「自主管理で大家が客付けするのって、実際どうなの?やってみれば意外とできるものかな」
「客付けを大家自身ですれば、コストカットできるよね!可能ならやりたいけど、私に自主管理は向いてる?」
物価高による物件の維持・管理コストの高さや、いざ大切な物件を預けるか悩むとき、できれば自主管理で自ら客付けしたいと考える方は多いでしょう。
結論をお伝えすると、自主管理で大家自身による客付けはできますが、一般的ではなくハードルが高いといえます。
というのも、自主管理による客付けでは以下の工程をすべて大家自ら行わなければならず、大きな手間や労力がかかるためです。
こうした対応を自身で行うには、契約の締結に関する専門知識も必要になります。
また、入居審査においてリスクの高い入居者を許可してしまい、結果的にほかの入居者の退去や大きなトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
このようにハードルが高いため、自主管理で大家が客付けしているケースは、賃貸経営をしている人のおよそ2割にとどまっています。
参考:国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケト調査<結果概要>」
ただ、逆に言えば「2割のオーナーは自分で客付けをやっている」ということです。
つまり、客付けを自らやっていく適正さえあれば、決して自分でできないということはありません。
そこで本記事では、あなたが自主管理で大家自ら客付けできるか否か判断できるよう、一連の流れやメリット・デメリットなどをお伝えします。
本記事でわかること |
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・自主管理による客付けは一般的におこなわれているかわかる ・自主管理で大家自ら客付けする一連の流れが理解できる! ・自主管理で大家が客付けするメリット・デメリットがわかる ・自主管理で大家自らの客付けが自分に合っているか判断できる! ・自分が自主管理に向かないと感じたときの選択肢がわかる! ・自主管理で客付けを大家自らやるべきか決められる |
当然ながら、読み進めていくなかで自分に客付けは向いてないと感じることもあるかもしれません。
自主管理で大家自ら客付けしない場合、どのように客付けしていくべきかについても当記事では詳しくお伝えしますので、ぜひこのまま読み進めて今後の方向性を的確に判断しましょう。
目次
- 1. 自主管理で大家自ら客付けできるが委託管理を選ぶ人が多い
- 2. 自主管理で大家自ら客付けする一連の流れ5STEP
- 2-1. STEP1|入居者募集
- 2-2.STEP2|内見案内
- 2-3. STEP3|入居審査
- 2-4. STEP4|契約
- 2-5. STEP5|鍵の引き渡し
- 3. 自主管理で大家が客付けするメリット
- 3-1. 費用を抑えられる
- 3-2. 入居者を自分で選べる
- 3-3. 賃貸経営のノウハウを身につけられる
- 4. 自主管理で大家自ら客付けするデメリット
- 4-1. 手間や労力がかかる
- 4-2. 入居者獲得の機会が狭まる
- 4-3. 専門的な知識が必要になる
- 4-4. トラブルにつながるリスクを常に考える必要がある
- 5. 自主管理で大家自らの客付けが向いている人・向かない人
- 6. 自主管理で大家自らの客付けに限界がある場合の選択肢
- 6-1. 仲介会社へ依頼
- 6-2. 【おすすめ】管理会社へ依頼
- 7. まとめ
1. 自主管理で大家自ら客付けできるが委託管理を選ぶ人が多い
自主管理で大家自ら客付けすることはできますが、一般的ではありません。
以下は、令和元年に国土交通省が実施した賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査です。
参考:国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査<結果概要>」
大家自ら客付けするケースは、賃貸経営をおこなう人のおよそ2割にとどまっていることをグラフからおわかりいただけるでしょう。
