不動産投資は中古一棟アパートがおすすめ?4つの選択肢と利回り比較

中古アパートの一棟投資は、他の不動産投資と比較して収益性と節税効果が魅力ですが、初期費用の多さや運用スキルが求められるため、投資初心者は注意が必要です。

この記事では、中古一棟アパート投資のメリット5選、デメリット、成功のためのポイント、売却戦略まで詳しく解説します。

初心者の方にも始めやすい投資物件の選択肢や利回り比較も取り上げていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

本記事を読んでわかること

 

  • 不動産投資初心者がスタートしやすい投資物件の種類
  • 「新築区分マンション」「中古区分マンション」「中古一棟アパート」「戸建て」それぞれの運用利回り
  • 中古一棟アパート投資のメリット・デメリット
  • 中古一棟アパート投資を成功させる4つのポイント
  • 中古一棟アパート投資に向いている人とは
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初心者でも始めやすい投資物件4つの選択肢

投資を始めるとき、どの物件を選ぶかは慎重に考えたいところです。特に資産形成の基盤となる最初の一棟目となれば、それは尚更のことです。

初心者でも始めやすい投資物件を選ぶことで、リスクを抑えつつ、自身の目的達成に向けた運用ができるでしょう。

本章では、多くの不動産投資初心者が最初の1棟目に選ぶ、4つの投資物件の選択肢について説明します。 

  • 新築区分マンション投資
  • 中古区分マンション投資
  • 中古一棟アパート投資
  • 戸建て投資

それぞれ特徴やメリット・デメリットがありますので、まずは「自分にはどの物件が最適か?」を考えてみてください。

新築区分マンション投資

新築区分マンション投資は、新築マンションの一部屋を購入して賃貸するスタイルです。

新築のため初期費用・頭金が高いことが難点ですが、そもそもの物件の状態が良く、修繕費用が少ないので安心して運用できます。

また、新築という魅力で入居者が早期に見つかりやすく、空室リスクが低いことが特徴です。一方で、物件価格が高いため中古物件に比べて利回りは低く、都心部に近づくほど収益性は下がります。

ただ、10年程度で売却するとしても比較的綺麗な状態で手放すことができるため、資産価値は高い状態を保てるでしょう。

中古区分マンション投資

中古区分マンション投資は、既存のマンションの一部屋を購入して賃貸するスタイルです。

新築に比べて初期コストが抑えられる一方で、状態によっては修繕費用がかかる場合があります。購入後1年程度で雨漏りなどが発生しても、修理費用は基本的に買主負担です。

しかし、物件価格が低いため、利回りが高くなる可能性があります。立地が良ければ入居者を確保しやすく、安定した収益を期待できるでしょう。

中古物件は築年数には注意が必要で、銀行の評価が得られず、投資ローンが下りないケースがあります。

中古一棟アパート投資

中古一棟アパート投資は、4~10部屋程度のアパートを一棟丸ごと購入して賃貸経営を行います

物件全体を所有するため、収益性が高く、管理の自由度が高いことが特徴です。また、一棟で複数の入居者がいるため、空室リスクが分散されます。

ただし、初期費用や修繕費用が高くなる可能性があり、運用における計画性がとても重要です。自己管理を行う場合には、一定の知識とスキルが求められます。

戸建て投資

戸建て投資は、一戸建ての住宅を購入して賃貸するスタイルです。

一般的に家族向けの需要が高く、長期的な入居が期待できるため、安定した収益を得やすいのが特徴です。

初期投資が比較的低く、運用が簡単である一方、収益性は他の投資方法に比べて低い場合があります。また、空室リスクが高く、一戸だけでは収益の変動が大きくなる可能性があります。


投資物件の利回り比較

次は、前章で挙げた4種類の物件において、利回りの相場を解説します。

ただし、利回りはあくまで収益性を示す1つの指標です。投資物件を選ぶ際には、利回りだけでなく、物件や周辺環境から見た資産価値、起こりうるリスクなど総合的に判断をしましょう。

