空室対策にリノベーションは効果的!失敗しないタイミングとポイント

「空室対策ならリノベーション!ってよく聞くけれど、実際やるべきなのかな?効果はあるのだろうか」

「リノベーションで空室対策をするなら、どこを工事するといいのだろう?費用感を知りたいな」

所有物件に空室が目立つとき、リノベーションをすると空室対策に効果があると聞いたことのある方は多いでしょう。

リノベーションは新しい設備を導入したり、劣化した箇所を刷新したりするので、入居者から見たときに魅力的が高まり空室を埋めやすくなります。

とはいえ、やみくもにリノベーションしても空室対策に効果はありません。

ユーザーニーズを考慮してリノベーションしなければ空室が埋まらないだけでなく、少額ではない工事費用によって、経済的に大きなダメージを受けてしまいます。

費用対効果を考えずにリノベーションしてしまえば、かかった費用を回収できない可能性も少なくありません。

そこで本記事では、あなたの所有物件が空室対策でリノベーションをすべきか判断できるよう、事例や費用感・判断基準などをお伝えしていきます。

本記事を読んでわかること
・空室対策にリノベーションを取り入れる効果がわかる
・リノベーションの費用感が7つの事例からわかる
・空室対策にリノベーションするデメリットがわかり安心できる
・今リノベーションをやるべきか判断できる
・実際にリノベーションする流れをつかめる
・空室対策でリノベーションを成功させるポイントがわかるので失敗しない

本記事を読めば、あなたの物件の空室対策にリノベーションが最適なのか、今やるべきなのか判断できます。

ぜひこのまま読み進めて、リノベーションによる空室対策について知識を深めてください。

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1. 空室対策でリノベーションすると得られる3つの効果

はじめに、空室対策にリノベーションをすると得られる効果を3つ紹介します。

・入居者を獲得しやすくなる
・家賃の値上げを実現できる
・競合との差別化を図れる

順番に見ていきましょう。

1-1. 入居者を獲得しやすくなる

リノベーションによって古い設備や間取りを一新でき、付加価値を高められるので、入居者を獲得しやすくなります。

修繕して元どおりにする現状回復ではなく、リノベーションはトレンドや入居者のニーズ・生活スタイルを考慮して、今までよりも価値を高める物件にします。

たとえば以下のように、さな変更から大がかりな工事まで、リノベーションの規模はさまざまです。

リノベーション工事例
・モニター付きインターフォンに変更
・センサーライトに変更
・トイレを温水便座付きに変更
・クロスの変更
・壁を撤去して1つの広い部屋に変更
・1つの部屋に仕切りを入れ、2室に変更
・和室から洋室に変更

これまで和室だった部屋を掃除が楽な洋室に変えたり、トイレを温水便座付きに変えたりすると、入居者にとってより「住みたい物件」に感じられますよね。

デザイン性の高い内装や最新設備が導入された物件は、入居者の心の満足度や生活の利便性を高められます。

リノベーションによってこれまでの部屋に付加価値を付け、魅力的な物件にできれば集客に役立つので、入居者を獲得しやすくなります。

1-2. 家賃の値上げを実現できる

リノベーションによって物件の価値を高められると、家賃の値上げを実現しやすくなります。

築年数の経過によって徐々に物件の家賃は下がっていくので、収益が悪くなり、頭を抱える賃貸オーナーは少なくありません。

以下は、株式会社三井住友トラスト基礎研究所が調査した、賃料の下落率に関する資料です。

出典:株式会社三井住友トラスト基礎研究所「タイプ別築年数別の理論賃料指数(東京23区)

シングルとコンパクトは、物件の広さを表しています。(シングルは18㎡以上30㎡未満、コンパクトは30㎡以上60㎡未満)

