるときは、まず「旧耐震」か「新耐震」かを確認しましょう。

耐震等級とは何か

耐震基準とあわせて知っておきたいのが「耐震等級」です。これは2000年に施行された住宅性能表示制度に基づく指標で、等級1〜3の3段階で耐震性を評価します。

  • 等級1:建築基準法が定める最低限の耐震性能
    (数百年に一度程度発生する地震でも倒壊・崩壊しない水準)
  • 等級2:等級1の1.25倍の地震力に耐えられる性能
    (学校や病院など避難所に指定される建物と同等)
  • 等級3:等級1の1.5倍の地震力に耐えられる性能
    (消防署や警察署など防災拠点と同等)

ただし、すべてのマンションが耐震等級を取得しているわけではありません。取得は任意になっているので、市場には等級の記載がない物件も多く存在します。
特に分譲マンションでは、コストや設計上の制約から等級2止まりの物件が多く、等級3を取得している物件は限定的です。

「等級の表示がない=耐震性が低い」というわけではありませんが、購入時の判断材料の一つとして、売主や販売会社に確認してみてください。
等級を取得している物件は、その分建築コストが価格に上乗せされている場合があります。

築年数だけで判断してはいけない理由

ここまで耐震性能の違いについて述べましたが、「新しい物件だから安心」「古いから不安」という単純な判断は、実は危険です。
新耐震基準であっても、施工の質や経年劣化、大規模修繕の状況によって、実際の耐震性能には差が大きく出ます。旧耐震基準の建物でも、耐震診断を受けて補強工事を行っているマンションもあります。

築年数はあくまで一つの目安です。管理組合がしっかり機能しているマンションは、大規模修繕計画や耐震診断の記録が管理規約や重要事項調査報告書に残っていることが多いので、購入前にあわせてチェックしておくことをおすすめします。

「このマンションは旧耐震だけど、補強工事はしている?」など、資料を見ても判断に迷うことがあります。気になる物件があれば、お気軽にご相談ください。確認しておきたい資料や質問を、一緒に整理します。


構造で見る「地震に強いマンション」の違い

構造で見る「地震に強いマンション」の違い

旧耐震か新耐震かを確認したら、次は建物の揺れ方にも目を向けてみましょう。

  • 揺れに耐える「耐震」
  • 揺れを抑える「制震」
  • 揺れを伝わりにくくする「免震」

マンションには上記3つの仕組みがあります。これらは耐震基準とは別の話です。どの構造でも、過去の地震で建物に被害が出ていないか、補修している場合はどのような工事をしたか確認しておきましょう。
それぞれの特徴と、購入前に確認したいポイントを見ていきます。

耐震構造

耐震構造は、建物そのものを強くすることで地震の揺れに耐えるつくりです。昔から使われている方法で、制震・免震のような装置がいらない分、建築費を抑えやすいのも特徴です。
地震の力を建物が直接受け止めるため、大きな地震では室内も強く揺れることがあります。

【確認したいこと】

☑ 背の高い家具を置く場所、固定できる場所はあるか
☑ 古いマンションなら、耐震診断や補強工事を受けているか
☑ 今後、耐震補強を行う予定はあるか。その費用をどうまかなう計画か

制震構造

制震構造は、建築時に建物に取り付けた装置で揺れを抑えるつくりです。どんな装置をどこに取り付けているかはマンションごとに異なります。
そのため、「制震なら揺れない」とは思わず、物件ごとの説明を確認しましょう。
特に高層階では揺れが気になることもあるため、「制震だから揺れない」と思わず、住みたい階のことも聞いてみてください。

【確認したいこと】

☑ どのような制震装置が、建物のどこに設置されているか
☑ 制震装置の点検は行われているか
☑ 装置の修理や交換が必要になった場合、費用はどうまかなう計画か

免震構造

免震構造は、建物と地面の間に設けた装置で、地震の揺れを建物に伝わりにくくするつくりです。
日本では1980年代から使われ、古い建物に後から装置を設けた例もあります。高層マンションなどで採用され、室内の揺れや家具の転倒を抑える効果が期待できます。
一方で、免震装置には定期的な点検が必要です。

