賃貸管理手数料の相場は?金額に幅がある理由と損しないための注意点

「賃貸管理手数料って、どれくらいかかるもの?」
賃貸経営に取り組む方にとって、賃貸の管理手数料は重要な検討事項です。

継続的に生じるランニングコストですから、不当に高すぎる金額なら損失となります。

一方、管理手数料が安すぎるのも、問題です。肝心な“管理の質”が落ちれば、トータルで見たときに、大きく損する可能性が高いためです。

賃貸の管理手数料は、“管理の質に対するコストパフォーマンス” を、賢く見極める必要があります。

本記事では、賃貸の管理手数料に関して、相場や基礎知識、損しないための注意点を解説します。

管理手数料を深く知れば、物件を効率的に管理し、収益性の最大化が可能です。さっそく、見ていきましょう。

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1. 賃貸管理手数料の相場

最初に、賃貸管理手数料の相場について、確認しておきましょう。

1-1. 賃貸管理手数料の相場は総賃料の5%前後

賃貸管理手数料(管理委託費ともいいます)の相場は、総賃料の5%前後です(東京近郊の場合)。

総賃料とは、毎月、入居者が支払う家賃に管理費・共益費なども含めた総額のことです(町会費なども、毎月家賃と一緒に支払っているものは、すべて合計すると考えます)。

たとえば、「家賃9.5万円・共益費5,000円」で、入居者が毎月10万円を振り込みしている場合、総賃料は《10万円》となります。

賃貸管理手数料が5%の場合、《10万円 × 5% = 5,000円》が、オーナーが管理会社に支払う賃貸管理手数料です。

後述しますが、賃貸管理手数料の金額に大きな影響を与えているのは、サービス内容(とくに付帯する保証の内容)です。

1-2. 空室期間は賃貸管理手数料はかからない

賃貸管理手数料は、その物件に居住者がいる間の管理業務に対して支払う費用です。よって、居住者がいない空室期間中には、賃貸管理手数料は発生しません。

一般的には、管理会社が入居者から賃料の集金を行い、管理手数料を差し引いた金額をオーナーへ送金します。

1-3. 賃貸管理手数料以外のコストと相場

賃貸管理手数料以外に、管理会社に支払う主要なコストとしては、以下があります。

  • 募集業務手数料:入居者のあっせん、契約書作成、契約締結を行う際の手数料。相場は賃料の1〜2ヶ月分。
  • 退去立会い料:入居者退去の際に、部屋の状態を立ち会い確認し、原状回復の内容や費用負担を合意する業務。相場は1回1〜2万円程度。
  • 移管手数料:管理会社を変更する際に、引継ぎ作業や入居者への通知などの業務を行う際の手数料。相場は総賃料の0.5ヶ月分程度。

また、建物管理(法定点検・定期清掃・定期巡回など)は、上記とは別に費用が生じます。建物の規模や戸数によって異なりますが、こちらも総家賃の5%程度が相場です。

ここまでの話をまとめておきましょう。

項目相場
賃貸管理手数料(管理委託費)総賃料の5%
募集業務手数料賃料の1〜2ヶ月分
退去立ち会い料1〜2万円
移管手数料総賃料の0.5ヶ月分
建物管理費(設備管理費)総賃料の5%

2. 賃貸管理手数料の大きな違いは「保証」と「管理の質」

最近では、管理手数料が相場よりも極端に安い管理会社や、「ゼロ円」をアピールする管理会社が出ています。

どのような仕組みで金額が決まっているのかといえば、とくに大きな影響を与えているのが「保証」「管理の質」です。

2-1. 保証が手厚いほど管理手数料は高額になる

まず、原則として「保証が手厚いほど、管理手数料は高額になる」と考えてください。

具体例を挙げると、弊社ルーム・スタイルの「管理手数料 = 総賃料の3%(税込)」のプランでは、以下の保証が付帯しています。

1. 滞納保証万一、賃料等の滞納があった際でも、弊社からオーナー様への送金を止めることはございません。賃貸中ずっと安心して管理をさせていただきます。

2. 更新料保証万一、更新時に賃借人様から更新料の支払いがない場合でも、オーナー様ご取得分の更新料を保証いたします。

3. 死亡保証居室内で賃借人様の孤独死、自殺、犯罪死が発生した場合の損害を補償いたします。

4. 原状回復保証賃借人様の入れ替え時に行う原状回復工事の内、賃借人様負担分の支払いがない場合でも、その費用を保証いたします。

5. 早期解約違約金保証建物賃貸借契約書に早期解約義務違反の特約がある場合は、賃借人様が負担すべき違反金を保証いたします。

6. 明渡訴訟費用保証建物賃貸借契約解除に関わる通知費用、支払督促、訴訟など法的手続に必要な費用を保証いたします。

さらに、管理手数料が総賃料の4%(税込)のプランになると、「設備保証」が追加されます。弊社の設備保証は、「1工事・5万円(税込)まで無料」というものです(各種要件あり)。

