「アパートをリフォームしたいけれど、使える補助金はある?」
「補助金でリフォーム費用を抑えたいけれど、誰でも申請できるの?」
アパートのリフォームを検討しており、このようにお悩みの方もいらっしゃるでしょう。結論からいうと、アパートのリフォームで利用できる補助金は複数あります。
【アパートのリフォームに利用できる主な補助金】
事業名称 | 補助額/補助上限額/補助率 |
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 上限補助額:戸数×80万~210万円 |
子育て支援型共同住宅推進事業 | 上限補助額:50万~戸数×100万円補助率:3分の1 |
住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業 | 上限補助額:対象戸数×50万~200万円補助率:3分の1 |
既存住宅における断熱リフォーム支援事業 | 上限補助額:5万~120万円補助率:3分の1 |
賃貸集合給湯省エネ2024事業 | 上限補助額:1戸×5万~17万円 |
次世代省エネ建材の実証支援事業 | 上限補助額:150万~400万円補助率:2分の1 |
自治体の補助金 | 自治体によって異なる |
ただし、誰もが利用できるわけではないため、補助金ごとに定められた要件を満たす必要があります。そのため、補助金の目的や要件をしっかりと把握してから利用することが重要です。
本記事では、アパートのリフォームに使える補助金に関して、以下の内容を解説しています。
【本記事のポイント】
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お読みいただくことで、どのような補助金があるかがわかり、自身のアパートのリフォームに利用できるかが判断できます。
また、補助金の申請がはじめての方に向けて、申請の流れも紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.アパートのリフォームに利用できる補助金一覧
アパートのリフォームに限った話ではありませんが、補助金を申請する場合は必ず条件を満たしていることが前提です。
アパートのリフォームの場合は、
省エネ
子育て支援
バリアフリー
災害対策
などを目的としたものが多くあります。そのため、「古くなったからリフォームで見栄えをきれいにしたい」といった普通のリフォームには、申請条件に適さない可能性が高いでしょう。
たとえば、リフォームを機に「省エネ化」や「子育てのしやすい物件作り」などを検討する場合は、補助金が役立ちます。大切なのは、その補助金がどのような目的の事業なのかを理解し、その条件は何なのかを把握することです。
場合によっては、条件を満たすための工事内容にしたことで、予定していたリフォーム費用を超えてしまうこともあるので、誰もが利用すべきであるとはいえない点に注意しましょう。
補助金の詳細を見ていく前に、自身のアパートに適した補助金があるかを大まかに判断するために、一覧を見てみましょう。
【補助金一覧】
事業名称 | 補助対象 | 上限補助額/補助率 | |
国土交通省 | 長期優良住宅化リフォーム推進事業 |
| 上限補助額:戸数×80万~210万円 |
子育て支援型共同住宅推進事業 |
| 上限補助額:50万~戸数×100万円補助率:3分の1 | |
住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業 |
| 上限補助額:対象戸数×50万~200万円補助率:3分の1 | |
環境省 | 既存住宅における断熱リフォーム支援事業 |
※製品の指定あり | 上限補助額:5万~120万円補助率:3分の1※いずれか低い方の額を支給 |
経済産業省 | 賃貸集合給湯省エネ2024事業 | 従来型給湯器を、補助対象である小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ/エコフィール)に交換する費用 | 上限補助額:1戸×5万~17万円 |
次世代省エネ建材の実証支援事業 | 内張り断熱 | 上限補助額:150万~400万円補助率:2分の1 | |
各自治体 | 自治体の補助金 | 各自治体によって異なる |
2.アパートのリフォームに利用できる6つの補助金
アパートのリフォームに利用できる補助金の中から、全国で利用できる補助金を6つご紹介します。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
子育て支援型共同住宅推進事業
住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
賃貸集合給湯省エネ2024事業
次世代省エネ建材の実証支援事業
補助対象・申請要件・補助額などについて詳しく解説していますので、利用できそうな補助金がないかを確認してみましょう。
2-1.長期優良住宅化リフォーム推進事業
