相続や住み替えなどで中古住宅の売却を考えたとき、まず頭に浮かぶのは「何から始めたらいいのか分からない…」「手続きが大変そう…」という不安ではないでしょうか。中古住宅を売却するには、手続きの流れや注意点を事前にしっかり把握しておくことが大切です。
本記事では、売却までのステップを分かりやすく解説し、プロだからこそ言えるリアルな「注意点」もお伝えします。この記事を参考に、安心して売却を進めていきましょう。
この記事で分かること |
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目次
- 中古住宅を売却する流れ
- 1.目的や理由を考える
- 2.周辺相場を調査する
- 3.物件査定を受ける
- 4.不動産会社を選ぶ
- 5.媒介契約を締結する
- 6.売却活動を始める
- 7.売買契約を締結する
- 8.決済・引渡しを行う
- 9.確定申告をする
- 中古住宅の売却査定で注意すること
- 1.事前に物件の相場を把握しておく
- 2.一括査定サイトの仕組みを理解しておく
- 3.複数社の訪問査定を受ける
- 4.修繕箇所・不良個所は漏れなく申告する
- 5.査定金額を鵜呑みにしてはいけない
- 中古住宅の売却における不動産会社選びで注意すること
- 1.「大手だから」「地域密着だから」良いわけではない
- 2.重要なのは担当者の「経験」「知識」「信頼性」
- 3.デメリットやリスクをどこまで正直に話してくれるか
- 4.「買取」を強く勧めてきたときは要注意
- 5.信頼できる一社との「専任媒介契約」がおすすめ
- 6.囲い込みの対策をしておく
- 中古住宅の売却活動前に注意すること
- 1.敷地内の未登記建物は必ず登記する
- 2.所有期間によって課される税率が変わる
- 3.交渉材料として修繕箇所の金額を把握しておこう
- 4.築古戸建でも解体更地にしないで売り出す
- 5.築年数が経っていてもリフォームしないで売り出す
- 中古住宅の売却活動で注意すること
- 1.売主の印象は購入意欲を左右する
- 2.買付が入りやすい家は「生活感」が払拭されている
- 3.ホームステージングは購買意欲を高める
- 中古住宅の売買契約で注意すること
- 1.申込順ではなく買主の人柄や属性で判断する
- 2.手付金の額は低すぎてはいけない
- 3.買主が住宅ローンの本審査に通るまでは安心できない
- 4.売主は買主に対して「契約不適合責任」を負う
- 中古住宅の決済・引渡しで注意すること
- 1.抵当権の抹消手続きを行う
- 2.決済までに残置物を撤去する
- 3.設備の不具合や欠陥を再度確認する
- 4.火災保険は決済・引渡し日以降に解約する
- まとめ
中古住宅を売却する流れ
中古住宅の売却は、大まかにいくつかのステップに分かれています。それぞれの段階で抑えるべきポイントを知ることで、売却をより効率的に進めることができます。
以下で、売却の最初から最後までの流れを順を追ってご紹介します。
1.目的や理由を考える
まずは、売却の目的や理由を明確にしましょう。
たとえば、相続、住み替え、資産整理、ローン返済など、売却に至る理由はさまざまです。目的をはっきりさせることで、売却したい価格やタイミングを現実的に設定しやすくなり、成功に結びつく可能性が高まります。
2.周辺相場を調査する
売却査定を受ける前に、周辺の相場を調べて物件の価格設定を考えましょう。インターネットで売り出し価格を検索したり、近隣の成約価格を調べることで、現実的な売却価格のイメージがつかめます。
無料の調査ツール | 特徴 |
レインズマーケットインフォメーション | 不動産流通機構が提供する市場情報サイトで、実際に取引が行われた成約価格データを公開している。 |
不動産情報ライブラリ | 国土交通省のWebサイトで、地域ごとの相場や市場動向、取引価格、地価を閲覧できる。 |
都道府県地価調査マップ | NHKによる各都道府県が行う地価調査の結果を公開している地図サイト。スマホでの閲覧に適している。 |
不動産ポータルサイト | 多くの物件が掲載されており、現在の売り出し価格を手軽に調べられる。価格設定の目安として活用しやすい。 |
固定資産税評価証明書 | 市区町村役場で取得でき、税務上の評価額から物件価値の参考にできる。ただし、実際の売出価格と異なるケースもある。 |
相場を把握しておくことで、不動産会社の提案価格が適正かどうかの判断材料にもなります。
3.物件査定を受ける
不動産会社に査定を依頼し、実際の売却価格の目安を把握します。
査定方法は「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定(詳細査定)」の2種類です。不動産一括査定サイトなどは、築年数や面積をもとに机上査定を行っています。
- 眺望・日当たり
- 道路との接道状況
- 近隣の雰囲気
- 周辺施設の利便性
これらにより査定価格が変わる場合があるため、すぐに売却活動をスタートさせたい方は訪問査定を実施してください。
関連記事:不動産査定の方法や価格の算出方法!査定額に影響を与える要素とは?
