オーナー必見!賃貸物件によくあるクレーム33選と対処法を徹底解説

「賃貸物件によくあるクレームってどんなもの?」
「クレームに対して貸主は何をすればいいの?」

不動産賃貸を始める場合、このような不安や悩みを抱えることもあるのではないでしょうか。

特に自分で賃貸管理をしてみようと考えている方にとって、クレームは気がかりな問題といえるでしょう。

クレーム対応をスムーズに進めるためにも、まずはどのようなクレームがあるか把握しておくことがおすすめです。
賃貸物件によくあるクレームには下記のようなものがあります。

【賃貸物件のよくあるクレーム33選】
【騒音トラブルに関するクレーム5つ】
  • 隣人が大音量で騒いだり音楽を流したりする
  • 楽器禁止の物件にもかかわらず演奏の音が聞こえる
  • 子どもの足音がうるさい
  • 夜遅い時間の入浴や洗濯の音がうるさい
  • 工事の音がうるさい
【設備の不具合に関するクレーム2つ】
  • 備え付けのエアコンや給湯器が使えない
  • 残置物のエアコンやガスコンロが使えない
【配管トラブルに関するクレーム3つ】
  • 水が出ない
  • 水が止まらない、水漏れがする
  • 天井から水漏れがする
【悪臭・異臭に関するクレーム4つ】
  • 入居者自身の部屋がガス臭い
  • 入居者自身の部屋が下水臭い
  • 隣人がベランダで吸うタバコが臭い
  • 隣りの部屋から異臭がする
【駐車場や共用部分の使い方についてのクレーム6つ】
  • 入居者の駐車スペースに勝手に車を止められた
  • 来客用駐車場や駐輪スペースを特定の住民が占拠している
  • 階段や廊下やロビーに私物を置きっぱなしにする人がいる
  • ベランダでバーベキューや燻製を行う
  • マンションのベランダの仕様を勝手に変えている
  • 隣のベランダの植木が侵入してきて枯れ葉が落ちてくる
【ペットについてのクレーム4つ】
  • ペット禁止なのに飼っている
  • ペットの鳴き声がうるさい
  • ペットを共有部分で放し飼いにしている
  • ペットの糞を玄関やロビー、廊下、駐車場に放置する
【ゴミ出しについてのクレーム5つ】
  • 曜日などのルールを守らずにゴミを出す
  • ゴミの分別をしない
  • 粗大ゴミを不法投棄する
  • 一度に大量のゴミを出す
  • ゴミ捨て場の悪臭がひどい
【その他:大家の対応や住民の嫌がらせなどについてのクレーム4つ】
  • 必要なときに大家・管理会社と連絡が取れない
  • 大家・管理会社の対応が遅い
  • 大家・管理会社の対応に効果がない
  • 隣人から身に覚えのないクレーム、嫌がらせ、脅迫などを受けている

クレーム対応が悪くて空室となってしまったり、損害金を請求されたりすることは絶対に避けたいですよね。

そこでこの記事ではこれらのクレーム内容の詳細と、各クレームへの対処法を全紹介します。
合わせて、そもそもクレームを引き起こさないための予防策についても紹介します。

最後まで読むことで、あらゆるクレームへの対処法がイメージでき、安心して不動産賃貸を始めることができるでしょう。

ぜひ最後まで目を通してみてください。

目次

賃貸管理完全ガイド
依頼すべき理由

1. 騒音トラブルに関するクレーム5つ

賃貸物件のクレームでまず挙げられるのは、騒音トラブルについてのクレームです。

特にコロナ禍以降は在宅ワークが進んだこともあり、警視庁への騒音に関する苦情の通報件数も増加したといわれています。
特にクレームの多いジャンルといえるでしょう。

騒音のクレームの例としては下記のようなものがあります。

  • 隣人が大音量で騒いだり音楽を流したりする
  • 楽器禁止の物件にもかかわらず演奏の音が聞こえる
  • 子どもの足音がうるさい
  • 夜遅い時間の入浴や洗濯の音がうるさい
  • 工事の音がうるさい

順に見ていきましょう。

1-1. 隣人が大音量で騒いだり音楽を流したりする

「隣人が大声で騒いでいてうるさい」「大音量で音楽を流して迷惑」というクレームはよくあります。

隣りの部屋が学生のたまり場になっていて夜中に集まって騒いでいたり、隣りの住民がいつも大音量で音楽を聞いていたりするケースです。
深夜の時間帯はもちろん、最近は日中に自宅でオンライン会議や在宅ワークをする人が多いため、大騒ぎや大音量の音楽は苦情につながりやすいといえます。

穏便な解決方法は、話し合いで騒音を解消することです。
まずは、クレームを訴えてきた入居者によく事情を聞き、音の種類や音の起きる時間帯といった状況を具体的に把握するようにしましょう。

<クレーム対処法>
1.入居者からいつ・どのくらいの頻度で・どこから聞こえるかヒアリングする
2.入居者全員宛に手紙や張り紙で注意喚起する
3.改善が見られない場合は、発生源と思われる人に個別に注意する
4.聞く耳を持たず度を超えている場合は立退or警察に通報or
損害賠償請求を行う

まずは、入居者全員宛に注意喚起しましょう。

発生源と思われる相手に即アプローチすると、相手の態度が頑なになって事態が悪化することがあります。

また、騒音の発生源と思っていた人が人違いだったということもよくあります。
いきなり発生源と思われる相手をとがめるような行為は避けた方が無難です。

<予防>契約書に禁止事項として盛り込む

契約書に「禁止・制限事項」として、「大音量でのテレビ・オーディオ等の操作、楽器演奏など騒音を発する行為」また「騒音・悪臭の発生などの他人に迷惑を及ぼす行為」を定めておくことがおすすめです。

