【賃貸管理会社の選び方】初心者でも失敗しない3ステップと注意点

「はじめて賃貸管理会社を選ぶけれど、何を基準に選べばいいのだろう?」

このような疑問は、賃貸経営を始める方にとって、共通のものです。

賃貸住宅市場は日々変化しています。賃貸管理会社の選び方次第で、リターンもリスクも大きく変動することを知っておきましょう。

適切な会社を選ぶことが、賃貸経営の成功に直結します。間違った選択は、収益性の低下や管理上のトラブルにつながる恐れがあります。

この記事では、初めて賃貸管理会社を選ぶ方にもわかりやすく、賃貸会社の選び方を5つのステップでご紹介します。

  • 【ステップ1】賃貸管理会社選びの重要性を理解する
  • 【ステップ2】どの部分の管理業務を委託するか検討する
  • 【ステップ3】賃貸管理会社の候補を選定する

賃貸管理会社の種類や評価基準、選定時の注意点など、具体的な情報をご提供します。賃貸管理会社選びの要点を理解し、自身の賃貸経営を成功に導くためにお役立てください。

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1. 【ステップ1】賃貸管理会社選びの重要性を理解する

最初のステップは、「賃貸管理会社選びの重要性を理解する」です。

まず、賃貸管理会社の選び方の重要性とその理由を、明確に理解しておくことが大切です。

この点がなおざりになっていると、安易な選び方をしてしまい、後悔することになりかねません。

以下のポイントを確認していきましょう。

  1. なぜ賃貸管理会社選びは重要か
  2. 選び方を誤るとどうなるか
  3. リスク回避とリターン最大化の2つの視点

1-1. なぜ賃貸管理会社選びは重要か

なぜ賃貸管理会社の選び方が重要なのかといえば、一言でいえば、賃貸経営の成否に直結するからです。

具体的に成否に関わる点を挙げると、以下のとおりです。

【賃貸管理会社選びの重要性】

  • 収益性の確保:適切な賃料設定と効率的な空室対策により、物件の収益性を高めます。
  • トラブルの予防と対応:経験豊富な管理会社は、入居者とのトラブルを未然に防ぎ、問題を迅速に解決します。
  • 物件の維持・向上:定期的なメンテナンスや修繕により、物件の価値を維持し、向上させます。
  • 法令遵守:法令や規制に精通している管理会社を選ぶことで、法的な問題を避けられます。
  • 時間と労力の節約:物件管理に必要な時間と労力を、管理会社が負担することで、オーナーの負担を軽減します。
  • 専門知識の活用:賃貸市場や不動産管理に関する専門知識を持つ管理会社は、賃貸経営の健全化に貢献します。

適切な管理会社を選ぶことは、物件の長期的な成功とオーナーの利益最大化に、大きな影響を与えていることがわかります。

1-2. 選び方を誤るとどうなるか

では、選び方を誤ると、どうなるのでしょうか。賃貸管理会社の選択を誤ると、賃貸経営における多くのリスクが生じます。

【管理会社選択の誤りがもたらすリスク】

  • 入居者の質の低下:適切なスクリーニングが行われず、トラブルを起こす可能性のある入居者が選ばれることがあります。
  • 収益の減少:適切な賃料設定や空室管理が行われず、収益が最大化されません。
  • 物件のメンテナンス不足:定期的なメンテナンスや迅速な修理が行われず、物件の価値が低下します。
  • コミュニケーションの問題:入居者やオーナーとのコミュニケーションが不十分で、問題が発生したときの対応が遅れます。
  • 不透明な費用:管理費やその他の費用の使途が不明瞭で、予期せぬ追加費用が発生することがあります。
  • 契約トラブル:契約内容が適切に管理されず、法的なトラブルに発展するリスクがあります。
  • 時間と労力の増加:管理会社が不適切な場合、オーナー自身が問題解決に時間と労力を割かなければならなくなります。

不適切な管理会社を選んでしまうと、賃貸経営の安定性が脅かされ、オーナーの時間的・経済的な負担が増大してしまいます。

「どの管理会社を選んでも、たいして差は出ないだろう」
と甘く見ている方もいますが、実際のところ、賃貸管理会社による差は、大きく存在します。

1-3. リスク回避とリターン最大化の2つの視点

賃貸管理会社を選ぶ際、「リスク回避」「リターン最大化」の両方の視点を考慮することが重要です。

リスク回避では、法令遵守やトラブル対応力が中心となります。これには、法令に基づく契約書の作成や入居者からのクレーム対応が含まれます。

一方、リターン最大化では、入居者募集の効率性や管理手数料の妥当性が鍵となります。効果的な入居者募集戦略や適切な料金設定により、高い入居率と収益を目指すことができます。