グラフから、築0年~築25年の家賃下落率を平均すると、年間約1%前後低下していることをおわかりいただけるでしょう。

10万円の物件であれば、目安として10年後には9万円に下がってしまうことが予測されます。

家賃の値上げには物件の固定資産税の増加や、家賃が相場を下回っている場合などの正当な理由が必要であり、賃貸オーナーの都合で簡単にはできません。

たとえば「賃貸オーナーの経済状況が苦しいから、家賃を値上げさせてほしい!」といった理由は正当な理由にはならないのです。

その点リノベーションは物件の資産価値を高めるので、固定資産税の増加につながり、正当な理由として成立します。

リノベーション済み物件は利便性や快適性が高く魅力的に感じられるので、家賃が上がったとしても入居者から敬遠される可能性は少ないでしょう。

築年数の経過によって家賃が下がってしまったとき、リノベーションによってや賃の値上げを実現でき、なおかつ入居希望者の増加も狙えます。

1-3. 競合との差別化を図れる

リノベーションによって入居者のニーズに合った物件にできると、競合との差別化を図れるので、集客につながりやすくなります。

たとえば以下のようなリノベーションは独自性があり、競合との差別化を図れます。

・無垢材を使用する
・造作デスクを設置する
・土間収納をつくる
・キッチンの機能性を高めるためにカウンターを新設する
・物件のあらゆる箇所の収納スペースを充実させる
・書斎をつくりテレワークやオンライン学習をしやすくする

賃貸物件に多い合板フローリングと比較して、天然木からつくられる無垢材は高級感があります。

最近の一軒家によくある土間収納をつくれば、小さなお子様の外遊び用のおもちゃやキャンプ用品など、汚れやすい道具をしまいやすいでしょう。

重要な点は、入居者のニーズを考えることです。

ファミリーや単身者・性別などを踏まえ、どのような入居者に向けて自身の物件を賃貸するのかを考えたリノベーションが大切です。

単身の社会人向けの物件であれば、テレワークしやすいよう書斎や造作デスクをつくると、魅力的に感じる方が多いでしょう。

女性を意識した物件であれば、洗面台を広くして収納を増やすといいかもしれません。

​​​​他社の賃貸物件にはないプランかつ、狙った入居者にささるリノベーションをできると、入居につながりやすくなります。


2. リノベーションの空室対策アイデア7つ|事例・費用感も紹介

ここまで、リノベーションで空室対策をすると得られる効果についておわかりいただけたと思います。

では実際にどのような空室対策になるリノベーションがあるのか、費用感とともに以下7つの事例を見てみましょう。

 