1-2. 楽器禁止の物件にもかかわらず演奏の音が聞こえる

楽器の演奏は、騒音クレームになりやすい例といえます。

騒音クレームになりやすいため、賃貸契約書に「楽器の演奏などの高音・騒音を発する行為を禁止する」と明記されているケースも少なくありません。

契約書に明記されている場合は、契約違反になるため、演奏をしないように注意しやすいといえるでしょう。

1-3. 子どもの足音がうるさい

「子どもの足音がうるさい」「子どものさわぐ声がうるさい」といったクレームもよくある苦情です。

子どもが足音などについて仕方のないものと思いつつも、マンションなどの集合住宅では子どもがはしゃぐ足音や声は大きく響きやすいため、苦痛に感じる人も少なくありません。

また、音を立てる側と騒音を訴える側との間で、起きている音に対する認識に温度差があることもあり、トラブルに発展することもよくあります。

このため、問題解消において、貸主や管理会社の働きかけが特に重要といえるでしょう。

<クレーム対処法>
1-1. 隣人が大音量で騒いだり音楽を流したりする」と同じ

ただし、子どもの足音や声などは、生活をするうえで起きる「生活音」のため、法的に訴えることは難しいといわれています。
根気よく話し合って解消することが大切です。

また、場合によっては、クレームを訴える側の入居者が、過度に神経質になって強めの苦情や過度な要求を訴えてくる場合もあります。

苦情を訴える側の意見だけでなく、訴えた方の見解や、場合によっては周囲の住民に音の状況などの意見を聞くなどして調整を図るようにしましょう。

1-4. 夜遅い時間の入浴の音がうるさい

近隣住民の深夜に入浴する音がうるさいというクレームもあります。

仕事などで帰宅が遅くなり深夜に入浴する人も少なくありませんが、深夜の時間帯は特に音が響きやすく睡眠の妨げとなることも多いため、苦情につながりやすいといえるでしょう。

生活で起きる音のため、法的な対処法はありません。話し合いやルールを設定することで対処するようにしましょう。

<クレーム対処法>
1-1. 隣人が大音量で騒いだり音楽を流したりする」と同じ

ただし、入浴の音は子どもの足音と同様に「生活音」のため、法的に訴えることは難しいといえるでしょう。
根気よく説得して解決を図る必要があります。

1-5. 工事の音がうるさい

マンションの修繕工事の音がうるさいといったクレームもあります。

通常、マンションの修繕工事では着工前にトラブル防止のために説明会などを実施して、入居者に騒音や振動が起こる点についてお知らせをしています。

しかし、それでも着工すると「工事の音がうるさい」というクレームが生じることが少なくありません。

<クレーム対処法>
入居者に関係する工事日程を細かくお知らせをする

工事の音は避けられません。

対処法としては、特に音や振動が起こる時間帯などを入居者に細かくお知らせしましょう。

基本的に入居者に修繕工事の日程などをお知らせするのは工事の施工会社です。
貸主から工事の施工会社にしっかりと入居者に情報提供をしてもらえるよう依頼しましょう。

<予防策>

  • クレームを減らすために、事前の説明会をしっかりと行う
  • 事前に住人の許可を得た時間帯に工事を行うように手配する

2.エアコンや給湯器など備え付け設備に関するクレーム2つ

エアコンや給湯器など備え付け設備に関するクレームも少なくありません。

備え付け設備といってもエアコンや給湯器などさまざまです。
また備え付け設備には、貸主の所有物として貸し出ているものと、前の入居者が置いて行った残置物のケースとがあります。

貸主の所有物かどうかでクレーム対応が異なるため、備え付け設備に関するクレームは下記2つに分けられます。

  • 備え付けのエアコンや給湯器が使えない
  • 残置物のエアコンやガスコンロが使えない

詳しくは次の通りです。

2-1. 備え付けのエアコンや給湯器が使えない

備え付けエアコンや給湯器、ガスコンロ、ドアや建具、トイレ器具などが使えないといったクレームは、よくあります。

エアコンや給湯器などは、季節によっては早い対応を必要とされることが少なくありません。
緊急性のある場合は早めに入居者とコンタクトをとり対応を図ることが大切です。

備え付けの備品や設備は貸主の所有物と見なされるため、不具合がある場合は、貸主が修繕依頼をし修繕費用を負担します。

ただし、借主が故意に壊した場合などは借主負担になるといった例外もあります。
具体的な対処法は下記の通りです。

<クレーム対処法>1.すぐに入居者と連絡を取り、早急な対応が必要かどうかまず確認する
2.対処前に設備が不具合になった理由を確認する
3.貸主負担による修繕の場合は、入居者にスケジュールを相談。

できるだけ早く修繕業者に依頼し修繕を行なう

備え付けの備品や設備は原則として貸主負担で対応しますが、不具合の理由次第で下記のように借主が費用負担をすることがあります。

修理前に確認するようにしましょう。

  • 一般的な使用方法で生じた不具合:貸主が費用負担
  • 経年劣化によって生じた不具合:貸主が費用負担
  • 借主の不注意や過失が原因で故障した場合:借主が費用負担
  • 貸主や管理会社などに連絡せずに勝手に借主が修理した場合:借主負担(※)

※ただし、2020年の法改正で、「借人が貸人に修繕が必要である旨を通知した、または貸人がその旨を知ったのに相当の期間内に必要な修繕をしないとき」「急迫の事情があるとき」は、貸主も負担することになりました。

