賃貸管理の種類に迷うオーナー必見!メリット・デメリットから総合的に判断

「不動産投資を検討しているけれど、賃貸管理の種類って何があるの?自分にぴったりの方法が知りたいなあ」

「賃貸管理の種類によって、かかる手間やお金は変わってくるんだろうな…事前に詳しく知って今後の賃貸経営に活かしたい」

賃貸経営を考えるとき、自身の性格や環境・かかるコストなどを考えると、自分にぴったりの賃貸管理の種類がわからず、お困りの方は多いでしょう。

賃貸管理の種類には以下の3種類があり、賃貸オーナーによって向き不向きがあります。

たとえば自主管理であれば、コストをかけずに賃貸オーナーの展望を実現しやすくなりますが、不動産に関して勉強する意思がなければ経営が立ちゆかなくなります。

サブリースは安定した収入を得られる一方で、更新料や敷金・礼金は受け取れないため「がっつり稼ぎたい!」という考え方をおもちの方にとっては、不向きな賃貸管理の種類でしょう。

安易に賃貸管理の種類を決めてしまえば「思っていたのと違った…」では済まず、契約の解除ができなかったり、手間がかかって本業に支障が出たりする可能性も否定できません。

そこで本記事では、賃貸管理の種類について詳細を説明するとともに、向いている方やメリット・デメリットを詳しくお伝えしていきます。

本記事でわかること
・賃貸管理の種類に何があるのかわかる
・賃貸管理の種類について向き不向きを理解して自分に当てはめられる
・賃貸管理の各種類のメリット・デメリットがわかる
・委託管理やサブリース会社の選び方のポイントがわかるので失敗しない!

本記事を読めば、賃貸管理の種類についてわかるだけでなく、賃貸オーナーの性格や生活状況を踏まえてどのような方法を選ぶべきか判断が可能です。

これから始める賃貸経営の第一歩を、安心してスタートさせられるでしょう。

ぜひこのまま読み進めて、賃貸管理の種類について理解を深めてください。

賃貸管理完全ガイド
依頼すべき理由

1. 賃貸管理の種類は3つ

賃貸管理の種類は、委託管理と自主管理・サブリースの3つがあります。

詳細を順番に見ていきましょう。

1-1. 委託管理

 

委託管理に向いている人委託管理に向いていない人
会社員と並行して賃貸オーナーをしている
時間がない
所有物件の数が多い
所有物件が遠方にある
コミュニケーションに自信がない
プロの管理方法を学びたい
できるだけコストを抑えたい
賃貸管理の現場が好き
自分の目で常に物件を把握したい
委託先の比較を面倒に感じる

賃貸管理の種類の中でも1番おすすめの方法は、所有物件の管理を賃貸管理会社へ任せる「委託管理」です。

2種類のパターンがあり、所有物件に関する管理業務すべてを賃貸管理会社へ任せる方法と、賃貸オーナーが管理する部分以外を任せる方法があります。

たとえば入居者募集だけは賃貸オーナーがおこない、残りの物件管理業務を賃貸管理会社へ任せるといった場合が一部だけ委託するケースです。

一部だけ委託する場合は賃貸オーナーが管理する手間が増える一方、物件の維持・管理に対する意識向上を狙えるでしょう。

賃貸管理会社へ費用が発生するため、委託管理はコストを抑えたい方にとっては不向きです。

賃貸オーナーへ入居者や物件情報を伝えられるまでのタイムラグもあるので、常にすべてを把握しておくことは難しい場合もあります。

そして、賃貸管理会社はどこでも同じではありません。

実績や管理手数料・保証などを数社比較する方でなければ、大事な物件をきちんと管理する賃貸管理会社には出会えないでしょう。

一方で、賃貸管理会社が賃貸管理をおこなってくれるため、忙しい方や所有物件数が多い方・コミュニケーションが苦手な方などには向いている管理方法です。

賃貸管理会社はプロなので、賃貸経営の知識を学んでいきたい方にとっても勉強になるでしょう。

1-2. 自主管理

自主管理に向いている人自主管理に向いていない人
不動産業を専業でおこなっている
所有物件に近い
コミュニケーション能力に長けている
できるだけコストを抑えたい
賃貸管理の現場が好き
会社員と並行して賃貸オーナーをしている
所有物件の数が多い
所有物件が遠方にある
人と接することが得意ではない