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は国土交通省が推進する住宅改修支援制度です。
以下に関する改修を支援しています。
既存住宅の長寿命化
省エネ化
子育て世帯向け改修
この事業を通して、住宅をリフォームにより価値を高めることを目的とした事業です。
2-1-1.補助対象・補助額
長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助対象と補助限度額は、以下のとおりです。
【補助対象】
住宅の性能向上工事(特定性能向上リフォーム工事) | ・既存住宅における特定の性能項目が不適合の状態から性能基準まで上げる工事構造躯体等の劣化対策/耐震性/省エネルギー対策/維持管理や更新の容易性/高齢者等対策/可変性(※1) |
住宅の性能向上工事(その他性能向上リフォーム工事) | ・上記以外の性能向上工事バリアフリー改修工事/テレワーク環境整備改修工事/維持管理や更新(※2)・インスペクションで指摘を受けた箇所の補修工事など |
防災性、レジリエンス性の向上改修工事 | ・自然災害に対応するための改修工事 |
(※1)可変性とは、間取りの変更などへの対応のしやすさのこと
(※2)給水・排水管の更新など
【補助限度額】
事業タイプ | 補助限度額 |
認定長期優良住宅型 | 1戸につき160万円※既存住宅を購入し改修工事を実施する場合は50万円を加算 |
評価基準型 | 1戸につき80万円※既存住宅を購入し改修工事を実施する場合は50万円を加算 |
※「評価基準型」は予算が上限に達したため、交付申請受付を締め切っています(2024年5月時点)
2-1-2.申請要件
長期優良住宅化リフォーム推進事業に申請するには、下記の4つの要件をすべて満たす必要があります。
■要件1
1つ目は、下記表をすべて満たしていることです。
【面積等の条件】
住戸面積の確保 | ・1階の階段部分を除いた床面積が40㎡以上、延べ面積が55㎡以上あること・延べ面積の半分以上が住宅であること |
居住環境 | ・地区計画/景観計画/条例による街並みなどの計画/建築協定/景観協定等の区域内に物件がある場合は、これらの内容と調和が図られること |
維持保全計画の策定 | ・維持保全の期間について、評価基準で求める内容を維持保全計画として定めること |
■要件2
2つ目は、補助対象物件に実施するリフォーム工事の内容が、以下のいずれかであることです。
住宅の性能基準に適合させるための工事
防災性、レジリエンス性向上改修工事
■要件3
3つ目は、リフォーム実施後に本事業で定められた「住宅性能に係る評価基準」に適合することです。
【事業タイプごとの基準】
事業タイプ | リフォーム後の基準 |
認定長期優良住宅型 | 長期優良住宅(増改築)認定の取得基準 |
評価基準型 | 認定基準には満たないものの、⼀定の性能確保が見込まれる水準 |
提案型 | 上記2つによって評価できない性能向上工事について、先導性・汎用性・独自性などの高度な提案性がある場合、「事前採択タイプ(提案型)」に応募できる |
※「評価基準型」は予算が上限に達したため、交付申請受付を締め切っています(2024年5月時点)
【長期優良住宅(増改築)認定の取得基準】
項目 | 概要 |
躯体構造等の劣化対策 | 柱や床などの腐朽・蟻害の抑制 |
耐震性 | 大地震に対応できる耐震性の確保 |
省エネルギー対策 | 窓・壁・床・天井などの断熱化や給湯器などの効率化 |
維持管理・更新の容易性 | 給排水管を点検・清掃・交換しやすくする |
高齢者等対策 | バリアフリー化 |
可変性 | 将来の間取りの変更などに対応しやすくする |
認定長期優良住宅型の場合は、上記すべてを満たす必要があります。評価基準型の場合は、上から3つの項目が必須となり、下3つは任意です。
■要件4
4つ目は、以下の2つをおこなうことです。
・リフォーム工事着手前にインスペクション(現況検査)を実施
・維持保全計画とリフォーム工事の履歴を作成
申請期間申請期間は、対象期間内であれば随時交付申請できる「通年申請タイプ」と、事業者単位で複数戸まとめて応募できる「事前採択タイプ」の2種類がありますが、事前採択タイプの申請期間は2024年5月で終了しています。通年申請タイプの申請期間は「2024年4月15日~11月29日」です。補助申請はリフォーム業者を通じておこないます。 |
本事業の詳細は下記ページをご覧ください。
2-2.子育て支援型共同住宅推進事業
子育て支援型共同住宅推進事業は、賃貸物件や分譲マンションを対象として、事故・防犯対策をおこなうことで子どもを守り、安心して暮らせる住宅の新築・改修を支援するものです。また、居住者間で子育て中の親同士の交流を生み出すことも目的としています。
2-2-1.補助対象・補助額
子育て支援型共同住宅推進事業の補助対象と補助限度額は、以下のとおりです。
【補助対象・補助限度額】
