家を貸したいときのリフォーム代|築年数別に0~500万円など解説

 

「家を貸したいけれど、リフォーム代ってどのくらいかかるのだろう」
「築年数が古いけど、そのまま貸して大丈夫なのかな」
「できるだけ費用を抑えたいけど、どこまで直せばいいのかわからない」

実際いくらかかるかを知りたくて、リフォーム代を調べている方は多いのではないでしょうか。

最初に結論を示してしまうと、家を貸すときのリフォーム代は、築年数に大きく左右されます。

築5年以内ならほとんど費用がかからない場合がある一方で、築15年を超えると水回りや壁・床の全面的な張り替えが必要になり、築20年・30年を超えてくるとフルリノベーションを検討しなければならないなど、かなりリフォーム代が高くなります。

この記事では、家を貸すときに必要なリフォームの内容や費用の目安を、築年数ごとにわかりやすく解説しています。また、費用が高くなりやすいケースや、リフォーム代で損をしないための判断ポイントも紹介しています。

さらに、「家賃の3年分までにリフォーム代を抑えるべき理由」や「無駄な費用を防ぐためのプロの視点」まで踏み込んでお伝えしています。

記事を読み終える頃には、「自分の家の場合、だいたいいくらぐらいかかりそうか」「どこを優先して直すべきか」が具体的にイメージできるようになっているはずです。

家を貸したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

賃貸管理完全ガイド
依頼すべき理由

1. 家を貸すなら「住める状態」にリフォームしなければならない


家を貸すときには「入居者が快適に生活できる環境を提供する」ために適切な維持・修繕をしてから、引き渡す義務があります。そのため、最低限のリフォームが必要になることがあります。

民法第606条では、以下のように、賃貸人(オーナー・所有者)に使用・収益に必要な修繕の義務について規定されています。

第六百六条 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。

つまり、賃貸借契約を行うときに、貸主には、入居者が少なくとも安全に生活できる状態を整えておく責任があります

たとえば、「水が出ない」「鍵が壊れている」「雨漏りがある」といった不具合が放置されたままでは、契約後にトラブルになる可能性が高く、貸主の修繕義務を問われることもあります。

また、たとえ法律的に問題がない状態であっても、壁紙の汚れや水まわりの古さが目立っていたり、においが残っていたりすると、入居希望者に敬遠されやすくなるというのが実情です。

内見時の第一印象がそのまま空室リスクに直結することもあるため、最低限のリフォームや清掃は、貸主にとっても重要な投資といえます。


2.【築年数別】家を貸すときのリフォーム代(築5年未満・10年・15年・20年・30年以上)

家を貸す前に必要なリフォーム費用は、「築年数」によって大きく変わります。築5年程度であれば軽い清掃や補修だけで済むこともありますが、築20年を超えると水回り設備の交換や外装の補修など、大がかりな工事が必要になるケースも出てきます。

この章では、築年数を5年ごとに区切って、実際にかかるリフォーム内容とその費用目安をマンション・戸建てそれぞれに分けてご紹介します。

【築年数別・家を貸すときのリフォーム代の目安】

築年数リフォーム代の目安必要なリフォーム内容の例
築5年未満0〜10万円程度・クロス補修(汚れや傷のある部分のみ)
・軽微な設備補修・外壁・屋根の補修(※戸建ての場合)    
築5年〜10年未満10〜30万円程度・クロス・床の張り替え(必要な範囲のみ)
・畳の表替え(※和室ありの場合)    
・換気扇・水栓交換・外壁・屋根の補修(※戸建ての場合)
築10年〜15年未満80万円〜200万円超・トイレ交換
・洗面台交換
・給湯器交換
・クロスの全面張り替え
・床は必要に応じて補修
・畳の新調(※和室ありの場合)   
 ・外壁塗装・屋根の補修(※戸建ての場合)
築15年〜20年未満200万円〜400万円超・システムキッチン交換
・浴室交換
トイレ・洗面台・給湯器の交換
・クロスの全面張り替え
・床材の全面張り替え
・畳の新調(※和室ありの場合)    
・外壁塗装・屋根の補修(※戸建ての場合)
築20年〜30年未満220万円〜500万円超フルリノベの場合はマンション:800万円〜戸建て:1,000万円〜・システムキッチン・浴室・洗面・トイレ・給湯器の交換(設備一式)
・クロス・床の全面張り替え
・窓・建具の交換(※戸建ての場合/必要に応じて)
・外壁塗装・屋根の補修(※戸建ての場合)
築30年以上フルリノベの場合は1,000万円を超えるケースも・システムキッチン・浴室・洗面・トイレ・給湯器の交換(設備一式)
内装全体の張り替え(クロス・床・建具など)
・窓・建具の交換(※戸建ての場合/必要に応じて)
・外壁塗装・屋根の補修(※戸建ての場合)
・構造部分の補強(耐震・断熱・基礎など)
※本章では、マンション(2LDK〜3LDK・約50〜70㎡)、戸建て(3LDK〜4LDK・約80〜120㎡)程度の物件を前提とした、標準的な広さ・劣化状況でのリフォーム費用を想定しています。※費用はあくまで一般的な相場目安であり、作業範囲・立地・業者・設備グレード・間取りにより異なります。※ペットや喫煙の影響、間取りの広さ、見えない部分の不具合などによって、費用が大きくふくらむこともあります。詳しくは3章で解説しています。

