
空き家を含めた不動産売買で、「補助金が使えますよ」と積極的に教えてくれる不動産会社は、実はあまり多くありません。というのも、補助金は宅建業法とは直接関係がなく、制度ごとに条件もバラバラなため、現場でもすべてを把握しきれていないのが本音です。
そこで今回は、当社ルーム・スタイルの主要取引エリアである一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)に絞って、空き家に使える補助金を整理してみました。解体・改修・売却など用途別に、「実際にどう使えるのか」をわかりやすく紹介していきます。
なお、補助金制度は自治体の予算状況や方針によって、毎年内容が見直されます。本記事で紹介している制度は令和8年度を目安に調査・整理したものですが、すべての情報を網羅・確認しているわけではありません。
補助率や上限額、申請条件が変更されている場合や、年度途中で受付が終了しているケースもあります。また、制度名が変わっていたり、新しい制度に統合・廃止されていることもあります。
実際に申請を検討される際は、必ず物件所在地の市区町村窓口または公式ホームページで最新情報をご確認ください。
ご自身のケースで使える制度があるか気になる方は、個別に状況を確認することもできますので、お気軽にご相談ください。
| この記事で分かること |
|---|
|

目次
- 空き家補助金の基礎知識
- 「空家法」改正と都市部の空き家問題の状況
- 補助金の種類と用途の早見表(解体/改修/取得/売却支援)
- 特定空き家・管理不全空き家で補助金はどうなる?
- 【東京都】空き家補助金の制度と申請のポイント
- 東京都全体の補助スキーム
- 東京都の空き家関連の補助金例
- 【神奈川県】空き家補助金の制度と申請のポイント
- 神奈川県の空き家関連の補助金例
- 【埼玉県】空き家補助金の制度と申請のポイント
- 埼玉県の空き家関連の補助金例
- 【千葉県】空き家補助金の制度と申請のポイント
- 千葉県の空き家関連の補助金例
- 【用途別】自分の状況に合った補助金の選び方
- 空き家を「解体したい」場合——対象条件と上限額の目安
- 空き家を「改修・リフォームして活用したい」場合
- 空き家を「売却・空き家バンク登録」したい場合
- 空き家を「取得(移住・定住)」したい場合
- 補助金申請の流れと必要書類|工事前の申請が絶対条件
- 標準的な申請フロー(相談→事前申請→工事→完了報告→入金)
- 申請時・完了時に必要な書類チェックリスト
- 補助金を受け取れなかった失敗事例3選と回避策
- 失敗例①:工事を先に着工してしまった
- 失敗例②:予算枠が締め切られていた(申請タイミングの罠)
- 失敗例③:申請者・物件の条件を満たしていなかった
- よくある質問(FAQ)
- Q. 相続した空き家でも補助金を受けられますか?
- Q. 補助金はいつ振り込まれますか?
- Q. 東京都以外に住んでいても東京の物件に申請できますか?
- まとめ:一都三県の空き家補助金、まず窓口に相談を
空き家補助金の基礎知識

空き家対策は、ここ数年で大きく制度が変わっています。特に2023年の法改正をきっかけに、自治体による支援制度(補助金)も拡充されてきました。
まずは、制度の背景と現状を整理しておきましょう。
「空家法」改正と都市部の空き家問題の状況
2023年に改正・施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」は、空き家対策を大きく前進させる転換点となりました。
改正のポイントは、「管理不全空き家」という新たな区分が創設された点です。
これにより、倒壊などのリスクが高まる前の段階でも、自治体が所有者に対して指導・勧告を行えるようになりました。応じない場合は、命令や行政代執行へと進み、最終的には強制的な対応が取られる可能性があります。
その結果、放置される空き家への対応が強化され、各自治体でも補助制度の整備が進んでいます。
東京都は空き家率自体は全国平均を下回るものの、空き家数は全国最多であり、都市部でも問題が顕在化しています。
補助金の種類と用途の早見表(解体/改修/取得/売却支援)
前章の理由から、各自治体が独自の補助金や助成制度を設け、解体・改修・取得それぞれに手厚い支援を行っています。
空き家補助金は用途別に制度が分かれているため、まずは全体像を整理しておきましょう。
用途 | 主な補助内容 | 補助上限の目安 | 対象者 |
解体・除却 | 老朽空き家の解体工事費 | 50万〜200万円 | 所有者・相続人 |
改修・リフォーム | 活用に向けた修繕・耐震改修 | 50万〜200万円 | 所有者・移住者 |
取得・移住支援 | 改修費補助・移住支援金 | 50万〜200万円 | 移住・定住希望者 |
売却・バンク登録 | 家財処分・改修・流通促進支援 | 10万〜100万円 | 所有者 |
※補助額は自治体・年度によって異なります。必ず各市区町村の最新情報を確認してください。
特定空き家・管理不全空き家で補助金はどうなる?
