「家賃はどうやって決めればいいのだろう…」
「家賃を決めたいけど、何を基準にすればいいのか分からない」
家賃を決めるときは、なんとなく周辺の似たような物件を真似したりしても、本当に自分の物件に合っているのか、何を基準にしていいのか不安になりますよね。
私どもルーム・スタイルが、長年の経験から導き出した「正しい家賃の決め方」は次のとおりです。
この通りに進めていくだけで、できる限り損をしない家賃を、自分で決める事ができます。
しかし、自分一人で家賃を決めるには、限界があります。
高く設定しすぎると、空室が埋まらず、値下げを繰り返す事態に陥ることもあるでしょう。
また、最低限の利益しか入らず、後悔することにもなりかねません。
不動産の利益を最大化させるには、長年その道でノウハウを積み重ねてきた管理会社に相談することも一つの手段です。
そこで、この記事では、ステップに沿って次のことを詳しく解説していきます。
この記事のポイント |
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この記事を読めば、できる限り損失を出さず、収益を最大化できる家賃を決めることができます。
ぜひ最後までお読みになって、賢い不動産オーナーになってください。
目次
1.最低限の家賃設定を確認する
家賃を決める際にまず行うことは、不動産経営に関わる費用を計算することです。
毎月かかる費用(経費)の3~5倍が、目標として設定すべき家賃の目安となるからです。
実際の家賃決定には、近隣物件の相場や、物件のスペックなども加味します。
その前に、最低限の家賃を算出することで、損をするリスクを回避することができるでしょう。
1-1.不動産経営の費用(必要最低経費)の計算
まずは、不動産経営に必要となる費用(必要最低経費)を出しましょう。
一般的に賃貸経営で理想的な経費は、家賃収入の20~30%程度です。
不動産経営の費用=家賃 ✕ 戸数 ✕ 費用割合(20〜30%)
たとえば、10部屋あるアパートで家賃7万円の物件が満室である場合、不動産経営で理想的な経費は次のようになります。
70,000 ✕ 10 ✕ (0.2〜0.3) = 140,000〜210,000
この物件が満室である場合、経費が14万円〜21万円以内に収まっていれば、健全な経営ができているといえるでしょう。
1-2.目標として設定すべき家賃の目安の計算
次に、目標とするべき家賃の目安を計算しましょう。毎月かかる費用の3~5倍が家賃の目安となります。
目標とするべき家賃 = 必要最低経費の3〜5倍
上記の物件の場合は次のようになります。
140,000〜210,000の3〜5倍 = 420,000〜1,050,000
つまり42万円〜105万円が、適切な家賃の範囲ということになります。
同じ物件で、空室がある場合を考えてみましょう。
- 7万円の物件10戸のうち、2部屋が空室である場合必要最低経費:70,000円✕8✕(0.2〜0.3)=112,000〜168,000円
- 7万円の物件10戸のうち、5部屋が空室である場合必要最低経費:70,000円✕5✕(0.2〜0.3)=70,000〜105,000円
このように、経費が必要最低限に収まっていれば、最悪赤字にはなりません。
使える経費が少なくなるほど、不動産価値は下がることに注意! |
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空室があったとしても、経費が必要最低限に収まっていれば、不動産経営は可能といえます。 ただし、使える経費が少なくなるほど、固定された出費の割合が多くなるので、注意が必要でしょう。 |
2.自分の物件スペックをまとめる
目標とする家賃の範囲を把握したら、次に所有する物件のスペックをまとめましょう。
これは、後述の「3.周辺の競合物件の家賃相場を絞り込み、10件程度だす」で、競合する類似物件の家賃を検索するために使いますが、さほど細かくする必要はありません。
チェックするべき項目は次のとおりです。
住所(エリア) | |
構造 |
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間取り/平米 | |
階数 | |
築年数 | |
設備 |
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契約の種類 | 普通or定期 |
用途 | 住居or事務所 |
最寄駅(徒歩何分) | |