記事を読み終える頃には「自分の家ではどれくらいかかりそうか」がイメージできるようになりますので、ぜひご自身の築年数にあわせてチェックしてみてください。

2-1. 築5年未満:0〜10万円程度(基本的には不要)

家が築5年未満の場合は、大きなリフォームが不要なことが多く、リフォーム代は0円〜10万円程度というケースが多いでしょう。

築浅であれば壁紙や床の劣化も少なく、軽い清掃や部分的な補修だけで十分な状態であることが多いからです。劣化がなければ、水回りだけハウスクリーニングを施し、そのまま入居者を募集できることもあります。

とくにマンションの場合は専有部分(部屋の中)のみを整えれば良いため、費用がほとんどかからないケースも多いでしょう。

※外装や屋根などはマンション全体の共有財産であり、自分で直す必要がないため

一戸建ての場合でも、入居者に敬遠されるような外装・屋根の汚れがあるときだけ清掃・軽補修を行えば、十分に貸し出し可能なケースが多いと考えられます。

【築5年未満の主なリフォーム内容と費用目安】

項目費用目安
クロス補修(汚れや傷のある部分のみ)1万円〜3万円
軽微な設備補修(水栓やスイッチ類の調整など)0円〜3万円
外壁・屋根の補修(※戸建ての場合)    3万円〜10万円程度(足場なしの軽作業の場合)

※費用はあくまで一般的な相場目安であり、作業範囲・立地・業者により異なります。
※これ以外にも、壊れている箇所がある場合には、別途修理費用が発生します。
※ペットや喫煙の影響、間取りの広さ、見えない部分の不具合などによって、費用が大きくふくらむこともあります。詳しくは3章で解説しています。

2-2. 築5年〜10年未満:10〜30万円程度(部分的なメンテナンス)

築5年を超えると、内装や設備に少しずつ劣化が見られるようになり、リフォーム費用は10万円〜30万円程度かかるケースが多くなります。

この時期は、クロスの汚れや床の傷、レンジフードの油汚れなどが目立ち始め、印象が古く見えてしまうことがあります。入居希望者に良い印象を与えるためにも、清潔感を取り戻すための部分的なメンテナンスを検討しましょう。

マンションであれば専有部分(部屋の中)に絞って補修すれば良いため、壁紙の張り替えや簡単な水栓交換などで収まるケースが多くなります。

一戸建ての場合は、これに加えて屋根や外壁の軽微な劣化(コーキングのひび割れ、外壁の汚れなど)を点検し、必要に応じて簡易補修をしておくと安心です。特に見た目の印象が悪いままだと、築年数以上に古く見られてしまう可能性があります。

【築5〜10年未満の主なリフォーム内容と費用目安】

項目費用目安
クロス・床の張り替え(必要な範囲のみ)15万円〜25万円
畳の表替え(※和室ありの場合)    3万円〜10万円(6畳)
換気扇・水栓交換3万円〜6万円
外壁・屋根の補修(※戸建ての場合)5万円〜10万円程度(足場なしの軽作業の場合)

※費用はあくまで一般的な相場目安であり、作業範囲・立地・業者・設備グレード・間取りにより異なります。
※これ以外にも、壊れている箇所がある場合には、別途修理費用が発生します。
※ペットや喫煙の影響、間取りの広さ、見えない部分の不具合などによって、費用が大きくふくらむこともあります。詳しくは3章で解説しています。