新築区分マンション投資の利回り相場

新築区分マンションの利回りは、一般的に3%~4%とされています。3%未満の物件は、少々危険が伴います。

物件の品質や立地により変動しますが、初期費用の高さや低いリスクに伴い、利回りは低めに設定されることが多いです。

新築区分マンション投資は、長期的な資産価値の向上が期待されますが、初期投資額の大きさから、リスクを分散するために複数の物件を所有するなどの工夫も必要でしょう。

中古区分マンション投資の利回り相場

中古区分マンションの利回りは、5%~7%程度が一般的です。

新築に比べて初期費用が低いため、利回りが高くなる傾向がありますが、修繕費用や管理費がかかることも考慮する必要があります。 築年数や状態によっては、大規模修繕が必要になるケースもあります。購入前に、マンション全体の修繕積立額を確認しておきましょう。

また、中古マンションは地価が安定しているエリアを選定することで、資産価値の急落を防ぐことができます。中長期的な運用を目指すには、周辺環境や交通の利便性においても確認しましょう。

中古一棟アパート投資の利回り相場

中古一棟アパートの利回り相場は、物件の状態や立地により変動しますが、5%~10%と少々開きが大きくなっています。 一棟丸ごと所有することで収益性、利回りが高くなります。

また、建物に関する修繕計画をすべて自分で決めることができるため、区分マンションと比較して収益性のコントロールをしやすいのが特徴です。

戸建て投資の利回り相場

戸建て投資の利回りは、5%~10%程度が一般的です。

一部の投資家から人気があり、数百万円程度で購入しておこなう「築古戸建て投資」では、利回りが10%以上の物件もあります。

しかしながら、戸建ては敷地面積や建物の広さにより、維持管理費用が高額になることがあります。特に、庭や外構のメンテナンスが必要な場合、その費用を見込んでおくことが重要です。

また、ターゲットとなるファミリー世帯にとって、立地条件がとても重要な要素です。通勤・通学に便利な場所や、子育て環境が整った地域に物件を取得すると、入居率が高くなるでしょう。


中古一棟アパート投資のメリット5選

成功している不動産オーナーの多くが、一棟アパート投資を行っていると聞いたことがあるのではないでしょうか。

特に、新築よりも手が出しやすい中古一棟アパート投資は、大きな資産を築くためには登竜門的な位置にあるのかもしれません。

  • 空室リスクが軽減できる
  • 少ない手間なのに収益性が高い
  • 節税効果が高い
  • 資産形成・事業拡大が早い
  • 運用のコントロールがしやすい

以下では、中古一棟アパート投資のメリットを5つ紹介しましょう。

空室リスクが軽減できる

中古一棟アパートは、建物内に複数の部屋を構えています。アパート全体が満室でない場合でも、他の部屋からの家賃収入で補填することが可能です。

そのため、たとえ一室の空きが発生したとしても、全体の収益にさほど大きな影響までは及びません。「安定した収入源」としての魅力が高いと言えるでしょう。

少ない手間なのに収益性が高い

中古一棟アパートは、一度購入してからの手間が少ないため、効率的な資産運用が可能です。

管理会社に運用を委託することで、日常の管理業務を任せられるため、会社員など本業で忙しくしている場合でも安心です。 適切な修繕・リノベーションを行えば、物件の価値が向上し、賃料アップも見込めます。運用の手間と収益性のバランスが取りやすいことも、中古一棟アパート投資の大きな魅力です。

節税効果が高い

中古一棟アパート投資には、高い節税効果が期待できます。その一つが、減価償却費の活用です。

建物の価値を耐用年数にわたって分割して経費として計上することで、所得税や住民税の負担を軽減することができます。 また、賃貸経営にかかる諸経費も経費として認められるため、これらをきちんと計上することで利益を抑え、節税効果が高まります。

資産形成・事業拡大が早い

中古一棟アパート投資は初期投資が大きい分、複数の部屋を一度に購入でき、資産形成や事業拡大が早いという特徴があります。

また、複数の部屋から得られる家賃収入を再投資することで、さらに資産を増やすことができます。より収益性の高い物件を選ぶことで、資産形成のスピードを加速させられるでしょう。

運用のコントロールがしやすい

中古一棟アパート投資は、リノベーションや賃料設定など、運用に関する意思決定をオーナーが一貫して行えます。 また、複数の部屋を一度に管理するため、手間が減り効率的に運営できます。