プラス・マイナスになる要素 | <プラスの要素>
<マイナスの要素>
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3.周辺の競合物件の家賃相場を絞り込み、10件程度だす
物件情報をまとめたら、不動産ポータルサイトSUUMOなどを使用して、周辺の競合物件の家賃相場を絞り込み、10社程度だします。
競合物件の家賃は、時期によって変動することもあるので、現在募集がかかっている物件を選択しましょう。
まずは近隣で、家賃設定が似ている物件を検索します。
検索結果(競合物件)が数百件以上出てくる場合は、階数や築年数など所有物件と同じ条件を少しずつ足し、50件くらいになるまで、絞り込みを繰り返しましょう。
絞り込みを行う条件は、次を参考にしてください。
▼競合物件となる条件
- 同じ階数(なければ近い階数、1〜2階程度)
- 近い築年数
- 同じ間取り
- 最寄駅に徒歩で着く時間が±3〜5分
- 同じ種類、構造(例:アパート・木造)
- 同じエリア(競合が多いエリアでは、◯丁目単位で絞り込む)
▼実際の絞り込み(条件指定)の画面
出典:SUUMO
最終的に、自分の物件と近い条件の物件を10件程度出し、Excelなどで一覧表にまとめます。
作り方は下記を参考にしてください。
▼Excel記入例
4.競合物件のデータを元に基準の家賃を出す
次に、上記で作成した競合物件の一覧表を使って、自分の物件の基準価格をだしましょう。
やることは次の2つです。
- 競合物件の平米単価(建物の床面積1㎡あたりの家賃)を出す
- 自分に一番近い物件の賃料もみて自分の物件の基準価値を出してみる
4-1競合物件の平米単価を出す
まずは、競合の10件全部の平米単価(建物の床面積1㎡あたりの家賃)を出しましょう。
家賃を専有面積(㎡)で割ると、単価がでます。
平米単価 = 家賃 ÷ 専有面積
たとえば、10万円で20平米の物件なら、次の計算になります。
100,000 ÷ 20 = 5,000
つまり、平米単価は5,000円となります。
これを元に、近隣エリアの平均平米単価を出しましょう。
10件分の平米単価を全部足して、10で割ると、平均平米単価になります。
▼Excelを利用して単価を出した例
他にも、家賃や築年数、駅徒歩などの平均値も出しておくと、比較参考の一つになります。
4-2.自分に一番近い物件の賃料もみて自分の物件の基準価値を出してみる
次に、自分の物件の平米単価も計算して、平均単価や、一番近い物件の賃料と比較し、判断します。
検討する項目は、次のようなものです。
- 自分の物件の家賃は他と比較して妥当か
- 平米単価は妥当か
- 管理費などは高すぎないか
- 近隣物件の敷金・礼金状況はどうか
- 自分の物件の立地(駅近など)はどうか
これらを考慮した上で、自分の物件の基準価格を出してみましょう。
5.出した基準価格を元に家賃のプラス・マイナス要素を考慮する
上記で出した基準価格を元に、プラスやマイナスの要素を考慮して実際の家賃を設定してみます。
▼家賃にプラス可能な要素
階数 | <2Fを基準とした場合> 1Fだと−2,000円 2Fより1F上がるごとに+1,000円 |
インターネット 無料 | +3,000円 |
ペット可 | +3,000円〜5,000円 |
角部屋 | +1,000円〜2,000円 |
和室 | −5,000円 |
日当たり | 南向きで眺望が良い場合などは+1,000円〜2,000円 日当たりが悪い場合は−1,000〜2,000円 |
駅徒歩 | 平均徒歩分数より近い場合は+1,000円〜2,000円 駅から遠い場合は−1,000円 ※ただし、平均徒歩分数が5分以内の場合は考慮しない |
※コンビニやスーパーが近くにある場合はさらに+可能
ライバル物件に勝る条件が多い場合は、1,000円単位で金額をアップします。
反対に、ライバル物件に勝る条件が少ない場合は、1,000円単位で家賃を下げて調整してきます。
一番重要なのは、所有する物件より有利な条件の物件がある場合は、そこよりも低く設定するということです。
そちらに入居者が流れてしまい、自分の物件に内覧すら来てくれなくなる可能性もあるからです。
なお、設備や立地で敵わないなら、入居条件などを緩和したり、付加価値を高めたりすることで家賃を下げずに済む場合があります。
付加価値を高めることで、家賃を下げずに済む! |