空家法では、空き家は「特定空き家」と「管理不全空き家」の2種類に分けられます。
- 特定空き家:倒壊の危険や衛生上の問題がある物件で、指定されると固定資産税の住宅用地特例が解除され税額が最大6倍になります。
- 管理不全空き家:その予備軍ともいえる区分で、指定されると行政から指導・勧告を受けます。
指定を受ける前のほうが、使える補助金の種類は多く、手続きも通りやすい傾向があります。一方で、指定された後の方が解体補助などが優先的に出るケースもあります。
【東京都】空き家補助金の制度と申請のポイント

東京都は全国的にも補助制度が充実しており、都が区市町村に補助金を交付し、区市町村が所有者へ支援する「二段構造」が特徴です。「都の制度」と「区市町村の制度」を組み合わせることで、補助額が上がるケースもあります。
東京都全体の補助スキーム
東京都が主導する代表的な制度は「東京都空き家家財整理・解体促進事業」です。
この制度では、老朽空き家の家財整理と解体費用の一部を補助します。令和8年度現在、東京都が直接窓口になって行っている同事業の補助金は以下のように費用が固定されています。
解体費用: 費用の1/2(上限10万円)
家財整理: 費用の1/2(上限5万円)
これをベースとして、各区市町村が「独自に上乗せ」をしており、結果的に区によって数十万〜数百万円の差が出ています。
東京都の窓口となる「東京都住宅政策本部」のウェブサイトでは、区市町村別の支援制度一覧が随時更新されています。まずここで自分の物件がある市区町村の制度を確認するのが最短ルートです。
東京都の空き家関連の補助金例
空き家の解体補助金は区によって大きく異なりますが、その理由のひとつが「不燃化特区」の有無です。
不燃化特区とは、火災時の延焼リスクが高い木造密集地域を対象に、東京都が防災目的で整備を進めているエリアのことを指します。このエリアでは、老朽住宅の解体や建て替えを促進するため、通常よりも高額な補助金が設定されているのが特徴です。
| 区 | 制度・概要 | 上限額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 千代田区 | 木造住宅の耐震化促進助成 | 約80万円 | 旧耐震(昭和56年以前)対象。実質「解体・建替え前提」 |
| 杉並区 | 【旧耐震基準】木造住宅等の除却に関する助成制度 | 約150万円 | |
| 北区 | 空家の解体費用助成 | 約80万円 | 空き家対策として典型的な解体系補助 |
| 板橋区 | 老朽建築物等除却費助成 | 150万円 | 接道条件で増額あり(条件次第で高額) |
| 荒川区 | 危険老朽建築物の除却費用助成 | 最大100万円 | 都内トップクラスの高額(再開発・防災系) |
| 足立区 | 木造住宅耐震改修・除却助成 | 約100万円 | 耐震系とセットの補助が中心 |
| 葛飾区 | 不燃化特区建替え助成 | 約200万円 | 建替え誘導型(解体+新築)でない場合、減額の可能性あり |
| 江戸川区 | 老朽住宅除却助成 | 約50万円 | 上限はやや低めだが使いやすい |
| 台東区 | 子育て世帯向け住宅化補助 | 約50万円 | リフォーム系(活用型)。賃貸化条件あり |
| 台東区 | 老朽建築物除却助成 | 約50万円 | 解体費の1/3補助(典型モデル) |
| 練馬区 | 空き店舗等活用支援補助金 | 約100万円 | 商業活用・リノベ向け(用途制限あり) |
| 文京区 | 空家等利活用事業 | 不明(個別) | 活用型支援(改修・マッチング) |
| 新宿区 | 空家管理・活用支援(協定) | — | 補助金ではなく支援体制型 |
東京都の市部では、23区と比べて「解体による除却」だけでなく、「活用・移住」を前提とした補助制度が多いのが特徴です。