これにより、賃貸契約の更新や新たな入居者の募集など、柔軟な対応が可能です。 さらに、賃料調整も一括で行えるため、市場の変動に対して迅速に対策が打てます。


中古一棟アパート投資のデメリット5選

中古一棟アパート投資には多くの魅力がある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

これらのデメリットを正しく理解し、対策を講じることが成功への鍵となります。

具体的には、

  • 空室率の上昇によるリスク
  • 修繕費用の負担
  • 初期費用の高額さ
  • 収益回収期間の長さ
  • 高い運用スキルの必要性

などが挙げられます。以下に、これらの点について詳しく説明します。

空室率上昇による赤字リスクが高い

中古一棟アパートでは空室率の上昇が大きなリスクになります。新築物件と比べて建物自体の競争力が低く、魅力的に感じられにくいことが原因です。

同じ建物内で2部屋以上の空室が発生すると、入居希望者からの家賃交渉をされやすくなりますし、オーナー自身も早く入居させたいがために交渉を受け入れざるを得なくなります。

結果として、家賃収入が減少し、運営コストをまかなえず、赤字に陥る可能性が高まります。立地条件が悪い場合や設備の古さが原因となることも多く、このような状況下では、賃貸条件の見直しやリフォームなどが必要です。

ただし、手元の貯蓄が十分になく、リフォームをしたくてもできないオーナーが多いのが実情です。

修繕費用の負担が大きい

中古一棟アパートは、新築物件よりも経年劣化による修繕が多いです。

人間と同じように、築年数が経つにつれて、設備のメンテナンスや交換が頻繁に求められます。その結果、修繕費用が膨れ上がってしまい、利益を圧迫する可能性があります。

また、突発的な高額修繕が発生することもあるでしょう。

  • 給排水設備
  • 電気設備
  • 屋根
  • 外壁

たとえば、これらの修繕が必要となる場合、短期間で大きな出費を強いられます。

多くの初期費用が必要

中古一棟アパート投資には多額の初期費用が必要です。

そもそも物件価格そのものが高額ですが、物件価格に準じて算出される、仲介手数料や登記費用なども高くなります。

また、銀行融資を受ける際、一般的に物件価格の2~3割程度の頭金が必要とされており、現金での準備が必要です。

これらの費用を事前に考慮し、計画的な資金戦略を立てなくてはなりません。

収益回収期間が長い

中古一棟アパート投資では、物件価格が高額のため収益回収までの期間が長くなりがちです。

賃貸収入を得ながらローン返済や修繕費用をまかなうため、大きな利益が出るまでに時間がかかることが多いです。

この仕組みを理解し、長期運用を前提で安定した収益を目指す必要があります。

高い運用スキルが求められる

中古一棟アパート投資には高い運用スキルが必要です。

  • 物件管理
  • クレーム対応
  • 法律に関する知識
  • 確定申告 など

上記のように多岐にわたるスキルが求められます。

また、運用中は出口戦略を考え、不動産市場にも視野を広げておく必要があります。

たとえ物件管理を不動産会社へ委託するにしても、いざという時に慌てないよう、日頃から自身でこれらの知識を習得しておきましょう。


中古一棟アパート投資を成功させる重要ポイント

不動産投資において大切なのは、購入前にとるべき行動とも言えます。

中古一棟アパート投資は、高い運用スキルが必要ですが、管理会社に一任することで自分の手間を大きく削減できます。

成功するためには、購入前に以下の4点にはとりわけ慎重に精査しましょう。

立地選定

不動産投資に共通して言えることでもありますが、最初に考えるべきは立地選定です。長期に渡って需要のある立地を選ぶことで、空室リスクを軽減できるからです。

  • 交通の利便性
  • 駅までの距離や勾配
  • 再開発などのエリア発展
  • スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど生活施設