補助対象 | 補助限度額 | 補助率 |
1.子育て支援型共同住宅 | 戸数×100万円 | 3分の1 |
2.居住者等による交流を促す施設の建設 | 500万円/1棟 | |
3.宅配ボックスの設置 | 50万円/1棟 |
1と2を合わせて実施する場合は限度額を合算するのではなく、1の補助金額が上限になります。
2-2-2.申請要件
子育て支援型共同住宅推進事業に申請する際の要件は、以下の6つです。
建築基準法上の「共同住宅」または「長屋」であること
補助対象住戸における賃貸住宅の入居者が特定子育て世帯(※1)であること・新規入居者募集開始から3か月間は、特定子育て世帯に限定して募集すること(※2)・10年以上は、入居者の入れ替わりがあった場合も、同様の募集とすること
バルコニーや外からアクセスできるパイプスペースを除く、住戸部分の床面積が40㎡以上であること
対象住戸を含む建物が「新耐震基準」に適合していること
「居住者等による交流を促す施設」の補助申請をする場合、「子どもの安全確保に資する設備の設置」で必須事項となる整備水準を満たす住戸が、1棟あたり5戸以上となること
既存住宅に宅配ボックスを設置する場合、「宅配ボックス設置のみを対象とする場合」の要件も満たすこと
※1 2024年4月1日時点で小学生以下の子どもを養育している世帯(2024年5月現在の要件)
※2 次年度以降に入居者募集を行う場合は、契約年度の4月1日を基準日とする
事業名からもわかる通り、子育て世帯が入居していることが最低限の条件といえるでしょう。
申請期間2024年4月1日~2025年2月28日 |
本事業の詳細は下記ページをご覧ください。
2-3.住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業
出典:「住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業」一般財団法人 住宅保証支援機構
住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業は、住宅に困窮する子育て世帯や、高齢者世帯などの住宅確保要配慮者の増加に対応するための事業です。
新たな住宅セーフティネット制度の創設と、緊急的な供給促進を目的としています。
2-3-1.補助対象・補助額
住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業の補助対象と補助限度額は、以下のとおりです。
■補助対象
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■補助限度額
補助限度額は、「専用住宅の整備に係る改修工事に要する費用の3分の1以内の額とし、補助対象戸数に50万円を乗じた額」ですが、それを基本として以下の条件も加味した額が最終的な補助限度額となります。
【補助限度額の条件】
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2-3-2.申請要件
住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業は、次の1から7すべての要件を満たす必要があります。
住宅確保要配慮者専用の住宅として登録されるものであること
この事業による補助を受けた専用住宅として、10年以上登録すること
入居者の家賃の額が上限額を超えないこと(※1)
入居者(世帯)が下記の指定された条件に該当する者(世帯)であること
地方公共団体の空家等対策計画などにおいて、空家の住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅への有効活用などの推進が位置づけられていること
居住支援協議会等が住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅への情報提供・あっせんを行う等、地方公共団体が居住支援協議会等と連携に係る取組を行っていること
賃貸住宅供給促進計画(住宅セーフティネット法第5条第1項に規定する都道府県賃貸住宅供給促進計画及び同法第6条第1項に規定する市町村賃貸住宅供給促進計画を指す)を策定している地方公共団体の管内のセーフティネット登録住宅として登録予定であること
※1家賃の上限額=79,000円×50/65(規模係数)×市町村立地係数
※2入居者の条件
高齢者/障害者/子どもを教育している者/低額所得者/外国人/中国残留邦人/児童虐待を受けた者/ハンセン病 療養所入所者等 /DV被害者/拉致被害者/犯罪被害者等/厚生施設退所者/被災者/賃貸住宅供給促進計画に定める住宅確保要配慮者 |
申請期間2024年4月3日~2025年2月14日 |
本事業の詳細は下記ページをご覧ください。
2-4.既存住宅における断熱リフォーム支援事業