| 区 | 制度・概要 | 補助対象工事 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 八王子市 | 老朽建築物除却補助 | 老朽空き家の解体 | 市部の標準ライン(条件あり) |
| 町田市 | 空き家改修補助 | 空き家の改修・再生 | 賃貸・活用前提が多い |
| 奥多摩町 | 空き家活用支援 | 改修+移住 | 地方ほど高額になりやすい |
| 青梅市 | 空き家バンク活用補助 | 改修・購入支援 | 空き家バンク登録が条件 |
※各制度は予算に限りがあり、年度途中で受付終了することがあります。申請は年度当初(4〜5月)に動き始めるのがベストです。最新の補助額・受付状況は各区の担当窓口にご確認ください。
【神奈川県】空き家補助金の制度と申請のポイント

神奈川県は東京都に隣接しながら、市によって制度内容が大きく異なります。横浜市は政令市として独自の大規模な補助スキームを持ち、川崎市・相模原市もそれぞれ独自制度を設けています。
神奈川県の空き家関連の補助金例
神奈川県全体を比較した情報が少ないため、ここで整理しておきましょう。
| 市町村 | 制度・概要 | 補助対象 | 補助上限額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 横浜市 | 老朽空き家除却・耐震関連制度 | 解体・耐震改修 | 条件により変動 (概ね数十万〜100万円超) | 複数制度あり |
| 川崎市 | 危険空き家除却支援 | 解体 | 条件により変動 | エリア・要件あり |
| 相模原市 | 空き家対策・改修支援 | 解体・改修 | 要確認 | 制度あり(年度ごと更新) |
| 鎌倉市 | 老朽家屋除却補助 | 解体 | 条件により変動 | 景観配慮区域あり |
| 厚木市 | 危険空き家除却補助 | 解体 | 条件により変動 | 税滞納等の制限あり |
神奈川県内では耐震改修補助も充実しています。1981年以前(旧耐震基準)の建物を解体せずリフォームして活用したい場合は、耐震補強の補助金と空き家活用補助を組み合わせることで費用を大幅に抑えられます。
神奈川県の担当窓口(神奈川県住宅課)で「空き家総合相談」を受け付けているため、居住地の相談窓口に連絡してみるとよいでしょう。
【埼玉県】空き家補助金の制度と申請のポイント

埼玉県は市区町村によって制度の有無・内容の差が大きいのが特徴です。さいたま市・川越市・所沢市などの都市部は制度が整備されている一方、郊外・農村部では解体補助よりも「移住定住促進」に重きを置いた取得支援補助が充実しています。
埼玉県の空き家関連の補助金例
| 自治体 | 制度・概要 | 補助対象 | 補助上限額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| さいたま市 | 耐震補強等助成事業(建替え・除却) | 旧耐震住宅の除却・建替え | 約60万円 | 空き家専用というより耐震系制度 |
| 川越市 | 住宅改修補助金制度 | 住宅の改修工事 | 約5万円 | 空き家専用ではないが活用可能 |
| 所沢市 | 耐震診断・改修補助 | 木造住宅の耐震改修 | 要確認 | 年度ごとに内容変更あり |
| 熊谷市 | 空き家除却補助 | 老朽空き家の解体 | 約50万〜100万円 | 条件により変動 |
| 秩父市 | 空き家リフォーム等工事費助成 | 空き家の改修・活用 | 約50万円 | 空き家バンク連動が多い |
| 小川町 | 空き家バンク改修補助 | 登録物件の改修 | 最大60万円 | 年齢・世帯条件で加算あり |
| 小川町 | 老朽空き家除却補助 | 解体工事 | 最大20万円 | 工事費の1/2補助 |
| 長瀞町 | 移住定住促進補助 | 取得・改修 | 約50万〜100万円 | 転入者向け制度 |
| 深谷市 | 空き家活用補助 | 改修・賃貸活用 | 約50万〜100万円 | 活用条件あり |