賃貸管理を趣味として楽しみたい、とにかく自分が関わりながら物件を管理していきたいといった方に向いている方法が、自主管理です。

自主管理では所有物件に関わるすべての事項について、賃貸オーナーだけで管理します

賃貸管理には以下のような業務内容があり、自主管理ではすべてを賃貸オーナーがおこなわなければなりません。

管理業務を外注しないためコストを抑えられますが、賃貸管理に割かなければならない時間が多く必要です。

トラブル対応がすぐできるよう、物件との距離の近さも自主管理できるかも判断目安となるでしょう。

また自主管理の場合は、入居者対応から清掃・修繕などを日常的におこないます。

入居者との距離が必然的に近くなることから、コミュニケーション能力に長けている方や現場が好きな方が向いているでしょう。

1-3. サブリース

サブリースに向いている人サブリースに向いていない人
賃貸経営を始めたいけれどノウハウがない
時間がない
安定した収入を得たい
確定申告の手間を省きたい
しっかり稼ぎたい
できるだけコストを抑えたい
賃貸管理の現場が好き
自分の目で常に物件を把握したい

収入の安定感をとにかく重視する方に向いている賃貸管理の種類は、サブリースです。

サブリースは、賃貸オーナーからサブリース会社が物件を一括で借り上げたうえで、入居者を募集します。

空室の有無に関わらず、毎月賃料の80~90%ほのぼ定額の家賃保証を受けられる点がサブリースの大きな特徴です。

大きな収入を得ることは難しい一方でサブリース会社が管理業務を担ってくれるため、賃貸経営のノウハウがない方や時間がない方も、サブリースに向いています。

また収入先がサブリース会社だけになるため、確定申告の書類作成がほかの賃貸管理方法と比較して楽になるので、手間を省きたい方にもおすすめです。


2. 賃貸管理の種類1|委託管理のメリット・デメリット

賃貸管理には、3つの種類があることをおわかりいただきました。

ここからは賃貸管理方法の比較をしていただくために、各管理方法のメリット・デメリットを解説していきます。

はじめに、1番おすすめの賃貸管理方法といえる委託管理から見ていきましょう。

2-1.メリット

委託管理のメリット・デメリットは、以下3つです。

・手間がない
・プロに委託できるので安心感がある
・遠方の物件を所有できる

順番に解説します。

2-1-1. 手間がない

委託管理を選ぶメリットは、賃貸オーナーの手間が必要ないことです。

一部だけ委託するケースを除けば、委託管理をすると、賃貸オーナーが入居者とのやりとりや点検業務などに携わることはありません。

1.賃貸管理の種類は3つ」でもお伝えしましたように、賃貸物件の管理業務は非常に多いといえます。

これらの業務すべてをこなすには、相応の労力や時間を割かなければなりません。

しかし委託管理によって手間がなくなると精神的なゆとりをもて、今後の事業展開や運営方針など、物件に関するほかの課題に目を向ける時間も生み出せます。

兼業オーナーの方なら、ほかの仕事への影響が出にくくなるでしょう。

また24時間体制でクレーム対応を任せられるので、夜間に呼び出されることもありません。

事業が拡大してきたり多くの仕事を抱えていたりする方は、委託管理の利用を検討すると無理なく賃貸経営を続けやすくなります。

2-1-2. プロに委託できるので安心感がある

賃貸管理会社は不動産に関するプロなので知識やノウハウがあり、大事な物件を安心して任せられます。

たとえば空室対策をする場合でも、客付け力の高い賃貸会社であれば多くの手法をもっているので、空室期間を短くできるでしょう。

クレームに対応するときも賃貸管理会社であればマニュアルが完備されているため、素早い対応と適切な判断を期待でき、入居者の不満を最小限にすませられます。