【確認したいこと】

☑ 免震装置は定期的に点検されているか
☑ これまでに装置の修理や交換をしているか
☑ 今後の点検・修理費用は、長期修繕計画に見込まれているか


地盤や周辺環境も購入前に調査する

地盤や周辺環境も購入前に調査する

建物の耐震性だけでなく、物件が建つ土地や周辺環境も確認しておきましょう。購入前に見ておきたいのは、次の点です。

  • 過去の災害履歴:周辺で浸水や土砂災害が起きていないか
  • 土地の高さ:物件の周辺が、近くの道路や土地より低くなっていないか
  • 近くの崖や擁壁:敷地や通学路の近くに、気になる場所がないか
  • 駅や学校までの道:倒れるおそれが気になるブロック塀などがないか

現地で見てわかることもあれば、ハザードマップなどの資料を調べなければわからないこともあります。気になる点を残したまま決めず、内覧時に見たことと調査結果を照らし合わせて判断しましょう。


購入前に確認すべき資料と専門家への相談タイミング

購入前に確認すべき資料と専門家への相談タイミング

ここまでお伝えした内容をひと通り確認して「ここなら」と思える物件だったら、最後は書類の裏付けを取りましょう。

【確認必須】購入前の書類チェックリスト

確認したい資料確認する内容
☑ 耐震基準適合証明書建物が耐震基準に適合しているか
☑ 耐震診断報告書旧耐震基準のマンションなら、診断を受けたか、結果はどうだったか
☑ 建物状況調査の結果報告書調査を受けている場合、建物の劣化や不具合として何が報告されているか
☑ 大規模修繕工事の実施履歴いつ、どの部分を修繕したか
☑ 住宅性能評価書評価を受けている場合、耐震等級はいくつか

売主や仲介会社に、上記のような資料があるかどうか聞いてみてください。
すべての物件に、これらの書類がそろっているわけではありません。資料がない場合は、その理由を確認し、気になる点を不動産会社に相談しましょう。
また、物件や書類によっては、条件を満たせば住宅ローン控除や地震保険料の割引に関係する場合があります。

不動産のプロ・専門家に相談すべきタイミング

耐震性の判断は専門知識が必要な部分も多く、すべてを自分だけで調べきるのは簡単ではありません。気になる物件が見つかった段階で、早めに不動産会社の担当者やホームインスペクター(住宅診断士)に相談することをおすすめします。

特に築年数が古い物件や、耐震等級の記載がない物件については、契約前にインスペクションを依頼して建物の状態を客観的にチェックしてもらうと安心です。

インスペクション費用は物件の規模にもよりますが、ファミリータイプのマンションの一室であれば数万円程度が目安とされています。
この費用は買主が負担することが一般的ですが、購入後に数百万円単位の補修費用が発生するリスクを考えれば、購入後の後悔を防ぐための投資と考えると納得しやすいはずです。

相談先としては、不動産会社が提携しているホームインスペクターや建築士事務所、国土交通省の登録講習を修了した「既存住宅状況調査技術者」の資格を持つ専門家に直接依頼する方法もあります。

まとめ

地震大国である日本だからこそ、マンション選びでは、

  • 耐震基準
  • 構造
  • 地盤

という3つの視点から物件を見る習慣を持っておきたいところです。
新耐震基準かどうか、どんな構造が採用されているか、そしてどんな地盤の上に建っているか。この3点を押さえておくだけでも、判断の精度は大きく変わります。
地盤や土地の高低差を調べることは、近年相次ぐ大雨による浸水リスクを考えるうえでも大切です。

価格に飛びつく前に、まずはこれらのポイントを一つずつ確認してみてください。気になる点があれば、遠慮せず不動産会社や専門家に質問することも大切です。

安心して長く住み続けられる住まい選びのために、建物や土地の違いにも目を向けてみてください。調べてみると、マンションごとの特徴が見えてきて、物件選びが少しおもしろくなりますよ。

気になる物件、本当に大丈夫な物件?

物件資料を見ても、耐震基準や構造、修繕履歴など、専門的な判断が必要なポイントがあります。
ルーム・スタイルでは、物件価格や立地だけでは分からない情報まで専門的な視点から確認し、購入前に知っておきたいポイントを整理します。

気になる物件がある方は、購入を決める前にお気軽にご相談ください。

コメント

CAPTCHA


賃貸仲介から管理、売買までワンストップで対応
まずお気軽にご相談ください
賃貸仲介から管理、売買までワンストップで対応
まずお気軽にご相談ください