埼玉県の公式ホームページに各自治体の相談窓口一覧が掲載されていますので、補助金を検討中の方は、ぜひ一度お電話で聞いてみてください。
ご自身のケースで使える制度があるか気になる方は、個別に状況を確認することもできますので、お気軽にご相談ください。
【千葉県】空き家補助金の制度と申請のポイント

千葉県は東京へのアクセスの良さから住宅需要が高く、一方で郊外・房総エリアでは空き家の急増が問題になっています。補助金は市によって最大200万円超になるケースもあり、一都三県の中でも屈指の手厚さです。
千葉県の空き家関連の補助金例
| 自治体 | 制度・概要 | 補助対象 | 補助上限額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 銚子市 | 老朽空き家除却費補助 | 危険な空き家の解体工事 | 約100万円 | 危険度判定が必要 |
| 成田市 | 空き家解体補助 | 空き家の解体工事 | 約50万円 | 市内業者の利用が条件 |
| 茂原市 | 空き家リフォーム補助 | 空き家の改修・リフォーム | 約100万円 | 空き家バンク登録が必要 |
| 大網白里市 | 空き家バンク登録物件改修事業補助金 | 空き家バンク登録物件の購入+改修工事 | 最大200万円 | 空き家バンク登録が条件。申請者は移住・定住の意思があること。 |
| 柏市 | 危険空き家除却促進補助 | 老朽空き家の解体 | 約60万円 | 旧耐震(昭和56年以前)対象 |
| 木更津市 | 空き家活用改修補助 | 賃貸・活用目的の改修 | 約80万円 | 活用(賃貸など)が条件 |
市町村の窓口や民間の相談機関でも制度の確認が可能です。先着順で締め切られることも多いため、年度当初に相談を開始することを強くお勧めします。
【用途別】自分の状況に合った補助金の選び方
地域の制度を把握した次は「自分の目的」に合った補助金を選ぶことが重要です。同じ空き家でも、解体したい・改修して貸したい・売却したい・自分で住みたいによって、使うべき制度が異なります。
空き家を「解体したい」場合——対象条件と上限額の目安
解体補助は最も普及している補助類型です。主な対象条件は以下のとおりです。
- 昭和56年(1981年)以前の旧耐震基準の建物
- 腐朽・破損が著しい、または倒壊の危険がある
- 所有者(または相続人)が申請者であること
- 市区町村税(固定資産税など)の滞納がないこと
- 申請前に工事を開始していないこと(最重要)
補助上限額には地域差がありますが、50万〜200万円が目安です。過疎地域指定の市町村や特定空き家に認定された物件では、費用の大部分が補助されるケースもあります。
解体後の土地活用計画(売却・賃貸・駐車場など)がある場合は、その計画を添付書類に含めると審査が有利になることがあります。
空き家を「改修・リフォームして活用したい」場合
賃貸住宅として活用したい場合は「空き家改修補助」が活用できます。条件としては、空き家バンクへの登録や一定期間の賃貸契約(例:5年以上)を求められるケースが多く、補助額は50万〜200万円程度が目安です(自治体や条件により変動)。
民泊やゲストハウスなど観光目的の活用では、空き家改修補助とは別に、地域活性化や創業支援を目的とした補助制度が利用できる場合もあります。一部の自治体では、クラウドファンディングと連携した支援制度が用意されているケースもあります。
空き家を「売却・空き家バンク登録」したい場合
「空き家を売りたいが、売れる状態にするための片付け費用が出ない」という声は多く聞かれます。こうした場合に活用できるのが「家財処分補助」や「空き家バンク登録支援」です。
東京都では、空き家対策の一環として家財整理や解体に関する支援制度があり、区市町村を通じて家財整理費用の一部が補助対象となる場合があります。