2-2. 管理手数料3%と4%のプランの比較シミュレーション

総家賃10万円(年間120万円)の物件で、シミュレーションしてみましょう。

  • 管理手数料 3% の場合:3.6万円/年(設備保証なし)
  • 管理手数料 4% の場合:4.8万円/年(設備保証あり)
  • 差額:1.2万円

上記のとおり、管理手数料が3%と4%では、年間1.2万円の差があります。

修繕工事が発生しなかった場合は、管理手数料3%のほうがお得です。

しかしながら、差額以上の修繕工事が発生した場合は、1工事5万円まで無料となる管理手数料4%のほうがお得となります。

2-3. 「管理の質」とは何か

「保証内容」と並んで、管理手数料の金額に大きく影響するのが、「管理の質」です。

基本的に、ハイクオリティな管理サービスを求めるほど、管理手数料は高額となります。逆に、管理の質を落とせば、管理手数料は抑えやすいといえます。

ここでいう「管理」に含まれる業務の一例を挙げると、以下のとおりです。

  • 入居者の募集・審査
  • 賃貸借契約書の作成
  • 契約の締結
  • 家賃集金
  • クレーム対応
  • 設備の故障対応
  • トラブル処理
  • 更新業務
  • 退去時の立ち会い
  • 原状回復工事
  • 内装リフォームの提案
  • 確定申告のサポート
  • その他各種戦略の立案

上記のすべてが提供される管理会社・プランもあれば、一部のみの場合もあります。

【参考・ルーム・スタイルのサービスイメージ】

「質が高い/低い」の違いについては、たとえば以下があります。

サービス項目◎質が高い△質が低い
入居者の募集客付け力に強みがあり、スピーディに入居者が決まる入居者がなかなか見つからずに、空室期間が長くなる
入居者対応24時間緊急対応サービスあり対応時間が短い、定休日が多い
経営サポート中長期的な視点で戦略のアドバイスを行う戦略のアドバイスはしない、または値下げなどの短期的なアドバイスのみ

2-4. 管理手数料が安すぎると結局は損することが多い

上記のとおり、管理手数料の割合だけでは、どの管理会社・どのプランのトータルコストが安いのか、一概に断定できないことがおわかりいただけるかと思います。

大局的に見ると、管理手数料が安すぎると、結局は損することが多いため、ご注意ください。

というのは、そもそも賃貸経営には、さまざまなリスクが付きものだからです。

賃料の滞納、夜逃げ、設備の突発的な故障、入居者同士のトラブル、経年による価値低下など、リスクゼロの賃貸経営は存在しません。

一定の管理手数料は、リスク対策として機能します。よって、管理手数料が安すぎることは、リスク対策が手薄になることを意味します。

では、賃貸管理手数料は、どのように判断すればよいのでしょうか。次のセクションで、詳しく解説します。


3. 賃貸管理手数料のチェックポイント

賃貸管理手数料を判断するとき、チェックしたいポイントとして、以下が挙げられます。

  1. リスク許容度と保証サービスのバランス
  2. 空室期間の短縮
  3. コストダウンの努力

それぞれ見ていきましょう。

3-1. リスク許容度と保証サービスのバランス

1つめのチェックポイントは「リスク許容度と保証サービスのバランス」です。

先ほど、“賃貸経営にリスクは付きもの” とお伝えしました。

どの程度までのリスクなら、自分で吸収できる体力(キャッシュ)を保有しているのか、リスク許容度を確認しましょう。

そのうえで、自分に必要な保証サービスを明確にして、自分に合うサービス内容を選ぶようにします。

たとえば、
「修繕工事が生じたとき、全額を自力で対応するのは難しい」
という状況であれば、設備保証のあるプランを選び、管理手数料は必要経費として割り切るほかありません。

民法は、〈賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。〉(民法606条)と定めており、設備故障に対応しない選択肢はないからです。

3-2. 空室期間の短縮

2つめのチェックポイントは「空室期間の短縮」です。

《賃貸管理手数料の相場は5%》とお伝えしましたが、仮に空室が1ヶ月延びると、単純計算で20ヶ月分の賃貸管理手数料分の利益が飛んでしまいます。

大局的に見ると、賃貸管理手数料の割合より、収益に大インパクトを与えるのは「空室期間」です。

以下は、株式会社タスが公表しているデータですが、募集期間(≒空室期間)の平均は、〈東京都で4.55ヶ月〉です。

※募集期間(Downtime)
成約した物件の平均募集期間を示します。民間住宅情報会社に公開された情報を用いて、下記の計算式で求められます。
募集期間=Average(成約日-募集開始日)
出典:株式会社タス「2023年11月 首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版」より作成

