「なんとかして空室対策をしたいが、何から始めればいいのだろう」
「空室が続いているが、家賃を下げたほうがいいのだろうか…」
不動産経営をしていると、避けられないのが「空室対策」です。
空室が続くと不安になり、「家賃を下げたほうがいいのか」と不安に思うかもしれませんね。
ご安心ください。
魅力的な物件としての価値を高め、入居してもらえる対策を取れば、必ず空室は解消します!
そこでこの記事では、平均入居期間1ヶ月での客付け力を誇る私どもルーム・スタイルからあなたに、30の空室対策を紹介しましょう。
実際にこれらの対策を実行していけば、不動産物件としての価値が上がり、人気物件になることもできるでしょう。
賃貸物件を探している人に見つけられやすくなり、満室維持も難しくなくなります。
とはいえ、やみくもに実施すれば良いわけではありません。
すべてを実施しようとすると、かなりの手間や時間、そして費用もかかってしまうからです。
今回ご紹介する空室対策は、全て上から優先順でご紹介していきます。
順番に実施することで、大きな費用をかけず、最短で空室を埋めることができるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、あなたの物件の資産価値を高め、いつまでも安定した不動産経営を行ってください。
目次
- 1.募集手段に関する9つの空室対策
- 1-1.ネット検索されやすい家賃設定に変更する
- 1-2.ネットに掲載する写真を刷新する
- 1-3.掲載している募集サイトの情報を確認してみる
- 1-4.管理会社や仲介業者に改めて相談する
- 1-5.管理会社や仲介業者を変更する
- 1-6.AD(広告費:不動産仲介業者に支払う手数料)を増やす
- 1-7.内見してもらいやすくする
- 1-8.レインズ(REINS)に掲載してもらう
- 1-9.物件の魅力が伝わる間取り図をオリジナルで作成する
- 2.建物の周辺や共用部分の清掃を強化する3つの空室対策
- 2-1.メールボックスのチラシが散乱していたら掃除する
- 2-2.電球が切れていないか確認して取り替える
- 2-3.ゴミ出しルールが守られているか確認する
- 3.入居費用に関する4つの空室対策
- 3-1.敷金・礼金を減らす(ゼロゼロ物件)
- 3-2.数カ月間フリーレント(家賃無料)にする
- 3-3.新入居応援キャッシュバックを行う
- 3-4.家賃逓減サービス(2年毎に家賃を安くして更新するサービス)を取り入れる
- 4.募集条件を変更する4つの空室対策
- 4-1.ルームシェア可能にする
- 4-2.事務所(SOHO)可能にする
- 4-3.ペット可能にする
- 4-4.外国人可能にする
- 5.リフォームやリノベーションで価値を高める9つの空室対策
- 5-1.クロスを張り替える
- 5-2.エアコンを取り付ける
- 5-3.ウォシュレットを取り入れる
- 5-4.インターホンをTVモニター付きに変更する
- 5-5.和室を洋室にする
- 5-6.宅配ボックスを取り付ける
- 5-7.インターネット無料を取り入れる
- 5-8.3点ユニットバスをなくす
- 5-9.収納場所を増やす
- 6.空室対策の最終手段!家賃を見直す
- 7.まとめ
1.募集手段に関する9つの空室対策
空室対策を始める際に、まずは募集手段の対策を行いましょう。
いきなり賃貸物件に手を加えると、あとで修正が効かなくなる場合や、費用が高くつくことがあるためです。
もし、募集手段を変更するだけで空室が埋まるとしたら、これほど効率の良いことはありません。
募集手段に関する空室対策には、次のようなものがあります。
1-1.ネット検索されやすい家賃設定に変更する1-2.ネットに掲載する写真を刷新する1-3.掲載している募集サイトの情報を確認してみる1-4.管理会社や仲介業者に改めて相談する1-5.管理会社や仲介業者を変更する1-6.AD(広告費:不動産仲介業者に支払う手数料)を増やす1-7.内見してもらいやすくする1-8.レインズ(REINS)に掲載してもらう1-9.物件の魅力が伝わる間取り図をオリジナルで作成する
上記の対策を一つずつ解説していきましょう。