順番に紹介します。

2-1. 3点ユニットバスを「バス・トイレ・洗面台」にセパレートする

3点ユニットバスを分離するリノベーションは、100~180万円ほど見ておきましょう。

「バス・トイレ・洗面台」がすべて一緒の場合は、使い勝手の悪さが目立ちます。

トイレットペーパーのほか、洗面所に化粧品を置いていれば湿気りやすく、湯船にはゆっくりつかれません。

掃除もしづらく、入居者が住み心地を考えるときはバス・トイレ別は最低限の条件に挙げる人もいるほどです。

以下のアンケートは、バス用品に携わるバスリエ株式会社が調査した、一人暮らしのお風呂の状況に関する結果です。

参考:バスリエ株式会社「Q:ご自宅のお風呂の特徴を教えてください

※2点ユニットバス:浴室に洗面台を設置

アンケート結果からは、およそ7割の方が「バス・トイレ・洗面台」がセパレートの状況であるとおわかりいただけます。

最近の主流を踏まえ、競合対策のためにも3点ユニットバスの見直しは、リノベーションの対象として積極的に視野に入れることをおすすめします。

2-2. インターフォンをモニター付きに変更する

インターフォンをモニター付きにするリノベーションは、30,000円前後が費用の目安です。

モニター付きインターフォンは、入居者にしてみれば玄関まで行く必要がなく、すぐリビングで対応できるメリットがあります。

のぞき穴の視界は狭いので、モニター付きインターフォンにすると来局者が誰であるのかも見やすいでしょう。

また営業や勧誘の場合は対応しない選択肢もとれ、防犯性や安全面を考えたときに女性や子どものいる世帯では重要視する方も少なくありません。

最近は多くの物件でモニター付きインターフォンが主流となっているので、競合物件との差を開かせないためには必須のリノベーション箇所といえるでしょう。

2-3. 洗濯機置き場を室外から室内に変更する

洗濯機を室外から室内へ変更する場合の費用目安は、給排水管工事や防水パンの設置などを含めると、15~20万円前後です。

入居者側のメリットとして、室内に洗濯機を置けると、洗濯のときに人目を気にしなくてすんだり汚れたりしません。

また、大きな音が響かなくなるので、近隣住民への配慮を減らせるでしょう。

賃貸オーナー側にとっても、室内に洗濯機置き場をつくると、近隣住民同士で騒音トラブルが発生するリスクを減らせます。

また洗濯機置き場があると、売却も有利になるので知っておいてください。

洗濯機置き場のない物件は事務所扱いとなり、評価額が下がってしまうケースがあります。

洗濯機置き場の変更は空室対策以外にもメリットがあるので、リノベーションするときの検討箇所に入れてみてください。

2-4. 浴室乾燥機を設置する

浴室乾燥機の設置費用は、およそ10~25万円ほどです。

働く時間は人によって違い、日中日が出ている間に洗濯が難しい方は多いでしょう。

また、女性であれば外に洗濯物を干すことをためらう方も少なくありません。

しかし部屋干しは臭いが気になったり、邪魔になったりするので、浴室乾燥機があると生活するうえで大いに利便性が高まります。

事実、株式会社AlbaLinkがおこなった「あって良かった住宅設備に関する意識調査」では浴室乾燥暖房機、つまり浴室乾燥機が1位となっています。

出典:株式会社AlbaLink「あって良かった住宅設備

入居者にとってニーズの高い住宅設備の導入は空室対策につなげられるので、ぜひリノベーションでは浴室乾燥機の導入を視野に入れてみてください。

2-5. キッチンを壁付けから対面に移動する

キッチンを対面に移動する方法の費用目安は、キッチンのグレードによるため幅があり、70~200万円が目安です。

入居者にとってはキッチンのリノベーションは新しい設備を使用できるので、使い勝手が非常に良くなります。

また、対面キッチンであればリビングにいる家族と顔を向けながら料理が可能なため、お子様がいる家庭を含め、ファミリー層の需要を高められるでしょう。

費用はそれなりにかかりますが、キッチンを対面に変更するリノベーションは空室対策に効果的です。

2-6. アクセントクロスを取り入れる

アクセントクロスの導入は、6~10畳くらいの広さの物件であれば、3~5万円ほどでできるリノベーションです。

ぱっと目を引くアクセントクロスは入居者の気分を上げ、物件をおしゃれな空間に仕上げてくれます。

ほかの部屋にはないオリジナルな部屋にもしやすくなるでしょう。

比較的安価でリノベーションできるので、賃貸オーナー側にとっても取り組みやすい方法です。

2-7. 間取り変更して一体型LDKに変更する

間取り変更で一体型LDKにするリノベーションは、そのときの物件状況によって左右され、110~200万円ぐらいを想定しておくといいでしょう。

一体型LDKの場合、部屋を広く使用できるので子育てをしやすかったり、光が入りやすく快適に過ごせるようになったりします。

また生活動線が良くなるので、キッチンで作った料理をすぐ食卓に出せ、片付けるときもスムーズです。

ただし梁の位置や支えが壁であるか否かなど、物件の構造によっては間取り変更が難しいケースもあるので、知っておきましょう。


3. 空室対策でリノベーションする注意点

空室対策でリノベーションする場合の、主な事例と費用感についてご理解いただけたかと思います。

なかにはリノベーションによる空室対策を、前向きにお考えの方もいるでしょう。