これらを実現するのは「質の高い管理」です。

管理手数料の安さやブランドだけで管理会社を選ぶのは、失敗しやすいやり方です。オーナーの視点を重視し、そのニーズに応える管理会社を探し出すことが、賃貸管理会社選びの目指すところです。

この点を明確にはっきりと認識しておくと、管理会社の選びが、首尾よくできるようになります。


2. 【ステップ2】どの部分の管理業務を委託するか検討する

次に、どの部分の管理業務を委託するか、具体的に検討していきます。このセクションでは、以下のポイントを確認していきましょう。

  1. 賃貸管理業務の内容
  2. 賃貸管理会社の3つの形態

2-1. 賃貸管理業務の内容

まず、賃貸管理の内容を確認します。

賃貸管理業務は大きく2つに分けられます。「入居者対応」「建物管理」です。

【入居者対応】

  • 空室募集
  • 賃貸契約手続き更新手続き
  • 家賃の集金
  • 各種問い合わせクレーム対応
  • 修理の手配
  • 近隣トラブル対応

【建物管理】

  • 電気水道エレベーターなどの設備点検
  • 点検結果を踏まえて必要な修繕の実施
  • 共用部分の清掃維持保全

後者の “建物管理” にあたる部分は、物件の種類によって考え方が異なります。

以下に参考ケースを掲載しますので、ご自身に該当するケースを中心にご確認ください。

2-1-1. 賃貸アパートまたは賃貸マンション

賃貸アパートや賃貸マンションの場合は、専有部分および共用部分に対して、日常的な定期清掃・点検・不具合対応・損傷部分の修繕などが生じます。

どの範囲まで、管理会社に委託するかどうかは、さまざまなパターンがあります。

出典:国土交通省「賃貸住宅管理業法 制度概要ハンドブック」

出典:国土交通省「賃貸住宅管理業法 制度概要ハンドブック」

2-1-2. 分譲マンションの一室

分譲マンションの一室で賃貸経営を行う場合は、専有部分のみに対して、日常的な不具合対応や損傷部分の修繕の管理業務が生じます。

出典:国土交通省「賃貸住宅管理業法 制度概要ハンドブック」

2-1-3. 賃貸の戸建て

賃貸の戸建ての場合は、居室のほかに、設備、屋根・外壁・基礎などの管理業務も生じます。

出典:国土交通省「賃貸住宅管理業法 制度概要ハンドブック」

上記のうち、すべてを管理会社に委託するのか、それとも一部を自主管理とするのか、明確にしましょう。

管理会社に委託する業務をリストアップして、文書として明文化しておくと、この後の管理会社とのやり取りがスムーズになります。

2-2. 賃貸管理会社の3つの形態

「賃貸管理会社」と呼ばれる企業は、大きく3つに分けられます。仲介専門会社、仲介管理会社、管理専門会社です。

結論からお伝えすると、副業として賃貸経営をされる方・兼業大家の方は、2つめの「仲介管理会社」に委託するのが一般的です。

以下でそれぞれ見ていきましょう。

2-2-1. 仲介専門会社

1つめの「仲介専門会社」は、賃貸物件の仲介業務のみを行う会社のことです。

【仲介専門会社の特徴】

  • 機能:入居者募集と入居者の仲介に特化しています。オーナーと入居希望者をつなぐ役割を担います。
  • 業務:入居者募集、内見の手配、賃貸契約の締結など、入居者を確保するための業務を行います。
  • 適性:入居後の管理は自分で行いたいが、物件の空室対策や新しい入居者の獲得は委託したいオーナーに適しています。

仲介に特化しているため、客付け力は強い傾向にあります。しかし、サポートを受けられるのは入居契約までです。

入居後に生じる入居者対応および建物管理は、オーナーが自分で行う必要があります。

2-2-2. 仲介管理会社

2つめの「仲介管理会社」は、仲介業務に加えて、入居者対応や建物管理も行います。

【仲介管理会社の特徴】

  • 機能:仲介と管理の両方の機能を持つ会社です。入居者の募集から物件の日常管理まで幅広いサービスを提供します。
  • 業務:仲介専門会社の機能に加えて、入居者対応、賃貸契約の管理、定期的なメンテナンスなど、物件のトータル管理を行います。
  • 適性:物件の募集から維持管理までを一括して任せたいオーナーに最適です。