1-1.ネット検索されやすい家賃設定に変更する
まずはネット検索されやすい「家賃設定」に変更してみましょう。
家賃の額(端数)によっては、検索から外されて、入居希望者の目に触れることさえ無くなってしまうからです。
賃貸物件をネット検索している人は、まずは「家賃」の上限や下限を指定します。
たとえば、72,000円の家賃設定だと、「賃料:〜70,000円」の条件から外れてしまうのです。
少しの違いですが、2,000円安い「70,000円」の競合物件の方は表示されます。
そのため、72,000円の場合、家賃を70,000円、管理費2,000円などに分けて設定すればよいでしょう。
なお、多くの賃貸ポータルサイトでは、家賃検索の区切りが5,000円単位となっているので、それを踏まえた家賃設定をおすすめします。
▼多くの場合、家賃の指定は5千円単位
出典:SUUMO
1-2.ネットに掲載する写真を刷新する
ネットに掲載している写真を、見栄えの良い写真に刷新しましょう。
ネットで検索している人は、写真を見て住心地などをイメージします。
どんなに良い物件でも、写真の雰囲気によって目を止めてもらえず、問い合わせ率も低くなってしまうのです。
物件を撮影するときは、次のポイントに気を付けると、見栄えの良い写真が撮れます。
▼魅力的な物件撮影を撮るポイント
- 天気の良い日、明るい時間帯に撮影する
- 一眼レフで撮る
- 広角レンズで撮る
- 逆光で撮影しない
- カメラの露出補正を利用して、明るめに撮影する
- 奥行きが感じられるように、やや斜めのローアングルで撮影する
- すべての部屋と設備、共用部分を撮影する
- 余計な物や部分が写らないようにする
▼撮影の例:少し斜めに撮影することで、奥行きが出る
1-3.掲載している募集サイトの情報を確認してみる
物件が掲載されている募集サイト(賃貸ポータルサイト等)を確認して、自分の物件の情報が間違っていないか確認してみましょう。
まれに、家賃や築年数が間違っている場合や、大切な情報が載っていないケースがあるためです。
検索結果から省かれてしまうので、自分の物件情報は、隅々まで確認することをおすすめします。
次のような情報に間違いがないか、必ずチェックしておきましょう。
▼募集サイトで確認するべき情報
- 家賃、共益費、駐車場代、敷金・礼金
- 物件名、住所、最寄り駅、間取り、階数
- 築年数、専有面積
- 物件の情報、特筆するべき設備
- フリーレントなどの情報の記載
- アピールポイントの記載
アピールポイントが書かれていないケースは非常に多く、書いてあるだけで目に止めてもらいやすくなります。
ぜひ、取り入れてください。
1-4.管理会社や仲介業者に改めて相談する
空室が続く場合、依頼している管理会社や仲介業者に改めて相談してみることをおすすめします。
具体的には、次のようなことを、報告してもらうと良いでしょう。
▼管理会社や仲介業者に相談・報告してもらうべき内容
- 週に何件問い合わせがあったのか
- 何をどうアピールしているのか
- 競合で成約した物件はあるのか
- 何か、良いアドバイスはあるか
管理会社は日頃から付き合いがあるため、紹介を強化してくれる場合や、空室対策のアドバイスをもらえることもあります。
1-5.管理会社や仲介業者を変更する
管理会社や仲介業者に相談しても、何の進展もない場合は、会社を変更することも考えます。
空室が2〜3ヶ月続く場合は、管理会社や仲介業者に宣伝する力が弱く、客付け(入居希望者を集める力)ができていない可能性があるでしょう。
客付けに強い会社の選び方は次の通りです。
- インターネットの物件紹介のページが工夫されていて見やすい
- 取り扱い物件が多い
- 掲載されている写真が多い
- 会社(店舗)がアクセスしやすい場所にある
- 連絡した時に、親身になって話を聞いてくれる
物件を探している人の多くが、まずはインターネットで検索をしますよね。
物件紹介に熱心な会社ほど、ページが見やすいよう工夫されているはずです。
また、入居希望者は最終的に店舗へ足を運ぶ必要があるため、アクセスの良い場所にある会社を選びましょう。