現実的には賃貸管理会社による委託管理を選択する方が多く、客付けのほかにも入居者対応や清掃・修繕などの業務も、すべてもしくは一部を任せています。
大家業を営む方が賃貸管理会社を活用する理由には、以下が挙げられています。
自分で客付けせず、賃貸管理会社を活用する理由 |
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・自身の賃貸契約および管理に関する専門知識が不足している ・自らおこなうより委託するほうが結局効率的だから ・契約更新・終了時のトラブルをなくしたい ・細やかな入居者管理をおこなう時間的余裕がないから ・自らおこなうよりも委託するほうが高い水準で管理できる |
参考:国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査<結果概要>」
次の章「自主管理で大家自ら客付けする一連の流れ5STEP」でお伝えしますが、大家自ら客付けする場合は、募集作業から内見案内・契約書類の準備などさまざまな業務が発生します。
そのため専門知識がある賃貸管理会社へ委託してトラブルなく効率的に進めたいと考える方が多く、自主管理で自ら客付けするケースは少ないといえます。
2. 自主管理で大家自ら客付けする一連の流れ5STEP
ここまで、自主管理で大家自ら客付けするケースは多くないことをおわかりいただけたでしょう。
とはいえ自主管理による客付けがどのようなものなのか、詳細を知ったうえで、大家自らは難しいのか判断したいですよね。
自主管理で大家自ら客付けする一連の流れは、以下5つのSTEPです。
順番に詳細を解説します。
2-1. STEP1|入居者募集
客付けするにはまず入居者を募集する必要があり、大家自らできる方法はおもに以下4つが挙げられます。
・不動産情報サイトに掲載 ・入居者募集の貼り紙やチラシを掲載 ・SNSの活用 ・既存の入居者や知人の紹介 |
入居者の募集方法に合わせて以下のような物件情報を、写真や動画を活用しながらわかりやすく伝えてアピールしていきます。
・間取り図 ・外観 ・室内 ・周辺環境 |
各募集方法にどのような特徴があるのか、順番に見ていきましょう。
2-1-1. 不動産情報サイトに掲載
多くの人が部屋探しをインターネットでおこなうため、不動産情報サイトに掲載する入居者募集方法は有力です。
ただしSUUMOや東急リバブルなど、ポータルサイトへの物件情報の掲載は不動産会社だけに限られ、自主管理する大家にはできません。
「ウチコミ」や「ジモティー」のような、自主管理をする大家が利用できる不動産情報サイトを活用してください。
また株式会社SIREが提供する「ECHOES」を利用すると、不動産会社でなくても自主管理する大家自らが複数の大手の不動産ポータルサイトへ広告を出稿できるため、検討してもいいでしょう。
入居者候補者が現れたときは大家自ら直接連絡をとるケースもあれば、情報サイトが提携している仲介業者が一部対応してくれるケースもあり、不動産情報サイトによって異なります。
利用料に関しても幅が広く、無料から1部屋いくらと決まっているサイトまでさまざまなので、自分の予算感や手間の度合いなどに合った不動産情報サイトを選ぶといいでしょう。
2-1-2.入居者募集の貼り紙やチラシを掲載
物件情報を記載した入居者募集の貼り紙やチラシを掲載して、入居者を募集する方法です。
たとえば物件の入り口付近のような目立つ場所や公共施設・大学など需要のありそうなところに掲載してアピールします。
物件情報に写真がなく文字ばかりだったり、情報量が少なかったりすると入居候補者は現れにくくなります。
また小さな文字では見にくいため、文字の大きさやデザインに気を配りながら、写真をふんだんに使って物件の魅力を伝えられる広告にしましょう。
2-1-3.SNSの活用
とくに10代や20代など若い世代の利用率が高いSNSは、画像だけでなく動画も流せるため、物件情報を伝えやすいおすすめの方法です。
また利用料がかからない点もメリットといえ、できるだけ費用をかけずに入居者を募集したいときの選択肢に入れるといいでしょう。