大家としての業務を一括して管理会社へ委託できるので、オーナー自身がかける労力を最小化できます。

とくに、賃貸経営をスタートして日が浅い方は、専門家に管理をまかせることで、さまざまなリスクを回避しやすくなります。

2-2-3. 管理専門会社

3つめの「管理専門会社」は、入居者募集は行わず、既存の入居者対応と建物管理を行う会社です。

【管理専門会社の特徴】

  • 機能:物件の日常管理に特化した会社です。入居者の募集は行わず、既存の入居者の管理や物件の維持に注力します。
  • 特徴:入居者からの問い合わせ対応、修繕やメンテナンスの手配、賃貸契約の更新などの業務を行います。
  • 適性:既に入居者がいる物件の、継続的な管理を重視するオーナーに適しています。

分譲マンションの一室や戸建ての賃貸で、入居者がすでに見つかっている場合などは、管理専門会社も選択肢となるでしょう。


3. 【ステップ3】賃貸管理会社の候補を選定する

委託したい業務内容がイメージできたら、賃貸管理会社の候補を選定していきます。

  1. リストアップ
  2. 評価とランク付け
  3. 問い合わせ
  4. 面談とプランの検討

3-1. リストアップ

まず、候補となり得る賃貸管理会社を、リストアップしましょう。

物件の所在地がサービス対応範囲となっている管理会社のうち、委託したい業務を提供している管理会社を探して、書き出していきます。

エクセルやスマホのメモ帳など、自分にとって見返しやすくわかりやすいツールを使うのがおすすめです。

探し方は、Googleで「地名 + 賃貸管理会社」と探す(例:[東京都府中市 賃貸管理会社])ほか、全国賃貸住宅新聞が毎年公表している、賃貸管理会社の「管理戸数ランキング」も参考になります。

以下に2023年版のランキングページへのリンクを掲載します(一部有料のみ)。

3-2. 評価とランク付け

候補となる賃貸管理会社をリストアップしたら、それぞれの管理会社を評価して、ランク付けしていきましょう。

候補となる管理会社の特性を理解し、それぞれの強みと弱みを比較することで、最適な選択が可能となります。

評価基準は、それぞれの状況によっても異なりますが、とくに重要なポイントを以下に挙げます。

【評価基準】

  • 客付け力:管理会社の入居者募集能力は、賃貸物件の収益性に直結します。自社サイトおよびポータルサイトでの物件掲載を行っているか、掲載コンテンツのクオリティが高いか、独自ルート(グループ会社経由など)を持っているか、などを確認しましょう。
  • 空室対策のノウハウ:空室期間の短縮は、収益の安定化に不可欠です。マイソク(物件資料)の作り方や市場動向を踏まえた賃料設定、ときにはリフォームなども見据えた提案など、空室対策に対して強みがありそうか、確認します。
  • 保証サービスの充実度:できる限りリスクを最小限にするためには、保証サービスが重要です。たとえば、延滞保証・更新料保証・死亡保証など、どのような保証サービスが付随しているのかチェックしましょう。
  • DXの推進度:DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が遅れている管理会社は、今後の客付け力の弱体化やコスト増が予測されるため、回避します。バーチャル内見やAI導入など、積極的にデジタル技術を取り入れている管理会社を高評価としましょう。
  • 企業としての信頼性:企業概要ページをチェックし、宅地建物取引業者の免許証番号、賃貸住宅管理業者登録番号、所属団体(全日本不動産協会など)、取引先企業などを確認しましょう。大手企業と多く取引している会社や、設立から10年以上の実績がある会社は、信頼性が高いと評価できます。

評価の際には、口コミなどの評判も参考になります。

ある程度の実績ある管理会社であれば、社名で検索すると、Googleに投稿された口コミが表示されます。

口コミ評価のレートや、その内容も参考にしながら、管理会社を選定していきます。

3-3. 問い合わせ

5〜6社まで絞り込みができたら、Webサイトの問い合わせフォームなどから、候補の管理会社へ問い合わせを行います。

問い合わせの際、今抱えている課題や悩みがあれば、率直に伝えることをおすすめします。その後のやり取りによって、自分に合う会社か否かを、判断しやすくなるためです。

【問い合わせを通じてチェックしたいポイント】

  • 返答のスピード:迅速な対応は、管理会社の業務効率とオーナーおよび入居者サービスへの取り組みを反映します。問い合わせ後の返信までの時間を確認しましょう。
  • オーナー目線の提案力:オーナーの立場に立った提案ができるかどうかは、管理会社の理解度と専門性を示します。具体的かつ実用的な提案があるかを見極めます。
  • コミュニケーションの取りやすさ:問い合わせのやり取りから、コミュニケーションのスムーズさを感じられるかどうかを確認します。対応の丁寧さや、質問への的確な回答がポイントです。

