ワンルーム投資詐欺に騙されない!悪徳業者の手口と対策

ワンルームマンション投資を検討していく中で、悪質な詐欺に関する情報を目にして不安になっていませんか?

ご存知の方も多いように、昨今、不動産投資に関する詐欺被害が増加傾向にあります。

不動産投資によって老後資金を貯蓄したり、副収入を得たりするためには、詐欺業者の手口や対策方法を知っておくことが大切です。

そこで、この記事ではワンルームマンション投資詐欺の具体的な手口や営業トーク、悪質な業者を見極めるポイントなどを解説します。

安心して不動産投資を始めるために、ぜひ参考にしてみてください。

本記事を読んでわかること
  • SNS・アプリによる詐欺被害の実態
  • ワンルーム投資詐欺でよく使われる11の手法と謳い文句
  • 不動産投資は「節税になる」「生命保険代わりになる」の真偽
  • ワンルーム投資詐欺を見極めるポイント・対策とは
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SNS・アプリを介した不動産詐欺被害が増加傾向

以前は電話や訪問による営業がきっかけの詐欺被害が大半でしたが、昨今はSNSやアプリを介した不動産詐欺被害が増加傾向にあります。

消費者庁が発表したデータによると、2021年のSNS関連の消費者生活相談件数は50,406件、4年前の2017年と比較すると約2.5倍になっています。

(出典:消費者庁)

多くの場合は、SNS内のDMでの勧誘から始まり、その後実際に顔を合わせての面談という流れが多いようです。相談件数が増加する背景には、SNSの普及と共に、詐欺師が巧妙にターゲットに近づく手法が進化していることが考えられます。

もちろん、被害に遭った方も、見知らぬ人物からの怪しい勧誘に最初は警戒心を抱いていたはず。

しかし、有名不動産投資家を名乗る人物との接触や、「家賃は保証される」「絶対に儲かる」といった甘い言葉に誘惑され、詐欺の手口にハマってしまうのです。

特に、SNSやアプリを通じた勧誘は、一見すると手軽で親しみやすく感じられるため、警戒心が薄れやすいのが現状です。SNSを利用する際は、見知らぬ相手とのやり取りには十分な注意が必要です。


ワンルーム投資詐欺にみる11の手口

この章では、ワンルーム投資詐欺の具体的な手口を解説します。

全部で11もの種類がありますが、これが全てとは限りません。自分にとって都合が良い甘い話を持ちかけられたら、十分に警戒することが大切です。

1.価格詐欺

価格詐欺とは、悪徳業者が売主となって相場を大幅に超える価格で買主に転売する詐欺の手法です。

例えば、悪徳業者は買主が見つかった時点で、相場価格で物件を購入します。

2,000万円で購入した物件だとすれば、それを買主に2,500円で売却するといった流れです。

この際、業者は第三者のために契約する三為契約をおこなっており、登記を介さずに済むのでリスクがありません。

買主は、本来は2,000万円で購入できたはずの物件を2,500万円で購入する形になり、悪徳業者に500万円の利益を与えてしまいます。

2.手付詐欺

物件の売買契約の締結時に手付金を支払い、そのまま物件を引き渡さずに逃げられるケースを手付詐欺といいます。

一般的に、不動産の売買契約は「契約締結(手付け金の支払い)→ローン手続き→残金の支払い・物件の所有権移転」という流れで行います。

手付詐欺は、手付金の支払いから物件の所有権移転まで日数が空くことを利用した詐欺の手口です。 

手付金を支払ったあと業者と連絡がとれなくなり、手付け金は戻ってこなくなります。

3.収支シミュレーション詐欺

物件購入前の収支シミュレーションを、買主の都合の良いように提示して物件を購入させるという詐欺の手口があります。

例えば、本来は発生するはずの支出を伝えずに多くの利益を出せるような収支シミュレーションを提示し、買主にメリットがあるように思わせるという手口です。

この場合、不動産運用を始めてから、実際の収支とシミュレーション内容との間に大きな乖離があることに気付きます。

購入後には打つ手が限られており、収支の悪化は避けられません。

4.査定額シミュレーション詐欺

収支シミュレーション詐欺に類似したものとして、将来的な物件の売却価格を相場よりも高く査定し、物件を売りつけるという詐欺の手口もあります。

例えば、各種税金やローンの金利、家賃の下落率などを加味せずに、売却価格を提示するわけです。

買主にデメリットがないように思わせて安心させ、物件の購入を促します。

収支シミュレーション詐欺・査定額シミュレーション詐欺の被害に遭わないために、ファイナンシャルプランナーなどの専門家にシミュレーションを依頼するのも1つの手段です。