2-2. 残置物のエアコンやガスコンロが使えない

残置物とは、前の入居者が置いていった備品のことです。

エアコンやガスコンロでは残置物であるケースも少なくありません。
こうした残置物が使えないといったクレームを受けることもあります。

この場合、貸主の所有物ではないため、貸主に修繕費用の負担義務はありません。
ただし、入居者が入居する際に残置物については残置物であることをあらかじめ伝えておく必要があります。

残置物であることを入居者が入居する際にあらかじめ説明していない場合や契約書に明記していない場合は、貸主が費用負担をしなければならない可能性が残るため注意しましょう。

<クレーム対処法>
残置物であることを伝えて借主の費用負担で修繕してもらう

<予防策>
前の居住者が退去する際に設置物は全て処分させ、残置物を置かないようにする


3. 配管などの水回りトラブルに関するクレーム3つ

配管などの水回りのトラブルに関するクレームも多く見られます。

具体的には次のようなクレームがあります。

  • 水が出ない
  • 水が止まらない、水漏れがする
  • 天井から水漏れがする

順に見ていきましょう。

3-1. 水が出ない

「蛇口から水が出ない」「トイレの水が流れない」など水が出ないというクレームもあります。

水が出ない原因としては、次のようなものが考えられます。

  • 断水
  • 入居者の水道料金の滞納
  • 蛇口の不具合
  • 水道管・受水槽の問題

原因によって対処法も異なるため、まずは水が出ない原因を確認しましょう。

<クレーム対処法>1.水が出ない原因を確認する(断水、水道料金の滞納、蛇口の不具合、水道管や受水槽の問題など
※受水槽の問題の場合は、他の部屋でも水が出なくなっている可能性があります。

2.不具合を起こした原因を確認する
3.修理の手配をする

また、修繕費用の負担者を明確にするために、下記点も確認しましょう。

  • 一般的な使用方法で生じた不具合:貸主が費用負担
  • 経年劣化によって生じた不具合:貸主が費用負担
  • 借主の不注意や過失が原因で故障した場合:借主が費用負担
  • 前の入居者の残した温水洗浄便座など残置物が故障した場合:借主が負担
  • 貸主や管理会社などに連絡せずに勝手に借主が修理した場合:借主が負担(※)

※ただし、2020年の法改正で、「借人が貸人に修繕が必要である旨を通知した、または貸人がその旨を知ったのに相当の期間内に必要な修繕をしないとき」「急迫の事情があるとき」は、貸主も負担することになりました。

<予防策>
専門業者に依頼し定期点検や清掃を行う

3-2. 水が止まらない・水漏れがする

「水が止まらない」「水漏れがする」というクレームも多くあります。

水が出続けている場合は、入居者にまずは止水栓か元栓で水を止める応急処置をとってもらいます。

備え付けの蛇口やトイレの経年劣化や一般的な使い方で故障した場合の水漏れについては、基本的に貸主に修繕義務があるため、貸主が水道業者を手配しましょう。

ただし、入居者がわざと壊した場合など不注意や過失が原因での水漏れが原因の場合は、借主が費用を負担します。

<クレーム対処法>
3-1. 水が出ない​​​」と対処法は同じ

3-3. 天井から水漏れがする

「天井から水漏れがしている」というクレームもあります。

天井からの水漏れの原因としては下記のものが考えられます。

  • 雨漏り
  • 天井裏の水道管の破裂など配管の破損
  • 上の階の住民の問題
    (お風呂をあふれさせている、洗濯ホースから水を流しっぱなしにしているなど)

天井からの水漏れは、入居者の家具や持ち物を傷めるほか、壁や柱、床も傷めてしまうため、早めに原因を特定して手当てするようにしましょう。

<クレーム対処法>
業者を手配して原因を確認し、修繕を行なう

水漏れの原因究明のためにまずは業者を手配しましょう。
不具合の箇所を確認するとともに、不具合となった原因を特定して、修繕を行います。

また、修繕費用の負担者を明確にするために、下記点も確認しましょう。

  • 経年劣化や一般的な使い方による不具合が原因:貸主が費用負担
  • 借主が故意に天井を傷めた場合:借主が費用負担
  • 上の階の住民の過失が原因の場合:上の階の住民の費用負担
    ※天井から水漏れが起きた場合には、火災保険が適用できることもあります。

4.悪臭・異臭についてのクレーム4つ

悪臭や異臭についてのクレームも多くあります。

例えば下記のような苦情が寄せられることが少なくありません。

  • 入居者自身の部屋がガス臭い
  • 入居者自身の部屋が下水臭い
  • 隣人がベランダで吸うタバコが臭い
  • 隣の部屋から異臭がする

詳しくは次の通りです。

4-1. 入居者自身の部屋がガス臭い

入居者自身の部屋がガス臭い、下水臭いといったクレームもよくあります。

入居者自身は特に身に覚えがないのに、どこからかガスの臭いがする場合などです。

入居者からガス臭いとのクレームが来た場合は、まずは窓を開け、ガスの元栓を閉めてもらうようにしましょう。
火花で引火する可能性があるため、換気扇や照明のスイッチは入れないように伝えることも大切です。

