
「1階の部屋って、やっぱり売りにくいのかな…?」
マンション選びで多くの人が抱える不安のひとつが、1階住戸の資産価値です。防犯やプライバシー、日当たりなど気になる点はありますが、その一方で「1階だからこそ便利」と考える層が一定数いるのも事実。実はリセール(売却)を考えたときにも、条件次第で1階が強みになるケースがあります。
本記事では、1階マンションが敬遠されやすい理由から、リセールに有利な特徴、そして価値を高めるための工夫までをわかりやすく解説していきます。
マンションの1階購入で失敗したくない方は、ぜひ一度弊社までご相談ください。また、すでに1階の売却を検討されている方は、査定依頼からお気軽にご利用いただけます。
この記事で分かること |
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目次
- マンション1階のリセールは本当に不利なのか?
- 賃貸市場では強いニーズがある
- 物件価格は5~10%下落傾向
- マンション1階が懸念される6大理由
- ①外部からの視線が気になる
- ②防犯面が脆弱
- ③ 虫が多い
- ④日当たりや風通しが悪い
- ⑤湿気・カビの発生しやすさ
- ⑥災害時のリスクが高い
- 1階でもリセールに強いマンションの特徴
- 専用庭やテラスが付いている
- 駐車場に直接アクセスできる
- 天井高や間取りの工夫がある
- 南向き・角部屋など立地条件が良い
- マンション1階ならではのメリット
- 騒音トラブルが少ない
- バリアフリーが整っている
- エレベーター待ちのストレスがない
- 移動距離が少なく生活動線が短い
- 災害時に避難しやすい
- 給排水設備が安定しやすい
- 1階マンションの購入を検討するのはどんな人?
- 小さな子どもがいるファミリー層
- バリアフリーを重視する高齢者層
- ペット飼育を希望する世帯
- 階数だけじゃない!マンションの資産価値を左右するポイント
- 方角
- 間取り・広さ
- 築年数
- 耐震性
- 修繕状況
- 施工会社・販売会社
- 管理会社
- 共用部のスペック
- まとめ
マンション1階のリセールは本当に不利なのか?
一度購入したら簡単に住み替えできない持ち家。だからこそ「1階は防犯面や外からの視線が気になるし、将来売りにくいのでは?」「マンションを買うからには、中層階以上じゃないといけないのでは」と不安になる方は多いです。
果たして、「マンションの1階」を購入することは本当に不利なのでしょうか。
賃貸市場では強いニーズがある
賃貸市場では実は「あえて1階を選ぶニーズ」が根強くあります。
- 荷物の出し入れがしやすい
- 子育てや高齢者に安心
このような理由から、1階だからこそ希望する人がいます。「1階で探してほしい」とリクエストされることもありますが、そもそも供給数が少ないため、条件に合う部屋が見つからず苦労するケースもよくあります。
物件価格は5~10%下落傾向
また価格面で見ると、一般的に1階は中層階より5〜10%ほど安く設定されるケースが多いといわれています。
売却時の価格は下がりやすい一方、購入時の負担を抑えられるため「コストを優先する層」にはむしろ選ばれやすいという側面もあります。
つまり購入者の条件やライフスタイルに合えば、1階物件でもリセールを狙える可能性は十分にある、ということです。
マンション1階が懸念される6大理由
1階には利便性や暮らしやすさといった魅力がある一方で、購入希望者から敬遠されやすいポイントが存在します。
ここでは、売却時にネックとなりやすい代表的な懸念を6つ取り上げて解説します。
①外部からの視線が気になる
低層階に住む多くの人が懸念しているのが、外部からの視線を感じる「プライバシー問題」。その中でも注意されやすいのが、リビング側の大きな窓です。
窓の外に道路やお店があれば、通行人の目線をどうしても感じやすくなります。そのため売却時にも「視線が気になる」と購入を躊躇うケースはよくあります。
また、対面に別の建物があって窓同士が向かい合っていたり、高層マンションから見下ろされていると感じる立地では、プライバシー面への不安が強まりやすいでしょう。
②防犯面が脆弱
すべてのマンションに当てはまるわけではありませんが、1階はどうしても他の階より侵入リスクを意識する人が多いです。
共用部の廊下に鉄柵があると安心できますが、バルコニーの位置が低いと防犯リスクは高まってしまいます。春や秋など過ごしやすい季節に窓を開け放して網戸だけで過ごすのは、特に気をつけたいポイントです。