また、空き家バンクに登録することで、登録物件を対象とした改修補助や支援制度を利用できるケースもあります。売却を急がず、まず空き家バンクに登録し、補助を活用しながら物件の状態を整えていくことで、より条件に合った買い手を探しやすくなる場合もあります。
空き家を「取得(移住・定住)」したい場合
移住や定住を目的に空き家を取得する場合、補助金は主に郊外や地方の市町村で用意されています。金額は50万〜200万円くらいが一つの目安ですが、条件によってはそれ以上になることもあります。
多くの自治体では、「転入して住み続けること」が前提になっていて、子育て世帯や若い夫婦だと、さらに上乗せされるケースもあります。実際、同じ制度でも数十万円単位で差が出ることもあるので、このあたりは少し嬉しいポイントです。
一方で注意したいのが対象となる物件です。空き家バンクに登録されている物件に限定されるケースが多いですが、自治体によっては一般の流通物件でも対象になることがあります。
「あとから補助が使えなかった」というのが一番もったいないので、補助を前提に探すなら、最初に対象条件を確認しておくのがおすすめです。
補助金申請の流れと必要書類|工事前の申請が絶対条件

どの自治体の制度でも、補助金申請は原則として工事着工前に完了させる必要があります。
だからこそ、申請の流れを事前に確認してから動き始めましょう。
標準的な申請フロー(相談→事前申請→工事→完了報告→入金)
| ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ①相談・事前確認 | 市区町村窓口や専門相談機関で、対象物件・対象者の要件を確認する | 随時 |
| ②見積取得 | 補助対象となる工事の見積書を取得(複数業者からの相見積もりが望ましい) | 1〜2週間 |
| ③事前申請 | 申請書類一式を提出し、審査を受ける。交付決定通知が届くまで工事は開始できない | 2週間〜2ヶ月 |
| ④工事実施 | 交付決定通知を受け取った後に工事を開始(着工前申請が必須) | 工事内容による |
| ⑤完了報告 | 工事完了後、報告書・写真・領収書などを提出 | 工事完了後すぐ |
| ⑥補助金入金 | 審査後、指定口座へ補助金が振り込まれる | 1〜3ヶ月 |
申請時・完了時に必要な書類チェックリスト
申請時に必要な書類は自治体によって異なりますが、一般的に以下のものが求められます。
補助金申請時の必要書類
- 補助金申請書(自治体の所定様式)
- 対象物件の登記事項証明書(法務局で取得)
- 固定資産税の納税証明書(直近年度)
- 建物の現況写真(外観四方向・内部)
- 工事見積書(業者作成)
- 工事契約書(または契約予定書)
- 位置図・配置図(物件の場所・状況が分かるもの)
- 申請者の住民票・印鑑証明書
- 共有名義の場合は共有者の同意書
- 相続物件の場合は相続関係を示す書類(戸籍謄本など)
完了報告時には、これに加えて工事完了写真・領収書・工事業者の完了証明書などが必要です。書類の不備で審査が遅れることが多いため、事前に窓口で「書類チェック」をしてもらうことを強くお勧めします。
補助金を受け取れなかった失敗事例3選と回避策

補助金申請においてよくある失敗が「工事を先に始めてしまうこと」。後から「使えるかもしれない」と思って調べ始めても、その時点で対象外になっているケースは本当に多いです。
このような実際の失敗パターンを知っておくことで、同じ轍を踏まずに済みます。
失敗例①:工事を先に着工してしまった
事例
相続した築50年の空き家を解体業者に依頼し、工事が始まってから「補助金の対象になりそう」と気づいたケースです。
市区町村の窓口に相談したものの、「着工後の申請は受け付けられない」と案内され、結果として解体費用100万円を全額自己負担することになりました。
回避策
補助金の申請は、必ず着工前に完了させることが大前提です。