SNSを活用して入居者を募集する場合はハッシュタグ(#)をうまく活用すると、関連する賃貸物件を探している入居候補者へ直接PRできます。
注意点として、ほかのユーザーの新たな投稿によって入居者を募集した投稿は埋もれてしまいやすくなります。
SNSを活用する場合は、定期的な発信を怠らないようにしてください。
2-1-4. 既存の入居者や知人の紹介
既存の入居者とコミュニケーションが取れている方や、交友関係が広く知人が多い方は入居候補者を紹介してもらう方法があります。
たとえば卒業を機に退去する学生であれば、後輩を紹介してもらえるかもしれません。
引っ越しを検討している人がいないか知人へ聞いてみると、所有物件が条件に合う可能性もあるでしょう。
信頼できる入居者や知人の紹介であれば、入居後のトラブルが発生するリスク軽減を期待できます。
紹介してもらえた場合はギフトカードや商品券などを渡して、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
2-2.STEP2|内見案内
入居者募集をかけて、内見希望者が現れたら内見案内をします。
物件の外観から内観まで、以下のようなポイントを確認しながら入居候補者と一緒に見ていきます。
・間取り ・汚れや傷 ・収納スペース ・水回りの水圧 ・セキュリティ ・日当たり ・携帯電話の電波状況 ・周囲の騒音や物件の遮音性 |
内見中はつい詳しく伝えたくなりますが、入居候補者の邪魔をしないよう配慮し、積極的な声かけを避けてください。
また、質問をされたときはできるだけ迅速に答えることが重要です。
とくに以下のような周囲の環境に関する質問は聞かれるケースが多いため、事前に把握しておきましょう。
・コンビニやスーパーまでの距離 ・電車やバスなどの交通手段 ・周辺の治安 ・交通面の安全状況 ・公共施設までの距離 |
内見中に答えられない質問がある場合は、曖昧にしてしまうと入居候補者の不安をあおってしまうので、いつまでに回答できるか目安の日にちを伝えることをおすすめします。
2-3. STEP3|入居審査
入居候補者から申し込みがあれば、収入証明書や身分証明書などを取得して入居審査へ進みます。
このときもし広告を出しているなら、ほかの不動産会社に入居審査中であることを連絡しておかないと、別の入居候補者が現れたときに優先順位を巡るトラブルに発展する可能性があるので注意してください。
家賃滞納やトラブルなどを防ぐためにも入居審査は重要な項目といえ、以下のような入居候補者はリスクが高いので避けることが望ましいでしょう。
・家賃に対して収入が不足している ・勤続年数が極端に短い ・保証人がいない |
大家だけの目で見ても判断が難しいので、賃貸保証会社も合わせて利用すると安心です。
家賃や共益費・更新料などの費用が滞納されたとき、入居者の代わりに保証会社が立て替えてくれます。
保証会社を利用するときにも審査があり、入居者に支払い能力があるかチェックするので、大家だけで確認するよりもリスクを軽減させられます。
とはいえ支払い能力があっても家賃を滞納せず、近隣住民とのトラブルを起こさない入居者であるかは、保証会社にはわかりません。
最終的には、大家自身の目で見て入居の可否を判断するしかないでしょう。
2-4. STEP4|契約
入居審査に通った入居者と、契約をします。
契約は口約束でも成立しますが、居住後のトラブルを防ぐためには賃貸借契約書を交わしましょう。
賃貸借契約書には、以下のような項目を記載します。
・物件の名称・所在地 ・「居住」や「事務所」など物件の使用目的 ・契約期間・更新 ・家賃や共益費などの金額 ・家賃の支払い時期・方法 ・入居者の情報 ・貸主および管理業者の情報 ・解約通知の方法 ・違約金 ・特約事項 |
賃貸借契約書は大家自ら作成できますが、法的効力のある書類のため、不利な項目や曖昧な箇所がないようくまなくチェックしてください。
最低限の内容しか記載されていない賃貸借契約書を作成してしまうと、トラブルが発生したときに想定外の損害を被る可能性は否定できません。