「どれだけ空室期間を短縮できるか?」という視点で、賃貸管理会社のサービス内容を検討することが、非常に大切です。

たとえば、弊社ルーム・スタイルの事例をご紹介すると、〈募集から入居者決定までの平均日数は、約1ヶ月〉です(専任媒介の場合)。

賃貸管理費用がどれだけ安くても、入居者が決まらないことには収益はゼロです。

「投資してリターンを得る」という経営の基本原則からいえば、収益を得るための必要投資としての賃貸管理費用は、省くべきではないといえます。

3-3. コストダウンの努力

3つめのチェックポイントは「コストダウンの努力」です。

提供サービスを減らしたり、サービスの質を落としたりすれば、コスト削減になるのは当然です。

一方、質を維持しながら、コストダウンの努力をしている管理会社か否かを見極めることで、管理手数料のコストパフォーマンスを評価できます。

コストダウンの努力としては、以下が挙げられます。

  • 積極的なDX化によって、無駄を減らしている
  • グループ会社との連携によって利益率を向上させ、オーナーに還元している
  • 賃貸から売却までの一貫したサポートで、業務を効率化している
  • 賃貸管理の優れたノウハウを保有しており、効率的に結果を出せる体制が整っている

賃貸管理手数料を確認する際には、その管理会社がどのようにコストを削減し質を維持しているのか、理解することが役立ちます。


4. 賃貸管理手数料で損しないための注意点

最後に、賃貸管理手数料で損しないための注意点をお伝えします。

  1. 管理手数料“無料”のプランは慎重に検討する
  2. 囲い込みをしない管理会社を選ぶ

4-1. 管理手数料“無料”のプランは慎重に検討する

1つめの注意点は「管理手数料“無料”のプランは慎重に検討する」です。

近年、「管理手数料無料、0円」とアピールする管理会社が増えています。

「管理手数料の安さだけで、管理会社を選ばないほうがよい」という前提に立つと、要注意といえます。

管理手数料無料のカラクリとして多いのは、入居者の仲介手数料や保険代理店としての手数料で収益を上げているケースです。

賃貸管理業が本業ではなく、仲介業や保険代理業が本業の会社が行っているケースも少なくありません。

おのずと賃貸管理の質は落ちやすいので、その選択が本当に適切か、十分に検討する必要があります。

4-2. 囲い込みをしない管理会社を選ぶ

2つめの注意点は「囲い込みをしない管理会社を選ぶ」です。

囲い込みとは、管理会社が意図的に “両手仲介”(貸主・借主の双方の仲介をする)を狙うための手法です。

囲い込みでは、入居者募集を依頼された物件情報を、他社に公開せず、自社の独自ルートでしか契約できないようにします。

囲い込みをして、両手仲介で契約を成立させると、管理会社は貸主・借主の双方から仲介手数料を受領できます。

しかしながら、賃貸オーナーの立場から見ると、囲い込みは大きな機会損失です。情報が広く公開されないために、空室期間が長引くリスクがあるためです。

情報公開したうえで、結果として管理会社の独自ルートで入居者が見つかった場合は問題ありません。しかし、意図的に囲い込みをする管理会社は、オーナー目線で考える誠実さに欠けます。

前述の「管理手数料無料」のケースとも通じますが、極端に安い手数料を提示している会社は、囲い込みのような強引な手法で売上獲得しているケースがあります。ご注意ください。

Webサイトなどで「囲い込みはしない」と、明確に宣言している管理会社を選びましょう。明記されていない場合は、担当者に直接確認することをおすすめします。


5. 賃貸管理手数料のコスパを求める方へ

「賃貸管理の質は落としたくないけれど、できるだけリーズナブルな管理会社を選びたい」
という方は、弊社ルーム・スタイルを候補としてご検討ください。

【ルーム・スタイルの強み】

  • 60万PV超えの自社サイト経由で、早期客付を実現
  • ポータルサイト掲載ノウハウがあり、物件の魅力を最大訴求
  • 有人店舗の顧客ルート、大手法人企業との強固なつながり
  • 囲い込みは一切なし

本文中でもご紹介しましたが、弊社では管理手数料3%または4%と、相場よりもリーズナブルな価格でご提供しています。

ただし、リーズナブルでも粗悪な管理では意味がありません。ルーム・スタイルでは独自開発のシステムで 効率化を行う「高品質な管理を保ちながら管理手数料を下げる努力」をしております。

詳しくはこちらのルーム・スタイル 詳細ページより、ご確認ください。


6. まとめ

本記事では「賃貸管理手数料」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

  • 賃貸管理手数料の相場は総賃料の5%前後
  • 空室期間は賃貸管理手数料はかからない

賃貸管理手数料の大きな違いは「保証」と「管理の質」です。

  • 保証やサービスが手厚いほど管理手数料は高額になる
  • 管理手数料が安すぎると結局は損することが多い

賃貸管理手数料のチェックポイントとして、以下をご紹介しました。

  • リスク許容度と保証サービスのバランス
  • 空室期間の短縮
  • コストダウンの努力

賃貸管理手数料で損しないための注意点は、以下のとおりです。

  • 管理手数料“無料”のプランは慎重に検討する
  • 囲い込みをしない管理会社を選ぶ

あらかじめポイントを押さえることで、適切な管理会社を選ぶ一助となれば幸いです。

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