③ 虫が多い
虫が苦手な人にとって、これも大きなデメリットです。もちろん2階や3階でも虫は出ますが、「虫が少ないからマンションに住みたい」という人からすると、1階は避けたいと考えられやすい層も存在します。
特に、配管や排水口を伝って侵入することが多い害虫は、低層階ほど遭遇するリスクは高まりやすいです。
④日当たりや風通しが悪い
上層階と比べると、1階は日当たりや通気性で劣る傾向があります。
都市部では周囲に高い建物が立ち並び、影になることでリビングへの採光が遮られてしまうことも。
リビングの明るさは購入検討者が重視するポイントなので、リセールへの影響を与える場合があります。今は問題がなくても、将来的に隣接地に高い建物が建つ可能性もあるため、日照問題は要注意です。
⑤湿気・カビの発生しやすさ
日当たりや風通しの悪さは、湿気のたまりやすさにも直結します。その結果、カビが発生しやすくなる点も懸念されます。
除湿器や除湿剤で一定の対策は可能ですが、建物の構造や立地環境に左右される部分は大きく、根本的な改善は難しいのが現実です。
⑥災害時のリスクが高い
1階は、災害のときに被害を受けやすい面があります。大雨による浸水や河川の氾濫など、水害の影響をダイレクトに受ける可能性があります。
地震では、津波や地盤の液状化、建物が倒壊した際の影響を最初に受けるのも1階です。もちろん立地や建物の構造によって違いますが、購入希望者にとって「災害リスク」は大きな検討材料です。
1階でもリセールに強いマンションの特徴
ここまで1階の懸念点を見てきましたが、実は「売りやすい1階」も存在します。1階ならではの強みを備えた物件は希少性が高く、将来のリセールでも有利に働きやすいのです。
専用庭やテラスが付いている
1階ならではの特権が、専用庭や広めのテラスです。
マンションに住みながら戸建て感覚を味わえるため、小さなお子さんやペットのいる家庭に特に人気です。ちょっとした水遊びなどを楽しめるスペースとしても活用でき、暮らしにゆとりを感じさせてくれます。
ガーデニングや家庭菜園を楽しめる点も魅力で、他の住戸にはない「特別感」がリセールでプラスに働きます。
駐車場に直接アクセスできる
マンションと戸建てを比べたときによく挙げられる違いの一つが、「駐車場までの距離」。それだけ持ち家派にとっては重視されるポイントだということです。
1階住戸で駐車場にそのまま出られる動線があれば、この不便さを一気に解消できます。買い物帰りに重い荷物を運ぶときや、小さな子どもを連れて車に乗せるときも移動が最短距離で済むので、とても快適です。
都心部でこのような物件に出会うのは難しいですが、利便性を評価する購入者は多く、物件のアピールポイントになります。
天井高や間取りの工夫がある
1階は構造上、上階より天井が高く設計されていることがあり、その分部屋全体が広く見えます。
また、間取りに将来の暮らしを見据えた工夫があると、さらに価値は高まります。たとえば今は広めの1つの部屋として使い、子どもが成長したり、2人目を迎えたりしたタイミングで間仕切りをして二部屋にできる設計です。
こうした柔軟さがあると、子育て世帯にとって「将来も安心して暮らせる住まい」と映り、リセールでも強みになります。
南向き・角部屋など立地条件が良い
南向きで角部屋となれば、1階でも自然光が入りやすく、風通しも確保しやすい環境になります。
- リビングが明るい
- 風がよく通る
- 洗濯物がよく乾く
- 隣の音がほとんど聞こえない
- 隣への音を気にしなくていい
そんな要素は「ここに住みたい」と思ってもらえる大事な決め手になります。中でも、「南東角部屋」は、朝から昼にかけてたっぷり光が入り、1日の多くを心地よい明るさの中で過ごせる点が強みです。
マンション1階ならではのメリット
1階に住むことを選択する人の多くは、「暮らしやすさ」を重視しています。
騒音や移動のストレスを減らし、毎日の生活をぐっと楽にする―。それこそが、1階の本当のメリットでしょう。
騒音トラブルが少ない
1階は下の階がないため、足音や物音で迷惑をかける心配がほとんどありません。子どもが走り回ったり、生活音が響いたりして「下の階から苦情が来ないか…」と気をもむ必要がない分、余計なストレスが減り、気持ちにゆとりを持って暮らせます。
バリアフリーが整っている
階段やエレベーターを使わずに住戸へ入れるのは、1階の大きな魅力です。