しかし安易にチャレンジすると、「こんなはずじゃなかった!」という結果になりかねません。

想定外の事態を起きにくくするためにも、これから紹介する2つのデメリットも知ったうえで行動しましょう。

・リフォームと比較してリノベーションの費用は高い
・リノベーション中は収入がない

順番に解説します。

3-1. リフォームと比較してリノベーションの費用は高い

原状回復であるリフォームと比較して、リノベーションは新たな価値を付加するため、必然的に費用は高くなります。

リフォームは、古くなって使用できなくなった箇所や、そのままでは物件の維持が難しい箇所を元どおりにする修繕方法です。

たとえばリフォームには破れた壁紙と同じグレードの壁紙を用意したり、床の傷をパテで補修したりするなどが挙げられます。

修繕箇所にもよりますが、「2.リノベーションの空室対策アイデア7つ|事例・費用感も紹介」からもリノベーションの方が高くなることは、おわかりいただけるでしょう。

そのため、失敗しないためにも費用対効果を考えながら、どこにいくらかけるのか計画立ててリノベーションをおこなう必要があります。

3-2. リノベーション中は収入がない

リノベーションをしている間は部屋を使用できないため、収入がありません。

壁紙の張り替え程度であれば工期は1日~2日で終わりますが、リノベーション箇所が複数の場合や大がかりな工事の場合は、2~3ヶ月かかることも多数です。

工事費用だけでなく稼働できない期間の損失も念頭におき、リノベーション後はどのくらいの期間でコストの改修ができるかを想定したうえで実施しましょう。


4. リノベーションは最終手段でOK!現状できる空室対策をやり尽くしたなら実施

リノベーションのデメリットについて、おわかりいただけたかと思います。

ここまでお読みになって、リノベーションをすべきか決めかねている方も多いでしょう。

リノベーションは、多くの出費を伴います。

たとえモニター付きインターフォンへの変更であっても、所有物件が10戸おもちの方であれば、リノベーション費用は30万円に登ってしまうので無理もありません。

そのためリノベーションは多くの費用をかけずにできる、以下のような空室対策を試したあとの最終手段です。

・募集手段を最適化する
・共用部分の清掃をする
・入居費用を見直す
・賃貸管理会社を見直す

たとえば募集手段の最適化には、募集広告への掲載写真を入れ替えたり、物件の魅力が伝わるよう間取り図をオリジナルで作成したりする方法があります。

物件を委託管理をしている賃貸管理会社が現状の最適な企業なのか、見直してみてもいいでしょう。

賃貸管理会社は客付け力の腕に大きな差があるので、比較検討せずになんとなく依頼している方は、注意が必要です。

弊社ルーム・スタイルの場合をお伝えしますと、年間入居率98%、平均客付け1ヶ月です。

首都圏の賃貸物件における平均募集期間は4~5ヶ月ですので、はるかに短い期間で客付けしていることをおわかりいただけるでしょう。

弊社では、契約の翌日には写真や動画を多彩に使用した物件チラシを配布したり、60万PVを誇る自社サイトなどへ情報を一斉拡散したりして、集客のスピードアップを図ります。

また、他社のネットワークまでフル活用して、囲い込みを一切しない攻めのアプローチを貫ぬくので安心してください。

どこへ賃貸管理を委託しても同じとは限らず、賃貸管理会社の数だけ戦略があります。

空室が埋まらず、リノベーションをお考えであるのならば、実績のある賃貸管理会社への変更もぜひ空室対策に取り入れてみましょう。

このほか、以下の記事では、実践できる30の空室対策を紹介しています。

今すぐ使える空室対策30選!必ず空室が埋まるアイデアを徹底解説

記事を閲覧してみてあなたが現状できる空室対策をやり尽くしたのであれば、リノベーションに取り組んでみましょう。


5. 空室対策でリノベーションする流れ5STEP

ここまでお読みになり、現段階であなたの所有物件をリノベーションで空室対策をすべきか否か、判断できたのではないかと思います。

つづいてリノベーションをすると決めたとき、どのような流れで実施するのかについて見ていきましょう。

空室対策でリノベーションするときは、以下5つのSTEPでおこないます。

 

 

順番に見ていきましょう。

5-1. リノベーション箇所を決める

まずは空室対策をするときに、どの箇所をリノベーションするか決めます。

所有物件がなぜ空室になっているのかを明確にするために、以下のような不動産のプロにも相談しながら検討しましょう。

・不動産会社
・賃貸管理会社
・ハウスメーカー
・工務店

ポイントとして、リノベーションは必要な箇所だけおこなってください。

大がかりなリノベーションを何カ所も工事するより、水回りを刷新するだけでも空室リスクの改善につながるケースは多々あります。

やみくもにリノベーションしてコストがかさんだ場合、最終的に回収できなければ本末転倒なので、注意しましょう。

5-2. 情報収集をして内容の具体性を高める

リノベーション箇所を決めたら、情報収集をしてリノベーションの内容を具体的に考えていきます。

賃貸オーナーが事前にある程度の知識をもっていなければ、リノベーション業者の提案だけで工事が進んでしまいます。

しかし情報収集によって「ここはこんな施工方法を取り入れてみたいのですが、難しいですか?」といった提案を賃貸オーナー側からできるようになり、より希望どおりの仕上がりに近づきます。

