「家のローンがまだ残ってるのに海外転勤が決まった…会社の人はリロケーションに出しちゃえばいいよっていうけど、それってどうなの?自分に合ってるかってわかるのかな」
「長期の出張で引っ越すことになったけど、いずれはまた今の家に住みたい!税金やローンを考えると、とりあえず賃貸がベストかな…リロケーションはどうだろう」
長期の出張や海外転勤などが決まったとき、頭を悩ますことのひとつに、所有する自宅をどうするかが挙げられるでしょう。
リロケーションとは、決められた一定期間だけ人へ所有する物件を賃貸に出すことをいい、海外転勤や長期出張をする方の選択肢のひとつとなります。
とはいえ、リロケーションは誰にでもおすすめできるとはいえません。
リロケーションが不向きなケースで賃貸してしまうと、のちのち大きなトラブルに発展しかねないため注意が必要です。
そこで本記事では、まず、あなたがリロケーションに向いているか否かをフローチャートで判断していただけるようにしました。
そしてひとつひとつの項目について詳細にお伝えするとともに、「リロケーションをやってみよう!」となれば、流れやポイントまで手厚くレクチャーしていきます。
本記事を読んでわかること |
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本記事を最後まで読めば、リロケーションが向いていない方は遠回りすることなく、ほかの適切な選択肢を考えることができます。
向いている方であれば、流れやポイントをしっかり押さえてスムーズなスタートをきれます。
ぜひこのまま読み進めて、本記事をリロケーションで賃貸に出すか否かの判断に役立ててください。
目次
- 1.リロケーションで賃貸に出す?出さない?判断チャート
- 2.リロケーションで賃貸に出すことがおすすめのケース
- 2-1.自宅を留守にしている間に収入がほしい
- 2-2.決まった期間を終えたら必ず自宅に戻りたい
- 2-3.留守中の防犯・防災に不安がある
- 2-4.家が傷むのを防ぎたい
- 3.リロケーションで賃貸に出さない方がよいケース
- 3-1.借主を早く見つけたい
- 3-2.転勤先からいつ戻ってこれるかわからない
- 3-3.他人に自宅を使われたくない
- 3-4.貸出期間の途中で自宅に戻る可能性がある
- 4.リロケーションで賃貸に出すときの流れ
- 5.リロケーションで賃貸に出すときのポイント
- 5-1.余計な修繕費用をかけないために不要な設備を外す
- 5-2.管理組合に届出を出す
- 5-3.海外にいても確定申告は日本でする
- 5-4.予定どおり戻れないことも想定しておく
- 6.リロケーションで自宅を賃貸に出すときは「リロケーションに強い」会社に依頼しよう
- 7.まとめ
1.リロケーションで賃貸に出す?出さない?判断チャート
リロケーションで賃貸に出すか出さないかは、以下のフローチャートで判断できます。
決まった期間だけ自宅を人へ貸し出す賃貸制度をリロケーションといいますが、フローチャートを見ていただくとわかるように、すべての人に向いているとは限りません。
自分が留守にしている間に他人に自宅を使用されることが苦手な方や、転勤後に戻ってくる可能性が低い場合は、リロケーションは向かないでしょう。
そのため、まずはフローチャートから、自分のケースがリロケーションに向いているか否かを判断してみることをおすすめします。
また、リロケーションに向いていない場合は、売却や空き家にするほか、家族がいる場合は単身赴任という選択肢があります。
リロケーション以外の選択肢については以下の記事で詳しくお伝えしていますので、それぞれのメリット・デメリットを含めて判断してみましょう。
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2.リロケーションで賃貸に出すことがおすすめのケース
フローチャートからリロケーションがおすすめか否か、判断できたかと思います。
ここからは、リロケーションに出すことがおすすめのケースについてまとめて見ていきましょう。
こんな方におすすめ!リロケーションが向いているケース |
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順番に解説します。
2-1.自宅を留守にしている間に収入がほしい
転勤や長期出張の間にリロケーションをすると、毎月安定した家賃収入を得られます。