不動産に関する豊富な知識が賃貸オーナーになくても、プロへ委託管理できれば法に差し障るような事務的なミスが起こる可能性も低く、安心して任せられるでしょう。

2-1-3. 遠方の物件を所有できる

委託管理であれば、数時間かかる遠方の物件であっても管理してもらえるので、所有できます。

投資に向いている物件は、エリアや立地などを踏まえると、必ずしも近くの場所で所有するとは限りません。

仮に自主管理であれば、自身が足を運べるエリアに限られてしまい、物件の条件が悪くなる可能性もあります。

委託管理であれば気に入った物件のエリアに対応している賃貸管理会社を選択するだけでよく、遠方であっても問題なく賃貸管理できます。

2-2. デメリット

委託管理するデメリットは、以下3つです。

・コストがかかる
・賃貸管理会社によって管理の質が変動する
・入居者や建物の状況を把握しにくい

順番に見ていきましょう。

2-2-1. コストがかかる

委託管理によって、以下のようなコストが発生します。

・管理手数料
・更新事務手数料
・修繕費用
・システム料

委託管理をすると月額賃料の3~7%ほどの管理手数料がかかり、平均は5%程度です。

仮に家賃10万円の物件を10戸委託管理する場合は、以下のような手数料が発生するので理解しておきましょう。

例)家賃10万円×10戸(=100万円)を委託管理する場合

賃貸管理手数料賃貸管理会社へ支払う月額の賃貸管理手数料
3%3万円
5%5万円
7%7万円

また契約更新時期は更新事務手数料として、賃貸管理会社の取得分が上乗せされたり、修繕時の費用が発生したりします。

独自システムを利用している賃貸管理会社であれば、システム料がかかることもあるので知っておきましょう。

目安として、平成30年に国土交通省によっておこなわれたマンション総合調査結果では、月の戸当たり管理費は総収入として平均15,956円です。

また単棟型では16,213円、団地型の場合は14,660円と、賃貸物件の形態によって管理費用は異なります。

(出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果〔概要編〕」)

賃貸管理会社ごとに費用の違いがあることはもちろん、すべて任せるのか、一部は自分で賃貸管理するかによってもコストは変動します。

委託管理を検討する場合はある程度賃貸管理の方針を決めたうえで、賃貸管理会社を複数比較検討するといいでしょう。

2-2-2. 賃貸管理会社によって管理の質が変動する

どの賃貸管理会社へ依頼してもサービス内容は同じではなく、管理の質は変動するので注意が必要です。

以下は2018年に株式会社アルティメット総研が実施した、運営サイト「ウチコミ!」へ登録済みの賃貸オーナー、7,803名への賃貸管理会社に対する意識調査結果です。

出典:株式会社アルティメット総研「今の管理会社に満足していますか?

有効回答者は304名となっており、35.9%のオーナーが賃貸管理会社への不満を抱えていることがわかりました。

また、不満理由に関しては、以下のような回答を得られています。

出典:株式会社アルティメット総研「「どちらとも言えない」、「やや不満」、「不満」と回答された方にお聞きします。その理由として当てはまるものにチェックしてください

調査結果を見ると、賃貸管理会社へ依頼するだけで思うような結果が得られるとは、限らないことをおわかりいただけるでしょう。

そのため、賃貸管理会社へ委託管理する場合は、質を重視して選ぶ必要があります。

とはいえ「賃貸管理会社って何を基準に選びばばいいのかわからない」という方も多いでしょう。

本記事の後半「5.賃貸管理の種類を「委託管理」「サブリース」にするなら最適な賃貸管理会社を選ぼう」では、賃貸管理会社の選び方のポイントをお伝えするので、参考にしてください。