5.サブリース詐欺

サブリース会社が買主に「家賃は永久保証される」といった謳い文句と共に物件を購入させ、その後契約内容の変更や契約解除を共用する詐欺が起きています。

オーナーは入居者がいない状態で契約を打ち切られるケースもあり、大きな損失を被ります。

サブリース詐欺の被害事例として有名なのが「かぼちゃの馬車事件」です。

この事件は、「かぼちゃの馬車」という名称の女性用シェアハウスを販売していた株式会社スマートデイズと、複数人の不動産投資家との間で起きました。

投資家が銀行から融資を受けて株式会社スマートデイズとサブリース契約を締結しましたが、同社はわずか数年で倒産してしまいます。

同社に賃料の支払いを滞納された投資家の多くはローンの支払いができなくなり、自己破産に追い込まれてしまいました。

6.融資詐欺

不動産物件を購入する際に金融機関から融資を受けるタイミングを狙って、詐欺をおこなう悪徳業者も存在します。

例えば、審査書類を改ざんしたり、投資ローンよりも金利が低い住宅ローンで契約させたりなどがその手口です。

このような不正が発覚すると、ローンの一括返済を求められる危険性があります。

不動産会社の言うことをそのまま信じて行動してしまうと、知らず知らずのうちに詐欺に関与してしまうことがありますので、十分に注意しましょう。

7.婚活・デート商法詐欺(ロマンス詐欺)

マッチングアプリなどで婚活をしている方をターゲットとした、デート商法詐欺・ロマンス詐欺の被害も近年急増しています。

最初は普通に恋愛関係になるようにコミュニケーションをとり、恋愛感情が大きくなったタイミングで「将来のために」といった名目で不動産投資を促します。

この手口では、契約を締結した直後に、婚約者と連絡を取れなくなるようです。

恋愛感情を利用して、高額な不動産商品を売りつけるという悪質な詐欺行為です。

8.満室偽装詐欺

満室偽装詐欺とは、物件の空室状況を偽って買主に伝えたり、サクラの住人を雇って満室であるかのように偽ったりして、物件を購入させる詐欺の手法です。

サクラの住人を雇っていた場合は、物件の所有権が買主に移った直後に退去してしまいます。

最初から安定した家賃収入を得られると思って物件を購入した買主は、想定どおりの賃料を得られずに経営に苦戦してしまうことになります。

9.二重譲渡詐欺

売主が物件を2人の買主に売却し、売買代金を着服する詐欺を二重譲渡詐欺といいます。

物件の所有権は契約の順序に関係なく、先に登記を済ませた人物に渡ります。

つまり、早く登記を済ませた方が合法的に所有者となる一方、もう一方の買主は代金を支払ったにもかかわらず、物件を手に入れられないという結果に陥ります。

さらに悪質なのは、詐欺師である売主が代金を受け取ったあと、連絡を絶ってしまうことです。この時点で、騙された買主は物件どころか、支払った多額の資金を取り戻す手段を失い、損失を被ることになります。