リロケーションの期間は住宅ローン控除がないうえに、固定資産税や住宅ローンなどを引き続き支払わなければなりません。
自宅の維持にかかる費用は決して安くはないため、転勤や長期出張の間にかかる生活費と合わせると経済的に大きな負担となるでしょう。
そこでリロケーションをすると、得た収入を税金やローンの支払いへ当てられます。
経済的に余裕がある場合でも賃料を貯蓄に回せるため、留守中の自宅を活用したいと考える場合はリロケーションを検討するといいでしょう。
2-2.決まった期間を終えたら必ず自宅に戻りたい
転勤や海外赴任などを終えたら自宅へ戻ることを考えている場合は、リロケーションが向いています。
一般的な賃貸契約と異なり、リロケーションには契約更新がなく、契約期間後は必ず自分の元に物件が返ってきます。
期間も自由に決められるため、あらかじめどのくらいの期間留守にするか決まっているのであればリロケーションは向いているでしょう。
2-3.留守中の防犯・防災に不安がある
長期間自宅を留守にすると、防犯や防災に不安を抱える方は多いかもしれませんが、リロケーションをしているとリスクを軽減させられます。
以下のグラフは、令和4年の侵入窃盗の手口別認知件数です。
参考:警視庁「侵入窃盗の手口別認知件数」
グラフからわかるように、侵入窃盗においては「その他」を除くと「空き巣」が29.0%と最も多い手口です。
一時留守にしているだけでも空き巣に狙われやすいうえ、長期的に不在であるとわかればターゲットとされる可能性はより高まります。
人が住むだけで不審者が近寄りにくくなるため、留守中の防犯・防災に不安がある場合はリロケーションを視野に入れるといいでしょう。
2-4.家が傷むのを防ぎたい
空き家にしていると以下のような要因から家が傷むので、リロケーションの検討がおすすめです。
- 換気ができず湿気によるカビの発生
- 害虫や害獣の発生・侵入
- 庭木の手入れ不足
空き家は窓を閉め切った状態が続くので、換気ができません。
木造住宅であれば、とくに湿気に弱いため注意が必要です。
また、空き家では水がなくなった水道管から、害虫や害獣が入り込むこともあります。
庭木が生い茂っている状態であれば日の光を遮ったり、葉が排水溝を詰まらせたりするでしょう。
以下は国土交通省が通知している、空き家を管理するときのチェックリストです。
出典:国土交通省「今すぐ確認! 空き家管理チェックリスト」
もちろんすべてではありませんが、人が住んでいるだけでこんなにも多くの項目に気づけることがおわかりいただけるでしょう。
リロケーションをすると人が住み、換気や掃除がおこなわれるので、空き家の状態と違い家を傷ませずにすみます。
3.リロケーションで賃貸に出さない方がよいケース
ここまで、リロケーションで賃貸に出すことをおすすめするケースについてお伝えしました。
一方で以下のようなケースでは、リロケーションは向きません。
こんな方には不向き!リロケーションをおすすめできないケース |
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順番に解説します。
3-1.借主を早く見つけたい
リロケーションは一般的な賃貸契約と異なり契約更新がなく、多くは2~3年ほどの短期契約のため、借主は見つけにくいです。
再度引っ越ししなければならないことを考えると、一般的な賃貸よりも住みたいと感じる人は少ないでしょう。
需要が低いことから、賃料を少し抑えて募集をかけるケースもあります。
とはいえ長期契約が可能な場合や人気のエリアなど、物件の条件次第では借主を見つけやすくなるので、一概にはいえないことも知っておきましょう。
3-2.転勤先からいつ戻ってこれるかわからない
転勤先や赴任先からいつ戻ってこれるかわからなかったり、長期に渡って住む予定がなかったりする場合は、リロケーションをおすすめできません。
リロケーションの期間であっても税金やローンは発生するため、経済的に負担がかります。
また賃貸会社への管理手数料や、修繕費用などのコストも発生します。
先行きが不透明な転勤であれば、リロケーションではなく売却を検討したほうが、余計なコストや手間がかからず高値で取引しやすいでしょう。
3-3.他人に自宅を使われたくない
リロケーションすると当然ながら、自分や家族以外の他人が自宅を使用することになるので、気になる方にはおすすめできません。