4.不動産会社を選ぶ
信頼できる不動産会社を選ぶことは、売却成功へのとても重要なポイントです。不動産会社によってサポート内容や売却活動に違いがあるため、査定結果だけで判断しないようにしましょう。
詳しくは後述しますが、口コミや評判を参考にして、安心して任せられる業者を選ぶことが大切です。
5.媒介契約を締結する
不動産会社を決定したら、媒介契約を締結します。
媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、それぞれ仲介活動の内容や情報公開の義務に違いがあります。
自分の売却方針に合った契約を選び、契約内容を理解したうえでサインしましょう。媒介契約を締結してから物件の引渡しまで、期間目安は3~6ヶ月程度です。ただし、物件や売り出し方によっては1年以上かかることも念頭に入れておきましょう。
関連記事:専任媒介契約とは?メリット・デメリットや他の媒介との違いを解説
6.売却活動を始める
媒介契約が結ばれると、不動産会社が本格的に売却活動を開始します。広告を出したり、内見の対応を行い、買い手との交渉が進められます。突然の内覧予定が入ることもありますので、特に居住中の場合は日頃から室内を綺麗に保つことが大切です。
7.売買契約を締結する
買主が決まったら、正式に売買契約を締結します。
重要事項説明を受けた後、売買契約書、付帯設備表、仲介手数料支払約定書、反社会勢力に関する確認書など各種書類へ押印を行うため、2時間程度の時間がかかるのが一般的です。
売買契約書には、物件の売却価格や引渡しの日程、契約違反や解除に関する取り決め、設備の引き渡し状態など売主・買主双方が同意する細かな条件が記載されています。
金銭のやり取りとしては、契約と同時に買主から手付金を受け取り、不動産会社には仲介手数料の半額を支払います。
8.決済・引渡しを行う
買主が住宅ローンを利用する場合、売買契約後に本審査の申込と金銭消費貸借契約の締結が行われます。この手続きの時間を考慮し、売買契約から決済までは通常1ヶ月程度の期間が設けられます。この間に、売主は残置物の撤去や引き渡しに必要な書類の準備を進めておきましょう。
決済日には、残金の受領や登記手続きが行われ、物件の引渡しが完了します。鍵の受け渡しと最終確認を経て、物件の管理責任が買主へと移ります。
9.確定申告をする
売却が完了したら、翌年の確定申告で所得税や住民税の申告を行う必要があります。特に譲渡所得が発生した場合は、税金がかかるため、控除制度や特例措置を活用して節税対策を行いましょう。不動産売却に詳しい税理士に相談するのもおすすめです。
中古住宅の売却査定で注意すること
中古住宅の売却査定では、さまざまなポイントに注意が必要です。査定額を左右する条件や、不動産会社によって異なる査定基準など、知らないままでは見落としてしまう重要な要素が多くあります。
本章では、「査定時」に特に気をつけておきたいポイントをプロの視点で解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.事前に物件の相場を把握しておく
事前に物件の相場を把握しておくことは、営業担当者の言いなりにならず、適正価格での売却を進めるために重要です。不動産会社が提示する査定額が高すぎたり低すぎたりした場合も、相場を知っていれば精査できるため、冷静な判断が可能になります。
2.一括査定サイトの仕組みを理解しておく
一括査定サイトを利用すると、複数の不動産会社にまとめて査定依頼ができ、簡単に比較ができる点は魅力です。ただし、利用には注意も必要です。依頼後には複数の会社から営業電話がかかってくることが多く、特に「早めに売却を希望している方」には積極的な連絡が増える傾向があります。
さらに、必ずしもメールで査定額が送られてくるわけではなく、電話で詳しい説明を求められることもあります。そこで、より多くの接触が発生するケースもあるため、負担に感じることもあるかもしれません。