入居希望者が利用しやすく、結果的に成約率が高くなります。
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空室対策は、管理会社を選ぶところから始まっています。 私たちルーム・スタイルは入居募集に強く、「空室対策」も万全! ▼空室対策に自信があります!ルーム・スタイルは、17年蓄積した賃貸コンサルにより、空室対策のノウハウが充実しています。 集客力のある複数の自社サイトは、月間60万PV以上のアクセスを頂いており、多くの方にオーナー様の物件をアピールができるでしょう。 ▼物件管理もお任せください!家賃集金からクレーム対応、設備の故障対応まで、お忙しいオーナー様に代わって、スピーディに対応いたします。 ルーム・スタイルの総合管理プラン委託費は家賃の 3.0%(税込)。 オーナー様の大切な不動産を、心をこめて管理するルーム・スタイルにお任せください! |
1-6.AD(広告費:不動産仲介業者に支払う手数料)を増やす
AD(広告費)を増やすことで、優先的に紹介してくれる可能性が高くなります。
ADは「仲介手数料」とは別に支払う費用で、法律で定められている上限などはありません。
一般的には家賃の1〜2ヶ月分が相場です。
空室が続く場合はADを上乗せすることで、仲介業者に優先的にアピールしてもらうことができます。
1-7.内見してもらいやすくする
仲介業者の営業に対して、内見してもらいやすくしておくと、紹介してもらえる確率が高くなります。
たとえば、次のような対策が考えられます。
- 部屋の鍵をわざわざ取りに行かなくて済むよう、現地にキーボックスを設置する
- 営業マンの車が停めやすいよう、駐車スペースを確保しておく
- 部屋の電灯がつくようにしておく(夕方以降の対策)
- エアコンが使えるようにしておく(暑さ、寒さ対策)
特に忙しい期間などには、案内しづらい物件は避けられるケースがあります。
営業マンの負担を減らす対策を取りましょう。
1-8.レインズ(REINS)に掲載してもらう
仲介業者や管理会社に依頼して、関係者だけが利用できる不動産情報検索サイト「レインズ」に掲載してもらいましょう。
レインズは「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」といい、登録されることで、多くの不動産関係者にアピールすることができます。
もし、掲載されていないとしたら、仲介業者などが、「その物件の仲介を独占したい」と考えている可能性があります。
他の不動産業者で契約が決まると、仲介手数料やAD(広告費)が入らなくなるためです。
ただし、掲載されているかどうかは個人では確認できないので、仲介業者や管理会社に確認する必要があるでしょう。
1-9.物件の魅力が伝わる間取り図をオリジナルで作成する
物件の間取り図をオリジナルで作成し、魅力的に変えるだけで、成約率が変わります。
無難な白黒の間取り図では、お部屋の魅力を伝えきることができません。
室内の写真があったとしても、まずは間取りで興味を失われる可能性があるためです。
フローリングは淡い茶色、水回りは水色など、メリハリのある間取り図は、見ている人の目を引きます。
また、家具などを配置した様子などもあれば、イメージが湧きやすく、より魅力的に映るでしょう。
※家具付き物件と間違わないように注釈が必要です。
▼間取りを着色すれば目を引く
オリジナルの間取り図作成は、仲介業者などに相談して作成してもらうほか、自分で作成できるソフトもあります。
たとえば、DreamPlanホームデザインソフトは、既存の図面を読みこんでトレースし、カラフルな2D画像として表示することができます。
無料の上、専門知識がなくても、魅力的な間取り図を作成することができるでしょう。
2.建物の周辺や共用部分の清掃を強化する3つの空室対策
募集手段に関する対策ができたら、次は物件の清掃を強化しましょう。
賃貸物件の見た目は、入居の決断に大きく影響するからです。
特に共用部分が汚れていると、部屋を見る以前に、「これはないな…」と思われかねません。
また、これらの清掃が行き届いていると、すでに入居している人からの満足度も上がり、長く住み続けてもらうことにも繋がるでしょう。