事実、以下のように賃貸住宅で発生するトラブルでは、4割が「退去時の原状回復の箇所や費用負担に係る家主・借主との協議」です。
出典:国土交通省「(3)受託管理している賃貸住宅で発生しているトラブルで対応が困難なもの」
たとえば、以下のような家の損傷や設備破壊のリスクがあります。
他人が自宅を使用することで起こりうる家の損傷や設備破壊のリスク |
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一般的な賃貸同様にリロケーションにも借りたときの状態に戻す「入居者の原状回復の義務」はあります。
そのため大きな傷や汚れに関しては、入居者の負担で修繕してもらえます。
しかし入居者が通常の生活を送りながらできた自然な汚れや、傷に対しては修繕は難しい可能性が高いです。
「大切な物件だから人が入るのはちょっと…」
「小さな汚れでも気になる」
といった方はリロケーションは控えておいた方が無難でしょう。
3-4.貸出期間の途中で自宅に戻る可能性がある
リロケーションは原則、貸出期間の途中に解約はできません。
そのため以下のようなケースでは、リロケーションに不向きです。
- リロケーションの契約期間に自宅へ再び住む可能性がある
- 転勤期間が定まっていないため貸出期間が不明瞭である
ただし1年や5年など、リロケーションは契約期間に関して自由に決められます。
契約の更新はできませんが再契約は可能なので、契約期間をわかっている範囲で定めておくといいでしょう。
4.リロケーションで賃貸に出すときの流れ
ここまで、リロケーションで賃貸に出すことをおすすめしないケースについて解説しました。
続いてリロケーションに出すと決めた場合の流れを以下5つのSTEPで見ていきましょう。
- 金融機関へ自宅を賃貸したいことを相談する:住宅ローンが残っている場合は、勝手に人へ貸し出すとローンの一括返済を求められる可能性があるので注意が必要です。
- リロケーションを委託する賃貸管理会社を選ぶ:赴任先や転勤先で自宅の管理をおこなうのは困難なので、賃貸管理会社に任せるとスムーズです。
- 借り手を募集する:賃貸に出す期間や家賃・条件を決めたら、募集していきます。
物件状態を記録しておくと、のちのち入居者が物件から退去したときに、原状回復に関するトラブルを防げます。経年劣化以外のキズや汚れなどは借主の負担で元に戻しますが、貸し出す前の状態がわからなければ比較できないので、しっかり記録しておきましょう。
詳細なリロケーションの賃貸方法は、以下の記事にてお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。
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5.リロケーションで賃貸に出すときのポイント
リロケーションをどのような流れで進めるのかについて、おわかりいただけたかと思います。
最後に、リロケーションで賃貸に出すときに押さえていただきたいポイントを、以下4つお伝えしていきます。
リロケーションで賃貸に出すなら押さえたい4つのポイント |
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順番に見ていきましょう。
5-1.余計な修繕費用をかけないために不要な設備を外す
あらかじめついていた設備の故障はオーナーの負担で修理する必要があるので、修繕費を減らすために外しておきましょう。
例を挙げると、以下のような設備があります。
外しておきたい設備例 |
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これらの設備をオーナーが好意で置いていったとしても、壊れてしまえば修理のために出費が増えます。
また場合によっては、修理をオーナーと借主のどちらが修理するのか、トラブルの原因になる可能性もあります。
リロケーションの際は事前に不要な設備を減らして出費やトラブルを招かないようにましょう。
5-2.管理組合に届出を出す
リロケーションをする場合は、必ず許可を得たうえで決められた届出を提出してください。
自らが居住するための分譲物件の場合は、人へ賃貸に出すことを禁止されているケースがあります。
しかし転勤者は例外として認められていることも多いので、確認のうえ届出を提出しましょう。
また届出を出すことで総会の委任状や決議内容など、物件に関する重要書類が手元にきちんと届くようになります。