2-3. 築10年〜15年未満:80万円〜200万円超(トイレ交換・クロス張り替え)

築10年〜15年未満のタイミングでは、トイレ・洗面台・給湯器の交換、クロスの全面張り替え、そして一戸建てであれば外壁塗装が必要になることが多くなります。

そのため、リフォーム代は、マンションでも80万円〜100万円程度、戸建ての場合には130万円〜200万円超もありえます。

この時期は、水回りの設備の寿命がやってくる時期ともいわれており、設備によっては耐用年数が10年程度と設定されているものがあるためです。

また、壁紙(クロス)については、築10年以上経過すると全体的に汚れやくすみが目立ちやすくなるため、このタイミングで全面張り替えを行うことが一般的です。クロスを一新するだけでも室内の印象は大きく変わり、空室対策として効果的です。

一方、床材については張り替えの費用が高額になりやすく、築15年〜20年頃に検討されるケースが多いため、ここでは様子を見るオーナーも少なくありません。

【築10年〜15年未満の主なリフォーム内容と費用目安】

項目費用目安
トイレ交換10万円〜15万円
洗面台交換10万円〜20万円
給湯器交換8万円〜15万円
クロスの全面張り替え
+床は必要に応じて補修
マンション:25万円〜
戸建て:45万円~
畳の新調(※和室ありの場合)    8万円~15万円(6畳想定)
外壁塗装・屋根の補修(※戸建ての場合)50万円〜

※費用はあくまで一般的な相場目安であり、作業範囲・立地・業者・設備グレード・間取りにより異なります。
※これ以外にも、壊れている箇所がある場合には、別途修理費用が発生します。
※ペットや喫煙の影響、間取りの広さ、見えない部分の不具合などによって、費用が大きくふくらむこともあります。詳しくは3章で解説しています。

2-4. 築15年〜20年未満:200万円〜400万円超(水回り・壁・床・外壁塗装などが必要)

築15年~築20年未満の家を貸し出す場合、キッチン・浴室(ユニットバス)・床材の全面張り替え、そして必要に応じてクロスの張り替えや外壁塗装(戸建ての場合)など、家全体を見直すリフォームが必要になることが多くなります。

そのため、リフォーム代の目安としては、マンションで200万円〜300万円前後、戸建てでは400万円を超えるケースも珍しくありません。

長年住んできた中で「まだ使える」と思っていた設備も、借り手にとっては「古く見える」「使いにくそう」と感じられることがあり、賃貸用として人に貸すには見た目の清潔感や印象がとても重要になります。

この築年数になると、キッチン・浴室などの水回り設備の劣化が進みやすく、必要に応じて一式の交換を検討するタイミングになります。また、クロスに加えて床についても、フローリングの傷みやクッションフロアのめくれなどが目立つようになり、全面張り替えが必要になるケースが多いでしょう。

【築15年〜20年未満の主なリフォーム内容と費用目安】

項目費用目安
システムキッチン交換45万円〜80万円
浴室交換50万円〜90万円
トイレ・洗面台・給湯器の交換30万円〜60万円
クロスの全面張り替えマンション:25万円〜
戸建て:45万円~
床材の全面張り替えマンション:30万円〜
戸建て:80万円〜
畳の新調(※和室ありの場合)    8万円~15万円(6畳想定)
外壁塗装・屋根の補修(※戸建ての場合)50万円〜

※費用はあくまで一般的な相場目安であり、作業範囲・立地・業者・設備グレード・間取りにより異なります。
※これ以外にも、壊れている箇所がある場合には、別途修理費用が発生します。
※ペットや喫煙の影響、間取りの広さ、見えない部分の不具合などによって、費用が大きくふくらむこともあります。詳しくは3章で解説しています。

2-5. 築20年〜30年未満:220万円〜500万円超(老朽設備・外装の大規模リフォーム)

築20年〜30年の家を貸す場合は、家全体にわたる大きなリフォームが必要になることが多く、リフォーム代はマンションで220万円〜400万円前後、戸建てでは400万円〜500万円を超えるケースもあります。