電話対応が難しく、できるだけメールでのやりとりを希望する場合は、備考欄にその旨を書いておくと良いでしょう。また、購入時の契約書や謄本を確認し、物件の面積や築年数などの情報を正確に入力しておくこともポイントです。これにより、査定額もより現実的な金額を得られます。
3.複数社の訪問査定を受ける
複数の不動産会社に査定を依頼することで、異なる視点からの評価や価格帯が分かり、自分の物件の相場をより正確に把握できます。また、査定の際に各社の対応や担当者の姿勢を確認できるため、信頼できる不動産会社を選ぶ際の判断材料にもなります。
4.修繕箇所・不良個所は漏れなく申告する
査定時には、物件の修繕箇所や不良個所についても正直に申告しましょう。修繕が必要な点を事前に伝えることで、査定金額に誤解が生じず、スムーズな取引ができます。後から不具合が判明するとトラブルに発展することがあるため、正確な情報提供をしてください。
5.査定金額を鵜呑みにしてはいけない
提示された査定金額をそのまま信じてしまうのは危険です。不動産会社によっては媒介契約を急ぐために高めの価格を提示することもあります。
一方で、査定額が予想より低かったとしても、その価格で売り出す必要はありません。売却価格は最終的に売主が決めるものであり、あくまで査定額は参考値にすぎないからです。
売主は自身の希望や状況に応じて売却価格を決定できますので、納得のいく条件で売り出しましょう。
中古住宅の売却における不動産会社選びで注意すること
不動産取引の中でも中古住宅はレベルの高い分野であり、さらに戸建てとなると営業担当者の手腕によって成果が大きく分かれます。
安心して売却活動を進めるために、大切な財産を任せられるパートナーの見分け方を紹介します。
1.「大手だから」「地域密着だから」良いわけではない
不動産会社を選ぶ際、「大手だから安心」「地域密着だから信頼できる」といった先入観だけで判断するのは危険です。大切なのは、会社の規模よりも、売却活動へのサービスや実績、熱意です。
2.重要なのは担当者の「経験」「知識」「信頼性」
不動産会社選びの中でも特に重視すべきは、担当者の経験や知識、信頼性です。物件の売却がスムーズに進むかどうかは、担当者がどれだけ売主の立場に立ってサポートしてくれるかに大きく左右されます。
面談の際に伝えたことを正確に覚えているか、売主の本質を理解しているか、レスポンスが早いかなどの点を見極めましょう。
3.デメリットやリスクをどこまで正直に話してくれるか
信頼できる不動産会社や担当者は、物件の弱点についても率直に伝えてくれるものです。売却におけるリスクや売主にどのようなデメリットがあるか、担当者が正直に話してくれるかを確認してみてください。
4.「買取」を強く勧めてきたときは要注意
不動産会社から「買取」を勧められる場合は注意が必要です。買取は売却が早く進む利点がある一方で、価格が市場価格より低くなる傾向にあります。
一般市場でも売れる物件は「買取」ではなく「仲介」の方が、売主の金銭的なメリットが大きいです。
5.信頼できる一社との「専任媒介契約」がおすすめ
媒介契約は、一社に任せる専任媒介契約にすると、不動産会社が売却活動をより積極的に進めてくれます。
一般媒介契約は複数の会社と契約が可能であるため、商談の最中に他社に先を越されてしまうことがあります。不動産会社からすると、一般媒介契約は優先的に売却活動を進めるモチベーションが下がりがちです。
6.囲い込みの対策をしておく
専任媒介や専属専任媒介契約を結ぶと、物件情報が限られた買い手にしか届かない「囲い込み」が発生することがあります。囲い込みとは、不動産会社が他の業者や買い手に物件情報を公開せず、自社内での成約を優先する行為です。
この状況になると、買い手の候補が減り、売却が長引く可能性も出てきます。囲い込みを防ぐには、不動産会社に事前に情報公開について確認し、物件の情報が広く伝わるよう依頼しておくことが大切です。
関連記事:不動産の囲い込みで物件が買えない?よくある2つの事例と対策を解説