ベビーカーや車椅子、高齢の家族にとって移動の負担が少なく、日常生活がとても楽になります。将来を考えたときに「終の住処」としても安心して選べるのが1階の強みです。
エレベーター待ちのストレスがない
朝の通勤・通学時間や帰宅ラッシュ時は、エレベーター待ちの行列が発生することもあります。その点1階は、そもそもエレベーターを使わずに出入りできるので、時間を気にせずスムーズに外出できます。
定期点検や思わぬ故障でエレベーターが止まってしまったときでも、1階なら普段通り出入りが可能です。高層階の住戸だと階段を延々と上り下りすることになりますが、1階ならこうした不便とは無縁でいられます。
移動距離が少なく生活動線が短い
ゴミ出しやちょっとした用事に加えて、車に荷物を運ぶときや「忘れ物を取りに行こう」というときでも、1階なら移動距離が短く済みます。
買い物帰りに重い荷物を運ぶときも動線がシンプルで体への負担が少ないのは嬉しいポイントです。
災害時に避難しやすい
地震や火災など、いざというときにすぐ外へ避難できるのは1階ならではです。
高層階だと階段を下りるのに時間がかかりますが、1階なら玄関からすぐに外へ出られるため、避難行動がスムーズです。
この「避難のしやすさ」が安全面で大きなメリットになります。
給排水設備が安定しやすい
マンションの給水はポンプで加圧して各階に送られますが、上層階になるほど水圧が弱まりやすく、シャワーの勢いが不安定になることもあります。その点1階は水圧が安定しており、生活上のストレスが少ないのがメリットです。
また、排水についても1階は配管が短いため、詰まりや逆流といったトラブルが比較的起きにくい構造になっています。
1階マンションの購入を検討するのはどんな人?
では、どんな人にとって1階が合うのか――。それを知ることは、購入する側だけでなく将来売却する側にとっても大切です。
小さな子どもがいるファミリー層
- 子どもが走り回っても下の階へ騒音を気にしなくていい
- ベビーカーの出し入れが楽
- 庭やテラスがあれば遊び場になる
小さな子どもがいると、外に出るだけでもベビーカーや荷物をまとめたりと準備が一苦労。
そんなときに庭やテラスがあれば、気軽に外の空気に触れられ、子どもも気分転換できる大切な空間になります。
もし転勤などで一時的に賃貸に出す場合でも、1階は小さな子どもがいるファミリー世帯に借りてもらいやすい住戸といえるでしょう。
バリアフリーを重視する高齢者層
階段やエレベーターを使わずに出入りできる1階は、高齢者にとって暮らしやすさが段違いです。
日常の買い物や通院のしやすさ、転倒リスクが軽減されるのは、大きな安心感があります。
将来介護が必要になったときも、車椅子や介護ベッドの搬入がしやすく、家族にとっても負担が少なく済むでしょう。
実際、介護をきっかけに戸建てからマンションの1階へ住み替える人もいるほどで、暮らしやすさを求める層から高い人気を集めています。
ペット飼育を希望する世帯
犬や猫などのペットを飼っている家庭にも1階は人気です。散歩にすぐ出られることや、上階への騒音を気にせず暮らせるのも大きな利点です。
マンションでは「共用部ではペットをケージに入れること」と規約で定められているケースが多くあります。道路や駐車場までの移動距離が長いと、小型のペットでも飼い主にとって負担がかかります。
マンションの1階購入で失敗したくない方は、ぜひ一度弊社までご相談ください。また、すでに1階の売却を検討されている方は、査定依頼からお気軽にご利用いただけます。
階数だけじゃない!マンションの資産価値を左右するポイント
資産価値は「階数=すべて」ではありません。
リセールを成功させるには、方角や間取り、管理体制といった複数の条件を総合的に見極めなくてはいけません。
購入希望者がチェックする「暮らしやすさ」や「安心感」といった要素で、その価値を判断しましょう。
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方角
南向きや南東向きは人気が高く、リセール時にもプラスに働きやすい傾向があります。
一般的に「北向き」は敬遠されやすいため、価格が下がってしまうことも。需要面でいうと、「南>東>西>北」の順に低くなっていきます。
間取り・広さ
間取りは2LDK~3LDKが一般的に人気です。
都心部では家族構成によってニーズが分かれますが、広めの2LDKで間仕切りによってもう1部屋増やせるような造りなら、需要の幅はぐっと広がります。