加えて、売主が計画的に複数の契約を結ぶため、被害が発覚するのは登記手続きが進んだ段階であり、その時点ではすでに詐欺が完了していることが多いのです。

10.買取保証詐欺

買取保証詐欺とは、物件購入後に問題があった場合は物件を買い取ると口約束し、契約を締結させる詐欺の手法です。

しかし、実際に買取を要求しても対応してもらえなかったり、相場よりも大幅に安い価格で買い取りされたりします。

買取保証に限らず、不動産売買における口約束は信頼性ゼロに等しく、詐欺の危険性が大きいので注意が必要です。

11.海外不動産投資詐欺

海外不動産投資詐欺とは、海外にある物件の購入を促す詐欺の手口です。

物件を実際に見にいけないことを利用して、実在しない物件の購入を案内されます。

手付け金を支払った直後に業者と連絡がとれなくなり、騙されたことに気付くのです。


ワンルーム投資詐欺でよくある営業トーク事例6選

詐欺をおこなう悪徳業者は、言葉巧みに誘惑して買主を騙そうとしてきます。

ワンルーム投資詐欺でよくある営業トークを6つ紹介するので、担当者からこれらの言葉が出たら十分に警戒してください。

1.こんな儲かる優良物件には出会えません

ワンルームマンション投資をする方の目的は、確かに全員が共通して「収益を得ること」でしょう。

しかし、それを謳い文句に物件購入を進めてくる担当者は、疑いの目でみてください。

どんな物件であれ、投資である以上は一定のリスクがあり、「儲かる」と言い切ることは不可能です。

儲かる優良物件であることの裏付けとして利回りを提示してくる場合、経費を無視した表面利回り、もしくは必要経費を入れていない実質利回りを提示しているかもしれません。

「儲かりますよ」という甘い言葉に騙されないよう、十分注意してください。

2.空室保証があるからリスクが減ります

「家賃保証がある」という魅力的な言葉も、多くの場合は詐欺視による甘い誘い文句です。

「家賃〇万円を保証」といった金額を提示してきた場合は、特に注意してください。

サブリース契約の家賃保証は、基本的に「家賃の〇%」というパーセンテージでの提示になります。

よって、具体的な金額を提示されることはほとんどありません。

また、「30年間家賃保証」といった年数を提示した場合も、契約書には「最大で」という文言が記載されているケースがあります。

サブリース詐欺のよくある手口なので、騙されないよう注意しましょう。

3.将来の年金代わりになりますよ

「月々の収支が多少赤字でも、年金保険の代わりだと思えばいい」といった謳い文句で物件購入を促してくるケースがありますが、そうとは言い切れないので注意してください。

ローンの支払いが終わったとしても、ワンルームマンションの運営には入退去時のリフォーム費用・入居者募集費用などの出費があります。

その他、ローンを払い終わる頃には築年数も古くなり、大規模な修繕が必要だったり、賃料を下げなくてはならなかったりもあるでしょう。

よって、ワンルームマンションを運営することが必ずしも年金対策になるとは言い切れません。

4.クーリングオフできるので安心してください

不動産投資にはクーリングオフが適用されるのは事実ですが、それは以下の条件に該当する場合のみに限ります。

  • クーリングオフの説明を受けてから8日以内の場合
  • 物件の引き渡し・代金の支払いが未完了の場合
  • 申し込み場所が事務所や関連建物以外である場合
  • 売主が宅建業者の場合

上記の条件に該当しない場合は、クーリングオフは適用されません。

「いつでもクーリングオフできる」といった口調で購入を薦められる場合もあるので、十分注意してください。

5.将来的に資産価値が向上するエリアです

エリアの将来的な資産価値の変動は、あくまでも予測の範囲にすぎません。

この謳い文句に「必ず」という言葉がついていたら信用してはいけませんし、そうでないとしても業者側の予測を鵜呑みにするのは危険です。

多くの場合、建物は築年数が古くなるにつれて価値が下落し、家賃の引き下げを検討しなくてはならなくなります。

仮に本当にエリアの資産価値が上がったとしても、建物の価値まで上がるとは言い切れません。

6.日本にない高利回り商品があります

この言葉は、海外物件投資詐欺をおこなう悪質業者の常套句です。

仮に海外の物件に投資する場合は、現地の相場・税制・法整備などを確認したうえで、慎重に検討する必要があります。

少なくとも不動産投資初心者が海外不動産に手を出すのはリスクが高すぎますし、メリットばかりを提示してくる業者は信用すべきではないでしょう。

「日本にない高利回り商品」が本当にあるのか否かは自身の手で調べてみて、確証が持てないようであれば手を出さない方が賢明です。


ワンルーム投資詐欺?よく聞くこのトーク、実際どうなの?

ワンルームマンション投資が、節税対策になる・生命保険代わりになるという話を、あなたも一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか?

これらの話は間違いではありませんが、「絶対にそうなる」と言い切れるものでもありません。

本章では、そのあたりの仕組みや実情について、解説します。

「節税対策になる」って本当?

ワンルームマンション投資が節税対策として有効なのは、特に年収900万円以上の人にとってです

日本の税制は累進課税制度を採用しており、所得が高いほど税率が上がるため、900万円以上の所得があると43%(所得税33%+住民税10%)の税金がかかります。

さらに1,800万円以上の所得がある人は50%、4,000万円以上の所得がある人は55%の税率が適用されます。このような高税率のため、少しでも課税所得を減らす手段が重要です。

中古マンションの減価償却を利用することで、購入費用を経費として計上し、所得を圧縮できます。

特に古い物件は短期間で多くの経費を計上できるため、所得税や住民税の負担を大幅に減らせるのです。

一方で、年収900万円未満の方はもともと税率が低いため、節税効果はあまり大きくなりません。つまり、ワンルーム投資による節税効果は、高所得者にとって特に有利な手段と言えます。

「生命保険代わりになる」って本当?

