マンションを貸す3大デメリットを具体的に|貸すべきでないケースも

「転勤のため自宅マンションに住めなくなった。でも賃貸に出したことがないので、勘所がない」
「空室にしておくのはもったいないが、賃貸は何だか面倒でデメリットが多そうだ・・・・・・」

自分が住むつもりで購入した分譲マンションに転勤などの事情で住めなくなった場合、多くの方はそのマンションをどうするべきか困惑するでしょう。
「誰かに貸し出す」という選択肢も思い浮かべるでしょうが、投資家ではない普通の会社員の方なら「デメリットが心配だ」と思うのは、無理もありません。

結論としてはマンションを貸し出すことにはデメリット・注意点はあるものの、事前にデメリットを把握しておけば、解消できるものがほとんどです。

そこで当記事ではまず始めにマンションを貸すことのデメリット3点を解説し、デメリットを解消するための方向性を解説します。

3大デメリット実際どうなのか?
1、管理業務に時間と労力が必要となる基本的には問題にならない
管理をお願いできるしっかりとした管理会社を選べば、オーナーはほとんどやることはない!
2、想定外の支出が発生してしまう基本的には問題にならない
事前にシミュレーションをして、必要支出より少しでも賃料が上回っていればコストメリットが出る!
3、入居者がいる間は自分で使えない基本的には「数年間は住む必要がない」場合のみ貸すべき
使う可能性がある場合は「定期借家契約」を結べば、退去してもらうこともできる!

ここまでお読みいただければ、マンションを貸すデメリットがクリアに理解でき、解消に向けて何をすべきかも把握できるはずです。

むしろ「何となくデメリットが多そうだ」と漠然とした状態では、空室にもかかわらずオーナー負担の支出しか発生しないため、資金が一方的に減っていく事態にもなりかねません。
場合によっては「夢のマイホーム」が足枷になってしまい、常に資金繰りが心配になり、仕事にも支障を来たすケースも見かけます。

ただし多くの場合、転勤などの事情は急に決まるため「こんな短期間で、普通の会社員である自分が賃貸業務を進められるのだろうか」と不安になってしまうのは仕方ありません。

そこで当記事の後半では、「実際に貸し出すためには」という観点に移り、以下のような実践的なポイントも解説します。

  • 貸した場合の具体的なメリットは?売却するという手段もあり得るのか?
  • 現実的に「貸す」ことがオススメできないケースとは?
  • メリットを得るためのアクションと貸し出すステップとは?

最後までお読みいただければ、マンションを貸し出すことに前向きになり、今後の動き方を描き始められるでしょう。

現在は「サラリーマン大家さん」という言葉に代表されるように、物件を貸し出すことは比較的メジャーでハードルが低い傾向にあります。

きちんとポイントさえ押さえておけば、デメリットは解消できるはずなので、ぜひ当記事でマンションを貸すための基礎知識を理解いただき、むしろメリットに期待できる状態になっていただければ幸いです。

賃貸管理完全ガイド
依頼すべき理由

1. マンションを貸すデメリット3つ

マンションを賃貸に出すことは、デメリットというより注意点があります。
賃貸業はある種の経営でもあるので、代表的なデメリットをまずは知っておきましょう。

・管理業務に時間と労力が必要になる
・想定外の支出が発生してしまう
・入居者がいる間は自分は使えない

ただし、デメリットが誰しも当てはまるわけではなく、あくまで「注意点」ということがポイントです。
本章ではデメリットと合わせて、注意すれば避けられるコツも含めてお伝えします。

1-1. 管理業務に時間と労力が必要になる

賃貸管理とは、賃貸借契約に基づいて入居者や物件を適切に管理することなので、それなりのパワーがかかります。

分譲マンションを賃貸に出すケースのような場合、賃貸管理に不慣れなケースもあるため、事前にどのような作業があるのかを把握しておく必要があります。
そうでないと「思っていた以上に手間がかかった」という不満につながってしまうからです。

例えば、管理業務にはざっと次のような業務があります。

業務内容労力がかかりがちな内容
入居者の募集
募集図面を作成し、日々問い合わせ状況などをチェックしなくてはならない
家賃の回収
毎月きちんと家賃振込がされているかをチェックし、振込がない場合は賃貸人に連絡を取り督促をしなくてはないらない
修繕作業
エアコンなどの設備が故障したときの問い合わせ対応、修理手配などの対応をしなくてはならない
クレームやトラブル対応
近隣住民の騒音・水回りの異臭など、さまざまな賃貸人からの不満に対応しなくてはならない
退去時のクリーニング
退去の申請受付や理由のヒアリング、次の入居募集のためのクリーニングなどの修繕に対応しなくてはならない