できるだけ早くガス漏れの通報をするなどして、業者を手配するようにしましょう。

<クレーム対処法>
1.窓を開け、ガスの元栓を閉めてもらうように入居者に依頼する
2.業者を手配して原因を確認、修繕する

なお修繕前には、修繕費用の負担者を明確にするために、下記点も確認しましょう。

  • 一般的な使用方法で生じた不具合:貸主が費用負担
  • 経年劣化によって生じた不具合:貸主が費用負担
  • 借主の不注意や過失が原因で故障した場合:借主が費用負担
  • 居住者が設置したガスコンロなどの器具が故障した場合:借主が費用負担
  • 前の入居者の残したガスコンロなど残置物が故障した場合:借主が費用負担
  • 貸主や管理会社などに連絡せずに勝手に借主が修理した場合:借主が費用負担(※)

※ただし、2020年の法改正で、「借人が貸人に修繕が必要である旨を通知した、または貸人がその旨を知ったのに相当の期間内に必要な修繕をしないとき」「急迫の事情があるとき」は、貸主も負担することになりました。

4-2. 入居者自身の部屋が下水臭い

入居者自身の部屋で下水の臭いがするといったクレームもあります。

風呂や洗面台、ときにはキッチンの排水溝から下水やアンモニアの臭いなどの変な臭いがするといったことがあります。

部屋が下水臭い場合の原因としては、下記のようなものが考えられます。

  • 排水管が詰まっている・封水切れを起こしている
  • 排水管の中が汚れている
  • 防臭キャップが劣化している
  • その他排水管の不具合が起きている

対処法は次の通りです。

<クレーム対処法>
1.下水臭さの原因を確認する
2.原因ごとに必要な対処を行う

なお、対処法は下記のように原因ごとに異なります。

(1)排水管が詰まっている:
詰まりをラバーカップやパイプクリーナーで取り除く。

(2)封水切れを起こしている:
封水とは、排水管の途中の「排水トラップ」に溜められた排水の臭いを封じる水のこと。
水を流して封水を溜めるだけで解消する。

(3)排水管の中が汚れている:
業者に高圧洗浄などの洗浄を依頼する。

(4)防臭キャップが劣化している:
防臭キャップの取り換えを行う。

(5)その他排水管の不具合が起きている:
排水管にヒビが入って排水が漏れている場合などは、排水管の修繕が必要です。
専門業者に依頼して修繕します。

<予防策>
定期的に排水管の点検や洗浄を行うなどして、排水管の詰まりや損傷を防ぐ

4-3. 隣人がベランダで吸うタバコが臭い

隣人がベランダでタバコを吸う臭いについてのクレームもよくあります。

隣人がベランダでタバコを吸うため、干している洗濯物や布団に臭いが付いてしまうといった苦情や、タバコの臭いが部屋に入るため窓を明けられないといった苦情が見られます。

ベランダは実は法律上は、室内と同じ専有部分でなく、万が一の際に避難経路としても使える「共用部分」と定められています。

共有部分での喫煙は他の住民の迷惑にもなるため、契約書でベランダでの喫煙は禁止と明記しているケースも少なくありません。
具体的な対処法は下記を参照してください。

<クレーム対処法>
1.入居者全体に手紙や張り紙で注意喚起をする
2.改善されない場合は、個別に注意する
3.何度注意しても改善されない場合は法的手段も検討する

何度も注意しても改善されない場合の法的手段では、実際に、隣人のベランダでの喫煙により健康被害を受けたとして損害賠償を勝ち取った判例があります。

<予防策>
契約上で「ベランダでの喫煙を禁止する」と定めておく

なお契約上で「全館禁煙」と定めるとベランダ以外の室内などでの喫煙も禁じることができますが、入居者の確保が難しくなることもあるため注意しましょう。

4-4. 隣りの部屋から異臭がする

隣りの部屋から異臭がするというクレームもあります。

これには例えば、隣りの部屋がゴミ屋敷化していて部屋の中や廊下にはみ出した生ごみが悪臭を放っているというようなケースです。

こうした場合、共用部にはみでているゴミであっても、所有権はゴミを出した住民にあるため、貸主は勝手に片付けることができません。
まずはゴミ屋敷化した部屋の住民に根気よく注意をして片付けてもらう必要があります。

<クレーム対処法>1.口頭や手紙などで該当者に注意する
2.何度注意しても改善が見られない場合は法的手段も検討する

何度も注意したにもかかわらず、状況が改善しない場合は、退去依頼の手続きに入ることも可能です。

具体的には内容証明郵便で「期日までにゴミを処分すること」および「できない場合は所定の期間内に退去してもらうこと」を通知します。

この手続きにより退去を促せるとともに、それでも退去を拒む場合は、明け渡しの訴訟などを起こすことが可能になります。


5. 駐車場や共用部分の使い方についてのクレーム6つ

駐車場や階段、廊下、ロビーといった共用部分の使い方についてのクレームも多くあります。

よくある例としては次のようなものがあります。

  • 入居者の駐車スペースに勝手に車を止められた
  • 来客用駐車場や駐輪スペースを特定の住民が占拠している
  • 階段や廊下やロビーに私物を置きっぱなしにする人がいる
  • ベランダでバーベキューや燻製を行う
  • マンションのベランダの仕様を勝手に変えている
  • 隣りのベランダの植木が侵入してきて枯れ葉が落ちてくる

詳しくは次の通りです。

5-1. 入居者の駐車スペースに勝手に車を止められた

入居者の駐車スペースに他の人が勝手に駐車するといったクレームもよく見られます。

駐車場を常に監視することが難しいため、無断駐車や違法駐車を取り締まることは簡単ではありません。
しかし契約者が適切に利用できるように対処する必要があります。

なお、相手が無断、違法行為をしているからといって、下記のような対処法を取るのは対処をした側も違法となるため避けましょう。

<NG対応>

  • タイヤをロックするなどして動かせない状態にする
  • レッカー車などで勝手に敷地外に車を出す
  • テープ跡の残る粘着テープなどで車に張り紙をする

正しい対処法は次の通りです。

<クレーム対処法>
1.無断駐車の車に警告の張り紙などを置く
2.無断駐車が繰り返される場合の手段は2通り
(1)警察に相談する
(2)車の所有者に直接警告を行う