キッチンや浴室などの水回りに加え、床・壁紙・窓・外壁など、「家全体の見直し」が必要になる時期といえるからです。

また、戸建てであれば外壁や屋根の塗装も必要になり、雨漏りや断熱性の低下などを防ぐための対策が求められます。加えて、窓やドアといった建具もゆがみや劣化によって使いにくくなり、断熱や防犯の観点から交換されることもあります。

中には、既存の建物の内装をすべて解体して、基礎や柱などの構造部分以外を新しく作り変える、大規模な改修工事(フルリノベーション)に踏み切るケースもあります。

この場合は工事規模が大きくなり、ンションでも800万円〜1,200万円、戸建てでは1,000万円〜1,800万円以上かかることもあります。

ただし、ここまで費用をかけたとしても、築年数の古さがネックになることがあり、リフォームによってどの程度家賃が取れるか、回収できるかを慎重に見極める必要があります。

【築20年〜30年未満の主なリフォーム内容と費用目安】

項目費用目安
システムキッチン・浴室・洗面・トイレ・給湯器の交換(設備一式)160万円〜300万円
クロス・床の全面張り替えマンション:60万円〜
戸建て:120万円〜
窓・建具の交換(※戸建ての場合/必要に応じて)70万円〜
外壁塗装・屋根の補修(※戸建ての場合)80万円〜
フルリノベーション(上記すべて+間取りの変更なども含む)    マンション:800万円〜1,200万円以上
戸建て:1,000万円〜1,800万円以上

※費用はあくまで一般的な相場目安であり、作業範囲・立地・業者・設備グレード・間取りにより異なります。
※これ以外にも、壊れている箇所がある場合には、別途修理費用が発生します。
※ペットや喫煙の影響、間取りの広さ、見えない部分の不具合などによって、費用が大きくふくらむこともあります。詳しくは3章で解説しています。

2-6. 築30年以上:フルリノベの場合は1,000万円を超えるケースも

築30年以上の家を人に貸す場合は、設備や内装だけでなく、構造や耐震性まで含めた全面的な見直しが必要になるケースが多く、リフォーム代は最低でも220万円~400万円以上、フルリノベーションの場合は1,000万円を超えることもあります。

この築年数では、水回りや内装といった表面的な部分だけでなく、給排水管・断熱材・基礎・屋根・外壁・建具など、構造を含めた全面的な見直しが必要になるケースが多くなります。

仮に壊れている箇所だけを部分的に直して貸し出しても、入居後に新たな不具合(例:水漏れ・床下腐食・電気トラブルなど)が発覚し、そのたびに修繕対応を求められる可能性があります。

このような状態では、借主とのトラブルにつながったり、結果的に修繕費がかさみ、賃貸経営として成り立たなくなるおそれもあります。

そのため、築30年以上の家を貸す場合は、最初からフルリノベーションを前提に考えるほうが現実的です。

反対に、そこまでのリフォーム費用をかける余裕がない場合は、「最低限だけ直して安く貸す」「売却を検討する」など、選択肢を慎重に比較することが大切です。貸し出したあとのことも十分に検討したうえで、賃貸に出すかどうか判断することをおすすめします。

【築30年以上の主なリフォーム内容と費用目安】

項目費用目安
システムキッチン・浴室・洗面・トイレ・給湯器の交換(設備一式)160万円〜300万円
内装全体の張り替え(クロス・床・建具など)マンション:80万円〜
戸建て:150万円〜
窓・建具の交換(※戸建ての場合/必要に応じて)70万円〜
外壁塗装・屋根の補修(※戸建ての場合)100万円〜200万円以上
構造部分の補強(耐震・断熱・基礎など)100万円〜300万円以上
フルリノベーション(上記すべて+間取りの変更なども含む)    マンション:900万円〜1,300万円以上
戸建て:1,200万円〜2,000万円以上

※費用はあくまで一般的な相場目安であり、作業範囲・立地・業者・設備グレード・間取りにより異なります。
※これ以外にも、壊れている箇所がある場合には、別途修理費用が発生します。
※ペットや喫煙の影響、間取りの広さ、見えない部分の不具合などによって、費用が大きくふくらむこともあります。詳しくは3章で解説しています。


3. リフォーム代が予想外に高くなる4つのパターン

前章では、築年数に応じて必要になるリフォーム内容と、その費用の目安をご紹介しました。

しかしながら実際には、住み方や物件の状態によって「想定以上の費用」がかかることもあります。特殊な事情があると、築年数だけでは見えなかった「追加のコスト」が発生する可能性があるため、事前に把握しておくことが大切です。