これらの業務を賃貸事業に慣れていない方、しかも、転勤などで自宅を賃貸に出す普通の会社員がスムーズに行うのは大変です。

ただし、以下のような方法でこのデメリットは解消できます。

実際どうなのか?→基本的には問題にならない

“デメリットの解消ポイント”

  • 自身の時間や労力をかけずに、プロフェッショナルの管理会社にお願いする
  • マンション近隣に時間にゆとりがある知り合いや親族がいれば、マンション管理を依頼する

室内の管理だけであれば、近隣の知り合いでも良いかもしれませんが、実際は賃料の催促や設備の故障対応など、管理業務は多岐に渡ります。

従って解消方法としては、プロの管理会社に委託することが推奨されます。
一般的に管理会社への委託費は家賃の5%程度が相場なので、10万円の家賃の場合は5千円で上記の面倒な業務がお任せできます。

管理会社への委託前提で管理業務を組み立てることで、オーナー自身の負担は最小限に済ませられるでしょう。

1-2. 想定外の支出が発生してしまう

マンションを貸し出す際に、思っていた以上の費用が発生してしまうケースも注意が必要です。

単に「賃料が入るから」という理由で貸し出してしまうと、料よりもオーナー負担の支出が多くなってしまい、赤字になってしまうリスクがあるからです。

前提として、自己保有の分譲マンションを貸し出す以上、設備や建具の修繕はオーナーが負担しなければなりません。

例えば、オーナー負担の例には以下のようなものがあります。

・エアコンなどの設備故障の負担(数万円~数十万円)
・管理組合の修繕積み立て費の増額分の負担(数万円)
・空室を埋めるためのPR費の負担(数千円~数万円)
・物件バリューアップのためのリフォーム費の負担(数十万円~)

こちらもデメリットというよりは、事前に見積もっておけば「想定外」にはならないはずです。
具体的には以下のような方法でこのデメリットは解消できます。

実際どうなのか?→基本的には問題にならない

“このデメリットの解消ポイント”

  • 事前に貸し出した際の収支シミュレーションを行い、支出より収入が上回ることを確認する
  • 設備の故障や修繕積み立て費の増額などをあらかじめ見積もっておく

賃貸は通常の商売のように、支出よりも収入が少しでも多ければ、年月経過に応じたメリットが蓄積されます。
多くの場合、事前に支出を見積もり、賃料のメリットが上回るようにすることで、デメリットは解消できるでしょう。

1-3. 入居者がいる間は自分で使えない

当然のことですが、賃貸人が入居している間は、いくら自身の所有物件であっても自分では使うことはできません。

特に短期間の単身赴任などで、その後すぐに自宅に戻りたいという状況であれば、自分が戻りたい時に戻れないことはデメリットになってしまいます。

特に日本は賃貸人の権利を優先している傾向があります。
いくらオーナーであっても「自分の物件だし、住みたいから賃貸を解消して欲しい」のような、オーナー側の一方的な願望は通りにくいと思っておいてください。

実際どうなのか?→基本的に「数年間は住む必要がない」場合のみ貸すべき

“このデメリットの解消ポイント”

  • 「定期借家契約」で賃貸人の契約を解消できるようにする
  • 事情を知っていて融通が利く知り合いに貸し出す

少なくとも、すぐに自分で住む可能性がある場合は、マンションを貸し出すことは慎重にあるべきです。
従って、デメリットというより「数年間は住む必要がない」場合にのみ、マンションを賃貸にすることをおすすめします。


2. 最終的には、デメリットよりメリットが大きいと感じるなら、マンションを貸すべき


前述したマンション賃貸のデメリットを越えられそうと思った方は、あらためてメリットも理解しておきましょう。

本章では満床を賃貸に出すメリットを以下4点でお伝えします。

・賃料収入が得られる
・資産として残すことができる
・減価償却による節税効果が期待できる
・室内の劣化を防げる

少しでもマンションの賃貸に興味があるのであれば、ぜひメリットをご自身に置き換えて検討してみてください。

2-1. 家賃収入が得られる

マンションを貸し出す最大のメリットとしては、毎月家賃収入を得られることが挙げられます。

例えば毎月10万円の家賃収入が得られるのであれば、空室であれば何も収入がないのにくらべて、貸し出した場合は年間120万円の収入が得られることになります。

賃貸管理を業者に委託してしまえば、物件オーナーとしてほとんど手間をかけることなく、副収入を得られることがメリットといえます。

一般的な副業は、会社員として働きながら、副業先の業務もこなす必要があります。
例えば、以下のような業務が具体例です。

【副業の具体例】
・株式やFXの投資家・・・・・・相場やチャートを日々チェックをし細かく売買をする
・ライターやデザイナー・・・・・・クライアントからの依頼に対して納品物を制作する
・ECサイト通販・・・・・・サイト制作・運用を行いながら注文への対応をする