3-4. 面談とプランの検討

問い合わせを行った中から、好感触だった管理会社を2〜3社以下に絞り込み、面談を行います。

面談方法は、訪問とオンラインのどちらかを選べる会社が多いので、担当者に確認しましょう。

面談を通じて、具体的なプランをどうするか、費用がいくらかかるかを、明確にしていきましょう。

用意されているプランは、管理会社によって異なります。

参考までに、弊社ルーム・スタイルでは、「募集のみプラン」「総合管理プラン」「移管プラン」「サブリースプラン」を準備しています。

賃貸管理にかかる費用の相場は、《総賃料の5%程度》です。実際には、管理会社によって、3%〜8%程度の幅があります。

できる限り出費は抑えたいところではありますが、3%以下の安さを追求しても、賃貸管理の質が伴わないケースが多くなります。

相場の範囲であれば、管理の質やプラン内容を重視して選ぶことをおすすめします。

3-5. 補足:管理会社を決定した後の流れ

補足として、賃貸管理会社を決定した後の流れを見ておきましょう。

一例として、弊社にご依頼いただいた場合のフローをご紹介します(募集・管理・リフォームまでワンストップでお請けするプランの場合)。

実際には、選定した管理会社や物件の状況、プランなどによって異なりますが、参考にご覧ください。


4. 賃貸管理会社の選び方に失敗しないための注意点

最後に、賃貸管理会社の選び方に失敗しないために注意したいポイントをお伝えします。

  1. 管理手数料の安さやブランドだけで選ばない
  2. どのような保証がついているか確認する

以下でそれぞれ見ていきましょう。

4-1. 管理手数料の安さやブランドだけで選ばない

1つめの注意点は「管理手数料の安さやブランドだけで選ばない」です。

賃貸管理会社選びでは、管理手数料の安さやブランド名に惑わされず、総合的なサービスの質を重視することが肝心です。

低コストのサービスが必ずしも最適解とは限らず、ときには収益性の悪化を招きかねません。

たとえば、手数料が安い会社を選んだ結果、サービスの質が低く、入居者の満足度が下がり、空室率が上昇するケースがあります。

また、名の知れた大手の管理会社であっても、個々の物件に最適なサービスを提供しているとは限りません。

サービスの質、対応の速さ、地域における実績など、多角的な視点で管理会社を評価することが重要です。

4-2. どのような保証がついているか確認する

2つめの注意点は「どのような保証がついているか確認する」です。

管理会社を選ぶときには、収益を最大化する攻めの視点だけでなく、「“いざというとき”に、どのようなサポートを得られるか?」という守りの視点も、大切にしましょう。

たとえば、弊社の総合管理プランの場合、以下の6つの保証でサポートしています。

1. 滞納保証万一、賃料等の滞納があった際でも、弊社からオーナー様への送金を止めることはございません。賃貸中ずっと安心して管理をさせていただきます。

2. 更新料保証万一、更新時に賃借人様から更新料の支払いがない場合でも、オーナー様ご取得分の更新料を保証いたします。

3. 死亡保証居室内で賃借人様の孤独死、自殺、犯罪死が発生した場合の損害を補償いたします。

4. 原状回復保証賃借人様の入れ替え時に行う原状回復工事の内、賃借人様負担分の支払いがない場合でも、その費用を保証いたします。

5. 早期解約違約金保証建物賃貸借契約書に早期解約義務違反の特約がある場合は、賃借人様が負担すべき違反金を保証いたします。

6. 明渡訴訟費用保証建物賃貸借契約解除に関わる通知費用、支払督促、訴訟など法的手続に必要な費用を保証いたします。

※なお、上記保証の上限や期間などの制限に関して詳細は、こちらのお問い合わせフォームよりお問い合わせください。


5. まとめ

本記事では「賃貸管理会社の選び方」を、3つのステップで解説しました。

  • 【ステップ1】賃貸管理会社選びの重要性を理解する
  • 【ステップ2】どの部分の管理業務を委託するか検討する
  • 【ステップ3】賃貸管理会社の候補を選定する

賃貸管理会社の選び方に失敗しないためには、以下にご注意ください。

  • 管理手数料の安さやブランドだけで選ばない
  • どのような保証がついているか確認する

弊社ルーム・スタイルでは、高品質の管理業務をリーズナブルな管理委託費でご提供しています。

管理会社を選定中の方は、弊社も選択肢のひとつとして、ご検討いただければ幸いです。詳しくはこちらの「「早く」「高く」貸すならルーム・スタイル」のページより、ご確認ください。

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