「解体業者に連絡する前に市役所へ相談する」という順番を意識しておきましょう。業者から「すぐ着工できる」と言われても、申請審査にかかる期間(2〜4週間程度)を踏まえてスケジュールを調整することが重要です。
失敗例②:予算枠が締め切られていた(申請タイミングの罠)
事例
年度の後半(11〜12月)に申請しようとしたところ、「本年度の予算枠はすでに終了しています」と案内され、受け付けてもらえなかったケースです。
結果として翌年度まで申請を待つことになり、その間も固定資産税や管理費などのコストがかかり続けてしまいました。
回避策
補助金には年間の予算枠があり、多くの自治体で先着順に受付が締め切られます。特に東京都内など申請が集中するエリアでは、年度当初(4〜6月)に申し込みが集中し、夏前に予算が尽きてしまうこともあります。
そのため、できれば年度が切り替わるタイミング(3〜4月)に一度窓口へ相談し、受付開始後すぐに申請できるよう準備しておくのが安心です。
失敗例③:申請者・物件の条件を満たしていなかった
事例
相続した空き家の補助金を申請したところ、「相続登記が未了のため申請者として認められない」と却下されたケース。登記手続きに数ヶ月かかり、その年度の補助金を利用できなかった。
回避策
補助金の申請には、「物件の所有者(または相続人)であること」が前提となります。相続未了の場合は、まず相続登記を完了させておく必要があります。
そのうえで見落としがちなのが、申請者・物件それぞれの細かい条件です。たとえば以下のようなポイントは、事前に確認しておきたいところです。
- 共有名義の場合、他の共有者の同意が必要か
- 固定資産税などの滞納がないか
- 対象となる建物の条件(旧耐震・老朽度など)を満たしているか
- 空き家バンク登録や活用条件(賃貸・居住など)が必要か
- 申請者の居住要件(転入・定住期間など)があるか
制度によって条件は細かく異なるため、「登記が終わっているから大丈夫」と思い込まず、事前にチェックリストのように一つずつ確認しておくと安心です。
司法書士への相談とあわせて、市区町村の補助金窓口にも早めに確認しておくと、後からやり直しになるリスクを減らせます。
よくある質問(FAQ)
Q. 相続した空き家でも補助金を受けられますか?
受けられます。ただし、相続登記(所有権移転登記)が完了していることが条件です。
登記が未了の場合は、まず司法書士に相談して相続登記を完了させてから申請しましょう。相続登記の費用自体も、一部の自治体では補助対象になります。
Q. 補助金はいつ振り込まれますか?
工事完了後に完了報告書を提出し、審査が通ってから1〜2ヶ月が目安です。自治体によっては3ヶ月程度かかることもあります。
解体工事の費用を業者へ先払いする必要があるため、一時的な立替資金の準備が必要です。工事費が大きい場合は、業者との支払い条件を事前に相談しておきましょう。
Q. 東京都以外に住んでいても東京の物件に申請できますか?
ほとんどの場合、申請できます。補助金は「申請者の居住地」ではなく「物件の所在地」の自治体が管轄します。
ただし、改修補助や取得補助の中には「補助後に物件に移住・定住すること」を条件とするものもあるため、用途を確認した上で申請してください。
まとめ:一都三県の空き家補助金、まず窓口に相談を
ここまで見てきたように、空き家の補助金は意外と種類が多く、自治体ごとに条件もバラバラです。
同じ空き家といっても、「解体するのか」「貸すのか」「売るのか」で使える制度が変わるので、まずは自分がどうしたいのかを整理することがスタートです。
そして、次にタイミングと手順。ここを間違えると、今回紹介したように本当は使える物件でも対象外になってしまうこともあります。
少し面倒に感じるかもしれませんが、一度確認しておくだけで負担が大きく変わることもあります。気になる方は、まずは市区町村の窓口で相談してみるところから始めてみてください。




コメント