そのため一般的な副業は身体的・時間的な負担になりやすいですが、マンション賃貸であれば労力をかけずに収入額を増やせます。

一方、マンションの賃貸は賃貸契約が決まれば、ほぼ「放置」で毎月の家賃収入が入ることになります。
いわゆる「不労所得」が手に入ることになります。

副業のなかでも、特に労力がなく家賃収入が得られることは、賃貸経営の大きなデメリットといえるでしょう。

2-2. 資産として残すことができる

賃貸に出すことでマンションオーナーの立場を維持すれば、インフレに強い資産を持ち続け蹴られることもメリットです。

例えば売却をしてしまうと、一時的なキャッシュは増えますが、バランスシート的な資産には何も残りません。
ただしオーナーとしての立場を守ることで、例えば融資を受ける際にも、自宅マンションは「所有資産」として活用することができます。

一般的に融資に関する金融機関の目線としては、現物のキャッシュよりも将来的な資産価値を重視する傾向があります。
そのため、保有のマンションを売却したキャッシュよりも、保有したままの資産価値を高く評価する可能性があるのです。

さらに物価やインフレの傾向に強いといわれる現物の不動産を所持し続けることは、人生設計に置いても強い武器となることでしょう。

2-3. 減価償却による節税効果が期待できる

オーナーとして物件所持することで、節税効果が期待出来ることもメリットです。

いわゆる「減価償却」という現象で、減価償却費により会計上は赤字となるものの、現金は手元に残るケースがあるからです。

また、不動産所得の損失(赤字)は、黒字の他の所得、たとえば事業所得や給与所得から差し引ける「総益通算」という会計制度が適用されます。

減価償却費は実際に支出しているわけではないため、手元に現金を残し、なおかつマンションという現物資産を保有しながら節税できることは覚えておきましょう。

ただし、減価償却による節税効果は、あくまでも収益物件を保有したときの副次的なメリットです。
節税目的のみでマンションを保有すると、純粋な赤字が発生しキャッシュアウトする可能性もあるため注意してください。

2-4. 室内の劣化を防げる

マンションを空室にするより、誰かが住むことで、室内の劣化を防げるのも地味に重要なメリットです。

なぜなら建物は人が住まなくなると、空気が循環しなかったり設備を使わずに放置したりすることを要因に、急速に傷んでいきます。

そのため、数年の転勤から戻ってくると、想像以上に部屋が劣化しているケースも珍しくありません。

具体的には、水回りは数日水を使っていないだけで虫が湧くなどのトラブルも発生するため、常に人が住んで通水をしておくだけでも劣化が防げます。

その他、賃貸人がいることで、設備故障に気付いたりベランダや床を掃除してくれたり、などのちょっとした劣化を防いで貰える効果があるでしょう。


3. マンションを賃すのをオススメしないケースの判断基準

ここまでマンションを賃貸に出すデメリットやメリットをお伝えしてきました。

色々な観点もあるので「結局自分のケースでは、貸してもいいのか?」とまだ迷われる方もいたのではないでしょうか。
大きな決め事でもあるので、さらに詳しくリサーチをして判断したいものの、仕事をしながらそんな時間は捻出できないとお困りの方もいるかもしれません。

そこであらためて、マンションを賃貸に出すべきではない基準を以下に整理してみます。

賃貸に出すことがオススメできないケース
物件条件・「過疎地や駅から遠い」などで、申込に苦戦しそう
・個性的な間取りで、住む人を選ぶような間取りである
・室内の劣化が激しくボロボロな状態である
ご自身の状況・比較的短期間で今のマンションに住む可能性がある
・住宅ローンがかなり残っていて、賃料よりも返済額が上回る可能性がある

上記は、やや極端な例かもしれません。
あくまで自身の方向性を決めていただき、その方向性に従って「どのようなことをさらに調べる必要があるのか」の指針にしていただければ幸いです。