無断駐車をしている車に張り紙をするときは、張り紙のテープ跡が残ると反対にクレームを受けトラブルになることがあります。
ワイパーに挟む、跡が残らない粘着力の弱いテープなどして跡が残らないように置きましょう。

また、何度も無断駐車が繰り返される場合には、車のナンバーなどから所有者を特定し、直接警告を行なうことも可能です。
車のナンバープレートの番号や証拠写真などを揃え、国土交通省の運輸局で「登録事項等証明書」の請求手続きをすると車の所有者の名前や住所が記載された書類を受け取れます。

所有者に連絡を取るときは、内容証明郵便という形で注意すると、「法的手段に訴える前段階」という意味合いもあるため、迷惑駐車の撃退効果が高まるでしょう。

<予防策>

  • 「駐車禁止」と書かれた立て看板を立てる
  • ポールやチェーンスタンドを立てる

5-2. 来客用駐車場や駐輪スペースを特定の住民が占拠している

来客用の駐車場や駐輪スペースについて、特定の住民が常に何台分も占拠して使用しているケースがあります。

来客用スペースは、本来は住民みんなが利用できるスペースのため、特定の人が独占していて他の人がほとんど使えないという状態は適切ではないといえます。
不公平感なく使えるように対処する必要があるといえるでしょう。

「来客駐車場を利用する際には管理人に申込みをしなければならない」「予約をしなければならない」など公平に使えるような運用ルールの設定、見直しなどが必要といえます。

<クレーム対処法>
1.来客用駐車場の利用ルールを決める
2.運用ルール通りの運用を行う

運用ルールを定めても守らない人がいて、それがさらに「ルールを守らない人がいる」というクレームを生むこともあります。

ルール違反があった場合は黙認せずに注意してルール通りに運用するようにしましょう。

<予防策>
あらかじめ来客駐車場・駐輪スペースなどの運用ルールを定める

5-3. 階段や廊下やロビーに私物を置きっぱなしにする人がいる

共用部分の階段や廊下、ロビーに私物を置きっぱなしにする人がいるというクレームもよくあります。

廊下に傘立てや家具、ゴミ袋などが放置されていて通りにくい、見た目が悪いなどのクレームが住人から寄せられることは少なくありません。

こうした私物は所有権が住民にあるため、貸主や管理人が勝手に処分することもできません。

なお、共用部分に私物を置くことは、マンションの管理規約で禁止されているケースがほとんどです。
管理規約に定めがある場合は規約違反であることを伝えながら対処しましょう。

<クレーム対処法>
1.全入居者宛に張り紙や手紙などで注意する
2.私物が撤去されない場合は移動させ一定期間保管のうえ処分する
3.何度警告しても繰り返される場合は法的手段も検討する

放置された私物については、法的に勝手に廃棄はできないものの移動させることは可能です。
私物を一時的に別の場所に保管し、引き取り方法と引き取りの期日を所有者に知らせましょう。
期間内に引き取らない場合、住民が所有権を放棄した場合は処分が可能です。

何度警告しても改善されない場合、貸主から申し出て賃貸契約を解除できる場合があります。
繰り返し警告して改善されなかった事実などで「借主・貸主間の信頼関係が破壊された」と判断されれば契約解除が可能です。

<予防策>
共用部分に私物を置いてはいけないことを契約書や張り紙で周知徹底する

5-4. ベランダでバーベキューや燻製を行う

隣人がベランダでバーベキューや燻製を行っているというクレームもあります。

特にコロナ禍で家での楽しみ方が多様化し、ベランダでアウトドア気分を楽しむ方も増えています。
その一方で、近隣の人はバーベキューや燻製による火災の危険性や、臭い移りなど不安や迷惑に思うことも少なくありません。

また、先述した通り、ベランダは室内と同様に使うことが許可された「共用部」です。
避難経路となる共用部で火を使ったり、バーベキュー機材などを設置したりすることは望ましくないため、止めてもらうよう注意する必要があります。

<クレーム対処法>
1.入居者全体に手紙や張り紙で注意喚起をする
2.改善されない場合は個別に注意する
3.何度注意しても改善されない場合は法的手段も検討する

ベランダでバーベキューを行うことは消防法などの法律違反にはなりませんが、火気禁止の管理規約に違反するケースが多くあります。

何度警告しても管理規約違反を繰り返す場合には、貸主からの申し出で賃貸契約を解除できる場合があります。

<予防策>
契約上で「ベランダでのバーベキューなどの行為を禁止する」ことを定めておく

5-5. マンションのベランダの仕様を勝手に変えている

隣人がベランダの仕様を勝手に変えたために、日が当たりにくくなった、水や砂埃がたまりやすくなったなどのクレームも少なくありません。

ベランダは室内と同様に考えて自由に模様替えやDIYを行ってしまう人がいます。

その場合、例えば目隠し用のシェードをつけたために、隣りの日当たりが悪くなったり、ガーデニング用の設備を整えたために、隣りの洗濯物に土埃や虫が付きやすくなったりすることがあります。

ベランダを改造した人に、ベランダはそもそも共用部のため自由に改造できないことや、いざというときの避難経路を維持するためにもベランダの原状回復の必要があることを伝えるようにしましょう。