そのために、次の3つの対策を行います。
2-1.メールボックスのチラシが散乱していたら掃除する
メールボックスのチラシが散乱していたら、掃除しておきましょう。
メールボックスは、物件のエントランスに設置されている場合が多く、建物の印象を決定づけてしまうからです。
特に、空室になっている部屋のメールボックスには、大量のチラシが溜まりやすく、見た目が美しくありません。
▼チラシが散乱していると印象が悪い
空室になっているメールボックスの入口に、「チラシお断り」のステッカーやシールなどを貼って、投函されないような対策をとりましょう。
▼ポスト口に貼るステッカー例
このようなステッカーは、ネット通販などで購入することができます。
新しい入居者に剥がしてもらうと良いでしょう。
なお、入居している人のメールボックスがいっぱいの場合には、管理会社などを通じて注意を促してください。
2-2.電球が切れていないか確認して取り替える
賃貸物件の共用部分の電球が切れていないか確認することは、意外と重要です。
昼間は気にならなくても、夜間になるとかなり悪目立ちしてしまうからです。
1箇所電気が消えているだけで、「管理が行き届いていない」物件だと思われてしまいます。
夕方などに内見に来た人には、悪い印象を持たれてしまかねません。
定期的に夜間の見回りをして、切れているようであれば、早急に取り替えるようにしましょう。
2-3.ゴミ出しルールが守られているか確認する
ゴミ出しのルールが守られているか、定期的に確認しましょう。
ゴミ置き場に小さなゴミが散乱している場合や、長い間放置されているような不燃ごみがあると、管理が行き届いていない物件だという印象を与えます。
また、「ルールが守られない住人がいる」ことが伝わるだけでも、成約率は下がってしまうので、注意しましょう。
3.入居費用に関する4つの空室対策
次に、入居費用に関する空室対策を見ていきましょう。
費用に関する対策は、「家賃を下げたほうがいいのかも」と思いがちですが、安直に下げてはいけません。
長い目で見ると、収益が大きく下がってしまうので、「家賃を下げるのは最終手段」と理解しておきましょう。
入居費用に関する4つの空室対策は次のとおりです。
3-1.敷金・礼金を減らす(ゼロゼロ物件)3-2.数カ月間フリーレント(家賃無料)にする3-3.新入居応援キャッシュバックを行う3-4.家賃逓減サービス(2年毎に家賃を安くして更新するサービス)を取り入れる
それぞれ見ていきましょう。
3-1.敷金・礼金を減らす(ゼロゼロ物件)
敷金・礼金を減らし(または無くし)、初期費用を安くする「ゼロゼロ物件」は空室対策に効果的です。
賃貸物件を探している人は、できるだけ初期費用を抑えたいと思っているため、「ゼロゼロ物件」はかなりのインパクトがあります。
競合で迷っている人から、選ばれる確率が高くなるでしょう。
ただし、敷金は契約終了時に返金するお金ですが、「契約期間中の預かり金」という役割もあります。
▼敷金の役割
- 家賃の不払いや未払い時の補填
- 対処時の原状復帰費用
原状復帰費用が大きくかかる場合など、いざという時にオーナーの負担が大きくなる可能性も出てきます。
次のような対策を行うと、リスクを最低限に抑えることができるでしょう。
▼ゼロゼロ物件にする際の対策
- 契約で2年以上とし、解約した場合の条件をつける
- 前家賃(2ヶ月分)をもらう
- 保証会社を利用する(費用負担は入居者)
- 入居前に、室内設備に不備がないか確認する
※入居後、故意的に破損した箇所は負担してもらう
3-2.数カ月間フリーレント(家賃無料)にする
一定期間「フリーレント(家賃無料)」を取り入れると、競合と差別化ができるため、空室対策には有効です。
いつ埋まるか分からない空室を持っているよりも、1ヶ月程度家賃を無料にするだけで、初期費用を抑えたい入居希望者に強くアピールすることができるでしょう。
期間の設定には、主に次のようなものがあります。
▼フリーレント設定の例
- 入居した日から、1ヶ月分の家賃無料
- 入居した日から、月末までの日割り家無料