また、ある程度知識を得ておくと、リノベーション業者からの説明を理解しやすくもなるでしょう。

情報収集するには、以下のような方法があります。

・Webサイトを閲覧する
・リノベーション業者へ資料請求する
・ショールームへ出向く

簡単な方法はWebサイトの閲覧です。

隙間時間も活用して調べながら、知識を得ていくといいでしょう。

また、気になるリノベーション業者があるのなら資料請求やショールームへ出向いてみてもいいですね。

クロスやエクステリアなどの素材を、実際に目で見てさわってみるとイメージがわきます。

多方面から情報収集しながら、リノベーションの具体性を高めていきましょう。

5-3. リノベーション業者に相談する

どのような工事内容にするのかイメージを具体的につかめたら、リノベーション業者に相談します。

リノベーション業者を選ぶときは、以下の項目を参考にしてください。

・物件のエリアに対応している
・リノベーション予定の箇所が得意である
・実績が豊富である
・アフターサービスが充実している
・価格体系を納得できる

たとえば水回りが得意であったり、エクステリアが専門であったり、リノベーション業者によって工事内容の得意不得意があります。

リノベーション予定の箇所について実績が多く、信頼のおける企業を選ぶと失敗につながりにくくなります。

またアフターサービスが充実していると、施工後の不具合やちょっとした困りごとが発生したときでも相談しやすく安心です。

多くのリノベーション業者で現地調査を無料で実施してもらえるので、実際に物件を見てもらい、希望のリノベーションができるか確認してください。

1社ではなく最低3~4社から見積もりを取り、比較検討すると、予算や施工内容に見合ったリノベーション業者を選択しやすいでしょう。

5-4. プランを検討する

リノベーション業者が決まったら、プランの詳細を検討していきます。

工事が進めば変更できなくなるので、細部にわたって計画書を確認しながら、必要に応じて修正依頼をします。

また事前に情報収集をしていても、不明点は多数あるはずなので、プランを検討する段階で納得がいくまで質問しましょう。

プランの詳細が決まれば、正式な見積もりをもらい材料の発注をかけます。

5-5. 工事~引渡しを済ませる

最後は、工事~引渡しの段階です。

工事に入ったら、リノベーション業者に任せることとなるので、適宜見に行くようにするといいでしょう。

決定したプランからの大きな変更はできませんが、軽微な修正は可能なケースもあるので、気になる点があれば都度リノベーション業者へ確認を取ると安心です。

工事完了後はプランとの相違や設備の不具合がないか、引渡し前に細かくチェックしてください。

また設備の保証書や取扱説明書も合わせて受け取り、きちんと保管しておくことも忘れないようにしましょう。

問題がなければ引渡しを済ませ、リノベーション完了となります。


6. 空室対策でリノベーションを成功させる3つのポイント

空室対策でリノベーションする時の流れについて、ご理解いただけたでしょう。

最後に、空室対策でリノベーションを成功させるポイントを、以下3つ解説します。

・入居者のニーズを考える
・最終的にリノベーション資金を回収できるか考える
・補助金をうまく活用する

順番に見ていきましょう。

6-1. 入居者のニーズを考える

入居者のニーズを考えたリノベーションをしなければ、空室対策の効果はありません。

空室になる原因を客観的に鑑みて、所有物件に何が足りていないのか分析したうえでリノベーションすることが大切です。

たとえば以下のような空室となる原因があったとしましょう。

・ファミリー層を入居者に想定しているが、収納が少ない
・ターゲットを定めずに初期設備を導入した
・治安のいい地域ではないのに、インターフォンにモニターがない
・周囲の物件には宅配ボックスがついているが所有物件にはない