<クレーム対処法>原状回復を求める

ベランダはそもそも共用部で勝手に改造することは認められていないため、元に戻すように求めることが可能です。

マンションの標準管理規約でも工作物設置の禁止、外観変更の禁止が明記されているためこれを根拠に原状回復を請求できます。

また、区分所有法57条に基づいて、構築物を撤去するよう求めることも可能です。

5-6. 隣りのベランダの植木が侵入してきて枯れ葉が落ちてくる

ガーデニングを楽しむ人が多い中、隣りのベランダの植木が侵入してくるというクレームもあります。

マンションに限らず、隣家の植木が敷地にはみ出してきた場合、それらの植木を勝手に伐採することはできません。
基本的な対処法は持ち主に話をし、取り除いてもらうことです。

クレーム対処の手順は下記を参考にしてください。

<クレーム対処法>
1.植木の所有者に注意する
2.所有者が対応してくれない場合は自分で切除するなどの対応をする

2023年4月1日の改正民法で、所有者に催告したにもかかわらず相当の期間内に枝の切除が行われない場合には、自分で切除できることとなりました。

所有者に伝えた後も伐採してもらえない場合は、自分で伐採するようにしましょう。


6. ペットについてのクレーム4つ

ペットについてのクレームも賃貸物件でよくあるクレームといえるでしょう。

ペットについてのクレーム例は以下の通りです。

  • ペット禁止なのに飼っている
  • ペットの鳴き声がうるさい
  • ペットを共有部分で放し飼いにしている
  • ペットの糞を玄関やロビー、廊下、駐車場に放置する

詳しい内容は次の通りです。

6-1.ペット禁止なのに飼っている

ペットの飼育を契約上禁止している物件なのに、ペットを飼っている人がいるというクレームが入ることもあります。

ペット禁止の物件でペットを飼っている人に対して何も対処をしないとペット飼育を黙認しているようにとらえられてしまいかねません。

その結果、その後の対応がスムーズに進まないことがあるため注意しましょう。

<クレーム対処法>
1.ペットを飼っていると疑われている人に確認をする
2.ペットを飼っていることが事実であれば飼育を止めてもらうように注意を促し、ペットを手放す期限を決める
3.飼い主が期限内にペットの飼育を止めない場合は強制退去に向けて手続きを行う

飼い主にペットの飼育を止める意思がない場合や、飼育を止める意思があってもいつまでも実行しない場合は、強制退去に向けて手続きを取ることができます。

その場合、契約解除通知を内容証明で送付するなど契約解除に向けての手続きを取ります。

6-2. ペットの鳴き声がうるさい

ペットについてのクレームとしては、ペットの鳴き声がうるさいというクレームもあります。

ペット禁止の物件の場合は「6-1.ペット禁止なのに飼っている」の対処法で対処します。
なお、ペットの鳴き声についてのクレームは、ペット可の物件でも起こり得ます。

なお、ペット可の物件は、ペットの飼育を認めているだけで、ペットによる騒音まで認めるわけではありません。
ペットの鳴き声で精神的苦痛、ときには健康被害を訴える入居者もいるため、真摯に対応する必要があるといえるでしょう。

<クレーム対処法>
1.入居者から事情を聞いて状況を確認する
2.入居者全員宛に手紙や張り紙で注意喚起する
3.改善が見られない場合は飼い主に直接注意する
4.それでも改善が見られない場合は法的手段も検討する

動物愛護法第7条で、飼い主にはペットが他人に害や迷惑を及ぼさないようにする責任があるとされています。

もしペットの鳴き声で近隣住民の精神的ストレスや睡眠妨害となって健康を害した場合などには、飼い主に損害賠償を請求することも可能です。

実際に、ペットの鳴き声による被害の損害賠償金が支払われたケースは多くあります。

例えば、飼い犬が深夜や早朝に異常な鳴き声で泣き続け近隣住民に健康被害を与えたとして一人当たり30万円の慰謝料の支払いを命じた判例(横浜地裁昭和 61 年 2 月 18 日判決)などがあります。

6-3. ペットを共有部分で放し飼いにしている

ペットを、共用部分でペットを放し飼いにしているというクレームも少なくありません。

ペット可の賃貸物件であっても、住民全員がペットを好んでいるわけではなく、ペットが苦手な人もいるため、ゲージや抱きかかえて運ぶなど飼い主に最低限のマナーやルールを守ってもらう必要があります。

特に共用部分でのペットの扱いについては、ペット可の物件でも管理規約などでゲージや抱きかかえて運ぶことや人とペットとの距離を取ることを義務付けているケースが少なくありません。

規約がある場合は規約にのっとって対処します。規約にない場合でもマナー違反として注意喚起をしましょう。

<クレーム対処法>
1.入居者全員宛に手紙や張り紙で注意喚起する
2.改善が見られない場合は、飼い主に直接注意を試みる

<予防策>

  • ペット可の物件の場合は、共用部でのルールについて細則などで明記しておく
  • マナーやルールを守る意識を高めるために共用部分に監視カメラを設置する

6-4. ペットの糞を玄関やロビー、廊下、駐車場に放置する

ペットの飼い主がペットの糞を玄関やロビー、廊下、駐車場などの共用部に放置しているというクレームもあります。

ペットの排せつ物を放置することは、ペットを飼ううえでのマナー・ルール違反といえます。

マンションの管理規約の細則などに「住戸以外の場所で排泄した場合は、飼育者の責任で清掃などを行う」と定められているケースも少なくないため、規約がある場合には規約にのっとって対処しましょう。