この章では、リフォーム費用が高くなりやすい4つのパターンをご紹介します。

リフォーム代が予想外に高くなる4つのパターン
・面積が広い・部屋数が多い:その分リフォーム代も高くなる
・ペットや喫煙の影響がある:100万円~200万円増額する可能性がある
・見えないところに不具合がある:100万円単位でリフォーム代が高くなる可能性がある
・設備や内装をハイグレードにしすぎる:100万円単位の上振れの可能性がある

「うちは大丈夫かな?」と感じる方にとっても、あらかじめチェックしておくことで後の想定外を防ぐことができます。

3-1. 面積が広い・部屋数が多い:その分リフォーム代も高くなる

一般的な家よりも面積が広い家や、部屋数が多い家の場合には、2章で紹介した費用よりも大幅にリフォーム代が高くなることが考えられます。

2章では、マンション(2LDK〜3LDK・50〜70㎡)や戸建て(3LDK〜4LDK・80〜120㎡)といった一般的な広さを前提に、リフォーム費用の目安を紹介してきました。しかしながら、これより広い間取りになると、クロスや床の施工面積が一気に増えるため100万円単位費用が上乗せになる可能性があります。

さらに、トイレや洗面台が2カ所ある物件などでは、水回り設備の数が増える分、交換費用も倍近くになることがあります。

たとえば、2章では、クロス・床の全面張替えを、マンションは60万円〜、戸建ての場合は120万円〜 としましたが、極端に広い家や部屋数が多い家ではこれよりも高くなります。

広い間取りの家では「どこまで直すか」を絞ることが費用を抑えるポイントです。たとえば、使用頻度の高い部屋や水回りだけ重点的にリフォームし、寝室などは最低限にとどめるといった工夫も可能です。

賃貸に出す目的であれば、周辺の家賃相場とバランスを見ながら、かける費用の上限を設定しておくことが大切です。

3-2. ペットや喫煙の影響がある:100万円~200万円増額する可能性がある

ペットや喫煙のある家では、一般的な築年数の劣化よりも広範囲にわたってリフォームが必要になることがあり、結果として費用が大きくふくらむ原因になります。

たとえば築10年程度のマンションで、ペットや喫煙の影響がない場合は、クロスの一部補修や軽微な設備点検だけで済むことが一般的です。しかし、ペットを飼っていた場合や室内での喫煙がある場合は、次のような追加対応が必要になる可能性があります。

・たばこの匂いが部屋全体に残っている場合、クロス・天井・床の全面の張り替えが必要
・ペットによる引っかき傷・尿染みの修復のため、クロスだけでなく床や建具の修繕が必要
・においが残る場合は、脱臭やオゾン処理が必要
・換気扇や排気ダクトの清掃や交換が必要

とくに喫煙に関しては、壁紙の下地である石膏ボードや木軸にまでニオイがしみついているケースもあり、その場合は壁材そのものを交換する必要が出てくるため、工事規模が一気に大きくなります。

こうした影響が強く残っている場合、同じ築10年のマンションであっても、リフォーム費用が100万円〜200万円程度増額する可能性があります。

貸し出す前には、ハウスクリーニング業者やリフォーム会社など、室内の状態確認と見積もりを依頼できる専門業者に相談すると安心です。必要に応じて、住宅診断(インスペクション)を行う業者にチェックを依頼するのも有効です。

3-3. 見えないところに不具合がある:100万円単位でリフォーム代が高くなる可能性がある

見えないところ(床下・天井裏・配管など)に不具合があるケースでは、想定外のリフォーム代がかかることがあります。

たとえば、水漏れや雨漏りがあると、その周囲のクロス・フローリング・下地材まですべて交換しなければならず、「単なる内装工事」の範囲を超えてしまうことがあります。

さらに、湿気や腐食を好むシロアリ被害が進行していた場合には、床下全体の補強・駆除・再防除など、100万円単位の修繕費用がかかるケースもあるでしょう。

こうした見えない劣化は、入居後に発覚すると借主とのトラブルになりやすく、退去や損害請求の原因にもなりかねません。

貸し出す前には、床下点検・屋根点検・配管チェックなど、プロによるインスペクション(建物調査)を受けておくと安心です。少額で済むうちに早期発見・対処しておくことで、結果的にリフォーム費用を抑えられる可能性があります。