ただ、よほど賃貸付けに苦戦しそうな物件でない限り、空室にしておくよりは賃料が入るメリットが上回るケースが大半です。

良い管理会社が見つかれば、物件をきれいに保ってくれる上に、賃貸募集も依頼できるので、オーナーは安心して仕事に専念できるでしょう。


4. 売却するほうが良い場合もあるので確認しておこう

本記事では「貸す・貸さない」をメインテーマで紹介していますが、一方で賃貸や保持ではなくマンションを売却する選択肢があることも紹介しておきます。

「売却」という選択肢は考えていない方が多いと思うため、あくまでオプションの提示としての紹介となります。

ただ不動産は価格の動きが大きいため、仮に「今の相場なら、売却の方がいいのではないか?」と思う方は、本章もお目通しいただければ幸いです。

4-1. 主なメリットと注意点

売却する最大のメリットは、まとまったキャッシュが手に入ることです。

もし他の物件購入や他の大型投資を考えている際には、売却してキャッシュを得ることは意味があるといえます。

主なメリットや売却が向いているケースを以下にまとめました。

・次に住みたい(購入したい)物件が見つかり、資金が欲しい
・子供の独立などのライフスタイルの変化があり、今後は今のマンションに住み続けるイメージが沸かない
・負債がある状態を解消したくなった(売却代金でローンの返済ができる)
・マンションの相場が上がっている時なら、購入時よりも高く販売できそう
(差分の利益で、もっと高額の物件に引っ越しすることもできる)

総じて、売却をすることで大きな資金が手にはいることがメリットです。
従って今の持ち物件に「もう住む可能性は低い」場合は、売却メリットが出やすいといえるでしょう。

ただし、「まとまった資金が入る」メリットだけではなく、以下のような注意点もあります。

・次の住まいが決まってない限り、不安が大きくなる
・賃貸と比較すると売却はステップや必要書類が多く、パワーがかかる
・短期(購入から5年以内)の売却の場合は税金の負担が増える

特に土地の価値は自分でコントロールできないため、購買時よりも不利な条件で売却せざるを得ないことにも注意した方が良いでしょう。


5. マンションを賃貸に出すメリットを得る3つのポイント

ここからは「自分のマンションは貸した方がメリットが大きそうだ」と思われた方に、実践的なメリットを得るポイントを以下3点で説明します。

・事前に収支シミュレーションを行う
・住宅ローン返済中の人は銀行に相談する
・管理会社選びを慎重にする

具体的に説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

5-1. 収支シミュレーションを事前に行う

まずはマンションを貸し出すことで、いくら儲かるのか(そもそも儲けが出るのか)をシミュレーションします。

もしキャッシュフローがマイナスになる場合は、マンションを貸し出すことで不足する資金をどこかから捻出する必要が出てしまうからです。

マンション賃貸も一般的なビジネスとおなじく、「収益(売上) – 費用(経費) = 利益」という仕組み自体は変わりません。
収入と支出の内訳は、次のとおりです。

マンション賃貸でかかる支出例支出額の例マンション賃貸における収入例収入額の例
【マンション所有でかかる費用】
・マンション管理費修繕積立費
・火災保険料
・地震保険料固定資産税
・都市計画税融資返済
・ローン金利

【賃貸にかかる費用】
・仲介手数料や管理手数料(家賃回収や顧客対応など)
・ハウスクリーニング

ファミリータイプであれば5万円~10万円【マンションの賃貸人から得られる収入】
・家賃(毎月)
・礼金(契約時)更新料
(立地によるものの)ファミリータイプであれば10万円前後

毎月の家賃や礼金・更新料から、マンションを所有することでかかる費用・マンションを貸し出すことでかかる費用の双方を差し引いた差分が「利益」です。

ただし、不動産を所有していると固定資産税などの税金や修繕費用はオーナー負担として発生します。
これらの年間の支出額をもとに、収支がマイナスとならないかどうかを事前にチェックしましょう。

5-2. 住宅ローン返済中の人は銀行に相談する

前提知識として、もし「住宅ローン」を利用して分譲マンションを購入している場合は、基本的に他人へ貸し出せないことは覚えておきましょう。

住宅ローンは、「ローン契約者が住むための住宅の購入」を目的とした融資です。
賃貸に出すとローン契約者以外が居住することとなり、住宅ローン契約に違反してしまいます。

ただし長期転勤や転職を機に住宅ローン返済中のマンションを貸したい場合は、相談に乗ってくれる金融機関もあります。
また、必要に応じて不動産賃貸経営に利用できる賃貸物件用の融資に切り替えるなどの対応も考えられます。