ワンルームマンションの場合、団体信用生命保険(団信)が本当に生命保険代わりになるかというと、やや疑問が残ります。

マイホームのように数千万円規模の借入であれば、団信が生命保険の代わりとなることに納得がいくかもしれませんが、ワンルームマンションは物件価格も相対的に低いです。そのため、自身に万が一のことが起こり、団信が適用されたとしても、残される家族に対する経済的なメリットは限定的です。

ワンルームマンションは一般的に価格が数百万円から高くても1,000万円台であることが多いため、ローンの残債も比較的少額です。つまり、団信でローンが完済されても、その資産価値が家族の生活を長期間支えるほどの規模にはなりにくいという現実があります。

このため、団信を生命保険代わりとしてワンルームマンションを購入するのは、あまり合理的とは言えないかもしれません。


ワンルーム投資詐欺を見極めるポイント・対策

最後に、ワンルーム投資詐欺を企む悪質業者を見極めるポイント、手口に引っ掛からないための対策を4点お伝えします。

これらを意識することで、詐欺のリスクを最小限に抑え、安全な不動産投資を実現するための第一歩を踏み出せるでしょう。

1.不動産会社の免許の有無・評価を調査する

悪質業者の手口に引っ掛からないよう、まずは話を聞こうとしている不動産会社が宅地見物取引業者の免許を取得しているか否かを調査しましょう。

国土交通省の公式サイト内の「宅地見物取引業者検索」を使用すれば、免許の有無を簡単に確認できます。

また、同時にGoogleや不動産ポータルサイトで業者の口コミを調査することも大切です。

2.ワンルームマンションの相場を把握しておく

ワンルームマンションの相場を把握しておけば、不当な価格で物件を購入させられることはないはずです。

詐欺業者の多くは、相場価格よりも数百万円単位の高値で物件を売却しようとしてきます。

マンションの売値の相場は、エリア・築年数・間取りなどの条件によって変わってくるので、自身が購入を検討している物件周辺のエリアの相場を調査してください。

3.収支シミュレーションを計算できるようにする

詐欺業者の被害に遭わないため、そして不動産投資を成功させるために、不動産に関する知識を身に着けて収支シミュレーションを自身で計算できるようになることをおすすめします。

知識を身に着ける方法としては、不動産投資関連の書籍を読むこと、不動産会社のセミナーに参加することがおすすめです。

書籍は細部まで内容を吟味したうえで出版されているため、WEBよりも信頼性の高い情報が記載されています。

また、セミナーに参加すれば有識者と直接コミュニケーションをとれるため、知識を身に着けやすいはずです。

4.必ず決済と同時に登記を行う

二十譲渡詐欺などの被害に遭うのを避けるため、物件を購入する際は必ず決済と同時に登記をおこないましょう。

物件の所有権は、登記を終えた時点で初めて自身のものとなります。

持ち逃げなどのトラブルを避けるために、決済と登記は同タイミングでおこなうべきです。


まとめ

ワンルームマンション投資に関する詐欺は多く発生しており、その手口は多岐に渡ります。

特に、昨今はSNS経由で詐欺の被害に遭うケースが増えているので注意が必要です。

ただし、一部に詐欺的なケースが存在するからといって、不動産投資を避けるべきというわけではありません。不動産投資は、資産形成のための有力な手段であり、正しい知識と適切な対策を講じることで、成功する可能性は大いに広がります。

詐欺被害を避けるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 信頼できる不動産業者を選ぶこと
  • 物件の市場価格や収支シミュレーションを理解すること
  • 口約束に頼らず、すべてを文書で確認すること
  • 専門家のアドバイスを受けること

不動産投資は、リスクを管理しながら進めれば、老後の安定した収入源や資産形成の手段として非常に有効です。

詐欺業者の手口に惑わされず、自分にとって最良の投資判断ができるよう、情報を集めて慎重に進めていくことが成功への鍵となります。

詐欺のリスクを理解しつつも、適切なリサーチと準備を行うことで、安心して不動産投資に取り組むことができるでしょう。

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