3-4. 設備や内装をハイグレードにしすぎる:100万円単位の上振れの可能性がある

リフォームをする際、「せっかく直すなら良いものを使いたい」と思う方も多いかもしれませんが、設備や内装を高グレードにしてしまうと、必要以上に費用がふくらんでしまう可能性があります。

たとえば、ッチンをハイグレードモデルにしたり、壁紙を輸入クロスにしたり、床材に天然素材を選んだりすると、単価が2〜3倍になることもあります。

一般的なグレードでのリフォーム代が150万円程度で収まる内容であっても、グレードを上げることで200万円〜300万円程度にまで上振れするケースもあるため注意が必要です。

また、グレードを上げた設備は部分補修が難しく、退去後の原状回復時に高額な修繕費がかかるリスクもあります。退去時に全体交換が必要になると、次の入居者に貸し出す前の貸主の負担が増えるケースも少なくありません。

賃貸物件においては、見た目の印象と機能性のバランスをとることが重要です。入居希望者が求める「清潔感」や「使いやすさ」を満たしていれば、必ずしも高級な素材を使う必要はありません。

費用対効果を考えるなら、標準的な設備・素材の中で、きれいに整えて見せる工夫をするほうが現実的といえるでしょう。

 


4. 家を貸すときのリフォーム代で損をしない4つのポイント

これまでの章では、築年数ごとのリフォーム費用の目安や、費用が高くなりやすいパターンをご紹介してきました。ここまで読んで、「自分の家はどの程度かかりそうか」「何にお金がかかりやすいのか」はイメージがつかめてきたのではないでしょうか。

しかし実際にリフォームを進めようとすると、「どこまで直せばいいのか」「どこにいくらかけるべきか」といった判断に迷うことが多くあります。

費用をかけすぎても回収できなければ損になってしまいますし、逆に必要な部分まで削ってしまえば、借り手がつかずに空室が長引くリスクもあります。

この章では、そうした失敗を避けるために、家を貸すときのリフォーム代で損をしないための4つの判断ポイントを整理してご紹介します。

 家を貸すときのリフォーム代で損をしない4つのポイント
・家を貸すときのリフォーム代は「家賃の3年分を上限」にする
・限られたリフォーム代は「壁・床・壊れた部分」に絞って使う
・リフォーム代が上限を超えるなら「貸す」以外も検討を
・リフォーム代を抑えて貸すにはプロの力を借りるのもおすすめ

「どこに、いくらまでかけるべきか」を見極める参考にしてみてください。

4-1. 家を貸すときのリフォーム代は「家賃の3年分を上限」にする

家を貸すときのリフォーム代については、まず「上限を設定しておく」ことが大切です。リフォームにどこまでお金をかけていいかを判断する上では、「家賃の何年分で元が取れるか」を基準に考える方法があります。

この損益分岐点の考え方では、たとえば「リフォーム代は家賃の3年分までにとどめるのが目安」とする見方が一般的です。なぜなら、3年で入居者が退去した場合でも、その間に回収できる範囲にとどめておけば、損失リスクを最小限に抑えられるからです。

たとえば、毎月の家賃が8万円の物件であれば、8万円 × 12カ月 × 3年 = 288万円という計算になり、おおよそリフォームにかけていい上限は300万円前後と判断することができます。

このラインを超えるような費用がかかる場合は、そもそも貸し出しに向いている物件なのか、あるいはかけすぎではないかという視点で検討しなおす必要があります。

もちろん、物件によって入居期間の傾向や相場家賃は異なるため、絶対的な基準ではありません。それでも、「この金額以上かけてしまうと回収が難しい」という目安をもっておくことで、リフォームの内容やグレードの判断がぐっとしやすくなります。

高額なリフォームを検討する前には、まず想定家賃と入居期間から、おおよその回収額を見積もっておくことが大切です。

4-2. 限られたリフォーム代は「壁・床・壊れた部分」に絞って使う

前述したようにリフォームにかけられる金額は「家賃の3年分まで」を上限とするのがベターであり、全てを直そうとするのではなく、優先順位をつけて費用を使うことが大切です。