家族で暮らすのであれば、必然的にものが増えますよね。

そのためファミリー層がターゲットの場合は、収納を充実させると魅力的に感じやすくなります。

治安の悪い地域ではインターフォンにモニターがついていると、防犯性や安全性が高まり、入居者に安心感が生まれやすくなります。

また、物件購入時にターゲットを定めず設備を導入してしまった状態であれば、まずは所有物件の入居者層について深掘りする必要があるでしょう。

競合にあって、自社には足りないものを考えることも大切です。

このような入居者のニーズを考えたときに、所有物件に足りないところを埋めるようリノベーションすると成功しやすくなります。

6-2. 最終的にリノベーション資金を回収できるか考える

最終的にかかった資金を回収できなければ、リノベーションによって空室対策を成功させたとはいえません。

空室を埋めるために多額の費用をかけてきれいな部屋にしたとしても、結果的に家賃から回収できなければ赤字となってしまいます。

たとえば100万円のリノベーション費用がかかり、家賃を月5,000円上げるなら、回収までおよそ17年かかります。

5,000×12ヶ月=60,000円(1年間で回収できるリノベーション費用)
100万円÷60,000円=16.6年(全額回収するまでにかかる年月)→およそ17年!

リノベーションの実施によって家賃をどれだけ上げられるのかは、不動産会社や賃貸管理会社など、不動産に関わるプロへ相談すると判断しやすくなります。

いくらの予算でどのような工事ができるのかはもちろん、最終的にリノベーションの資金を何年で回収できるのかを考慮したうえで内容を検討しましょう。

6-3. 補助金をうまく活用する

リノベーションの内容によっては補助金制度を利用できるので、負担を減らすためにうまく活用しましょう。

賃貸経営で利用できる補助金制度の例を挙げると、2024年現在では以下のような事業がおこなわれています。

事業名補助金額活用できるタイミング
子育てエコホーム支援事業上限30万円/戸住宅の省エネ改修のとき
先進的窓リノベ2024事業上限200万円/戸窓ガラスの断熱改修のとき
給湯省エネ2024事業8~18万円/台一定の性能を満たす給湯器を導入するとき
賃貸集合給湯省エネ2024事業5~7万円/台補助対象の省エネ型給湯器に交換するとき

国や自治体がおこなっている補助金制度は、条件や申請期間・予算の条件などが細かく決められているため、事前にしっかり確認をする必要があります。

申請が通りやすいよう、リノベーション業者と相談しながらプランを組むといいですね。

リノベーションでは大きな出費を伴うので、不安に感じる方も少なくありません。

補助金をうまく活用すると支出を抑えられ、安定した賃貸経営につながるので、積極的な利用がおすすめです。


7. まとめ

リノベーションによる空室対策を実践すべきか否か、本記事をお読みになって判断の手助けになりましたでしょうか。

最後に空室対策のためにおこなうリノベーションについてまとめていきます。

◎空室対策でリノベーションすると得られる3つの効果は、以下です。

・入居者を獲得しやすくなる
・家賃の値上げを実現できる
・競合との差別化を図れる

◎リノベーションで空室対策する7つの事例と費用感は以下のとおりです。

・3点ユニットバスを「バス・トイレ・洗面台」にセパレートする|100~180万円
・インターフォンをモニター付きに変更する|30,000円前後
・洗濯機置き場を室外から室内に変更する|15~20万円
・浴室乾燥機を設置する|10~25万円
・キッチンを壁付けから対面に移動する|70~200万円
・アクセントクロスを取り入れる|3~5万円
・間取り変更して一体型LDKに変更する|110~200万

◎空室対策でリノベーションするデメリットは、以下2つです。

・リフォームと比較してリノベーションの費用は高い
・リノベーション中は収入がない

またリノベーションをすべきか決めかねるときは、最終手段にしましょう。

現状できる空室対策をやり尽くしたのであれば、実施に踏み切ってみてください。

◎空室対策でリノベーションする流れは、次の5つのSTEPです。

 

◎空室対策でリノベーションを成功させる3つのポイントは、以下です。

・入居者のニーズを考える
・最終的にリノベーション資金を回収できるか考える
・補助金をうまく活用する

あなたの所有物件の空室対策にリノベーションをすべきか否か、適切に判断できることを祈っています。

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