- 入居した月を含めて、2ヶ月分の家賃無料
なお、フリーレントを実施した場合、その収益は確実に無くなることは事実です。
短期間で退去された場合、広告費などで赤字となる可能性も出てきます。
そのため、契約時には、
「短期間に解約をした際には、違約金(家賃1ヶ月分など)が発生する」などの特約をつけておくようにしましょう。
3-3.新入居応援キャッシュバックを行う
新入居応援キャッシュバックを行うと、物件を検索している人の目に止まりやすくなるでしょう。
このようなキャッシュバックなどのキャンペーンなどは、実際には不動産のポータルサイトや仲介会社などが、会社として実施する場合がほとんどです。
しかし、仲介会社に相談して、特定の物件だけでも実施できる可能性もあります。
単純に「家賃キャッシュバック」でもいいのですが、「人気が無い物件なのかも?」と、疑われるかもしれません。
そこで、次のようなネーミングにすると、物件の価値を下げずに実施することができます。
▼キャッシュバックの名称の例
- 新生活応援キャンペーン
- 新入生・新社会人応援キャンペーン
- 入居お祝い金
▼実際のキャッシュバックキャンペーン例
出典:大阪市住まい公社の賃貸マンション「新婚・子育て世帯向け特別キャンペーン」
3-4.家賃逓減サービス(2年毎に家賃を安くして更新するサービス)を取り入れる
「家賃逓減サービス」を利用するのは、入居者がすぐに出てしまう物件の場合、非常に有効でしょう。
家賃逓減とは、2年毎に家賃を安くして更新するサービスです。
長く住めば家賃が下がるので、入居継続率が高くなり、結果的に空室になりにくくなるでしょう。
大幅に値下げする必要はなく、ポイントとしては、次のようになります。
▼家賃逓減を取り入れる際のポイント
- 1ヶ月2〜3000円程度の値下げから始める
- 近隣の家賃相場を調べ、大きく下回る値段にはしない
当然ですが、入ってくる収入が減るので、次の条件をつけて、リスクを最低限に抑えましょう。
▼家賃逓減サービスを実施する際につけるべき条件
- 最低入居期間の取り決め(6ヶ月から1年程度)
- 短期間に解約した際は、違約金が発生(家賃1ヶ月分など)
4.募集条件を変更する4つの空室対策
募集条件を変更(拡大)すると、入居者を集めやすくなるでしょう。
今まで条件に合わず、入居を諦めていた人の注目を集めることができるためです。
募集条件を変更する対策は次の通りです。
ただし、それぞれ注意点もあり、対策も必要です。解説していきましょう。
4-1.ルームシェア可能にする
ルームシェアを可能にすることは、空室対策になるでしょう。
可能物件が少ないため、家賃を下げることなく入居希望者を集めやすくなるためです。
ルームシェア可能物件とは、家族・兄弟以外の数人と、共同生活をすることができる物件を指します。
複数人が一つの物件で暮らすため、家賃や光熱費が割安になり、一人では家賃が払えない人でも入居することができるのです。
ただし、ルームシェアにすることで、次のようなリスクが生まれるでしょう。
▼ルームシェアによるリスク
- 同居人同士のトラブル
- 騒音トラブル
- 無断で同居人を変更(又貸し)
- 家賃滞納(同居人の一人が退去した場合など)
そのため、次のような対策が必要です。
▼ルームシェア可能にする場合のおすすめの対策
- 「連名契約」とし、同居人それぞれが賃貸借契約の責任を負うようにしておく
- 又貸しなどは禁止であることを、契約に含める
- 違反した場合は、違約金を支払うなどの取り決めをしておく
- 連帯保証人をつける
- 防音対策をしておく
- ルームシェアをする部屋の、左右上下の部屋にあらかじめ伝えておく
4-2.事務所(SOHO)可能にする
物件を「事務所(SOHO)」可能にすることも、空室対策には有効でしょう。
リモートワークが普及していることから、マンションやアパートを事務所として利用したいというニーズが高まっているからです。
事務所なら、改装などを行わずに利用してもらうことができますし、家賃も高めに設定することも可能になります。
ただし、賃貸物件を事務所(SOHO)として利用するには、いくつかの注意点があります。
▼事務所にする際の注意点