とくに初めて家を貸す場合には、必要以上に手をかけてしまいがちで、かけた費用を回収できないまま終わってしまうリスクもあります。

基本的には、入居者の第一印象に直結する「見た目の印象が悪い部分」と、壊れている部分の修繕を最優先とすることが効果的です。なかでも、壁紙(クロス)や床材は部屋に入った瞬間に目に入るため、汚れや傷が目立っていれば、清潔感を損ねてしまいます。

また、水栓の不具合や扉のがたつき、換気扇の異音などの不具合は、かならず修繕しておく必要があります。

以下は、限られた予算で印象をアップできるリフォームの例です。

・クロス(壁紙)の張り替え
・フローリングやクッションフロアの補修・貼り替え
・トイレ・洗面所の簡易リフォーム(便座交換、収納棚の設置など)
・キッチンの換気扇や水栓の交換
・ハウスクリーニングと照明の交換(明るさで印象が大きく変わる)

なお、グレードの高い設備や特殊な素材などを導入しても、家賃アップにつながらなければ費用倒れになる可能性があります。たとえば、フローリングの代わりに高級な天然素材を使ったり、輸入クロスを選んだりすると、見た目は良くなっても原状回復や部分補修が難しく、将来的な修繕コストも膨らむおそれがあります。

リフォーム代を有効に使うには、「見た目が悪くなっている場所」と「壊れて使えない場所」だけを直し、標準グレードの設備や素材を選ぶことが基本です。借り手が快適に住めることはもちろん、費用をしっかり回収することも忘れずにリフォーム内容を決めていきましょう。

4-3. リフォーム代が上限を超えるなら「貸す」以外も検討を

ここまでの内容で、リフォームにかけて良い上限金額は「家賃の3年分」であることと、壁や床、壊れている箇所の修繕を最優先にすることを解説しました。

それを踏まえて、必要な修繕を行った場合のリフォーム代が上限を超えてしまう場合には、家を貸す以外の選択肢も検討したほうが良いといえます。

たとえば築20年以上の戸建てで、水回り・床・壁・外装すべてに手を入れなければならない場合、500万円以上かかることも珍しくありません。

先ほどの上限から逆算して、毎月14万円以上の家賃で貸せる見込みがある場合は良いですが、そこまで家賃が見込めない場合には、賃貸に出すかを検討しなおしたほうが良いかもしれません。

このように、リフォーム費用が家賃の3年分を大きく超えるような場合には、「貸す」以外の選択肢も検討すべきといえます。

リフォーム費用が上限(家賃の3年分)を超える場合に検討すべきこと
・貸すのをやめて売却する
・リフォームの規模や内容を見直して、削れる部分がないか検討する
最低限の修繕だけを行って低めの家賃で貸す

リフォーム費用が高くなりすぎる場合には、「この家を貸すことで利益が出るかどうか」を一度冷静に見直すことが大切です。

さらに、築年数が古い家の場合、最低限の修繕だけ行って貸し出せたとしても、貸してる途中の不具合で都度修繕費がかかる羽目になります。貸す前の段階で「かけすぎて損をする」リスクを避けておくことが、長い目で見て賢い判断につながります。

4-4. リフォーム代を抑えて貸すにはプロの力を借りるのもおすすめ

家を貸すときのリフォーム代を安く抑えたいならば、個人でリフォーム会社に発注するのではなく、プロの力を借りるのもおすすめです。

実際にリフォームの見積もりを取ってみると「想定よりも高い」「どこを削ればいいかわからない」と戸惑う方も少なくありません。そうしたときに頼れるのが、賃貸物件のリフォームに強い専門会社や不動産管理会社など、現場のプロの視点です。

個人でリフォーム会社に直接依頼すると、工事費が「定価ベース」で割高になりやすい傾向があります。さらに「とりあえず全部きれいにしよう」と判断してしまうと、費用がどんどんふくらみ、気づいたら回収困難な金額になっていたというケースもあります。

その点、不動産管理に長けた会社や賃貸リフォーム専門の会社であれば、

・「この立地・この築年数なら、ここだけ直せば十分」といった判断軸を持っている
・自社内に施工・管理のノウハウがあり、無駄なく必要な部分に絞った提案ができる
・部材の大量仕入れや定型工事を活かしたコストダウンが可能