2-2-3. 入居者や建物の状況を把握しにくい

委託管理では入居者や建物の状況について、詳細を把握することは難しいデメリットがあります。

入居者とのやりとりや建物の保守・点検などは賃貸管理会社がおこなうため、賃貸オーナーがダイレクトに目で見て確認する機会は多くありません。

また、発生した出来事すべてを、賃貸オーナーへ報告されるとは限らないでしょう。

賃貸管理会社へ任せると、入居者や建物の状況をタイムリーに把握することは難しくなります。

入居者や建物の状況を常に把握しなければ心配な方は、自主管理を選択するか、報告頻度がマメな賃貸管理会社を選択するなどの工夫が必要です。


3. 賃貸管理の種類2|自主管理のメリット・デメリット

ここまで、委託管理のメリット・デメリットについておわかりいただけたかと思います。

つづいて賃貸管理が趣味の方や、とにかく賃貸オーナー自身で物件に関わっていきたい方向けの、自主管理のメリット・デメリットをお伝えしていきます。

3-1. メリット

自主管理のメリットは、以下3つです。

・コストがかからない
・賃貸経営のノウハウを得られる
・入居者や建物の状況を把握しやすい

順番に解説します。

3-1-1. コストがかからない

自主管理は賃貸管理会社へ委託せず、すべて自分で管理するためコストがかかりません。

仮に賃貸管理会社へ管理業務を依頼する場合、家賃の3~7%の賃貸管理手数料がかかります。

例)家賃10万円×10戸(=100万円)を委託管理する場合

賃貸管理手数料賃貸管理会社へ支払う月額の賃貸管理手数料
3%3万円
5%5万円
7%7万円

自主管理によって月々のコスト削減ができれば、その分収益の増加につながります。

修繕積立金にあてたり、新たな入居者を募集するための費用に活用したり、削減した費用を賃貸経営に役立て得られるでしょう。

3-1-2. 賃貸経営のノウハウを得られる

賃貸管理を自分でおこなうと、業務をこなしていくなかで賃貸経営のノウハウが自然と蓄積されます。

各管理業務にかかる時間やコスト・労力などは、ある程度想像はできても、実際に体験してみなければわからないことが多々あります。

自分で賃貸管理をすると賃貸経営のノウハウをスピード感をもって得やすく、さまざまな状況に対応していくなかで応用力も鍛えられるでしょう。

また賃貸管理のノウハウを得ていれば、賃貸管理会社への委託を検討するときの業者選びや、実際の業務を任せたときに仕事内容の善し悪しを判断しやすくなります。

事業を拡大していくときにも、実体験で得た賃貸管理のノウハウや知識が役に立つでしょう。

3-1-3. 入居者や建物の状況を把握しやすい

賃貸管理を自分ですると賃貸管理会社からの情報提供を待つ受け身ではなく、賃貸オーナー自ら対応するため、入居者や建物の状況を把握しやすくなります。

契約時の対応や共用部分の掃除など、日常的な賃貸管理をしていれば、賃貸オーナーと入居者は顔を合わせる機会が自然と増えますよね。

入居者の生活スタイルや人柄を把握するとコミュニケーションをとるときに役立ち、トラブルが起こった場合も、スムーズに対応をとりやすくなります。

また建物の劣化や修理が必要な箇所など現在の状況を把握していると、大規模修繕のような長期的な計画を立てる判断材料にできます。

入居者に寄り添いながら、物件に必要なメンテナンスを適切な時期におこなえる点は、自主管理のメリットといえるでしょう。

3-2. デメリット

自主管理をするデメリットは、以下の3つです。

・手間がかかる
・クレーム対応を自分でする必要がある
・常に勉強する姿勢が必要

順番に見ていきましょう。

3-2-1. 手間がかかる

自主管理はすべての管理業務をこなす必要があるので、ほかの賃貸管理方法と比較して圧倒的に手間がかかります。

たとえば、内覧や入居者の契約手続きに関する書類作成・設備の修繕手配など、賃貸管理には細かな業務が多数あります。

多くの時間を割く必要があるため、会社員として務めながら賃貸管理業にを営んでいる方は両立が困難になりやすいでしょう。

また賃貸経営が本業でも、管理戸数が多ければ自主管理には限界があります。

手が回らなくなってしまえば入居者対応が遅れたり、共用部の汚れが目立ったりして入居者の不満が溜まることも懸念されます。