既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、既存の住宅における省CO2関連投資によるエネルギー消費効率の改善と、低炭素化を総合的に促進し、高性能建材を用いた断熱改修を支援する事業です。
2-4-1.補助対象・補助額
既存住宅における断熱リフォーム支援事業の補助対象と補助限度額は、以下のとおりです。
【補助対象・補助限度額】
補助対象 | 補助限度額 | 補助率 |
ガラス・窓・断熱材 | 戸数×15万円※玄関ドアも改修する場合は戸数×20万円 | 3分の1 |
玄関ドア | ||
共用部LED照明 | 8000円/1か所 | |
蓄電システム | 20万円 | |
蓄熱設備 | ||
熱交換型換気設備等 | 5万円 | |
EV充電設備 |
補助対象となる製品は指定がありますので、以下から検索してみましょう。
2-4-2.申請要件
既存住宅における断熱リフォーム支援事業の要件は、以下の3つです。
申請者が当該住居を所有していること
集合住宅(全体)の場合、1棟すべてを所有していること
集合住宅(全体)の場合、原則として当該集合住宅の全ての対象住戸を改修すること※管理組合総会などの決議がある場合は、全戸改修でなくても申請可能
申請期間2024年3月18日~2024年6月14日※次回以降のスケジュールは以下のとおりです。
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本事業の詳細は下記ページをご覧ください。
2-5.賃貸集合給湯省エネ2024事業
出典:「賃貸集合給湯省エネ 2024事業」経済産業省 資源エネルギー庁
賃貸集合給湯省エネ2024事業は、賃貸集合住宅に対する小型の省エネ型給湯器の導入支援をおこなう事業です。
小型の省エネ型給湯器の普及を拡大することで、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に貢献することを目的としています。
2-5-1.補助対象・補助額
賃貸集合給湯省エネ2024事業の補助対象と補助額は、以下のとおりです。
【補助対象・補助額】
2-5-2.申請要件
賃貸集合給湯省エネ2024事業の要件は、既存賃貸集合住宅の1棟あたり2戸以上(戸数が10戸未満の賃貸集合住宅は1戸以上)の住戸で、従来型給湯器を補助対象である小型の省エネ型給湯器に交換する、またはリースを利用することです。
この事業における既存賃貸集合住宅の条件は、以下の3つです。
人の居住の用に供するために賃貸借契約※2を締結し、貸し出される住宅
1棟に2戸以上の事業用でない賃貸住戸を有する建物
建築から1年以上が経過しているまたは、いずれかの住戸で人が居住した実績がある建物
申請期間2024年3月29日~2024年12月31日 |
本事業の詳細は下記ページをご覧ください。
2-6.次世代省エネ建材の実証支援事業
出典:「令和6年度 経済産業省による 次世代省エネ建材の実証支援事業のご紹介」経済産業省
次世代省エネ建材の実証支援事業は、消費者の多様なニーズに対応し、省エネ改修の促進が期待できる工期短縮可能な高性能断熱材や、快適性が向上する蓄熱・調湿建材などの次世代省エネ建材の効果の実証を支援する事業です。
2-6-1.補助対象・補助額
次世代省エネ建材の実証支援事業の補助対象と補助限度額は、以下のとおりです。
【補助対象・補助限度額】
補助対象 | 補助限度額 | 補助率 |
断熱パネルを内側から導入する改修工事 | 1戸×125万円 | 2分の1 |
潜熱蓄熱建材を内側から導入する改修工事 |
補助対象製品には指定がありますので、以下から検索してみましょう。
2-6-2.申請要件
次世代省エネ建材の実証支援事業の要件は、以下の2つです。
指定の必須製品のいずれかを用いた改修をおこなうこと
既存住宅の改修工事を「導入要件と施工要件」に従っておこなうこと
申請期間
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本事業の詳細は下記ページをご覧ください。
3.自治体にもアパートのリフォームに利用できる補助金がある
ここまで、アパートのリフォームに使える全国で申請可能な補助金について解説してきましたが、自治体によっても補助金があります。
たとえば、以下のような補助金です。
【自治体の補助金例】
市区町村 | 事業名称 | 補助対象 | 最大補助額/補助率 |
北海道札幌市 | 札幌市木造住宅耐震化補助制度 |
| 補助額:最大120万円補助率:5分の4 |
神奈川県大和市 | 大和市不燃化・バリアフリー化改修工事費補助金 |
| 補助額:最大10万円補助率:2分の1 |
東京都豊島区 | 豊島区エコ住宅普及促進費用助成金(集合住宅共用部分) |
| ・補助額太陽光発電システム:最大8万円LED照明器具:最大20万円・補助率LED照明器具:設置費用の5分の1 |
大阪府大阪市 | 大阪市住宅省エネ改修促進事業 |
| 補助額:戸数×30万~70万円補助率:5分の2~5分の4 |