自主管理の場合は不動産や法のプロに確かめてもらわずに進めると、不備に気づかず契約が成立してしまうこともあります。
賃貸借契約書の作成が不安な場合は、弁護士や司法書士へ代行依頼できるほか「6.自主管理で大家自らの客付けに限界がある場合の選択肢」でお伝えする不動産のプロの利用を検討しましょう。
2-5. STEP5|鍵の引き渡し
最後は、入居者に鍵を引き渡して終了です。
入居者が気持ちよく住み始められるよう、事前にマンションの傷や汚れなどを確認しながら、室内を掃除・点検しましょう。
傷や汚れを把握した箇所については、鍵を引き渡すときに共有します。
口頭で伝えてしまうと原状回復に関する「言った、言わない」のトラブルが発生しかねないため、写真で残して共有しておくと未然に防げます。
3. 自主管理で大家が客付けするメリット
ここまで、大家が自主管理で客付けする手順について解説しました。
事前準備や細かな作業が必要な客付けですが、以下のような自主管理で大家自らおこなうメリットもあります。
・費用を抑えられる ・入居者を自分で選べる ・賃貸経営のノウハウを身につけられる |
順番に見ていきましょう。
3-1. 費用を抑えられる
自主管理で大家自ら客付けする何よりものメリットは、費用を抑えられることです。
客付けを自分でおこなわず、不動産会社や賃貸管理会社などへ依頼する場合は、以下のような費用がかかります。
費用目安 | 賃料10万円の物件1戸の場合 | 賃料10万円の物件3戸の場合 | |
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仲介手数料 | 賃料1か月分が上限 | 10万円 | 30万円 |
広告料 | 賃料1〜2か月分 | 10〜20万円 | 20〜60万円 |
賃貸管理料 | 賃料の5%前後 | 5,000円 | 15,000円 |
不動産会社や賃貸管理会社などへ客付けを依頼すると、たとえ10万円の物件1戸であっても数十万単位の多額の費用が発生します。
入居者の入れ替わりが激しいほど短期間でさらに費用がかさむため、大家にとって大きな負担となります。
しかし自主管理の場合はこれらの費用をカットできるので、客付けを自分でできると大きな節約が可能です。
3-2. 入居者を自分で選べる
自主管理で客付けをすると、大家自らの目で入居者を見て入居の可否を決められます。
自身が所有する大切な物件には、信頼できる人に入居してほしいですよね。
不動産会社や賃貸管理会社などへ客付けを依頼すると、どのような人が入居してくるかは基本的にわかりません。
たとえば、喫煙者やペットを所有している人を客付けされ、部屋が汚れてしまうケースを想定できます。
価値観の違いによるマナーの低下から、トラブルに発展するリスクもあるでしょう。
場合によっては住民間でトラブルが起こり、ほかの入居者の退去につながるかもしれません。
しかし大家自身が客付けすると入居者を選別できるので、安心して入居を許可でき、結果的に安定した収益を得られます。
入居者を自分の目で見て選べる点は、自主管理による客付けを選択する大きなメリットです。
3-3. 賃貸経営のノウハウを身につけられる
自主管理で大家自ら客付けをすると、賃貸経営のノウハウを身につけられます。
不動産会社や賃貸管理会社などへ客付けを依頼すると、どのような業務にどれだけの時間やコストがかかるのか、根本的に理解することは困難です。
しかし入居者募集~引き渡しまでの流れや必要な書類の準備など、一通りの過程を自分でこなしていくと、不動産管理に必要な経験を積みながらノウハウを習得できます。
ときには失敗しながらリスクを回避する方法を覚えることで、安定した賃貸経営につながるでしょう。
また、いずれ賃貸経営の規模が拡大していけば、不動産会社や賃貸管理会社へ委託管理することになるかもしれません。
ノウハウが身についていると、これまでの経験が役立ち、委託先がおこなう業務の的確さやスピードなどの質を見極めやすいでしょう。
とはいえ、身体経営を始めたばかりであれば、まだまだ知識や経験は足りません。