くれぐれも金融機関に内緒にして「こっそりと賃貸に出す」ことだけは避けてください。
もし住宅ローン返済中の分譲マンションを貸し出していることが金融機関に伝わると、違約金・ローン残債の一括返済が求められるため注意しましょう。

5-3. 管理会社選びは慎重にする

賃貸管理を依頼する管理会社は、きちんと吟味して選ぶべきです。

転勤などの事情で自身で管理出来ない場合は、物件の賃貸管理は管理会社にお願いすることになります。

しっかり管理してくれない会社を選んでしまうと、賃貸トラブルや長期に及ぶ空室などが起こってしまい、結局オーナーも手を出さなくてはならなくなるからです。

賃貸管理業務の一つが入居者の管理です。入居者の管理に関する主な業務は次の通りとなります。

業務内容
空室管理・不動産ポータルサイトへの入稿
・不動産仲介業者への物件紹介
・メールやDM、チラシによる募集活動
賃貸契約の手続き・更新・重要事項説明書、賃貸借契約書の作成
・鍵の受け渡し
・契約期間終了時の通知と更新手続き
集金・家賃督促・入金状況の管理
・未納者への督促と滞納者リストの作成
・家賃回収の管理および家賃保証会社の対応
敷金精算・原状回復・退居時の手続きと原状回復
・修繕費用の請求と手配
・クリーニングや修繕の管理
苦情対応・住民間のトラブルやクレーム対応
・設備不良への苦情処理
・予防対策と体制作りの実施

上記の業務の中でどこを重視するかを決め、「賃貸付けに強い管理会社がいい」や「原状回復が安い管理会社がいい」と自分なりに優先順位をつけてください。

多くの管理会社は自社サイトに「強み」をアピールしているはずです。
そこをチェックしたうえで、候補企業に問い合わせをする、面談を申し込むなどのアクションを取りましょう。


6. マンションを賃貸に出す4つのステップ

ここまでお読みいただき「自分なら貸した方が良さそうだ」や「自分でも賃貸に出せるかもしれない」と思われた方は、次は実際の賃貸に出す大まかな以下の4つステップも理解しておきましょう。

・ステップ1:仲介不動産会社を決める【必要期間目安=1ー2週間】
・ステップ2:募集条件を決める【必要期間目安=1週間】
・ステップ3:入居者を募集する【必要期間目安=数週間~数ヶ月】
・ステップ4:賃貸契約を交わす【必要期間目安=1週間】

上記でお分かりの通り「入居者募集がすぐにあるかどうか」というステップ3の期間によって、トータルの必要期間が変動します。

一般的なケースとしては、「入居してもらいたい時期より2ー3ヶ月前に動き出すを一つの目安としてください。

6-1. ステップ1:仲介不動産会社を決める【必要期間目安=1ー2週間】

賃貸に出すことを決めたら、入居者募集を依頼する不動産会社を決めます。

マンションの賃貸に関して十分な実績を持ち、担当となる人が信頼できる不動産会社を選ぶことで、スムーズな仲介依頼が可能となります。

決め方で優先すべき事項は、人によってさまざまですが、ざっと以下のようなポイントでチェックしてください。

不動産仲介業者のチェックポイント例
物件取り扱いについて・自分のマンションの間取り(例:ファミリータイプ、デザイナーズマンション)に強いか
・自分のマンションがあるエリアに強いか
対応・サービスについて・対応に誠実さが感じられるか
・販売図面作成に工夫があるか
・管理業務を得意としている
・仲介手数料は妥当か(一般的な相場は「家賃の0.5カ月~1カ月」)

一般的には、物件周辺エリアに多くの店舗があり、営業力が強い不動産会社に依頼すると空室リスクを抑えやすくなるでしょう。

6-2. ステップ2:募集条件を決める【必要期間:1週間】

不動産会社が決まったら、次の3種類から貸し出す方法を決めましょう。

通常は「普通賃貸契約」になりますが、ご自身が置かれた状況やニーズに応じて契約形態を選ぶようにしてください。

概要注意点
普通賃貸借契約普通賃貸借契約契約期間中は、物件にまた住みたくなっても、賃貸人を強制退去させることができない
サブリース契約サブリースは「一括借り上げ」とも呼ばれる方法です。
不動産会社が分譲マンションを借り受けて、賃貸希望者にまた貸しする方法で、空室でも不動産会社から家賃が支払われます。
不動産会社に対しての手数料がかかる場合もあるので、割高になりやすい
定期借家契約定期借家契約は、一定の契約期間に達したら契約が終了する賃貸借契約です。
「一旦貸すけれど将来的にはまた自分で住みたい」と考えている場合には便利な契約方法です。
「中長期で住める物件を探している」という人には候補にされにくい