広さについては最低でも50㎡以上は欲しいところで、60〜70㎡程度あればリセール時も売りやすくなります。
築年数
マンションの資産価値を考えるうえで、築年数は大きなポイントです。
多くのマンションはRC造やSRC造で、法定耐用年数は47年とされています。この47年を超えると銀行の評価が下がり、ローンが付きにくくなり、現金一括で買える人しか購入できなくなります。つまり売却のハードルが一気に上がってしまうのです。
だからこそ、自分が購入する時点で「いつ手放すか」を逆算しておくことが大切。目安としては、築40年前後で売却できるとスムーズにリセールしやすいでしょう。
耐震性
日本のマンションは、地震への備えが資産価値に直結します。ポイントは「新耐震基準を満たしているかどうか」です。
1981年6月以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準に対応しており、大地震でも倒壊しにくい設計です。一方、それ以前の「旧耐震基準」の物件は、補強がなければ融資がつきにくいケースがあります。
築浅マンションでは免震・制震構造を採用する例も増えています。建設コストは高いものの揺れを大きく減らせるため、将来のリセールも安心できそうです。
修繕状況
マンションではおおむね12年に1回のペースで大規模修繕工事が行われるのが一般的です。また、他にも細かい部分がきれいに保たれていると、「管理が行き届いているマンション」という印象を与え、リセールにプラスに働きます。
具体的な修繕箇所
- エントランスのポスト、掲示板の交換
- 共用廊下床材の補修
- エレベーター内の部品交換
- 外灯や照明の取り替え
- 駐輪場の白線の引き直し
- 植栽の手入れ など
施工会社・販売会社
どの会社が建てたマンションか、販売したのはどこかも購入希望者は意外と気にします。
大手デベロッパーや準大手ゼネコン施工の物件は、施工の信頼性やアフターサービス体制が整っていることが多く、流通価格が安定しやすいのが特徴です。ブランド力がある会社の名前は、それだけで安心材料となり、内覧時に印象が良くなります。
逆に、無名の会社や倒産した会社が関わったマンションは「建物の質や修繕計画は大丈夫なのか?」と不安を持たれやすくなります。安心感を与えられない分、売却時には価格交渉が入ったり、成約まで時間がかかったりするケースも珍しくありません。
管理会社
管理の質は、「住み心地」と「資産価値」の両方に直結します。管理人が常駐しているか、修繕積立金の水準が平均的で健全に積み立てられているか、などは購入希望者のチェックポイントです。
また、清掃や植栽の手入れが行き届いているか、ゴミ置き場がきれいに保たれているか、共用スペースに私物が散乱していないか、といった日常的な管理も印象を大きく左右します。
こうした点が整っていると「安心して住めるマンション」と評価されやすくなります。
共用部のスペック
エントランスやラウンジ、宅配ボックス、駐輪場といった共用部の設備が充実していると、日々の暮らしやすさにつながります。オートロックや防犯カメラも今や標準設備になりつつあり、ないと不安に感じる人もいるでしょう。
24時間いつでもゴミ出しができる環境も人気のポイントです。マンションの1階や建物内に専用のゴミ置き場があれば、外に出る手間もなく天候を気にせず利用できるので、生活の快適さが高まります。
タワーマンションでは、駅までの専用シャトルバスが出ていることもあり、通勤・通学の利便性を大きく高めてくれます。
まとめ
「1階は売りにくい」と思われがちですが、専用庭や駐車場直結、南東角部屋など条件次第で十分にリセールは狙えます。子育て世帯や高齢者、ペット世帯など、1階を好む層もいるため需要は確かに存在します。
大切なのは階数だけでなく、方角・広さ・築年数・管理体制など資産価値を左右する要素を総合的に見ること。メリットとデメリットを理解して選べば、1階でも安心して資産性を保てる住まいになります。
視点を変えて見れば、1階はむしろ「暮らしやすさと資産性のバランスを両立できる選択肢」になり得るでしょう。
マンションの1階購入で失敗したくない方は、ぜひ一度弊社までご相談ください。また、すでに1階の売却を検討されている方は、査定依頼からお気軽にご利用いただけます。
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