中古住宅の売却活動前に注意すること
売却活動を始める前にも、いくつか確認しておきたいポイントがあります。未登記建物の手続きや税率、修繕箇所の把握など、事前の準備をしっかり行うことで、スムーズで満足のいく売却が実現しやすくなります。
1.敷地内の未登記建物は必ず登記する
敷地内に未登記の建物がある場合、売却前に登記を済ませておきましょう。未登記のままでは、買主が見つかっても銀行のローン承認を得られないことがほとんどです。
登記費用はかかりますが、こちらは必ず行ってください。
2.所有期間によって課される税率が変わる
売却益が発生する場合、所有期間によって物件の利益にかかる税率が異なります。
所有期間が5年以下の場合には「短期譲渡所得」が適用され、税率は約39.63%(所得税30%、住民税9%、復興特別所得税0.63%)と高くなります。一方、長期譲渡所得は、所有期間が5年を超える場合に適用され、税率は約20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)と短期より低めです。
売却益が出る場合は所有期間を考慮し、できるだけ長期譲渡所得の条件を満たしてから売却を検討することで、節税効果が得られやすくなります。
3.交渉材料として修繕箇所の金額を把握しておこう
修繕費用を具体的に把握して提示することで、買主も費用の見通しが立てやすくなります。
また、希望価格に修繕費用を上乗せして売り出すことで、値下げ交渉に応じることも可能です。買主に良い印象を与えつつ、自分も希望額で売却できる可能性が高まります。
4.築古戸建でも解体更地にしないで売り出す
築年数の古い一戸建てを売りに出す際には、勝手に解体せずにそのままの状態で売り出すことを検討しましょう。解体費用がかかるため、購入希望者に負担がかかることもありますが、現状販売のまま買い手が見つかるケースも多くあります。
5.築年数が経っていてもリフォームしないで売り出す
古い物件であっても、売却前にリフォームをしないようにしましょう。買主が自由にリフォームできるメリットがあり、費用をかけずに売り出すことで、手元に残る利益も増える可能性があります。自分で手を加えた分、希望価格も高くなるとは限りません。
中古住宅の売却活動で注意すること
いざ売却活動を始めたら、買主が見つかるまで以下の3点は必ず意識しておいて下さい。
1.売主の印象は購入意欲を左右する
売主の態度や対応が、買主の購入意欲に大きな影響を与えます。
内覧時に誠実な対応を心がけることで、「しっかり管理・メンテナンスをしていそう」「大切に住んでいたはず」と、購入意欲が高まることが期待できます。
清潔感のある身だしなみ、立ち居振る舞いも大切です。
2.買付が入りやすい家は「生活感」が払拭されている
売却時に内見を行う際は、生活感がない清潔な状態にしておきましょう。家具や小物などを整理し、シンプルで整った空間にすることで、買主が自分の暮らしをイメージしやすくなります。
湿気やカビ、臭いなども意外と見られているポイントです。
3.ホームステージングは購買意欲を高める
ホームステージング(家具やインテリアを設置し、物件を演出する手法)は、物件の魅力を引き出し、購入意欲を高める効果があります。
特に空き家の場合、家具を配置することで部屋の広さや使い方がわかりやすくなり、成約率がアップしやすくなります。
中古住宅の売買契約で注意すること
中古住宅の売買契約は、特に慎重さが必要です。契約書の内容や住宅ローンの審査状況など、契約段階で見落としがないようにすることが大切です。
以下では、売買契約を結ぶ際に気を付けるポイントを解説します。
1.申込順ではなく買主の人柄や属性で判断する
申込が複数あった場合は、先着順ではなく、買主の人柄や属性を考慮することが重要です。安定した収入やすでにローンの仮承認を得た買主を選ぶことで、トラブルの少ない取引が期待できます。
2.手付金の額は低すぎてはいけない