これらは必須条件とも言えます。

このほかにも、公園や小学校などの公共施設、病院などメディカルセンターが集中しているとより資産価値が高まり、キャピタルゲインにもつながります。

信頼できる不動産会社の選定

信頼できる不動産会社を選ぶことは、実は不動産投資の成功に欠かせません。

購入前のセミナーや物件見学を通じて情報収集を行い、不動産会社の信頼性を見極めましょう。

また、複数の会社を比較し、管理に関わる各手数料やサービス内容を確認することも重要です。その際に、担当者の対応や知識の深さにも注視しておきましょう。

細かい話ですが、入居者から更新料を取るのか、また更新料はオーナーに送金されるのかなど、具体的な内容まで聞く必要があります。

長期的な運用戦略

中古一棟アパート投資を成功させるには、長期的な運用戦略が求められます。

ただ物件を購入するだけでなく、将来のリスクや出口戦略まで見越した計画を立てることが必要です。

たとえば、修繕計画や資金繰り、家賃下落見込みや周辺環境の変化にも注意を払い、柔軟に対応する能力が求められます。

中古一棟アパート投資では、区分マンションのような長期修繕計画が確立されているわけではありません。

定期メンテナンスまで、詳しく想定しておくことが大切です。

緻密な収益シミュレーション

投資を成功させるためには、緻密な収益シミュレーションが必要です。

購入前には、初期費用や運用費用を詳細に見積もることが大切です。

また、賃料収入の予測を正確に行い、リスクを想定したキャッシュフローを計算します。

さまざまなリスクを考慮し、何パターンもの計算をしておくことで、事前のリスク管理・対策ができます。


中古一棟アパート投資に向いている人

中古一棟アパート投資に向いている人とは、特定の条件を満たす人々です。その条件とは、ある程度の年収を持ち、安定した職業に就いていることが重要です。

具体的にどのような人なのか、以下で解説します。

年収が1,000万円以上ある人

年収が1,000万円以上ある人は、中古一棟アパート投資に向いています。高収入者であれば、投資資金を確保しやすく、金融機関からの融資も受けやすくなります。

また、高収入であれば、リスクを取って投資をする余裕も持てるでしょう。安定した収入があれば予期せぬ支出にも対応できますし、十分な収入があることは投資の成功に必要な条件の一つです。

さらに、設備の修繕やリノベーションといった追加費用にも柔軟に対応できます。実際、一棟アパートオーナーの多くは年収1,000万円以上の人々です。

正社員・公務員・士業に就いている人

正社員や公務員、士業に就いている人は、中古一棟アパート投資に向いています。

これらの職業は安定した収入が見込めるため、金融機関から信用を得やすいです。このため、融資を受けやすくなり、投資を始めるハードルが低くなります。

また、公務員や士業のように、特定の専門知識やスキルを持つ職種は投資に対する理解も深いので、リスク管理がしやすく、失敗のリスクを抑えられます。

さらに、安定職に就いている人は退職金なども見込めるので、将来の生活設計が立てやすいです。これにより、より戦略的な投資が可能となります。

金融資産が3000万円以上ある人

金融資産が3,000万円以上ある人も、中古一棟アパート投資に向いています。

十分な資産があれば、初期投資に必要な自己資金を用意できますし、金融資産が3,000万円というのは融資交渉の際の線引きでもあります。

さらに、資産が多い人は複数の投資先に分散することで、リスク分散が可能です。

ほったらかし投資をしたい人

最後に「資金面」とは異なる視点で、購入後の運用に手間をかけたくない人にも最適です。

管理会社に運用を任せることで、日常の管理やトラブル対応の手間を省けます。このため、時間に余裕がない人でも投資を続けられます。

やることと言えば毎月送金される金額の確認や、管理会社からの連絡対応のみですので、仕事や家庭、趣味に時間を費やすことが可能です。

このように、ほったらかし投資は多忙なライフスタイルを送る人々に非常に適しています。

 


まとめ

この記事では、中古一棟アパート投資に着目し、他の投資物件との比較やメリット・デメリットなどの本質を解説しました。

中古一棟アパート投資は、資金面におけるハードルや高い運用スキルが必要になります。

しかし、その一方で節税効果が高く、効率的に資産形成が可能です。また、建物そのものを自分で管理するため、運用コントロールのしやすさも大きな魅力です。

年収1,000万円以上の高所得者、安定した職に就いている、十分な金融資産がある、という方は、中古一棟アパート投資を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

中古一棟アパート投資は、「中・長期戦」かつ「緻密なシミュレーション」が鍵となります。

 

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