といった理由から、個人で業者を探して依頼するよりも費用を抑えられる可能性が高いのです。

結果として、「プロに相談したことで、かけるべき費用と削ってよい費用の線引きが明確になった」という声も多く聞かれます。

無理に削るよりも、「どこまで直せば借り手が決まるか」を的確に教えてくれるプロに相談することが、

リフォーム代を抑えるおすすめの方法です。


5. 物件の価値を上げるリフォームならルーム・スタイルにお任せください

家を貸す前にリフォームに「どこまでお金をかけるか」「どこを優先的に直すか」は、賃貸経営の成否に直結します。

費用をかけすぎて家賃で回収できなければ損になり、逆に費用を削りすぎると借り手が決まらないリスクが高まります。

だからこそ、「借り手が求める内容」「費用対効果が高い工事」を見極めて、必要な部分だけにリフォーム代をかけることが重要です。

そのようなリフォームを実現するには、賃貸に強い専門会社に相談するのが最も確実で効率的な方法といえます。もしも相談先に迷うようであれば、年間入居率98%の賃貸管理会社「ルーム・スタイル」をぜひご活用ください。

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5-2. 費用対効果を追求したリフォーム提案

ルーム・スタイルでは、賃料アップや早期成約につながるリフォームだけを厳選して提案します。

オーナーの利益を最大化することを目的としているため、「必要以上に高額なリフォームを勧められたくない」という方にも適しています。

たとえば以下のような、コストパフォーマンスに優れたリフォームメニューの提案が可能です。

・クロスの張り替えやアクセントクロスの導入
・エアコンやウォシュレットの設置
・和室を洋室に変更
・収納の追加や宅配ボックスの導入など

さらに、定額制のパッケージプラン(例:ワンルーム向け29.8万円)なども用意されており、見積もりの分かりやすさも安心材料の一つです。

5-3. 管理・原状回復までワンストップでコスト面も安心

賃貸管理もルーム・スタイルに任せていただければ、入居者募集から契約・家賃回収・退去後の原状回復工事までを一括で対応することが可能です。

とくに「初めて家を貸す」という方にとっては、対応の早さ・提案の丁寧さ・アフターサポートの充実度は安心感につながります。

また、ルーム・スタイルの総合管理プランの管理手数料は「3.0%」とコスト面でもリーズナブルです(相場は約5%)。

まずは無料相談から、「自分の家でリフォームはどれくらい必要なのか?」「貸すべきか、売るべきか」など、状況に応じたアドバイスも可能です。

具体的なリフォーム費用の相談から賃料査定、管理プランの提案まで、すべて無料で相談できます。


まとめ

本記事では「家を貸したい場合のリフォーム代」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

◆ 家を貸すなら「住める状態」にリフォームしなければならない

◆【築年数別】家を貸すときのリフォーム代(築5年未満・10年・15年・20年・30年以上)
・築5年未満:0〜10万円程度(基本的には不要)
・築5年〜10年未満:10〜30万円程度(部分的なメンテナンス)
・築10年〜15年未満:80万円〜200万円超(トイレ交換・クロス張り替え)
・築15年〜20年未満:200万円〜400万円超(水回り・壁・床・外壁塗装などが必要)
・築20年〜30年未満:220万円〜500万円超(老朽設備・外装の大規模リフォーム)
・築30年以上:フルリノベの場合は1,000万円を超えるケースも

◆ リフォーム代が予想外に高くなる4つのパターン
・面積が広い・部屋数が多い:その分リフォーム代も高くなる
・ペットや喫煙の影響がある:100万円~200万円増額する可能性がある
・見えないところに不具合がある:100万円単位でリフォーム代が高くなる可能性がある
・設備や内装をハイグレードにしすぎる:100万円単位の上振れの可能性がある

◆ 家を貸すときのリフォーム代で損をしない4つのポイント
・家を貸すときのリフォーム代は「家賃の3年分を上限」にする
・限られたリフォーム代は「壁・床・壊れた部分」に絞って使う
・リフォーム代が上限を超えるなら「貸す」以外も検討を
・リフォーム代を抑えて貸すにはプロの力を借りるのもおすすめ

物件の価値を上げるリフォームならルーム・スタイルにお任せください。年間入居率98%・平均入居まで1カ月の実績があり、賃貸前のリフォームから賃貸管理、原状回復までワンストップで対応させていただきます。

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