また規約がなくともマナー違反として注意喚起を行います。


7. ゴミ出しについてのクレーム5つ

ゴミ出しについてのクレームも比較的多いクレームといえるでしょう。

ゴミ出しのクレームでよくある例は次のようなものです。

  • 曜日などのルールを守らずにゴミを出す・ゴミの分別をしない
  • 粗大ゴミを不法投棄する
  • 一度に大量のゴミを出す
  • ゴミ捨て場の悪臭がひどい

詳しくは次の通りです。

7-1. 曜日などのルールを守らずにゴミを出す

マンションやアパートによって、ゴミを出す曜日や時間、場所などゴミ出しのルールが決まっています。
所定のルールを守らずにゴミを出しているというクレームも少なくありません。

ルールを守らないでいると、時間外にゴミがゴミ置き場に放置されてゴミが臭ったり、ゴミがカラスなどに荒らされて散らかったりすることもあります。

またゴミのルールを守っていないことを放置しておくと守らない人がどんどん増えていく恐れもあるため注意しましょう。

<クレーム対処法>
1.散乱したごみを掃除し入居者全員宛に手紙や張り紙などで注意喚起する
2.改善が見られない場合はゴミの主を特定して注意する

<予防策>

  • 監視カメラを設置するなどしてマナーやルールを守る意識を高める
  • 24時間受け入れ可能なゴミ捨て場を設け管理会社側で曜日に合わせてゴミを出す

7-2. ゴミの分別をしない

ゴミの分別をしない人がいるとのクレームも多く見られます。

マンションでは、ゴミの分別ルールを設けているケースがほとんどです。
ルール通りに分別しないと、その地域のゴミ収集車にゴミを回収してもらえず、ゴミがマンションのゴミ置き場に溜まってしまいます。

これも「7-1. 曜日などのルールを守らずにゴミを出す」と同様の対応が必要となります。

<クレーム対処法>
7-1. 曜日などのルールを守らずにゴミを出す」と同じ

<予防策>監視カメラを設置するなどしてマナーやルールを守る意識を高める

7-3. 粗大ゴミを不法投棄する

マンションのゴミ捨て場に粗大ゴミを不法投棄しているというクレームもあります。

粗大ゴミは、自治体の粗大ゴミの回収サービスに申し込んで有料で処分してもらうゴミで、本来はマンションのゴミ捨て場には捨てられません。

ゴミ捨て場に置かれても業者による収集ができないため、粗大ゴミは放置されたままの状態となります。
粗大ゴミを出した本人に片付けてもらう必要があるといえるでしょう。

<クレーム対処法>
1.ゴミ置き場に張り紙、全入居者宛に手紙を配布するなどして注意喚起する
2.改善が見られない場合はゴミの主を特定して注意する
3.ゴミを出した人が特定できなければ、相応の期間をおいて処分する

<予防策>
ゴミ捨て場に監視カメラを設置するなどしてマナーやルールを守る意識を高める

7-4. 一度に大量のゴミを出す

マンションのゴミ捨て場に一度に大量のゴミを出しているというクレームもあります。

マンションやアパートのゴミ捨て場は、スペースが限られるため、一度に大量のゴミが溜まると、ゴミがゴミ置き場からはみ出たり、ゴミが置けなかったりするためクレームにつながりやすくなります。

<クレーム対処法>
貸主や管理会社の責任でゴミ捨て場の清掃を定期的に行う

マンションの住民が大掃除をしたり、模様替えをしたりして、いつもより多めのゴミが出るケースも少なくありません。

ゴミ捨て場の衛生状態を保つためにも、保守業務の一環として貸主や管理会社がしっかりと管理・清掃を行う必要があるといえるでしょう。

<予防策>
ゴミ捨て場の定期的な清掃を欠かさないようにする

7-5. ゴミ捨て場の悪臭がひどい

ゴミ捨て場の悪臭がひどいというクレームも少なくありません。

ゴミ捨て場の悪臭は、生ゴミが放置されている、蓄積された汚れやゴミが臭っていることなどが原因です。清掃を行うことで解消することが可能です。

また、ルールを守らずに捨てたゴミが放置されて臭いの原因となることもあるため、利用者にルールを守って捨ててもらうことも大切だといえるでしょう。

<クレーム対処法>
ゴミ捨て場の清掃を定期的に行って清潔に保つ

ゴミ捨て場を清潔に保つためにも、貸主・管理会社の責任でしっかりと管理・清掃を行いましょう。

また、ゴミ収集日以外にゴミを放置して臭ったりすることがないように、入居者にゴミ捨てのルールを守ってもらうことも大切です。

<予防策>

  • ゴミ捨て場の定期的な清掃を欠かさず、清潔に保つ
  • ゴミ捨て場に監視カメラを設置するなどしてマナーやルールを守る意識を高める

8. その他:大家の対応や住民の嫌がらせなどについてのクレーム4つ

騒音や悪臭、ペットなどに分類されないその他のクレームとしては次のようなものが挙げられます。

  • 必要なときに大家・管理会社と連絡が取れない
  • 大家・管理会社の対応が遅い
  • 大家・管理会社の対応に効果がない
  • 隣人から身に覚えのないクレーム、嫌がらせ、脅迫などを受けている