基本的には個人住宅向けの補助金が多いのですが、中には上記のように賃貸でも利用可能なものもあります。
以下のサイトでは、地域を絞り込んで補助金を検索できます。物件がある自治体で、申請できる補助金がないか調べてみましょう。
4.アパートのリフォームで補助金を申請する際の注意点
アパートのリフォームで補助金を申請する場合、以下の2点に注意しましょう。
補助金を利用する必要があるか十分に検討する
補助金は併用できるものとできないものがある
なぜこれらに注意する必要があるのか、具体的に解説していきます。
4-1.補助金を利用する必要があるか十分に検討する
1章でも軽く触れましたが、補助金を利用したいからといって、予定外の工事などを追加すると、予想以上の出費になってしまう可能性があります。
たとえば、普通にリフォームする予定だったアパートを、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金を使いたいからといって、以下の要件を満たすための工事を追加したとします。
柱や床などの腐朽・蟻害の抑制
大地震に対応できる耐震性の確保
窓・壁・床・天井などの断熱化や給湯器などの効率化
その分、リフォーム費用は高額になるため、補助金を受け取ったとしても、通常のリフォームと比べればコストは増えてしまいます。
そのため、リフォームの目的が補助金の主旨と合っている場合に利用するのがおすすめです。
4-2.補助金は併用できるものとできないものがある
自治体のものも含めると補助金は多数ありますが、併用できるものとできないものがあることを理解しておきましょう。ほかの補助金と併用できるかは、各補助金の問い合わせ先に確認するのが確実です。
国の補助金を併用するのは禁止されているケースも多いため、その場合は事前に確認しておきましょう。
ただし、国の補助金と地方自治体の補助金は併用できる可能性があります。補助金を利用するのであれば、補助金を可能な限り併用してコストを抑えましょう。
5.補助金申請から振込みまでの一般的な流れ
補助金の申請は、ただ申請書を提出すればいいというものではありません。いくつかのタイミングで書類などを提出する必要があります。
補助金を申請したことがない場合、いつ何をすべきなのか、事前に全体の流れを把握しておきましょう。
一般的な補助金の申請から給付までの流れは、以下のとおりです。
【補助金申請の流れ】
申請書の提出 | 必要書類をそろえて提出する |
採択決定 | 採択が決定したことの通知が届く |
交付申請 | 補助金額に基づき、交付申請する |
交付決定 | 審査により交付決定が通知されるため、工事に着手する |
実績報告 | 工事完了後、実績報告書や請求書を提出する |
交付額確定通知 | 交付額が確定したことが通知される |
補助金の交付 | 補助金が振り込まれる、もしくは工事費用に支払いに充当される |
補助金によっては、上記とは異なる流れになるケースもあるため、補助金の公募要件などからスケジュールを確認してください。
7.まとめ
本記事では、アパートのリフォームに利用できる補助金について解説してきました。最後にまとめをご覧ください。
【全国でアパートのリフォームに利用できる補助金】
事業名称 | 事業の目的 | |
国土交通省 | 長期優良住宅化リフォーム推進事業 |
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子育て支援型共同住宅推進事業 |
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住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業 |
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環境省 | 既存住宅における断熱リフォーム支援事業 |
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経済産業省 | 賃貸集合給湯省エネ2024事業 |
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次世代省エネ建材の実証支援事業 |
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【地方自治体の補助金の探し方】
地方自治体の補助金は、以下のサイトから検索可能地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト |
【補助金を利用する際の注意点】
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リフォームの目的に合う補助金がないかを探し、適切な補助金があれば利用しましょう。
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