- 不特定多数の人が出入りする可能性がある
- 賃貸物件の登記を「共同住宅」から「事務所」に変更しなければならない
- 業種(使用用途)によっては、自治体に禁止されている
- 固定資産税や都市計画税が高くなる可能性がある
- 加入する火災保険が異なる
空室が埋まる可能性は高くなりますが、その分手間がかかるのです。
不動産管理会社などによく相談してから実施すると良いでしょう。
4-3.ペット可能にする
「ペット可能」にすると、空室が埋まりやすくなる上、家賃を相場よりも高く設定することができます。
「ペット可能」物件は希少なので、入居希望する人が多くなるためです。
近年はペットブームなので、空室対策としては、かなり効果的だといえるでしょう。
ただし、次のようなデメリットもあることを理解しておくことが必要です。
▼ペット可能にした際のリスク
- 臭いや鳴き声でトラブルの原因になる
- 部屋が汚れやすくなる
- 原状復帰費用が高くなる
- 動物嫌いな人からは入居を避けられる
トラブルを回避するために、おすすめの対策が次の通りです。
▼ペット可能にする際におすすめの対策
- ペットの種類と頭数、大きさを限定する
※(写真の提出を求める、ペット面談を行うことも可能) - ワクチン接種証明書等を提出してもらう
- 敷金を取る
※1〜2ヶ月分プラス可能・全額償却できる - ペットによる修繕などの費用負担などを明確にしておく
- 原状復帰の範囲を決めておく
- 契約書に、ペットを飼うマナーに関する項目を入れておく
※ペットに関する覚書などを作成する
また、途中から「ペット可能」物件に変更した場合、すでに入居している人からクレームが出る可能性があります。
きちんとした説明や同意を得ることを忘れないようにしましょう。
4-4.外国人可能にする
外国人を受け入れている賃貸物件はまだまだ少なく、満室になる可能性が高い対策です。
外国人は築年数などをあまり気にしない傾向があるため、古い物件でも、入居希望者を集めることができるでしょう。
また、一度入居した外国人は、別の物件を見つけにくいため、長く住み続ける傾向もあります。
ただし、コミュニケーションが取れない場合、言葉や文化の違いから、トラブルに発展するリスクも考慮しておくべきです。
▼外国人を可能にした際に想定されるリスク
- 部屋に荷物を残したまま連絡が取れなくなる
- ゴミ出しのルールを守らない
- 無断で部屋を改造する
- 夜遅くまでパーティをする
- 不特定多数の外国人が出入りして近隣住民を不安にさせる
そのため、次のような対策を取ることをおすすめします。
▼外国人入居可能とする場合のおすすめの対策
- 条件を下記に設定する
・永住権を持つ人
・日本語が多少は理解できる人
・支払い能力のある人 - 連帯保証人をつける
- 審査時の必要書類をよく確認する
- 保証会社を利用してもらう
- わかりやすくルールを説明する
- 契約に「禁止事項」などの特約条項を入れる
その他、外国人を受け入れる注意点などは、国土交通省「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」を参照してください。
高齢者と生活保護者の入居は慎重にしよう |
入居者の条件として、高齢者と生活保護者の入居は慎重にしましょう。 高齢者と生活保護者の入居は、受け入れ先が少ないため、空室が埋まりやすい反面、次のようなリスクも大きくなるからです。
これらのことを受け入れ、安全などを特に考慮した上で、受け入れることを決めましょう。 |
5.リフォームやリノベーションで価値を高める9つの空室対策
リフォームやリノベーションをすると、新築同様に真新しくなります。
最近では、リノベーションさえしていれば、築年数は気にしないという人も増えており、空室対策にはかなり有効といえるでしょう。
ただし、あまりに築年数が経っている場合は、工事費用の元を取れない場合もあります。
リフォームを行う場合にはリフォームの利回りを計算して、効果的に行うようにしましょう。
ここでは、賃貸物件で人気が出るリフォームやリノベーションをご紹介します。