賃貸管理を自分でおこなう場合は手間がかかることを覚悟しておく必要があり、余裕がなくなれば入居者の不満につながることも知っておきましょう。

3-2-2. クレーム対応を自分でする必要がある

自主管理では、賃貸オーナーがクレーム対応をしなければならないので、精神的・肉体的な疲弊が予想されます。

仮に入居者同士のトラブルからクレームがあった場合、双方の意見を聞いたり、解決案を出したりしながら対処していかなければなりません。

話がスムーズに進めばいいのですが、うまくいかなければ以下のような事態に発展する可能性もあるでしょう。

・クレームを訴えている入居者の退去
・入居者が一時避難する場合の費用請求
・公的機関への報告
・悪い口コミの拡散

また給湯器の設備故障や水漏れのような急を要する内容のクレームは、深夜でも駆けつけなければ入居者の不満が溜まり、2次クレームにつながりかねません。

クレーム対応は迅速で的確な行動をとらなければ入居者の納得を得にくく、骨の折れる仕事であることを知っておいてください。

3-2-3. 常に勉強する姿勢が必要

自主管理にあたって特別な資格は必要ありませんが、順調に賃貸経営を回すためには常に勉強して知識を蓄えていくことが欠かせません。

委託管理やサブリースと違い、自主管理では誰も業務を担ってくれないため、賃貸オーナーの腕によって経営が左右されるからです。

たとえば自主管理には、以下のような知識が必要です。

・不動産管理
・賃貸経営
・リスク対策
・節税対策
・法律
・資金調達

物件の管理が正しくできていなければ、建物や設備の劣化が著しく進み、資産価値の低下を招きかねません。

資金調達の最適な手法の選択や成功するポイントを押さえておかなければ、事業の成長スピードが落ちてしまいます。

法律改正によって新しい制度ができることも多く、自主管理では賃貸オーナーが常に勉強する姿勢を保ち続けなければ、事業を続けていくことは困難です。


4. 賃貸管理の種類3|サブリースのメリット・デメリット

ここまで、自主管理のメリット・デメリットをお伝えしました。

最後の3つ目は、とにかく安定感を重視したい方向けに、サブリースのメリット・デメリットを解説します。

4-1. メリット

サブリースのメリットは、以下4つです。

・空室や滞納リスクを回避できる
・広告料の負担がない
・確定申告の手間が少ない
・管理事務をすべて任せられる

順番に見ていきましょう。

4-1-1. 空室や滞納リスクを回避できる

サブリースでは空室の有無に関わらず家賃収入を得られ、家賃滞納が発生した場合でも支払われるので安心です。

自主管理や委託管理などサブリース以外の賃貸管理では空室になったり家賃を滞納されたりすれば、当たり前ですが、収入を得られません。

しかしサブリースであれば、毎月決まった収入を得られるため、安心材料となります。

支払われる家賃の金額はサブリース会社との契約内容によりますが、おおよそ80~90%が目安となり、一般的に2年で保証賃料の見直しがあります。

また安定した収入を得られるため、サブリースは融資を受けやすくなるメリットも、合わせて知っておきましょう。

4-1-2. 広告料の負担がない

サブリースの場合は、賃貸オーナーが入居者を募集しないため、広告料を支払う必要はありません。

客付けすると多くの場合、賃貸オーナーから客付け業者に対して家賃1~2か月程度の広告料を支払います。

仮に10万円の物件を10戸サブリースする場合は、100~200万円広告料が浮くこととなり、賃貸管理において大きなメリットといえます。

4-1-3. 管理事務をすべて任せられる

サブリースでは、賃貸管理業務をすべてサブリース会社に任せられます。

物件を一括で借り上げているため、サブリースは賃貸オーナーが貸主ではありません。

そのため以下のような、賃貸経営における管理業務はサブリース会社が担います。

・入居者募集
・内見案内
・賃貸契約の締結
・家賃管理
・建物の定期メンテナンス
・修繕
・入居者対応

賃貸オーナーと兼業しながら会社勤めをしている方や、不動産に関する知識がない方などにとって、サブリースは負担が少なく助かる選択肢のひとつです。

ただし管理手数料は賃料の10~20%と、委託管理の場合と比較してやや高くなることも合わせて知っておきましょう。