順に見ていきましょう。

8-1. 必要なときに大家・管理会社と連絡が取れない

エアコンの故障や、給湯器の故障、水漏れや水が出ないといったトラブルは、深夜や早朝に起きることもあります。

そうしたときに、大家や管理会社と連絡が取れないといった苦情もよくあります。

今すぐ修理しないと困るのに、連絡が取れないために修理も何もできないといった状態に陥ります。

連絡が取れないうえに、連絡なしに修理してしまうと入居者が修理代を負担しなければならないことになるため、入居者の不満がたまりクレームにつながります。

<クレーム対処法>
1.いつでも問い合わせを受けられる連絡先を用意する
2.連絡を受けたらなるべく早く対応する

クレームは初期対応が早いほど、クレームをいう側の不満もためにくくスムーズな解決が図れます。
急を要するクレームもあるため、いつでも対応できる窓口を用意することは重要です。

<予防策>いつでも苦情に対応できる問い合わせ窓口などを設ける

8-2. 大家・管理会社の対応が遅い

クレームに対して「大家や管理会社が何もしない」「対応が遅い」といったこともクレームになりがちです。

実際には、貸主や管理会社がクレームに対応をしていたとしても、その過程を知らず、また結果が出てないために、クレームをいった側の入居者が不満をためて苦情を伝えてくることも少なくありません。

<クレーム対処法>
1.クレームを受けたら早めに対応をする
2.クレームを伝えてきた入居者に進捗状況をまめに知らせる

クレームを受けた場合は、早めに事情をヒアリングするなど初動が大切です。

そもそも早急な対応が必要なクレームも少なくありません。
初期対応が遅いと貸主や管理会社への不満はさらに高まります。

また、クレームに対応している間も、クレームを伝えてきた入居者に、現在の対応状況や今後の方針などについてまめに知らせて、不安を払しょくすることがおすすめです。

<予防策>いつでも苦情に対応できる24時間問い合わせ窓口などを用意する

8-3. 大家・管理会社の対応に効果がない

大家・管理会社の対応に効果がないといったクレームもあります。

特に騒音トラブルなど、加害者がいるトラブルについては加害者側が態度を改めないことも少なくありません。
そうした場合に、大家や管理会社の対応に効果がないという苦情も聞かれます。

対応の進捗や方針を伝えつつ、理解してもらうようにしましょう。

<クレーム対処法>
クレームを伝えてきた入居者に対応の進捗状況をまめに知らせる

クレームを伝えてきた入居者に、現在の対応状況や今後の方針などについてまめに知らせるようにしましょう。

また、入居者が考えるような強硬手段(強制退去や罰金徴収など)が使えないことも多いため、貸主が対応できることとできないことを伝えることも有効です。

<予防策>クレームを伝えてきた相手にクレーム対応の方針や進捗を伝えておく

8-4. 隣人から身に覚えのないクレーム、嫌がらせ、脅迫などを受けている

入居者が隣人から身に覚えのないクレームや嫌がらせ、脅迫などを受けているという苦情もあります。

貸主には、賃貸物件を入居者が最低限安心して生活できる環境で提供する義務があるため、こうした住民同士のトラブルにも対処しなければなりません。

<クレーム対処法>
1.入居者から事情を聞くなどして状況確認する
2.嫌がらせをしているといわれている相手方にも事情を聞く
3.トラブルの原因について注意する
4.不当な嫌がらせや脅迫が止まない場合は法的手段も検討する

住民同士のトラブルは双方に確認して原因を探りましょう。

住居人同士で誤解をしている場合もあるため、客観的に事態を把握する必要があります。
誤解を解くだけで状況が改善することもあります。

また、注意を行ったら、苦情を伝えてきた入居者にも注意をしたことを忘れず伝えましょう。

※なお、何度注意をしても不当な嫌がらせや脅迫といった近隣への迷惑行為を繰り返す場合には、貸主は、借主が、住むためだけの部屋を住む目的以外に使っている(=用法遵守義務違反)として、契約解除することも可能です。


9. クレームをスムーズに解消するにはプロの管理会社におまかせ

騒音トラブルやエアコン・給湯器などの設備の不具合など33種のクレームについて紹介しました。

クレームを放置したり対応を後回しにしたりすると、下記のような事態に陥ることも少なくありません。

  • 対応が遅くて大家や管理会社に対してもクレームが入る
  • 住民同士が激突して事態が悪化する
  • 入居者が退去してしまう
  • 物件の評判が下がり空室が増える

クレームをスムーズに解消するためには、早急な対応や真摯な対応が大切といえます。

例えば、24時間365日いつでも問い合わせ対応ができる窓口を設けたり、日頃から入居者にアンケートを取るなど意見を吸い上げる仕組みを設けたりするとよいでしょう。

また、解消の難易度の高いクレームもあるため、問題解決に向けた豊富な知識を持つスタッフも必要です。
そもそもクレームを起こさないためにも、入居者入れ替え時の設備の保守点検をしっかり行うことも重要といえるでしょう。

貸主一人で対応するのが難しい場合はプロの管理会社にお任せすることもおすすめです。

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管理体制は、下記のような入居者の斡旋から家賃集金、クレーム対応、設備等の故障対応など充実のサポート体制をご用意しています。

  • 24時間365日、入居者様の問い合わせ対応可能!
  • 入居者様が家賃を滞納した場合の滞納保証も提供!
  • 入居中の設備故障による設備修理などの設備保証も提供!
  • 集客力のあるサイトを保有しているため、早期客付の実現可能!

クレーム対応や賃貸管理にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


10. まとめ

賃貸物件によくあるクレームについてお伝えしました。

クレームをスムーズに解消するためには、早急な対応や真摯な対応が大切です。

クレームの解消方法や予防策も紹介しましたので合わせて確認するようにしてください。
貸主だけでは手に負えないことも多いためプロの手を借りることもおすすめです。

これらの情報が、安心して不動産賃貸を行うために役立つと幸いです。

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