5-3.海外にいても確定申告は日本でする
リロケーションで得た収入は年間20万円を超えた場合、確定申告が必要です。
もし海外にいても、確定申告は日本でおこなわなければなりません。
この場合、確定申告のために海外から戻ってくることは現実的ではないため、「納税管理人」を選任してください。(出典:第117条関係 納税管理人」)
納税管理人とは、納税義務者の代わりに以下のような納税手続きをおこなう個人もしくは法人です。
- 納税書類の作成・受領・提出
- 納税
- 還付通知の受領
- 還付金の受領
日本に住んでいる人であれば、納税管理人は誰でもかまいません。
ただし、1年未満の海外勤務であれば、e-Taxを利用して海外からでも確定申告が可能です。
5-4.予定どおり戻れないことも想定しておく
海外赴任や長期出張などでリロケーションをしている場合、予定どおり戻れなかったときの対応を事前に考えておく必要があります。
仮に予定が早まった場合、入居者がいる状態で退去を通知することはできません。
自身がどこかへ部屋を借りるか、ホテル暮らしをするなどの方法をとるしかないでしょう。
反対に予定が遅くなってしまった場合は入居希望者と再度契約を結び直すか、しばらくの間空き家にして管理会社へ依頼することになります。
必ずしも予定どおり自宅へ戻れるとは限らないので、不測の事態に備えて対応を事前に考えておきましょう。
6.リロケーションで自宅を賃貸に出すときは「リロケーションに強い」会社に依頼しよう
リロケーションで賃貸に出すときは必ず「リロケーションに力を入れている賃貸管理会社」を選んでください。
一般的な賃貸契約とリロケーションは、契約期間や更新の有無などに多くの違いがあるからです。
リロケーションに強い賃貸管理会社へまかせられれば、赴任中は利益が出るようサポートしてくれ、自宅に帰ったときは新たな生活をスムーズにスタートさせられます。
すなわち、リロケーションをするなら、賃貸管理会社選びが非常に重要といえるのです。
ルーム・スタイルはリロケーションに自信があります
弊社ルーム・スタイルは、リロケーションをおこなうお客さまへ、以下のような手厚いサポートをおこなっております。
まずルーム・スタイルは客付け力の高さが自慢です。
客付けを早期に実現できるよう、今までのノウハウとAIの力をフル活用させて取り組んだ結果、弊社は年間入居率98%・平均入居1か月という数字ををたたき出しております。
「転勤が迫ってくるから、できる限り早く客付けしたい!部屋の魅力を引き出す方法って何だろう」
「リロケーションするのはいいけど、税金に関してはさっぱり…とりあえず私は何からすればいいの?」
このように、頭を悩ます時間は実にもったいないです!
弊社ルーム・スタイルはリロケーションをご検討する賃貸オーナーさま、一人ひとりのニーズに沿って都度適切なサポートをいたします。
賃貸オーナーさまにとって最大限に利益の出る方法をご提案いたしますので、リロケーションをするかしないか、お悩みの方はまずルーム・スタイルへご相談ください。
7.まとめ
本記事をとおして、リロケーションによる賃貸は全員におすすめできず、向き不向きがあることをおわかりいただけたかと思います。
最後に、リロケーションによる賃貸についてまとめていきます。
◎リロケーションで賃貸に出すか出さないかは、以下のフローチャートで判断してみてください。
◎リロケーションで賃貸に出すことがおすすめのケースは、以下です。
- 自宅を留守にしている間に収入がほしい
- 決まった期間を終えたら必ず自宅に戻りたい
- 留守中の防犯・防災に不安がある
- 家が傷むのを防ぎたい
◎リロケーションで賃貸に出さない方がよいケースは以下です。
- 借主を早く見つけたい
- 転勤先から戻ってこない
- 他人に自宅を使われたくない
- 貸出期間の途中で自宅に戻る可能性がある
◎リロケーションで賃貸に出すときの流れは、以下のとおりです。
◎リロケーションで賃貸に出すときのポイントは、以下4つです。
- 余計な修繕費用をかけないために不要な設備を外す
- 管理組合に届出を出す
- 海外にいても確定申告は日本でする
- 予定どおり戻れないことも想定しておく
リロケーションで賃貸に出すか迷っている方にとって、本記事が参考になれば幸いです。
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