4-1-4. 確定申告の手間が少ない

サブリースでは賃貸管理にかかる費用の多くをサブリース会社が負担するので、仕分け数が減り、確定申告の手間も少なくなります。

事業で年間20万円以上の利益が出る場合は、どの賃貸管理の種類を選んでも、確定申告をしなければなりません。

多くの戸数を賃貸管理しているとそれぞれの収支計算が必要であるとともに、入退去や空室募集などで発生する膨大な種類の収支費用を仕分けする必要があります。

しかしサブリースであれば、収入はサブリース会社から得る賃料のみです。

残りは提示された収支報告書をもとに仕分けするだけなので、煩雑な確定申告に頭を悩ます必要がなくなるでしょう。

4-2. デメリット

サブリースのデメリットは、以下4つです。

・一般的な賃貸契約より賃料が安い
・入居者を選択できない
・オーナーからの解約は難しい
・更新料や敷金
・礼金が受け取れない

順番に見ていきましょう。

4-2-1. 一般的な賃貸契約より賃料が安い

サブリースの場合、一般的な賃貸契約より賃料が安くなるため、満額の家賃収入を得られません。

目安として、10~20%程度減額された家賃収入となることを理解しておきましょう。

そのため満室になりやすい物件の場合は、サブリースの選択によって損する可能性があります。

人気のエリアやリノベーション済み・築浅といった空室になりにくい物件であれば、サブリースを選択すべきか検討したうえで判断しましょう。

4-2-2. 入居者を選択できない

サブリースの場合は、サブリース会社が管理業務をおこなうため、入居者の選択はできません。

自主管理の場合はもちろん、管理委託も貸主は賃貸オーナーのため、入居者の年齢や収入・連帯保証人の有無などを検討する余地があります。

一方サブリースの貸主は、サブリース会社です。

たとえば高齢者やペット所有者など、許可を迷う入居者であっても、サブリース会社がOKを出せば、賃貸オーナーは反対できません。

サブリース会社の立場にしてみれば、賃貸オーナーへ一定額の賃料を支払う必要があるため、入居が決まらなければ入居審査のハードルを下げる可能性もあるでしょう。

賃貸オーナー側にとって好ましくない入居者であっても契約に結びつく場合があるので、知っておいてください。

4-2-3. 賃貸オーナーからの解約は難しい

サブリースは一度契約すると賃貸オーナーからの解約は困難です。

サブリースは賃貸オーナーがサブリース会社へ物件を借り上げるので、思うように収益が上がらない場合でも、借地借家法によって賃貸オーナーからの解約を認められないのです。

サブリース会社との契約次第では、違約金を支払ったり、期日までに申し出たりすれば賃貸オーナー側からの解約が認められるケースがあります。

一方サブリース会社は借主となるため、解約を申し出たとしても賃貸オーナーが拒むことはできません。

そのため契約期間や途中解約の可否・違約金の有無など、サブリースではうまくいかなかった場合を想定したうえで、事前に契約書の詳細を確認する必要があります。

4-2-4. 更新料や敷金・礼金が受け取れない

賃貸オーナーの収入はサブリース会社からの保証賃料のみなので、更新料や敷金・礼金を受け取れません。

自主管理や委託管理では、賃貸オーナーが入退去時の更新料や敷金・礼金を受け取れますが、サブリースではサブリース会社の収入となるので、知っておきましょう。


5. 賃貸管理の種類を「委託管理」「サブリース」にするならポイントを押さえて最適な契約先を選ぼう

ここまで、3つの賃貸管理の種類についてメリット・デメリットをお伝えしました。

自主管理では賃貸オーナー自身の腕が問われますが、委託管理やサブリースでは契約先を吟味して選ぶ必要があります。

委託管理とサブリース、それぞれの契約先を選ぶポイントをお伝えします。

5-1. 委託管理する賃貸管理会社を選ぶポイント

委託管理する賃貸管理会社を選ぶポイントは、以下です。

委託管理する賃貸管理会社を選ぶポイント
・豊富な実績がある
・事業計画や修繕計画などの詳細を伝えてくれる
・周辺地域や入居者層などのリサーチや分析、情報収集を怠らない
・客付け力が高い
・契約前に保証範囲や条件などをリスクを含めて説明してくれる
・担当者とのやりとりがスムーズかつ的確である