5-1.クロスを張り替える5-2.エアコンを取り付ける5-3.ウォシュレットを取り入れる5-4.インターホンをTVモニター付きに変更する5-5.和室を洋室にする5-6.宅配ボックスを取り付ける5-7.インターネット無料を取り入れる5-8.3点ユニットバスをなくす5-9.収納場所を増やす
5-1.クロスを張り替える
クロスの張り替えは、一番気軽に実行できる上、部屋の雰囲気をガラリと変える事のできる対策です。
築年数の古い物件では、リフォームやリノベーションをすると、かなりのコストがかかり、元を取れない可能性もあります。
しかし、クロスを張り替えるだけなら、低コストで「おしゃれな部屋」に変わることができるでしょう。
特に、「アクセントクロス」を取り入れると、デザイン性が増して、魅力的に映ります。
アクセントクロスは、壁の一面や一部だけに色の付いたクロスを取り入れる方法です。
▼手軽におしゃれな部屋に変わるアクセントクロスの例
壁紙の張替え費用は、1㎡あたり1,000円が相場となります。
6畳の部屋を張り替える場合は、50,000円程度、工事費は15,000円ほどかかります。
5-2.エアコンを取り付ける
物件に、エアコンの取り付けは必ず行いましょう。
近年、物件にエアコンが付いている物件はかなり多いです。
付けていないことで、選ばれない可能性が高くなってしまいます。
初期費用は、エアコンと工事費用合わせて最低でも100,000円程度はかかります。
しかし、長い目で見ると、空室期間が少なくなるため、元は取れるといえるでしょう。
5-3.ウォシュレットを取り入れる
ウォシュレット(温水洗浄便座)も人気の設備です。
特に、若い世代は生まれたときからウォシュレットに慣れているため、ついていないと選ばない理由の一つになってしまいます。
家賃が安い物件にはついていない場合も多いため、競合に打ち勝つ事もできるでしょう。
ウォシュレットは、安い製品で10,000円台からあります。
業者に取り付けを依頼すると約10,000円〜、合計30,000円ほどでつけることができるでしょう。
5-4.インターホンをTVモニター付きに変更する
インターホンをTVモニター付きに変更すると、安全性を重視した入居希望者に選ばれやすくなるでしょう。
最近では、宅配業者を装った犯罪も多発しています。
誰が訪れているのか確認できるTVモニターのニーズは高まっているのです。
また、TVモニター付きのインターホンの中でも、次のような機能があるとさらに好評です。
- 録画機能付き
- 宅配ボックスと連動機能
- 管理室と連動機能
- 火災報知設備付き
- 広角カメラ付き
TV付きインターホンの本体は、安い製品で10,000円台から販売されています。
工事費用の相場は約10,000円〜です。
5-5.和室を洋室にする
近年、賃貸物件で和室を希望する人はほとんどいないため、和室がある物件は敬遠されます。
和室をフローリングにリフォームすると、空室対策になるでしょう。
和室からフローリングに変える場合の費用は、材質によりますが、約20万円が相場になります。
また、大きなリフォームができない場合は、琉球畳にするだけでも、新鮮味が出て好評です。
▼琉球畳
琉球畳は、通常畳の半分の大きさで、1枚10,000円程度です。
6畳の場合なら120,000円程度でリフォームすることが可能でしょう。
5-6.宅配ボックスを取り付ける
最近人気の設備として宅配ボックスがあります。
宅配ボックスがあると、在宅していなくても、宅配物を受け取ることができるので、あると好評の設備です。
宅配ボックスの設置台数は、物件部屋数の3割が目安で、10部屋なら3箱程度あればよいでしょう。
ただし、箱のサイズが小さい場合は、大型の荷物が入らず、不満が出る可能性があります。
また、外に設置する場合は、雨などが入りこまないような工夫も必要でしょう。
▼宅配ボックスの例
必要とするボックスの数にもよりますが、3箱タイプで、50,000円程度が相場になります。
5-7.インターネット無料を取り入れる
インターネット無料を取り入れると、入居者に強くアピールすることができるでしょう。
入居者は入居してすぐに無料でネット回線が利用でき、スマホの通信料などを節約できるので、人気のサービスです。