また、家賃設定については「周辺相場」と「自身の希望賃料」の2つの観点から、不動産仲介会社と相談をして、決めるようにしてください。

6-3. ステップ3:入居者を募集する【必要期間:数週間~数ヶ月】

仲介と物件管理の依頼先が決定後、入居者の募集を開始します。

不動産会社に依頼すれば募集作業はもちろん、内見や契約書作成も任せられるため、自分の時間を使って対応する作業はほとんどありません。

ただし、想定していたより問い合わせがない・応募がない場合は条件の見直しも必要です。
横並びの相場から一歩先に抜け出すためには「特別な条件設定」をすることで、周囲より有利に見えることがあります。

特別な条件設定には「金銭面での条件設定」「金銭以外の条件設定」に大別できます。

金銭面で付加価値を出す条件設定例
・敷金や礼金の金額を下げる
・敷引き(賃貸解約時に、賃借人が入居時に支払った敷金から、修繕を行うこと)を実行しない
・フリーレント(一定期間賃貸料を無料にする)を適用する

※その他、入居者へのメリットではありませんが、仲介会社さんのモチベーションを上げてもらうために、「一般仲介ではなく、専任や専属契約にする」「契約期間を長目にする」などのテクニックもあります。

金銭面以外で付加価値を出す条件設定例
・ペット可
・楽器可
・2人同時入居可

※ただしマンションの一室を賃貸に出す場合は、ペットや楽器は物件オーナーの一存では決められない(=建物全体の規約に準ずる必要がある)ため、注意が必要です。

こうした条件で競合物件とは異なる魅力を提示することができれば、賃貸料を下げることなく入居者に選ばれやすくなるでしょう。

6-4. ステップ4:賃貸契約を交わす【必要期間:1週間】

入居希望者が現れたら、最後は契約手続きを行います。

ここで、契約者に対して継続的な支払い能力があるかの審査のほか、入居者に対してはトラブルを引き起こさないか、室内をきれいに使用してもらえるかなどの確認も行われます。

審査が通り入居が決まれば、賃貸契約が結ばれますが、基本的には不動産仲介会社が全て進めてくれます。
オーナーは賃貸契約書など必要な書類に記入・捺印をする程度の作業しか発生しません。

ただしそのマンション特有のルールや設備の使用方法がある場合は、仲介会社を通じて入居者に伝えておくとよいでしょう。

本記事で「自分のマンションを賃貸に出したいが、ゼロから相談に乗って欲しい」と思った方は、賃貸仲介から管理、売買までワンストップで対応している「ルーム・スタイル」まで、お気軽にご相談ください。


7. まとめ

本記事ではマンションを貸し出すデメリットと、それらを解消するポイントについて基礎を解説しました。
改めて本記事のポイントをまとめます。

◎マンションを貸すデメリットは以下の3つ

・管理業務に時間と労力が必要になる
・想定外の支出が発生してしまう
・入居者がいる間は自分は使えない

◎デメリットを解消してでもマンションを貸すメリットは以下の4点

・賃料収入が得られる
・資産として残すことができる
・減価償却による節税効果が期待できる
・室内の劣化を防げる

◎マンションを貸すことがオススメできないケースも確認しておこう

◎賃貸よりも売却が良いケースも確認しておこう

◎マンションを貸すメリットを得る3つのポイント

・事前に収支シミュレーションを行う
・住宅ローン返済中の人は銀行に相談する
・管理会社選びを慎重にする

◎マンションを貸すステップは以下の4つ

・ステップ1:仲介不動産会社を決める【必要期間目安=1ー2週間】
・ステップ2:募集条件を決める【必要期間目安=1週間】
・ステップ3:入居者を募集する【必要期間目安=数週間~数ヶ月】
・ステップ4:賃貸契約を交わす【必要期間目安=1週間】

ずっと自身が住むつもりで購入したマンションにもかかわらず、住めなくなる事情はさまざまあるでしょう。
しかし「住めなくなる」状況が明確なのであれば、賃貸に出して収入を得る方法を模索することがメリットが大きいといえます。

最初は慣れない賃貸業務に抵抗があるかもしれませんが、滅多にない不労所得を得る機会と思って、前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか?

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