賃貸管理会社を選ぶときは、手数料の安さやブランドだけではなく、実績をしっかり確認してください。

入居者の満足度がわかる口コミを知り、サービスの質を比較検討することも信頼のおける賃貸管理会社選びには大切です。

いざというときにどのような保証が受けられるかまで確認すると、安心して委託管理できるでしょう。

以下の記事では賃貸管理会社の選び方について、詳しくお伝えしています。

注意点についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

【賃貸管理会社の選び方】初心者でも失敗しない3ステップと注意点

5-2. サブリース会社を選ぶポイント

サブリース会社を選ぶときのポイントは、「5.1委託管理する賃貸管理会社を選ぶポイント」に加え、以下を重視しましょう。

サブリース会社を選ぶポイント
・財務体質が健全である
・保証料や管理委託手数料
・原状回復費用などが明示されている
・賃料見直しの時期はいつか
・「免責期間」はどのくらいか、「再免責期間」はあるか

前提として財務体質が健全でなければ、経営状況の悪化によって倒産する可能性があります。

サブリース会社が倒産すると、予定していた賃料が得られなくなってしまうだけでなく、銀行との関係の悪化が懸念されるため注意しましょう。

またサブリース会社には「免責期間」が1~3か月ほどあり、新しい入居者を募集する期間は家賃保証がありません。

「再免責期間」が設定されているサブリース会社であれば、入居者が退去するたびに免責期間が発生するので、契約前に必ず確認してください。

以下の記事ではサブリース会社との契約を考えるときに、確認すべき内容についてお伝えしています。

複数のサブリース会社を比較検討する重要性についても、おわかりいただける内容となっていますので、ぜひご覧ください。

【契約前に】なぜサブリースは解約できない?理由や解約手順を解説


6. 賃貸管理の種類にお悩みの方はまずはルーム・スタイルへご相談ください

賃貸管理の種類について、委託管理もしくはサブリースを選択する場合の契約先の選び方についておわかりいただけたかと思います。

実は、弊社ルーム・スタイルは委託管理とサブリース、どちらも請け負っている賃貸管理会社です。

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7. まとめ

賃貸管理をする3つの種類について、詳細をお伝えしました。

最後に賃貸管理の種類について、メリット・デメリットを含めて振り返ってみましょう。

◎賃貸管理の種類は、自主管理と委託管理・サブリースの3つがあります。

◎委託管理のメリット・デメリットは、以下です。

委託管理のメリット委託管理のデメリット
・手間がない
・プロに委託できるので安心感がある
・遠方の物件を所有できる
・コストがかかる
・賃貸管理会社によって管理の質が変動する
・入居者や建物の状況を把握しにくい

◎自主管理のメリット・デメリットは、以下です。

自主管理のメリット自主管理のデメリット
・コストがかからない
・賃貸経営のノウハウを得られる
・入居者や建物の状況を把握しやすい
・手間がかかる
・クレーム対応を自分でする必要がある
・常に勉強する姿勢が必要

◎サブリースのメリット・デメリットは、以下です。

委託管理のメリット委託管理のデメリット
・空室や滞納リスクを回避できる
・広告料の負担がない
・確定申告の手間が少ない
・管理事務をすべて任せられる
・一般的な賃貸契約より賃料が安い
・入居者を選択できない
・オーナーからの解約は難しい
・更新料や敷金
・礼金が受け取れない

◎賃貸管理の種類を「委託管理」「サブリース」にするときのポイントは、以下のとおりです。

委託管理する賃貸管理会社を選ぶポイント(サブリース会社を選ぶときも共通)
・豊富な実績がある
・事業計画や修繕計画などの詳細を伝えてくれる
・周辺地域や入居者層などのリサーチや分析、情報収集を怠らない
・客付け力が高い・契約前に保証範囲や条件などをリスクを含めて説明してくれる
・担当者とのやりとりがスムーズかつ的確である
サブリース会社を選ぶポイント
・財務体質が健全である
・保証料や管理委託手数料
・原状回復費用などが明示されている
・賃料見直しの時期はいつか
・「免責期間」はどのくらいか、「再免責期間」はあるか

本記事があなたの賃貸管理の種類を選ぶときに、参考になると幸いです。

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