インターネットの活用のほか、不動産投資に関する書籍を読んだり、セミナーに参加したりしながら積極的に情報収集をしましょう。
4. 自主管理で大家自ら客付けするデメリット
自主管理で大家自ら客付けするメリットについて、ご理解いただけたでしょうか。
客付けを自身でするか決めるにはメリットだけでなく、これから紹介するデメリットについても知っておくことが大切です。
自主管理で大家自ら客付けするデメリットは、以下4つです。
・手間や労力がかかる ・入居者獲得の機会が狭まる ・専門的な知識が必要になる ・トラブルにつながるリスクがある |
順番に見ていきましょう。
4-1. 手間や労力がかかる
自主管理で客付けをするには「2.自主管理で大家自ら客付けする一連の流れ5STEP」でお伝えしたように多くの業務があり、手間や労力がかかります。
ただ入居者を募集して契約すればいいのではなく、客付けを終えるまでには入居候補者や複数の不動産会社との頻繁なやりとりが必要です。
内装の手配や内見・引き渡しのために物件に何度も出向くことにもなります。
専業の大家であればこれらの業務をこなせるかもしれません。
しかし自主管理による客付けは手間や労力が大きく、物件からの距離が遠い方や本業をおもちの方にとってハードルが高いでしょう。
4-2. 入居者獲得の機会が狭まる
自主管理で大家が客付けする場合は、物件が入居者を募集していると認知してもらいにくく、入居者獲得の機会が狭まります。
不動産情報を共有するシステムに、不動産流通機構が運営する「レインズ(REINS)」があります。
レインズとは「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の頭文字をとって名付けられ、入居者を募集する物件を登録するとほかの不動産会社に共有できるシステムです。
しかし自主管理する大家はレインズを利用できないため、物件情報を不動産業界内に周知させられません。
また「2-2-1.不動産情報サイトに掲載」にてお伝えしたように、不動産ポータルサイトへの掲載もできないため、自主管理する大家自らの客付けは入居者獲得の機会が狭まってしまうことを理解しておいてください。
4-3. 専門的な知識が必要になる
自主管理で客付けする場合は、以下のようなあらゆる方面における専門的な知識がなければうまくいきません。
・不動産 ・賃貸経営 ・法律 ・個人事業 ・金融 |
たとえば不動産の知識であれば、賃貸借契約の締結や更新時の手続きのような不動産取引に関することが挙げられます。
競合物件や物件の特徴を考慮したうえで最適な賃料を設定し、入居者のニーズをもとに魅力を伝えて入居につなげる賃貸経営に関する知識も必要となるでしょう。
また入居者と契約後にトラブルが発生した場合は大家自ら状況を整理し、契約書にもとづいて適切に対応しなければなりません。
入居者トラブルの内容は、騒音や家賃滞納・原状回復費用などさまざまです。
交渉でトラブルが解決すればいいのですが、うまくいかずに不動産や賃貸経営に関する民法や借地借家法などの法的知識が必要になる場合もあり、すべて大家自身で対応しなければなりません。
多くの専門知識をもとにして客付けは進められるため、大家自身に学んでいく姿勢がなければ自主管理は成り立たないことを理解しておきましょう。
4-4. トラブルにつながるリスクを常に考える必要がある
自主管理で大家自ら客付けをおこなう場合はトラブルに発展しないよう、リスクを常に念頭において業務に携わらなければなりません。
広告の掲載を依頼した場合、複数の不動産会社が物件の広告を載せるため管理が大変な面が多く、申し込みが入った場合にほかの不動産会社に連絡しておかなければ、重複してしまう可能性があります。
また入居前の汚れや傷なども、退去時の原状回復費用の負担に関する問題につながるケースがあり、入居者とともにしっかりとチェックしたうえで、写真のような画像で残しておかなければなりません。
自主管理では日頃からあらゆる方面においてトラブルにつながる可能性を予測しながら、リスクを考慮して客付けをおこなう必要があります。
5. 自主管理で大家自らの客付けが向いている人・向かない人