手付金は、売買契約を確実に進めるためのいわば「保証金」です。額が低すぎると契約解除のリスクが高まるため、適正な金額を設定しておくことで、売主側の安心材料となります。
3.買主が住宅ローンの本審査に通るまでは安心できない
仮審査に通っていても、本審査に通過するまでは安心できません。
本審査では、仮審査よりも厳しい審査基準が適用されるため、予期せず融資が通らないケースもあります。この場合、ローン特約によって売買契約が白紙に戻り、手付金も返還されるため、売主は再度売却活動を行う必要が出てきます。
4.売主は買主に対して「契約不適合責任」を負う
契約不適合責任は、売主が買主に対して物件に隠れた欠陥があった場合に責任を負う義務です。一般的には、個人間取引で契約不適合責任を負う期間は3ヵ月程度とされることが多いですが、期間は契約内容により異なります。この期間内に欠陥が見つかった場合、修繕費や補償が求められる可能性があります。
なお、「契約不適合免責」にすると、売主は買主に対して物件の欠陥に関する責任を負わないという特約をつけることが可能です。
ただし、契約不適合免責にするためには、契約時に買主の同意が必要です。この特約をつけていても、瑕疵(欠陥)の状況によっては、たとえば売主が重大な欠陥を故意に隠していた場合など、裁判で無効とされることもあります。
中古住宅の決済・引渡しで注意すること
最後に、決済・引き渡しにおいての注意点を解説します。残置物の撤去や設備の不具合確認、必要書類の準備などを徹底し、スムーズな引き渡しが行えるようにしておきましょう。
1.抵当権の抹消手続きを行う
売却物件に住宅ローンの抵当権が付いている場合、売却前に抹消手続きを済ませておきましょう。抹消が完了していないと、売却が進められないため、金融機関に事前に相談して手続きを進めます。
住宅ローンの残債を売却代金で返済する場合は、決済当日に売主、買主、双方の銀行担当者、不動産会社、司法書士が立ち合いのもと、同時決済を行います。これにより売主の抵当権が抹消されるため、買主は新たに抵当権が設定されていない物件を安心して取得できます。
2.決済までに残置物を撤去する
決済日までに物件内の残置物を全て撤去しておきます。
不要な家具やゴミが残っていると買主に迷惑がかかるため、契約内容に沿って物件を空の状態にしておきましょう。状況によっては契約違反となり、損害金を請求されてしまう可能性があるので注意してください。
3.設備の不具合や欠陥を再度確認する
引渡し前には、エアコンや給湯器、照明など、契約時に提出した付帯設備表と相違がない状態であるかを再確認します。万が一、不具合や故障が見つかった場合は、速やかに買主に報告し、修理や対応の準備を整えておくことが大切です。
4.火災保険は決済・引渡し日以降に解約する
火災保険は引渡し日まで継続しておくことが大切です。たとえ契約が成立しても、決済が完了するまでは物件に関する責任は売主にあります。
もし引渡し前に火災保険を解約してしまい、その間に火災などの事故が発生した場合、売主自身が損害を補償しなければならない可能性があります。また、買主に対して物件の引渡しができなくなり、契約不履行となるリスクも生じます。
そのため、万が一の事態に備えて、決済・引渡しが完了した後に火災保険の解約手続きを行うようにしましょう。
まとめ
この記事では、中古住宅をスムーズに売却するための基本的な流れや注意すべき点について説明しました。
売却の目的や相場の把握から、不動産会社の選び方、媒介契約の種類、査定の受け方まで、それぞれのステップで気をつけるべきポイントをまとめています。また、売買契約時の確認事項や火災保険の扱いなど、不動産会社の独自視点からの注意点も解説しました。
初めての売却には不安がつきものですが、こうしたポイントを一つずつ押さえながら進めていけば、スムーズで納得のいく取引ができるでしょう。
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