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近隣物件と比較して、施設や立地で負けても、家賃を下げたくない場合もありますよね。 次のような対策を取ることで、ライバル物件と差別化を図り、入居希望者を集めることができます。 <入居条件を緩和する>
<リフォームやリノベーションで付加価値を高める>
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6.設定した家賃で収益がマイナスにならないかシミュレーションする
実際に、上の章で設定した家賃で、収支がマイナスにならないか、シミュレーションをしてみましょう。
シミュレーションを行うには、「1.最低限の家賃設定を確認する」で出した、「目標とする家賃の範囲内」であるかを確認し、さらに実際の借入金(ローン)などを考慮します。
▼家賃9万円とした場合のシミュレーション例
- 物件価格:2,000万円(頭金:500万円)
- 借入額・借入条件:1,500万円・金利2.5%
- 借り入れ期間:30年ローン
- 返済額7万1,000円
- 賃料収入:月額90,000円
- 修繕費用積立金:月額5,000円
- 建物管理費:月額5,000円
- 年間収入:24万8700円
※分かりやすく示すため、数値は概算です。
参考:keisan「不動産投資シミュレーション」
上記の物件では、年間収入が24万8700円となりました。
これに加え、次のような費用がかかることを考えて、家賃が適正であるか、損をしないかを判断し、家賃を決定しましょう。
▼不動産投資でかかる主な費用
- ローン
- 固定資産税
- 各種保険
- 入居時の仲介手数料
- 退去時のクリーニング代金
- 突発的な修繕費用 など
7.収益を最大化させたいなら迷わず不動産管理会社に相談しよう
ここまでの解説で、所有する物件の家賃の決め方が、お分かりになったのではないでしょうか。
しかし、ご紹介した方法は、ある程度適切な家賃を算出することができますが、あくまで個人でできる範囲と考えてください。
収益を最大化できる明確な家賃設定をしたいなら、迷わず不動産管理会社に相談しましょう。
実際に不動産管理会社等が家賃を決める場合は、上記に加え、過去数年間のデータや、レインズなど不動産関係者しか見ることのできないデータを駆使して決定します。
賃貸市場のニーズや動向なども加味して家賃を設定するので、収益性が良くなるだけではなく、空室リスクも限りなく少なくなるでしょう。
その他にも、不動産管理にまつわる様々なことをおまかせできます。
▼不動産管理会社が行ってくれること
- 入居者募集
- 賃貸借契約の締結・更新
- 家賃の回収
- 滞納者への督促解約手続き
- 退去時の立会い
- 法定点検
- トラブル・クレーム処理
- 物件の清掃
- 室内クリーニング
- リフォーム・リノベーションの提案、手配
物件の収益を最大化するならルーム・スタイルにお任せください! |
不動産投資の家賃設定・賃貸管理なら、私たちルーム・スタイルにお任せください。 成約率は年間平均98%、客付け速度は平均1ヶ月。※専任媒介契約の場合 たとえば、家賃78,000円の物件戸数が10部屋の物件を、自分で管理する場合と、弊社に依頼した場合を比較してみましょう。 <自分で管理>手数料0% 家賃80,000円 入居者7部屋→56万円(利益) これを1年で比較すると、差し引き20,320×12=243,840円も変わるのです。 低コストでありながら、空室リスクがほとんど無いため、収益を最大化することが可能になるでしょう。 また、ルーム・スタイルの総合管理プランは 3.0%(税込)。 オーナー様の大切な不動産を、心をこめて管理するルーム・スタイルにお任せください! |
8.まとめ
ここまでお読みになり、所有する物件の家賃の決め方が、よくお分かりになったのではないでしょうか。
家賃の決め方は下記のとおりです。
- 最低限の家賃設定を確認する
- 自分の物件スペックをまとめる
- 周辺の競合物件の家賃相場を絞り込み、10件程度だす
- 競合物件のデータを元に基準の家賃を出す
- 出した基準価格を元に家賃のプラス・マイナス要素を考慮する
- 設定した家賃で収益がマイナスにならないかシミュレーションする
自分で決めるのは難しい、明確な家賃設定がしたいと思うなら、不動産管理会社に相談するとよいでしょう。
この記事を参考にして、収益を最大化できる最適な家賃を決められることを願っています。
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