自主管理による客付けの業務内容やメリット・デメリットについて理解していただいたかと思います。
なかにはまだ、実際に自分には客付けができるのか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
メリット・デメリットを総合的に踏まえたうえで、自主管理で客付けが向いている人と向いていない人は、以下のように分類できます。
【自主管理で自ら客付けするのが向いている人・向かない人】
向いている人 | 向かない人 |
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・自分ですべてを担いたい ・人に任せると不安を感じる ・自由に時間を使える ・とにかく節約したい ・法律や不動産など、自分で客付けの勉強をできる | ・本業があり時間がない ・効率的な客付けをしたい ・独学で勉強していく自信がない ・自分で客付けするには不安がある ・クレーム対応できる自信がない ・物件が遠方にある ・お金を払ってでも手間や時間を減らしたい |
自主管理による客付けが向いている人は自由に時間を使え、とにかく自分自身で管理したい方が前提です。
不動産や法律など、専門的な知識を習得するために自分自身で勉強を続ける努力も必要です。
常に隙間時間で本やウェブサイトで賃貸経営について調べる姿勢がある方や、専業の大家である方は自主管理による客付けが向いているといえ、積極的にチャレンジしてみることをおすすめします。
一方本業があったり物件が遠方にあったりする方の場合は、自主管理のよる客付けは現実的ではなく向いていないため、やめたほうがいいでしょう。
賃貸経営を勉強を独学でするには難しいと感じる方や、効率を考える方も、自主管理による客付けは向きません。
ここまでお読みになって、自主管理で大家自ら客付けをしていくことが向かないと感じた方には、次の章で紹介する仲介会社や賃貸管理会社へ依頼する方法をおすすめします。
「1.自主管理で大家自ら客付けできるが委託管理を選ぶ人が多い」でお伝えしたように、自主管理で客付けする大家は2割ほどにとどまっています。
実際は多くの方が自主管理による客付けを選んでいないことから、現実的な選択肢は仲介会社もしくは賃貸管理会社への依頼となるでしょう。
詳細を、次の章でお伝えします。
6. 自主管理で大家自らの客付けに限界がある場合の選択肢
自主管理で大家自らの客付けが自身に向いているのか、判断できたかと思います。
おわかりいただいたように、自主管理で大家自ら客付けすることができる方は、賃貸経営をする人のごく少数です。
ここからは自主管理で大家自らの客付けが向かない方に向けて、以下2つの選択肢を紹介します。
・仲介会社へ依頼 ・管理会社へ依頼 |
2つのうち、本記事がとくにおすすめする方法は、物件の管理も可能な賃貸管理会社への依頼です。
順番に見ていきましょう。
6-1. 仲介会社へ依頼
広告料や仲介手数料を支払えば、仲介会社へ客付けを依頼できます。
部屋を探している人へ条件に合った物件を探して契約を結ぶ手続きをおこなう、入居者と大家の仲介の役割を仕事としている不動産会社を仲介会社といいます。
「2.自主管理で大家自ら客付けする一連の流れ5STEP」でお伝えした客付け業務を、仲介会社へすべて委託できるので、広告の掲載から内見案内・入居者への鍵の引き渡しなどを大家自らする必要はありません。
また、仲介会社へ客付けを委託すると、ウェブサイトや不動産ポータルサイトなどへ物件情報を掲載してもらえ、幅広い客層に認知してもらいやすくなります。
自主管理の大家では不動産ポータルサイトへ掲載できないため、大きなメリットといえるでしょう。
一般的に仲介会社への依頼は客付けのみとなるので、鍵の引き渡し後の入居者管理は大家の仕事です。
「客付けだけは自信がないからお願いしたい」という方にも向いているので、仲介会社への依頼は選択肢のひとつとして検討してみてください。
6-2. 【おすすめ】管理会社へ依頼
本記事がもっともおすすめする方法は、賃貸管理会社へ客付けを依頼する方法です。
賃貸管理会社も仲介会社と同じく、不動産に関するプロです。