契約会社にもよりますが、月額1,500/戸程度が相場になるでしょう。
5-8.3点ユニットバスをなくす
3点ユニットバス(バス・トイレ・シャワー)は、近年、全く人気がありません。
間取り図を見ただけで選択肢から排除されるため、トイレと浴室を分離するだけでも、空室対策になります。
▼3点ユニットは人気がない
ただし、トイレとバスを別にするのは大掛かりな工事となります。
最低でも600,000円程度かかるので、古い物件では、元を取ることが難しい場合もあるでしょう。
リノベーションが難しい場合は、次のような工夫をすることで、スッキリとした見た目になる可能性があります。
- トイレとバスタブの間に仕切りをつける
- トイレとバスタブを最新のものに取り替える
- 鏡や洗面台を、大きく最新のものに取り替える
- バスタブを取り除いて、シャワー室として独立させる
ネットの賃貸情報にも、きれいな写真をいくつも載せて、忘れずアピールしましょう。
5-9.収納場所を増やす
空室となる理由の一つに「収納場所が少ない」というものがあります。
収納は、間取り図を見ただけで「多いか少ないか」が分かり、少ない場合は候補に入らなくなるのです。
リノベーションが構造的に難しい場合は、置き型収納などを設置して、間取り図に反映すると良いでしょう。
また、昔の「押入れ」タイプも好まれません。
押入れの場合は、クローゼットなどに改造すると、間取り図の印象が良くなります。
置き型収納は種類が多く、安いものでは20,000円程度からあります。
6.空室対策の最終手段!家賃を見直す
これまでお伝えしてきたような対策をしたのにも関わらず、空室が埋まらない場合は、最終手段として家賃を見直すことを考えましょう。
ただし、自分で勝手に決めてしまうのはできるだけ避け、まずは不動産管理会社などに相談してください。
家賃は、一度下げてしまうと、当初想定していた家賃収入が長期間減ることになります。
また、新規入居者だけでなく、ほかの入居者からも「同額に値下げしてほしい」といった希望が出ることにもなりかねません。
ほかの部屋の家賃を下げてしまうと、収益が大きく下がることはもちろん、賃貸物件そのものの資産価値もさがります。
家賃の値下げは、とにかく慎重に行いましょう。
なお、家賃の決め方に関して詳しく知りたい方は「家賃 決め方」の記事を参考にしてください。
7.まとめ
これまで記事を読んでいただき、様々な空室対策について、ご理解いただけたのではないでしょうか。
所有する物件に「使えそう」と思った対策は、ぜひお試しくださいね。
- ネット検索されやすい家賃設定に変更する
- ネットに掲載する写真を刷新する
- 掲載している募集サイトの情報を確認してみる
- 管理会社や仲介業者に改めて相談する
- 管理会社や仲介業者を変更する
- AD(広告費:不動産仲介業者に支払う手数料)を増やす
- 内見してもらいやすくする
- レインズ(REINS)に掲載してもらう
- 物件の魅力が伝わる間取り図をオリジナルで作成する
- メールボックスのチラシが散乱していたら掃除する
- 電球が切れていないか確認して取り替える
- ゴミ出しルールが守られているか確認する
- 敷金・礼金を減らす(ゼロゼロ物件)
- 数カ月間フリーレント(家賃無料)にする
- 新入居応援キャッシュバックを行う
- 家賃逓減サービス(2年毎に家賃を安くして更新するサービス)を取り入れる
- ルームシェア可能にする
- 事務所(SOHO)可能にする
- ペット可能にする
- 外国人可能にする
- クロスを張り替える
- エアコンを取り付ける
- ウォシュレットを取り入れる
- インターホンをTVモニター付きに変更する
- 和室を洋室にする
- 宅配ボックスを取り付ける
- インターネット無料を取り入れる
- 3点ユニットバスをなくす
- 収納場所を増やす
- 空室対策の最終手段!家賃を見直す
ぜひこの記事を参考にして、あなたの物件の資産価値を高め、いつまでも安定した不動産経営を行ってください。
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