入居者募集から内見案内・契約の締結などすべての業務を任せられ、手間や時間がかからない点は変わりません。
一方、賃貸管理会社の仲介会社と異なる点としては、管理業務まで担っていることです。
普段から入居者と直接関わっているので入居者ニーズを把握しているだけでなく、トラブルやクレーム対応の知識も兼ね備えています。
そのため入居者候補者の心をつかむスピーディな客付けができ、入居者対応が必要となれば迅速に解決に向けて動いてくれる安心感があります。
「自分である程度は管理したい!」とお考えの方であれば、賃貸管理は自分でおこない、客付けだけ依頼してもいいですね。
たとえば、弊社ルーム・スタイルへ客付けを委託する場合を見てみましょう。
ルーム・スタイルは年間入居率98%・平均客付け1ヶ月の、圧倒的な客付け力を誇る賃貸管理会社です。
入居者募集の段階では一眼レフを使った数多くの鮮明な写真や動画を使用して、物件の魅力を最大限に引き出します。
物件を探すときは「自分がこの物件に住んだら、どんな感じかな?家具を置いたら雰囲気は変わるかな?」など、さまざまなことを考えますよね。
ルーム・スタイルでは以下のようなバーチャルサービスも活用するため、実際に住んだときのイメージができるように物件を紹介しています。
所有物件の魅力を引き出し「住んだらどうなる?」をイメージをしてもらうことで、数多くの物件の中に埋もれることのないようアピールします。
またルーム・スタイルの客付けでは自社と仲介業者を組み合わせたネットワークを駆使するので、自主管理には難しい物件情報の周知を図ることが可能です。
囲い込みを一切せずに60万PVを超える自社サイトのみならず、レインズや不動産業界の各ポータルサイトも最大限に活用します。
それゆえにルーム・スタイルにご依頼いただいた場合は、常に多くの人の目に物件の情報が触れやすくなるため、効率的な客付けにつながっています。
大家さま一人ひとりのニーズに沿ったサポートをいたしますので、自らで客付けが難しい方や迷いがある方は、ひとりで抱え込まずにまずは一度、ルーム・スタイルへご相談ください。
7. まとめ
本記事をお読みになり、自主管理で大家自の客付けについてわかり、実践するか否か判断できましたでしょうか。
最後に、本記事の要点をまとめていきます。
◎自主管理で大家自ら客付けはできますが、実際は多くの人が委託管理を選んでいます。
大家自ら客付けするケースは、賃貸経営をおこなう人のおよそ2割であることを知っておきましょう。。
◎自主管理で大家自ら客付けする一連の流れは、以下5つのSTEPです。
◎自主管理で大家が客付けするメリットは、以下3つです。
・費用を抑えられる ・入居者を自分で選べる ・賃貸経営のノウハウを身につけられる |
◎自主管理で大家が客付けするデメリットは、以下3つです。
・手間や労力がかかる ・入居者獲得の機会が狭まる ・専門的な知識が必要になる |
◎自主管理で大家自らの客付けが向いている人・向かない人は、以下のとおりです。
【自主管理で自ら客付けするのが向いている人・向かない人】
向いている人 | 向かない人 |
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・自分ですべてを担いたい ・人に任せると不安を感じる ・自由に時間を使える ・とにかく節約したい ・法律や不動産など、自分で客付けの勉強をできる | ・本業があり時間がない ・効率的な客付けをしたい ・独学で勉強していく自信がない ・自分で客付けするには不安がある ・クレーム対応できる自信がない ・物件が遠方にある ・お金を払ってでも手間や時間を減らしたい |
◎自主管理で大家自らの客付けに限界がある場合の選択肢は以下2つであり、おすすめは賃貸管理会社です。
・仲介会社へ依頼 ・管理会社へ依頼 |
本記事をお読みになって自主管理で大家自らおこなう客付けがどのようなものなのかわかり、実践するか否かの判断ができることを祈っています。
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